『アリー/ スター誕生』(135分 米)

2018公開
映画『アリー/ スター誕生』ブルーレイ&DVDリリース
映画『アリー/ スター誕生』ブルーレイ&DVDリリース。5.22ブルーレイ&DVD発売 レンタル同時開始 4.3【先行】デジタル配信

『アリー/ スター誕生』
 原題 A Star Is Born

レディー・ガガにどっぷり浸れる映画。ガガがこの映画で勝負しているのが実感できる。確実に“獲り”に行っている。

レディー・ガガ150パーセント、フルスロットル。病気「線維筋痛症」に負けずに生きている姿には感動を覚える。

 アーチストを主演にした映画製作は難しいと改めて痛感した作品だった。この映画を観る前は、おそらく普通の女の子がスターになって行くシンデレラストーリーを予定調和のごとく、挑戦、格闘、失意、勇気、再起、成功を交えながら、更に恋模様を加味して、涙たっぷりの演出で仕上げているのだろうと思った。もちろんハッピーエンドとして。しかしながら映画全般がレディー・ガガ一色に染まってしまった。それが本当に勿体無い。惜しい。冒頭で書いた難しいとはこのことだ。一言で言ってしまえば150分丸々レディー・ガガのプロモーション映像になってしまっている。彼女を好きなファンならたまらない一品になると思う。

 おそらくこの映画を監督したブラッドリー・クーパーはもっと違う物語にしたかったのではないだろうか。もちろんこの作品は三度目のリメイクだから過去作品の上擦りになってはいけないというプレッシャーもあっただろう。しかしながらレディー・ガガと言う大スターを主演に迎えたばかりに遠慮がちな演出になっているように見える。そりゃそうだ。ガガにしても絶対に落とせない映画だ。前作のバーブラ・ストライサンドが印象が強すぎる。

男と女の出会いは必然だった。突然始まった恋は激しく燃え盛るが、その炎は静かに消え入るのかそれとも一瞬で消えるのか。

 ストーリーはこうだ。アメリカでカントリーミュージシャンとして成功しているジャック。ふと訪れたライブハウスでアマチュアシンガーのアリーと出会う。二人はあっと言う間に恋に落ちる。ジャックには問題があった。幼少より耳が悪く、次第に聴力を失う恐怖。それと酒の問題。だがジャックの良いところはお人好しなのか、街角で拾った普通の女の子をスターに導いていくところだ。日本的に言えば利他の心だ。当初は何も求めていなかっただろう。そしてエリーはトントン拍子にスターになってゆく(ほとんど苦労しない)毛虫だった少女が見事な蝶へと変身するのだ。

 一方でジャックはエリーに嫉妬を覚える。更に心身共に破綻していく。自ら破綻していくその原因は酒とドラッグだ。特に酒、ジャックは酒が止められない。エリーのアルバムはグラミー新人賞を獲得する。授賞式でジャックは大失態を犯す。やがてジャックはリハビリ施設に入りアルコール依存症治療を受ける。退院してエリーと再び暮らし始める。しかしジャックは…。そんな物語だ。

 映画の終盤、復活したかに見えたジャック。ライブに行こうか行かまいかを表す心情風景が切ない。『ミリオンダラー・ベイビー』のイーストウッドが消える場面と被った。ジャックの結末をとてもうまく表現している。素晴らしい。

ブラッドリー・クーパーは色男だ。イーストウッドの跡を継ぐ映画人になるだろう。次作が楽しみだ。

 監督・脚本はブラッドリー・クーパー。彼の初監督作品だ。彼の経歴を見ると監督をやるのは宿命に感じる。デヴィッド・O・ラッセル作品に二本たて続けに出演し、レジェンド、クリント・イーストウッドの『アメリカン・スナイパー』の主演をやった。本作は素晴らしかった。おそらく彼はイーストウッドが好きだろう。将来的にはイーストウッドのような映画人を目指しているのではと推測できる。イーストウッドの処女作の『恐怖のメロディー』は今観ても素晴らしい。それと比べるとしょっぱいデビュー作になったのではないだろうか。

 監督主演で成功したのはチャールズ・チャップリン、オーソン・ウエルズ、ウディ・アレン、そしてレジェンド、クリント・イーストウッド。ブラッドリー・クーパーはプロデュースにも興味がありそうなので今後の彼の動向に注目したい。

ウイキペディアより引用

A Star Is Born
監督 ブラッドリー・クーパー
脚本
エリック・ロス
ブラッドリー・クーパー
ウィル・フェッターズ
原作 ウィリアム・A・ウェルマン
『スタア誕生』
製作
ブラッドリー・クーパー
ビル・ガーバー(英語版)
ジョン・ピーターズ
トッド・フィリップス
リネット・ハウエル・テイラー
製作総指揮
バジル・イワニーック
ラヴィ・D・メータ
ヘザー・パリー
マイケル・ラピーノ
出演者
ブラッドリー・クーパー
レディー・ガガ
サム・エリオット
アンドリュー・ダイス・クレイ
デイヴ・シャペル
撮影 マシュー・リバティーク
編集 ジェイ・キャシディ
製作会社
メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
Peters Entertainment
Gerber Pictures
Joint Effort
配給 ワーナー・ブラザース映画
公開 イタリア  2018年8月31日 (VIFF)
アメリカ合衆国  2018年10月5日
日本      2018年12月21日
製作国 アメリカ合衆国 アメリカ合衆国
言語 英語
興行収入 $369,718,597[3]