映画『エリカ38』実話・ネタバレ・あらすじ・感想 浅田美代子の詐欺師が最高!

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【企画】樹木希林 映画「エリカ38」
樹木希林が企画を手がけ、浅田美代子が45年ぶりの主演を果たした、実話をベースにした犯罪劇。
「エリカ38」6月7日(金) TOHOシネマズャンテ他全国ロードョー! 予告編60秒

映画『エリカ38』(103分/日本/2019)

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映画『エリカ38』のオススメ度は?

4

星4つです。

これは素直に面白かったです。実話ということもあり説得力がありました。

彼氏、彼女と観に行くことをオススメします。

絶対に損はしません。

人間は簡単に騙される、どうやって騙されるのかがわかります

浅田美代子さんの演技も見どころです。

以下、作品情報とか感想とか書いてあります。チャラーと読んでください。

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映画『エリカ38』の作品概要

人間の愛欲を描く

実際にあった詐欺事件を映画化した作品。人間はいとも簡単に騙される。どうして騙されるのか、それは欲望があるからだ。

名声欲、金銭欲、支配欲、存在欲、そして愛欲。人の役に立ち、お金にもなるという甘い話などない。

本作は人間の深層心理にある誰もが持っている欲望についてわかりやすく描いている。

企画、樹木希林と主演、浅田美代子

本作を企画したのは今は亡き名女優、樹木希林だ。樹木と浅田は40年に渡って公私ともに仲が良かったという。

先日、NHKラジオすっぴん!に浅田がゲスト出演した時のトークで語っていた。

まず樹木希林の家にいつも入り浸っていたこと、ご飯を一緒に食べに行くのが楽しかったこと、更に浅田に悪い女の役をやれといつも言っていたことなど、とても興味ふかい内容であった。

樹木希林の直感で浅田美代子の主演が当たった

その中で今回の企画をいつの間にか樹木が企画化して浅田を推薦していたことなど。この映画は実際の事件を元に作られている。

樹木はこの映画の主人公の女がテレビや新聞で見て「この人、めちゃくちゃ面白い。ミヨちゃんやりなよ」と言っていたそうだ。

しかし、浅田は自嘲気味に「無理だよ」と言ってたそうだ。樹木的にはこの詐欺女を演じるには浅田がぴったりと直感したのだろう。

それで映画会社に企画を売り込んでいたそうだ。結果的にその直感がぴったりと当たった

樹木希林と浅田美代子の最後の母娘

見事な詐欺師を浅田は演じた。女優としても樹木はすごいが、やはり人を見る眼力もすごいという証明だ。浅田の母親役に当初、樹木は乗り気でなかったそうだ。

理由は「私が出ると権威がついちゃうから」だ。これは当たっているが、樹木の浅田に対する照れ臭さゆえの言い訳だったのだろう。結局、樹木はエリカの母親役で出演している。

二人で縁側で真っ赤なマニキュアを塗るシーンが一番印象的だ。(赤とんぼのシーンはちょっと今ひとつだ)

浅田美代子の役作りも見逃せない

この映画を観て驚くのは浅田美代子のその“様”である。前半は若くキラキラしている雰囲気だ。動きも軽やかだ。でも追い詰めらて行く過程でその様はボロボロになっていく

メイクもほとんどしていない。まさにすっぴん状態だ。肌も乾燥してカサカサ、いやガサガサだ。それがいい味を出している。

逮捕されて送還、そして留置場の中の浅田は本当に初老の女だ。見事な様変わりをしている。一般的に女優は綺麗に撮られたいと思うはずだ。

近年、ハリウッド女優を中心にノーメイクのすっぴん作品が多いが、日本ではすっぴんで映画に出る女優は少ないだろう。だからこそ、本作に浅田美代子の様変わりに驚いたし、好感度が上がった。

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映画『エリカ38』のあらすじ・ネタバレ

マルチビジネスでお金を稼いでいるエリカはある日、着物姿の品の良い女性と出会う。この女性から紹介された詐欺師、平澤の巧みな話術に取り込まれ詐欺の道へ。当初は愛する平澤のために懸命に働くが、女癖の悪さに愛想を尽かし、自身で顧客を集めお金を騙し取る。しかし資金繰りがうまくいかずタイへ逃亡。現地で若い男に貢ぐが、結局は裏切られ日本に護送される。でもエリカはまだ夢を見ている。

