映画『ダーティハリー2』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ダーティハリー2』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
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『ダーティハリー2』(124分/アメリカ/1973)
原題『Magnum Force』
【監督】
テッド・ポスト
【製作】
ロバート・デイリー
【脚本】
ジョン・ミリアス マイケル・チミノ
【原案】
ジョン・ミリアス
【出演】
クリント・イーストウッド
ハル・ホルブルック
ミッチェル・ライアン
デビッド・ソウル
フェルトン・ペリー
映画『ダーティハリー2』NHK BSプレミアム放送 4月9日(木)午後1時00分~3時04分
4月9日(木)午後1時00分~3時04分
クリント・イーストウッド主演作『ダーティーハリー』シリーズ第二弾『ダーティハリー2』がNHK BSプレミアムにて放送されます。悪を憎み、世の中の平和を目指すのがハリーの仕事なのか、それとも警察官の身分で殺人を楽しんでいるのかなど物議を醸した前作からバージョンアップしています。今回の敵は何と身内である警察官です。ハリーがどうやって真相を暴くのか、危機をかいくぐりマグナムをぶっ放して退治していく様に注目して観ましょう。
映画『ダーティハリー2』のオススメ度は?
星3つ半
現代版西部劇です
ハリー・キャラハンが悪を退治します
間違った正義にも心惹かれます
クリント・イーストウッドはほとんど笑いません
敵は身内にあり
映画『ダーティハリー2』の作品情報・概要
『ダーティハリー』(原題『Dirty Harry』)が高評価だったためシリーズ化されました。『ダーティハリー2』(原題『Magnum Force』)は、1973年製作のアメリカ映画。前作を超えるヒットを記録。監督のテッド・ポストは1968年のイーストウッドの主演作『奴らを高く吊るせ!』の監督も務めている。『奴らを高く吊るせ!』のモチーフを保ちつつ西部劇から現代劇へ時と場所を変えたリメイク作品と言ってもいい。
映画『ダーティハリー2』のあらすじ・ネタバレ
場所はサンフランシスコ。散々、悪事を重ねてきたギャングのボスが証拠不十分で釈放される。市民は抗議の声が虚しく響く。ボスは迎えの車に乗って立ち去っていく。ギャングのボスと部下が乗る車を止める白バイ警官。有無を言わせず全員を射殺する。ハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド) は駆けつけるも今は殺人課ではないためニール・ブリッグス警部補(ハル・ホルブルック)に追い返される、その後、次々とギャング達が殺されていく。殺人課に戻されたハリーは相棒アーリー・“アール”・スミス(フェルトン・ペリー)と捜査を開始するが、、、。
映画『ダーティハリー2』の感想・評価・内容・結末
映画の始まりが良いです。真っ赤な背景にマグナムの拳銃を握りしめている男の腕が映ります。もちろんイーストウッドの腕です。音楽が良いのです。ベースが響き渡ってきます。このベースのビートがドキドキさせます。ラロ・シフリン作曲です。そしてオープニングミュージックが終わると同時にマグナムは我々の方へ銃口を向けるのです。「これは大型のマグナム44だ。頭をぶっ飛ばせる。試すかい?」とクリント・イーストウッドが語りかけます。そして引き金を弾いて一発ぶっ放して本編に入っていきます。わたしは日本人ですから銃の恐ろしさはそれほどわかりません。でもアメリカで暮らしている人たちはこのオープニングにギョッとしたそうです。
こちらのクリント・イーストウッドはラブラブ
実際に警察はマグナム44なんて持たないそうです。マグナムは狩猟用の拳銃です。しかしダーティーハリーシリーズでは敢えてこの拳銃を使っているのです。その設定が物議を醸し出しましたが、逆にシリーズの人気を高める結果となりました。さて『ダーティーハリー2』は第一作とは様相が異なります。第一作は凶悪なサイコパスを追い詰めて殺します。社会の敵を退治する警察官です。でも『ダーティーハリー2』は、正義を守るべき警察官がまさかの凶悪犯罪を犯しているという設定なのです。ハリーは同僚が殺人を犯すことに賛同しません。当たり前です。でも彼らの言い分は「市民の敵である悪がのさばるのは許せない」「法律で処罰できないのなら我々が天誅を下す」と言って行動を移しているのです。
クリント・イーストウッド監督最高傑作
でも実際は法律を犯していることに違いはありません。アメリカではミランダ警告と言って、犯人を逮捕する際に伝えなくてはいけない法律があります。それを疎かにしたばかりに凶悪殺人犯が無罪になった例はたくさんあります。本作での暴走する警察官はそのミランダ警告への不満や悪党でも無罪になることへの提起を盛り込んだ作品だと言えます。でも実際は彼らの暴走は“間違った正義感”であることが明らかです。映画を観ていると「悪を殺して何が悪い」もしくは「凶悪犯でも人権はある」という感情の狭間に揺れ動く自分がいます。おそらく実際にアメリカに住む人たちの心にはもっと複雑な思いが去来したのではないでしょうか。
クリント・イーストウッドは何歳になっても女好きです
本映画『ダーティーハリー2』の監督したのはテット・ポスト。かつて『奴らを高く吊るせ! 』でクリントイーストウッドとコンビを組んでいます。本映画はほとんど『奴らを高く吊るせ! 』のリメイクに近いです。西部劇から現代に舞台を移しただけです。でも西部劇時代と違うのは現代はちゃんとした法治国家であることです。当時は無法者があれパキ狂う時代でした。
こちらのクリント・イーストウッドは迫力が足りない、、、
映画を観ていると悪党を退治する若手の警察官に心が同調しそうになる自分がいます。先にも述べましたが、この映画はそこを狙っているといえます。確かに悪党を退治するのは大事なことです。悪党がいなくなれば安心安全に暮らせます。平和な社会が訪れる可能性が高くなります。けれども悪党にも人権があるのです。やたらめったに暴力を振るったり、殺したりする事はできません。現代は西部劇の時代と違うのです。無法だった時代とは違う新しいカーボーイ像をハリー辛苦な思いで演じているのです。ここで話は脱線しますが、クリント・イーストウッド演じた過去の映画のほとんどは正義がありません。冷静に分析しても、とてつもない殺人者です。でもこの『ダーティーハリー』シリーズにはちゃんとした正義があります。そしてその正義に対して、どこかしら葛藤を持っているのがハリー・キャラハンの人間臭さを描いています。
無法者を退治しますが、当の本人は何者か?
