映画『ダーティハリー3』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ダーティハリー3』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
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『ダーティハリー3』(96分/アメリカ/1976)
原題『The Enforcer』
【監督】
ジェームズ・ファーゴ
【製作】
ロバート・デイリー
【出演】
クリント・イーストウッド
ハリー・ガーディノ
ブラッドフォード・ディルマン
ジョン・ミッチャム
デバレン・ブックウォルター
ジョン・クロフォード
タイン・デイリー
- 映画『ダーティハリー3』NHK BSプレミアム放送 4月16日(木)午後1時00分〜2時38分
- 映画『ダーティハリー3』のオススメ度は?
- 映画『ダーティハリー3』の作品情報・概要
- 映画『ダーティハリー3』のあらすじ・ネタバレ
- 映画『ダーティハリー3』の感想・評価・内容・結末
- 映画『ダーティハリー3』のキャストについて
- まとめ 映画『ダーティハリー3』一言で言うと!
- 『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
- 合わせて観たい映画
- 映画『ダーティハリー3』の作品情報
映画『ダーティハリー3』NHK BSプレミアム放送 4月16日(木)午後1時00分〜2時38分
4月16日(木)午後1時00分〜2時38分
クリント・イーストウッド主演作『ダーティーハリー』シリーズ第三弾『ダーティハリー3』がNHK BSプレミアムにて放送されます。悪を憎み、世の中の平和を目指すのがハリーの仕事なのか、それとも警察官の身分で殺人を楽しんでいるのかなど物議を醸した第一弾。第二弾はなんと警察官が凶悪犯罪に手を染める衝撃作でした。
そして今回の敵はベトナム帰還兵が犯罪に手を染めます。相棒役に選ばれたのはなんと女性警察官。時代から女性の社会進出という足音も聞こえてきます。
ハリーは最後に愛用のマグナム44を使いません。バズーガ砲を用います。果たしてその意味はなんでしょうか?
映画『ダーティハリー3』のオススメ度は?
星3つです
走るクリント・イーストウッドを観ることができます
ベトナム戦争帰還兵問題を提起しています
バズーガ砲の意味は?
アルカトラズへ繋がる意味は?
ソンドラ・ロックの存在が見え隠れする
映画『ダーティハリー3』の作品情報・概要
『ダーティハリー』シリーズの3作目。原題 『The Enforcer』は、1976年製作のアメリカ映画。ワーナー・ブラザース配給。クリント・イーストウッド主演。監督はジェームズ・ファーゴ。クリント・イーストウッドの長年の編集マンであるジョエル・コックスが加わった作品。5作品の中で唯一、音楽がラロ・シフリンではない。
映画『ダーティハリー3』のあらすじ・ネタバレ
カルフォルニアの青空ときらめく太陽の中で一人の女性がヒッチハイクをしている。ショートパンツを履いている。ガス会社の車に乗り送ってもらう。待ち構えるのは凶悪な男。二人は無残に殺される。ハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド) は街中の雑貨店い押し入った強盗を一網打尽にしたが「やりすぎ」とたしなめられ人事課へ移動となる。そして面接官としてケイト・ムーア(タイン・デイリー)を採用する。人事課であるため殺人事件の捜査はできない。独自の捜査を開始する。ムーアもハリーと行動を共にする。黒人過激派のウルフが捜査線上に上がるが、ハリーは一蹴する。そして市長が誘拐される。ハリーとムーアはアルカトラズへ渡る。
映画『ダーティハリー3』の感想・評価・内容・結末
トップカットが“カリフォルニア”って感じのギャップ
『ダーティーハリー』シリーズ第三弾です。オープニングが実に爽やかです。燦々と降り注ぐ太陽、青い空に短パンの金髪女性。
しかもお尻がはみ出そうです。“これがカリフォルニア”っていうイメージそのままです。
第一弾、二弾と全く異なる始まりなので「これってダーティーハリー?」って疑っちゃいます。でもです。
すぐに血みどろの展開となりますからご安心ください(何が安心かわかりませんが)
『ダーティハリー』シリーズからアメリカ社会が見えてくる
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こんなに走るクリント・イーストウッドは見たことない
『ダーティハリー3』を観るに当たっていくつか意識して欲しい点があります。まずハリー(クリント・イーストウッド)がよく走ります。
サンフランシスコ市内からビルの屋上から屋上へとマグナム44片手に走っています。これは本人だと思います。
クリント・イーストウッドほどになるとボディダブルの俳優が必ずいます。有名なのはバディ・ヴァン・ホーンです。
『アウトロー』での拷問シーンもヴァン・ホーンかと思われます。そして一番有名なのは『荒野のストレンジャー』のダンカン保安官です。
(なお、クリント・イーストウッドが走ることで有名な作品は1993年の『ザ・シークレット・サービス』です)