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映画『エリカ38』の感想・評価・内容・結末

浅田美代子の詐欺師役がハマりすぎだ

正直、これほど良い映画だとは思わなかった。びっくりしている。とにかく浅田美代子が良い。素晴らしかった。彼女が若い時はアイドル的な存在としてお茶の間を賑わしていた。

もちろん歌手としても女優としても華やかに過ごしていた。それからいつの間にか脇役的な存在として多くの映画に出ている。本作は実に45年ぶりの主演である。

歳を重ねるごとに良いお姉さん役、そして母親役が似合う役者になったと思う。そして今回は何と詐欺師役だ。これが実にハマった。

体当たりなベッドシーンが話題になっている。確かにこの実在のモデルは色香を使ったとはいえ、ちょっとベッドシーンが多すぎる感があったのは否めない。

詐欺師はごく普通の人間だから、騙されるのだ

浅田美代子みたいなオットリした、どちらかと言うと詐欺の被害者側の人間になりそうなタイプがこのエリカを演じたことに大きな意義がある。エリカは人が良さそうな顔をしているのだ。

そしてエリカはどこにでもいるのだ。ごく普通の人なのだ。エリカが詐欺の仲間入りをし、自らが主体となって詐欺を企てていく過程の心情風景が見事に描かれている。

この映画は人間の心なんていとも簡単に操作できることもテーマを置いている。詐欺はカリスマ的な人物を創造し存在力を誇示し、雄弁に語らせることから始まる。実に胡散臭いと感じていても人は詐欺師の巧みな話術にハマって、まるで心地の良い夢を見るかのごとくお金を注ぎ込んでいく。

不思議でならないが、一歩間違えれば我々も陥ってしまう危険性があることだけは肝に命じておこう。

人の心を盗んでから“快楽”で満たす

まず最初に平澤という詐欺師はエリカの心を盗んだ。愛を語りベッドへ誘いエリカを思いのまま操作する。エリカは愛された喜びを失わないように必死になって働く。そのご褒美が愛と金だ。2つとも快楽をもたらす。そして深みにハマってしまう。

でもカリスマ的な詐欺師は他の女も手篭めにしたことを知るとエリカはあっさりと男を捨てる。それがエリカの唯一良いところに見えた。そして男から得た知識を元に自身で顧客を増やしお金を騙し取る。豪邸も高級車も手に入れた。しかし結局は嘘の支援金がバレてタイへ逃げる。

なぜエリカは男にお金をつぎ込むのか

タイでは若い男を作り、再びお金を注ぎ込む。エリカがなぜここまで男にだらしないかが次第に見えてくる。父親の影響だ。

父親は飲んだくれで、浮気癖のある男だった。暴言、暴力を振るい、愛情のかけらもなかった。故にエリカは愛を欲しがった

しかも好きになる男はどいつもこいつもダメな男ばかりだ。それはかつて軽蔑した父親の姿と重なる。女性は心理的にダメだとわかっているのに恋人に父親像を求めてしまうところがあると言う。

だからエリカはダメ男に尽くしてしまったのだろうか。

結局はエリカを利用する男たち

しかし悲しいかな。タイの若い恋人はエリカを裏切っていた。警察に通報していた。しかも彼には新しいタイ人の恋人がいた。

豪邸も買い与えたのにその家に今の恋人と住んでいる。このタイ人もダメ男だ。映画を観て貰えばわかるが、この映画の構成はドラマとドキュメンタリーの2つで成り立っている

取材した記者にタイ人がエリカに書いた手紙を渡す。その内容が笑える。「エリカのことを愛している。ずっと待っている」と書いてある。コイツはエリカを警察に売って、エリカからもらった豪邸に新しい恋人と住んでいる分際で、この手紙だ。

こいつも間違いなく詐欺師だ。

結局みんな嘘つきで自分の利益のことしか考えていないのだ

この映画に出てくる人たち全員が嘘つきだ。みんな嘘で繋がっている。みんなが夢を見たのだ。

大金を得ていい暮らしをしている夢だ。そして良い人でいたいのだ。ボタンを掛け違えれば自分がエリカになっていたに違いない。先に観た『コンフィデンスマンJPとは違って本作は人間の成長物語を描いている。

プラスの成長ではなくマイナスの成長物語だ。その点も素晴らしい。繰り返すが騙す方も騙される方も悪い。騙された一人が言っている「みんな満たされない何かがあって、その隙間にすっと入り込んできた」

「あの時、我々は必要とされてると感じた。だからお金を出した」ここに詐欺師のトラップがあったのだ。自分が誰かの役に立ち、さらにお金が儲かる、たったこれだけの仕組みだったのだ。

