近代映画の伝説 『俳優 クリント・イーストウッド』 『映画監督 クリント・イーストウッド』 『プロデューサー クリント・イーストウッド』

この時代にクリント・イーストウッドと生きる機会を与えられた私は何て幸運なのだろう。イーストウッドは最早、映画製作者だけではない。映画を通して現代世界で生きる人間の在り方を説いている。いやこれだけの説明だと陳腐すぎる。イーストウッドの深い思想は人間はなぜ産まれて、なぜ生きて、なぜ死ぬのかについて訴え続けている。いや、これだけでも陳腐すぎる。何かもっとわかりやすい言葉はないかと探すのだが、語彙力が少ないので浮かんでこないのが情けない。だから映画を観るのだ。言葉にできないが、強烈なメッセージが絶えず発せられているのだ。

今、イーストウッドの新作『運び屋』が公開された。この映画を観るためにイーストウッドの全作品を観ている。もう何十年前に製作されて作品の数々から新たな発見を次々としている。どれもが現代世界にも、そして私自身の生き方にも重なる。人間とは何と愚かな生き物であるのか、いや何て素敵な生き物であるかも教えてくれる。

今一度、『クリント・イーストウッド』を観てみたい。

クリント・イーストウッドが映画なのである。

 

クリント・イーストウット作品

映画『ガントレット』はクリント・イーストウッドとソンドラ・ロックの青春恋愛ロードムービーだ。燃え盛る恋の炎が激しい

1977年製作の映画。おそらくではあるが、この時期のクリント・イーストウッドが一番勢いがあったのではないだろうか。やりたい放題だ。企画も何でも通っていたのだろう。恋人ソンドラ・ロックを主演に迎え、車、バイク、拳銃を振り回し男としても魅力を全開している。映画を用いてソンドラ・ロックに愛する気持ちを伝えているようだ。青春映画です。
クリント・イーストウット作品

クリント・イーストウッド監督『センチメンタルアドベンチャー』映画は息子カイル・イーストウッドに父親として愛情を注ぐ涙溢れる映画だ。

『センチメンタルアドベンチャー』 原題 『Honkytonk Man』(122分/米/1982) イーストウッドにとってこの作品を作った意味を考えながら観ると感慨深い。 カイル・イーストウッドが父親から受けたもの この作品はイー...
クリント・イーストウット作品

クリント・イーストウッド実話作品シリーズ『ハドソン川の奇跡』は法廷物語である。ネタバレ、評価、結末。

クリント・イーストウッドの挑戦は終わらない。前作の『アメリカン・スナイパー』では反戦を訴えた。本作も実話であるが、一人のパイロットを取り巻く人間模様を如実に描いている。裁判もの。法廷ものとも言える。パイロットは英雄か悪魔か。なぜ有罪に導こうとするのかも見えてくる。しかしアメリカ国民全員が応援し、最良の結果を見出す。
クリント・イーストウット作品

クリント・イーストウッド監督『アメリカン・スナイパー』実話は映画史上最高傑作の反戦映画である。ネタバレ、感想、評価

クリント・イーストウッドは多くの戦争映画を制作している。西部劇作品も一貫して戦争映画だ。『許されざる者』『ミスティック・リバー』『ミリオンダラー・ベイビー』も戦争映画だ。そして本作はおそらくイーストウッド自身ストレートに描いた最高傑作の反戦映画であると言える。事実、アメリカの戦争映画の興行収入の記録を作った。そこに反戦の事実がある。
クリント・イーストウット作品

クリント・イーストウッド監督『J・エドガー』は実話。米大統領を操った男である。ケネディーの死にも関与している。ネタバレ、感想、評価。

『J・エドガー』(138分/米/2011) 原題『J. Edgar』 アメリカの近代史はJ・エドガー無しには語れない。功績も大きいが非難の声もある。 約50年、FBI長官を務める。情報収集に全力をかけた人生。 ジョン...
クリント・イーストウット作品

『ダーティーハリー4』はシリーズで一番のヒット作品。恋人ソンドラ・ロックとの最後の共演作品。ネタバレ、感想、評価

『ダーティハリー』シリーズの中で最も雰囲気が暗い作品と言っていい。テーマがレイプされた女性の復讐劇である。昼間より夜の場面を多用することで傷ついた女性心情を表すのと、暗闇で行われる殺意が映画全体にサスペンス感を作り出している。しかも犯人にソンドラ・ロックを応援したくなる効果も出している。ソンドラの静かなる微笑みも恐ろしい。
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映画『運び屋』実話、ネタバレ、感想、評価。クリント・イーストウッドの仕事人間を実演しているようだ

『運び屋』(116分/米/2018) 原題『The Mule』 『運び屋』を演じるイーストウッドは自らの映画人生を運んでいるように見えた。  さて、前回はちょっとセンチメンタルになってしまってあまり良い原稿を書けなかっ...
上映中

クリント・イーストウッド映画『運び屋』実話、ネタバレ、感想、評価。アメリカ国家の終焉を描いている。

クリント・イーストウッドの最新作『運び屋』は麻薬を車で運ぶ老人の物語だ。かつてビジネスで大成功したが時代に乗り切れず破産した。破産して失った家族の大切さに気が付いた。しかしお金がない。運転技術だけはある。アールは必要とされる喜びかそれとも金にためか、何かを求めて数千キロの道をひたすら走る。男にとって仕事とは、家族とは何か?
クリント・イーストウット作品

映画『ダーティーハリー』のクリント・イーストウッドは70年代疲弊していたアメリカ社会の正義のヒーローであった。ネタバレ、感想、内容、評価。

映画『ダーティーハリー』のクリント・イーストウッドは西部劇の役柄をそのまま移した現代のカウボーイに重なる。ただ過去作品はとてもじゃあないがヒーローとは程遠い。けれど本作は間違いなくヒーローだ。正義のヒーローだ。これはアメリカ社会が疲弊していたからこそ生まれたヒーローであると言える。『ダーティーハリー』?がアメリカ社会の縮図でもあった。
クリント・イーストウット作品

クリント・イーストウッドにとって『ブロンコ・ビリー』はあまりにも過小評価され、忸怩たる作品となった。本作はカウボーイの誇りと友情、反戦、そして愛を描いている

クリント・イーストウッド曰く「自分のキャリアの中で最も魅力的な作品の一つ」と言い切る。自身のキャラクターにも近いという。興行的に失敗だったかもしれないが思い入れが強い。最早、時代遅れの感のあったカウボーイに哀愁の念を抱き続ける男と世間知らずなじゃじゃ馬娘とのラブコメ感満載の物語。しかしベトナム戦争終結後の社会問題も提起している。