ここからソンドラ・ロックとの愛欲の日々が始まった
ソンドラ・ロックとの愛の日々の到来の影響は、、、
でもこの『ダーティハリー3』では実際にクリント・イーストウッドはかなりのアクションをやっていることがわかります。
アルカトラズへ渡った後もしっかりと走っています。本映画『ダーティハリー3』が製作されたのは1976年です。
この年クリント・イーストウッドは『アウトロー』を監督・主演しています。そうです。
クリント・イーストウッドの愛人となるソンドラ・ロックと共演しています。
そして本作を挟んで翌年『ガントレット』を監督・主演し、ソンドラ・ロックとの愛を全開させて行きます。
ソンドラ・ロックとの愛欲の日々が止まらない
監督としてはオッケー、しかし役者としては、、、
まあ、これらは映画の本筋とは関係ありませんが、1979年に『アルカトラズからの脱出』で迫真の演技を見せて、その後『ダーティファイター 燃えよ鉄拳』『ブロンコ・ビリー』などコメディー路線へ歩を進めます。
『アウトロー』で復讐に燃えるガンマン、『ダーティハリー3』で現代版カーボーイ、『アルカトラズからの脱出』では知的犯罪者、そして『ダーティファイター 燃えよ鉄拳』はお茶目なトラック野郎、と様々な役柄を演じています。
おそらくクリント・イーストウッドは役者としてのキャリアを確実にしたかったのだと思います。
しかしながらクリント・イーストウッドは役者としてはそんな評価されない結果となります。
監督としては数多くの賞を獲得していますが、役者として大きな賞は取っていません。
コメディー路線に転じたクリント・イーストウッドも必見
ソンドラ・ロックを売り出すために頑張った
それらを考えるとこの『ダーティハリー3』は過渡期にあったような気がするのです。
それと最も忘れてはいけないのが、やはりソンドラ・ロックとの愛欲の日々でしょう。
クリント・イーストウッドはソンドラ・ロックを売り出すために懸命だったと思われます。
彼女のために映画を作っていた時期だったと思います。
そして本シリーズの最高傑作と言われる『ダーティハリー4』でソンドラ・ロックを起用し一番のヒットに繋げます。
男冥利に尽きると言うのでしょうか。本映画『ダーティハリー3』の1976年から『ダーティハリー4』の1983年までのクリント・イーストウッドは超多忙でした。
監督としては大きく成長しましたが、残念ながら役者としての実績はあまり積めなかったと言えます(ソンドラ・ロックに全てを捧げていたからでしょうか)
ソンドラ・ロックとの最後の共演作品
黒人の思想集団を悪と描かないところが良い
さて、映画ですが相変わらず盛りだくさんの内容です。
凶悪犯たちは危険な革命思想を持った連中という印象がありますが、彼らは単にお金が欲しいだけの集団です。
変わって黒人の過激派ウルフが登場してくることも見逃せません。当時のアメリカの人種差別・偏見を帯びた社会を表しています。
マーベル映画の『ブラック・パンサー』に描かれていたブラックパンサー党への危機感もこの映画では描かれていると思います。
でも本作では過激派ウルフは悪として描かれなかったことが、後々大きな意味があると思います。
もし、ここで凶悪犯を黒人の過激派に設定したのであったら、間違いなく映画史として汚点となったでしょう。
かつての西部劇でネイティブ・インディアンを悪者にしたように。
クリント・イーストウッドがまさかの犯罪者を演じています
1976年のクリント・イーストウッドの心境はいかに、、、
繰り返しますが1976年はアメリカ社会にとって大きな年でした。なぜなら前年にベトナム戦争が終わっています。
政治への不信、不景気、治安悪化など問題が山積みです。さらにクリント・イーストウッドは個人的な問題を抱えていました。
そういった状況の中でハリウッドというある意味“虚飾の世界”で生きていくには相当タフでなければいけません。
クリント・イーストウッドの性格についていくつか情報があります。
元々、脳天気な性格であり楽観的で、ほとんど怒らないとか。あるいはあまり他人のことを気にしないとか。
でも多くの女性との間に子供が8人いますが、彼らは皆が仲良しであることがクリント・イーストウッドの全てを物語っているのではないでしょうか。
いくつになってもクリント・イーストウッドは女性が大好きです
正義なきベトナム戦争への悔恨のバズーガ砲
さて、そしてもう一つ注目して欲しい場面があります。最後に悪党をバズーガ砲で撃ち殺します。
本来ならマグナム44の出番なのです。でも敢えてバズーガ砲を登場させたのはベトナム戦争への悔恨なのではないかと思われます。
犯人のボビー・マクスウェルはベトナム帰還兵であることも意味が深いです。
しかもバズーガ砲は陸軍の兵器庫から盗まれたものです。
「こんな簡単に兵器を盗める陸軍って間抜けだよね、これでは戦争勝てないようね」印象を持ってしまいます。
撃った瞬間のクリント・イーストウッドから「これで戦争は終わりだ」という声が聞こえて気がしました。
イーストウッドの映画には必ずその時のアメリカの世相について訴求する場面があることも楽しみのひとつです。
アメリカ社会への提言クリント・イーストウッド最高作品
映画『ダーティハリー3』のキャストについて
ハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)
主人公。サンフランシスコ市警の刑事。警察・司法に対する規範が厳しくなった時代でも敢えて強引な捜査を行う。問答無用的なところがあり、被疑者を射殺することも厭わない。上層部からは煙たがられている。相変わらず硬派というか、一本気に捜査を行う。長年の相棒フランクの死に少しだけ感情が揺れた。本映画では結構走っている。
ケイト・ムーア(タイン・デイリー)
ハリーの新しい相棒で女性。現場経験ゼロ。ハリーについていくのがやっとであったが少しずつ成長していく様の演技がよかった。しかしまさかの殉職とは、、、。ヒールを履いての追跡は大変だったと思います。
マッケイ市警察本部長(ブラッドフォード・ディルマン)
市警の警部。ハリーの上司でハリーを快く思っていない。市長にごますりしている。作戦は失敗ばかり。ちょっと間抜けな雰囲気をうまく出していたと思います。
フランク・ディジョルジョ(ジョン・ミッチャム)
市警の刑事でハリーの相棒。ハリーが人事課へ異動となったため、新しい相棒と共に行動していた。巡回中に強盗団を発見して重症の末、病院で息をひきとる。ハリーと違ってやや太り気味であるため動きにキレがない。ICUで死ぬ場面は良かった。
ボビー・マクスウェル(デバレン・ブックウォルター)
テロリスト集団のリーダー。ベトナム戦争の帰還兵。殺人を楽しむ性格。目的を果たすためなら仲間も殺す残虐な人物。デバレン・ブックウォルターの演技からは残虐な人間があまり伝わってこなかった(たぶん『ダーティーハリー』のスコルピオの印象が強すぎたため)
サンフランシスコ市長(ジョン・クロフォード)
自身の支持率と選挙にしか興味がないリベラルな政治家。人気取りのために警察組織における女性の割合を増やそうとしている。マッケイに昇進とチラつかせ意のままに操っている。結局、テロリストに誘拐され、毛嫌いしていたハリーに助けられる。
まとめ 映画『ダーティハリー3』一言で言うと!
「仕事は足で稼ぐもの」は万国共通なのか。
わたしも若い時に務めた会社の上司から何回も言われたことがあります。当時はそれが当たり前と思っていましたが、年齢を重ねていくと“無駄”が多くあると気がつきました。もちろん実際に足を運ぶことは大事ですが、時代は一気にアナログからデジタルへ移行しました。顔が見えなくても仕事ができるようになりました。刑事ドラマとて今と昔はだいぶ違います。最近はあくせくと捜査する場面が少なくなった気がします。町のあちこちに監視カメラがあるのも大きな理由かと思います。
『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
合わせて観たい映画
【クリント・イーストウッドの過渡期がわかる映画】
映画『アウトロー』
この映画でソンドラ・ロックと出会った
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映画『ガントレット』
もうソンドラ・ロックとのラブラブが止まらない
![](https://undazeart.com/wp-content/uploads/2019/05/20190501guantlet-320x180.jpg)
映画『ダーティファイター 燃えよ鉄拳』
喧嘩の強さをソンドラ・ロックに見せつけているような気がします
![](https://undazeart.com/wp-content/uploads/2019/06/20190626dirty-320x180.jpg)
映画『ブロンコ・ビリー』
じゃじゃ馬ソンドラ・ロックに手を焼きましたが
![](https://undazeart.com/wp-content/uploads/2019/03/20190301ブロンコビリー-320x180.jpg)
映画『ダーティーハリー4』
ソンドラ・ロック最高演技!クリント・イーストウッドが逮捕しません
![](https://undazeart.com/wp-content/uploads/2019/03/Sudden-Impacteyecatching-320x180.jpg)
映画『ダーティハリー3』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ジェームズ・ファーゴ
脚本
スターリング・シリファント ディーン・ライズナー
原案
ゲイル・モーガン・ヒックマン S・W・シュアー
製作
ロバート・デイリー
撮影
チャールズ・W・ショート
美術
アレン・E・スミス
音楽
ジェリー・フィールディング
編集
フェリス・ウェブスター ジョエル・コックス
字幕
高瀬鎮夫
Harry_Callahan(クリント・イーストウッド)
Bressler(ハリー・ガーディノ)
Capt._McKay(ブラッドフォード・ディルマン)
Digeorgio(ジョン・ミッチャム)
Bobby_Maxwell(デバレン・ブックウォルター)
The_Mayor(ジョン・クロフォード)
Kate_Moore(タイン・デイリー)
1976年製作/96分/アメリカ
原題:The Enforcer
配給:ワーナー映画