サイモン・ベイカーの初監督映画『ブレス あの波の向こうへ』サーフィン通して友情、恋、青春の素晴らしさを描く。ベン・スペンスとリバー・フェニックスの相違。ネタバレ・あらすじ・感想・評価

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[映画]ブレス あの波の向こうへ 公式サイト
あの波を越えて、僕らは大人になる。 インディペンデント映画オーストラリアNo.1ヒット! サーフ文学の金字塔を映画化! 7/27(土)新宿シネマカリテほか全国順次公開!
映画『ブレス あの波の向こうへ』予告編

『ブレス あの波の向こうへ』115/オーストラリア/2017
原題『Breath

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映画『ブレス あの波の向こうへ』のオススメ度は?

3.5

3つ半

とてもいい映画です。

サイモン・ベイカー初監督作品はとても作家性の強い映画です。

『スタンド・バイ・ミー』を思い出しました。

エリザベス・デビッキの演技が素晴らしい。

何よりベン・スペンスに惚れました。

恋人と観に行ってください。

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映画『ブレス あの波の向こうへ』の作品概要

サイモン・ベイカーの初監督作品。オーストラリアを代表する作家ティム・ウィントンによる自伝的小説「ブレス 呼吸」を原作に映画化。サーフィンと出会い、夢中になり、友情、恋を通して大人へと成長していく少年たちの姿が描かれる。

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映画『ブレス あの波の向こうへ』のあらすじ・ネタバレ

オーストラリア西南部にある小さな町が舞台。ちょっと内気で臆病なパイクレットと怖いもの知らずのルーニー。何もやることのない退屈な日にサンドーという男に出会い、サーフィンを教えてもらう。二人は一気にサーフィンの虜になる。またサンドの魅力にも惹きつけられる。大波を求め3人はサーフィンを通して友情を深めていく。しかし臆病なパイクレットは波に乗れなかった。それが引き金となって3人の関係に変化が起きる。

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映画『ブレス あの波の向こうへ』の感想・評価・内容・結末

ベン・スペンスにリバー・フェニックスを重ねてしまう期待

この映画を観ながら思い出した俳優がいる。リバー・フェニックスだ。若くして亡くなったスターだ。彼の登場は鮮烈だった。

寂しげな顔とちょっとひねくれた仕草がジェームス・ディーンの再来と言われた。本映画には二人の若い少年が出ている。サムソン・コールターとベン・スペンスだ。

私がフェニックスと重ねたのは後者のスペンスだ。まず彼の佇まいが良い。そして荒削りな演技が最高だ。

何よりも世界を斜に見ているのが良い。心を許すこともない雰囲気だ。刃物だ。下手に触ると切られそうだ。

一方のコールターは正統派の俳優という感じで、このバランスがとても良いと思う。

サイモン・ベイカー初監督作品は俳優としては抑え気味な演技

主人公はコールター演じるパイクレットだが、スペンス演じるルーニーに対しての感情移入の方が勝ってしまった。

監督はサンド演じるサイモン・ベイカーだが、やはり自身の初監督作品なのか、演技はお利口さんになってしまっている。それはそれで良いかもしれない。

この3人のキャラクター設定がとても上手く成り立っている。だからこそ関係性も良かったのだが、一旦、壊れるともう戻れなかった。

若い頃の退屈な時間は特別な出会いの前触れとも言える

映画はオーストラリアの西南部の街を舞台に展開していく。毎日、何もやることのないパイクレットとルーニーがサーフィンと出会い、熱中し、大人になっていく物語だ。

その過程で友情、恋、家族、学校との関係性の一つ一つが小さな波風を立てながら過ぎていく

まずは二人の固い友情。生まれも育ちも互いに労働者階級である。パイクレットの家族は温和だがルーニーの父親はDV野郎で、度々パイクレットの家に逃げてくる。

何か刺激を求めるのが若さという罪でもある

そして二人ともこの街や学校に飽き飽きしており、何か刺激が欲しいという点で一致している。

パイクレットが臆病なのに対してルーニーは怖いもの知らずで後先考えず行動する。パイクレットはそんなルーニーが好きなのだろう。そしてルーニーは何でもうまくやってのけるパイクレットに嫉妬しながらも信頼感を寄せている。