嘘で固められた集団心理とは強固に見えて薄っぺらい。映画の最後では被害者は仲間割れのような暴言を繰り返す。今となっては後の祭りだ。

生々しい被害者の声は自己弁護に聞こえる

エンドクレジットの途中で実際に騙された被害者たちの声も真実を語っている。エリカも被害者だと皆が言っている。いやかばっている。

彼らの声を聞いていると自身も1本間違えればエリカになっていたのかもしれないと言っているようだ。高い授業料だったが、刑務所に入らずに良かったと感嘆しているようだ。

本映画を観て感じるのはネットを使った詐欺も横行しているが、本作のようにアナログ的な詐欺の方が騙される確率が高いと改めてわかった。それは実際に詐欺師の姿を見るから信用してしまうのかもしれない。

どこかで誰かがあなたの心の隙間に車と入り込んでくるかもしれない。

*樹木希林が赤いマニキュアを縁側で塗っている場面が綺麗だ。
*浅田美代子と樹木希林が「赤とんぼ」を歌う場面は貧しかった日々への懐古の念ともう戻れない後悔の念を感じる。

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映画『エリカ38』まとめ 一言で言うと!

「濡れ手に粟」のような話は絶対になし!

詐欺にひっかるタイミングは大抵、暇な時。一生懸命に働いている時にはそういう類の人とは出会わないのでは。暇していると暇人が集まり、楽にお金儲け出来ないかなどと考え出す。それが心の隙間になって詐欺師に付け込まれるのだ。気をつけよう!

以下、詐欺つながりの映画

『コンフィデンスマンJP』

映画『コンフィデンスマンJP』長澤まさみちゃんの魅了が大全開!“可愛い、キレイ、はちゃめちゃ”ネタバレ、感想、評価
詐欺師も成功すれば大物だ。みんなが集まってくる。でも失敗すれば犯罪者。奈落の底だ。この映画では詐欺師を異常なほど、美化しているように思われる。が、勘違いしてはいけない。彼らは弱者を相手に詐欺を働いていない。絶えず強い存在からお金を騙し取っている。お金を取ることが目的でもあるが、詐欺という舞台を楽しむために行なっている愉快犯だ。
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映画『エリカ38』の作品情報

映画.comより一部引用

スタッフ
監督
日比遊一
『ブルー・バタフライ』(17)『健さん』(16)
脚本
日比遊一
企画
樹木希林
製作総指揮
奥山和由
プロデューサー
中村直史
升本由喜子
木谷真規
アシスタントプロデューサー
谷垣和歌子
ラインプロデューサー
吉澤豪起
撮影
高岡ヒロオ
照明
岩丸晴一
録音
山口勉
衣装
宮本まさ江
装飾
吉田敬太
小道具
平野藍子
ヘアメイク
永野あゆみ
編集
細野優理子
音楽
渡邊琢磨
助監督
躰中洋蔵
スクリプター
宮下こずゑ
撮影技師
鴇田晴海
技術プロデュース
稲村剛義
稲村浩
キャスト
浅田美代子 渡部聡子(エリカ)
『山中静夫氏の尊厳死』(20)『いのちスケッチ』(19)『君がまた走り出すとき』(19)『くもり ときどき 晴れ』(19)『あん』(15)『さいはてにて やさしい香りと待ちながら』(15)『ときめき』(73)

平岳大(平澤育男)
『検察側の罪人』(18)『関ヶ原』(17)『おかあさんの木』(15)『蠢動 しゅんどう』(13)

窪塚俊介(橋本弘)
『スカブロ』(18)『花筐 HANAGATAMI』(17)『夢二 愛のとばしり』(16)『野のなななのか』(14)

樹木希林(渡部薫)
『命みじかし、恋せよ乙女』(19)『日日是好日』(18)『万引き家族』(18)『モリのいる場所』(18)『人生フルーツ』(17)『海よりもまだ深く』(16)『海街diary』(15)『あん』(15)『三匹の狸』(66)『殿方御用心』(66)

山崎一玉木亮介
山崎静代小島マリ
小籔千豊工藤周平
菜葉菜愛
鈴木美羽渡部聡子(17歳のエリカ)
佐伯日菜子玉木香代子
真瀬樹里中井亜紀
中村有志中島金治
黒田アーサー池田勝
岡本富士太佐々木修
小松政夫田中収三郎
古谷一行竹田正道
木内みどり伊藤信子
作品データ
製作年 2019年
製作国 日本
配給 KATSU-do
上映時間 103分
映倫区分 PG12
オフィシャルサイト