クリント・イーストウッドにとって『ブロンコ・ビリー』はあまりにも過小評価され、忸怩たる作品となった。本作はカウボーイの誇りと友情、反戦、そして愛を描いている

クリント・イーストウット作品

『ブロンコ・ビリー』(116//1980

原題 Bronco Billy

監督 クリント・イーストウッド

クリント・イーストウッド曰く「自分のキャリアの中で最も魅力的な作品の一つ」と言い切る。自身のキャラクターにも近い

悔しさが以後のバネになった

この作品はイーストウッドにとって今現在でも忸怩たる思いを寄せる作品だそうだ。彼自身を知るには最も分かり易い作品と言われている。しかし興行的にもさほどヒットせず、批評家からの評価も芳しくなかった。おまけにアカデミー賞をもじったラジー賞なるものでソンドラ・ロック最低女優賞を獲得するなど散々たるものだった。

西部劇の時代は終わった。それは認めるが最後に意地を見せたかった

時代は最早、西部劇ではない。そのことをクリント・イーストウッドはわかっていた。インディオを殺しまくる映画は終わっている。しかしイーストウッドにも意地があった。何とか原題風の西部劇を作りたかったのだ。一種の懐古だ。だから映画の中でやたら早撃ちだと訴えたり、列車強盗の真似をしたりする。

80年代から新しい時代が到来している。行こか、戻ろか。

時代に取り残されているのがありありと見えてくる。これはアメリカに住んでいないから何とも言えないが、旅芸人のような仕事は今もあるのだろうか。本作は1980年に作られているが、ひょっとしたら80年を境に旅芸人の仕事も減っていったのではあるまいか。つまり旅芸人も時代に取り残されているのである。そう考えると良く出来ていると思う。

ソンドラの演技は爆竹のようだ、素晴らしい、可愛い

伏線はまだある。ソンドラ演じるアントワネットのキャラクターだ。私から見ると典型的なアメリカ娘に見える。わがまま放題だ。気が強く生意気で人の指図を受けない。こういった女性ももう歓迎されない時代だったのかもしれない(アメリカに住んでいないのでわからない)この映画でのソンドラが良い。『アウトロー』のあの控えめでお淑やかな雰囲気から一気に成長した感じがする。もちろん『ガントレット』の娼婦役も板に付いているが、本作での演技は最高だ(こんなアメリカ娘と接したくないと思わせてくれる)

強気をくじき、弱きを助けるクリント・イーストウッドの人間像

イーストウッド演じるビリーも親方体質で古くなっているのかもしれない。金はないが、エネルギーはある。そして訳ありの団員を養っている。もちろん強い者には毅然とし、弱き者には優しくする。理想的な男だ。そして最後には愛を手にいれる。良い話だと思うのだけど評価が低い、、、。

もう一つ、付け加えると本作にイーストウッドの息子のカイルが出演している。どこに出ているか見つけるのも楽しい。しかし、イーストウッドの凄いところは、まだ離婚せず、愛人であるソンドラをキャスティングし続け、しかも息子も共演させると言った離れ業をやってしまうところだ。現在ならNGだろう。これも古き良き時代だったのだろう。

映画のことなら映画.comより引用

スタッフ
監督 クリント・イーストウッド
脚本 デニス・ハッキン
製作総指揮 ロバート・デイリー
製作 デニス・ハッキン ニール・ドブロフスキー
撮影 デビッド・ワース
音楽 スティーブ・ドーフ
アソシエイト・プロデューサー フリッツ・マーネイズ
字幕 高瀬鎮夫

キャスト
クリント・イーストウッドBronco_Billy
ソンドラ・ロックAntoinette_Lily
ジェフリー・ルイスJohn
スキャットマン・クローザースDoc_Lyrch
シェラ・ペシャーLorraine
ダン・バディスCief_Big_Eagle
サム・ボトムズLeonarld
ビル・マッキーニーLefty_LeBow
作品データ
原題 Bronco Billy
製作年 1980
製作国 アメリカ
配給 ワーナー・ブラザース映画