二人の前で神様が「サーフィン」の扉を開けた

高校生くらいになると将来について考えるようになる。漠然とした不安という言葉があるが、これは退屈すぎるほど平凡な生活を送っていると訪れる。

でも平凡であることは平和である証拠だ。少年たちには平和な高校生活など興味ない。何か面白いことが起きればそれでハッピーなのだ。

そして二人の前に「サーフィン」が現れた。サンドという世界的にも有名なサーファーだ。彼を神様のように崇める二人の目は印象的だ。

3人はサーフィンで友情を育んでいく。もう明日の波のことしか頭にない。学校から帰るとすぐビーチだ。どんどん腕を上げていく。

パイクレットとルーニーは対照的な性格もあって、、、

サンドは危険とスリルを追い求め強烈な大波に二人を連れ出す。度胸試しだ。

ある大波の場面でパイクレットとルーニーの運命が決裂する。臆病なパイクレットは波に乗れない。ルーニーは巨大な波を乗りこなす。

ここで二人の友情は終わったと言える。以後はパイクレットは海から遠ざかり、ルーニーは海で生きる。

初めての経験がパイクレットの運命を変える大人への入り口

さて、映画の中でパイクレットの恋物語が二つ登場する。一つ目は同級生の女の子。でもそれはサーフィンに夢中になり過ぎて終わる。

もう一つはサンドの妻であるイーヴァ演じるエリザベス・デビッキとの不倫である。これはサンドとルーニーがインドネシアへ出かけてる間に起きた恋だ。

でも鬼の居ぬ間の恋であるからちょっとズルい気もする。初めての性体験が年上の女性でパイクレットはもう骨抜きにされてしまう。

毎日、学校が終わるとイーヴァの元へ直行し情事にふける。サルのようだ。案の定、子供が出来てしまう。

エリザベス・デビッキの究極的、狂気的な美しさはナンバーワンだ

エリザベス・デビッキの雰囲気がとても良い。今、一番脂が乗っているの時期ではないだろうか。

妖艶というか、悪女感が半端ない。直球でくる感じではなく、うっすらとしたレースのカーテン越しに伝わってくるのだ。そして引き込まれてしまう。

行っちゃダメだとわかっているけど、逃れられなくなったパイクレットの気持ちもわかる。とにかく恐ろしいほど「美しい」としか言いようがない。

情事を得てパイクレットは大人のズルさも知ってしまった

帰国したサンドは妊娠したイーヴァを見て気が付いただろう。「子どもが出来て嬉しい」とパイクレットに告げた。もちろんパイクレットを責めない。

ただこの場面でサンドがルーニーのことを悪くいう描写があるところがちょっと難解だった。一直線なルーニーと違ってパイクレットはちょっと卑怯だと感じた。

友人であり師匠でもあるサンドの妻を寝取り、妊娠させて、逃げるようにサンドから距離を置く

「もうサーフィンなんで卒業だ」との目をしている。イーヴァとの情事がバレてサンドからの制裁を恐れているのだ。何とも小さな男だ。

サーフィンに夢中になった日々は帰ってこないが、、

その後の二人はテキストで紹介された。パイクレットは普通に成長し社会人になり、昔のことを懐かしく、いや後悔の念を持って生きている。

一方、ルーニーは自分の生き方を通してドラッグで死んだサーフィンをやり続けて死んだのだから後悔はないだろう。

イーヴァとサンドはきっと子どもと幸せに暮らしていると願う。

パイクレットは友情、恋と経験し家族ともうまくやって大人になったのに対して、ルーニーは破滅的だった。そこに惹かれる人も多いだろう。

冒頭にリバー・フェニックスのことを書いたのはまさしくこの生き方に共鳴したからだ。

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映画『ブレス あの波の向こうへ』まとめ 一言で言うと!

友情とは最高の情熱である。捨てるにしても最後に捨てるべき情熱である!

本映画はパイクレットの視線で描かれている。成長したパイクレットは過去を思い出しちょっと後悔しているのだろう。若い時に友情を裏切ってしまったから。ただそれが若さの魅力でもある。いつまでも過去の念に気持ちを寄せていても何も始まらない。前進しなければ。

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映画『ブレス あの波の向こうへ』の作品情報

映画.comより一部引用

スタッフ
監督
サイモン・ベイカー
製作
マーク・ジョンソン
サイモン・ベイカー
ジェイミー・ヒルトン
製作総指揮
トム・ウィリアムズ
デイブ・ハンセン
ジョニー・マック
ローラ・リスター
原作
ティム・ウィントン
脚本
ジェラルド・リー
サイモン・ベイカー
ティム・ウィントン
撮影
マーデン・ディーン
美術
スティーブン・ジョーンズ=エバンズ
衣装
テリ・ラメラ
編集
ダニー・クーパー
音楽
ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
キャスト
サイモン・ベイカーサンドー
エリザベス・デビッキイーヴァ
サムソン・コールターパイクレット
ベン・スペンスルーニー
リチャード・ロクスバーグパイク氏
レイチェル・ブレイクパイク夫人
作品データ
原題 Breath
製作年 2017年
製作国 オーストラリア
配給 アンプラグド
上映時間 115分
映倫区分 PG12
ハッシュタグ
#ブレスあの波の向こうへ