もう一つこのシリーズで特徴的なのはハリーと組む(あるいはかつての相棒)相棒の生活状況もさりげなく入れているところです。本作ではかつての相棒のチャーリーが妻子を別居して精神的な病になっている状況を入れることで、ハリーの人情深い性格も伝わってきます。またハリーとセックスするサニーという女性は日系アメリカ人のアデル・ヨシオカです。クリント・イーストウッドの出演作品はとにかく女性とのラブシーンは必須なのも現在と変わっていません。『運び屋』でもクリント・イーストウッドは旺盛でした。
クリント・イーストウッド最新作は弱き人の苦悩を描く
映画は一応、予定調和で進んでいきます。「悪事を退治しようとした悪事を倒す」で終わります。ハリーの名言があります。「身の程をわきまえろ」です、この言葉が何回か出てきます。その意味を場面ごとに考えるのも大きな楽しみです。
映画『ダーティハリー2』のキャストについて
ハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)
サンフランシスコ市警の刑事。問答無用の強引な捜査で問題視されている。殺人課から外されていたが戻る。もうクリント・イーストウッドしか演じられません。ほとんど笑いません。冷たい印象ですが人情もあります。上役に軽口を叩きます。
ニール・ブリッグス警部補(ハル・ホルブルック)
市警察本部の捜査課警部補。おそらくエリート。一度も拳銃を使ったことがないベテラン刑事。ハリーと対立します。真面目なのでハリーも信じています。実は暗殺団の黒幕でした。ハル・ホルブルックの演技はとても説得力がありました。最後まで「まさかこの人が、、、」って思いました。
アーリー・“アール”・スミス(フェルトン・ペリー)
市警察本部捜査課の刑事。ハリーの相棒。アフリカ系です。ハリーとは馬が合います。愛する妻がいます。しかし爆弾で殺されます。フェルトン・ペリーはあまり出番がなかったです。スーパーでも銃撃シーンは良かったです。
チャーリー・マッコイ(ミッチェル・ライアン)
市警察本部交通課の白バイ隊員。ハリーの先輩であり十年来の友人。犯罪者の抹殺もやむを得ないと公言していたためハリーに疑われます。三度目の離婚が近いため精神的に参っています。暗殺団に殺されます。
ジョン・デイヴィス(デビッド・ソウル)
市警察本部交通課の新人白バイ隊員。暗殺団のメンバー。銃の腕が抜群です。何人もの悪党を殺します。チャーリーも殺します。最後はまさかの溺死です。デビッド・ソウルはどこにでもいる金髪の白人青年というイメージです。とても悪人には見えないキャラクターを上手く演じていたと思います。
サニー(アデル・ヨシオカ)
ハリーと同じアパートに住む日系人女性。前々からハリーに好意を持っており、ハリーを口説き落として一夜を共にします。アデル・ヨシオカは当時としては珍しい日系の女優です。役柄も当時のアジア人女性に対してのイメージがあったのでしょうか、ちょっと尻軽い役なのが気の毒でした。体当たりの演技は評価できます。
まとめ 映画『ダーティハリー2』一言で言うと!
「こんなアメリカに誰がした」
この映画『ダーティーハリー』シリーズを観ているとそんな声が聞こえてきます。雨怒って本当に治安が悪いです。それは今もです。やっぱり銃が自由に持てる社会ってのが恐ろしいのです。銃を持つことが許される理由に、やはり開拓の歴史があります。自分と家族を守るため、そして侵略してくる奴らを撃っても良い権利があるためだそうです。何とも理解し難いのですが、それが現実なのでしょう。
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映画『ダーティハリー2』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
テッド・ポスト
脚本
ジョン・ミリアス マイケル・チミノ
原案
ジョン・ミリアス
製作
ロバート・デイリー
キャラクター創造
ハリー・ジュリアン・フィンク リタ・M・フィンク
撮影
フランク・スタンレー
音楽
ラロ・シフリン
編集
フェリス・ウェブスター
字幕
高瀬鎮夫
Harry_Callahan(クリント・イーストウッド)
Lt.Briggs(ハル・ホルブルック)
McCoy(ミッチェル・ライアン)
Davis(デビッド・ソウル)
Early_Smith(フェルトン・ペリー)
Grimes(ロバート・ユーリック)
Astrachan(キップ・ニーベン)
sweet(ティム・マシスン)
Carol_McCoy(クリスティーヌ・ホワイト)
Ricca(リチャード・デボン)
1973年製作/124分/アメリカ
原題:Magnum Force
配給:ワーナー映画