映画『ミリオンダラー・ベイビー』ネタバレ・あらすじ・感想。アカデミー賞四冠。クリント・イーストウッド最高作品。「死ぬ自由もある」

映画『ミリオンダラー・ベイビー』ネタバレ・あらすじ・感想。アカデミー賞四冠。クリント・イーストウッド最高作品。「死ぬ自由もある」お茶の間映画館

映画『ミリオンダラー・ベイビー』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。

映画『ミリオンダラー・ベイビー』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。

YouTubeで予告映像もご覧ください。

Million Dollar Baby (2004) - IMDb
Directed by Clint Eastwood. With Hilary Swank, Clint Eastwood, Morgan Freeman, Jay Baruchel. A determined woman works with a hardened boxing trainer to become ...
10th Anniversary Trailer

 

『ミリオンダラー・ベイビー』(133分/R15+/アメリカ/2004
原題『Million Dollar Baby』

【監督】
クリント・イーストウッド
【製作】
クリント・イーストウッド ポール・ハギス
トム・ローゼンバーグ アルバート・S・ラディ
【出演】
クリント・イーストウッド
ヒラリー・スワンク
モーガン・フリーマン
アンソニー・マッキー
ジェイ・バルチェル

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映画『ミリオンダラー・ベイビー』のオススメ度は?

5.0

5つです

100年の映画史に残る名作です

クリント・イーストウッド史上最高演技

ヒラリー・スワンク最高

モーガン・フリーマン最高

そして脚本家ポール・ハギス最高です

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映画『ミリオンダラー・ベイビー』(133分/R15+/アメリカ/2004) NHK BSプレミアム放送

2月10日(月)午後1時00分〜3時14分

クリント・イーストウッド史上最高映画と言われています。77回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演女優賞(ヒラリー・スワンク)・助演男優賞(モーガン・フリーマン)の四冠達成映画です。

生きることは何か?より「死ぬ自由もある」というメッセージが強く感じられます。終始、圧迫感が強い映像です。“光と影”のコントラストが死のイメージをより強くしています。

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映画『ミリオンダラー・ベイビー』の作品概要

『ミリオンダラー・ベイビー』原作『Million Dollar Baby2004年のアメリカ合衆国の映画。製作・配給会社はワーナー・ブラザースで、監督・製作・主演はクリント・イーストウッド。ジェリー・ボイドの短編集『Rope Burns:Stories From the Corner』を元にポール・ハギスが脚本を執筆。第77回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演女優賞(ヒラリー・スワンク)・助演男優賞(モーガン・フリーマン)を受賞。

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映画『ミリオンダラー・ベイビー』のあらすじ・ネタバレ

ボクシングジムを経営するフランキー・ダン(クリント・イーストウッド) はかつて腕の良いカットマンであった。フランキーかかれば試合中に傷ついたボクサーの出血は止まる。フランキーの相棒のエディ・スクラップ・アイアン・デュプリス(モーガン・フリーマン) は元ボクサーで、今はジムのトレーナーだ。ジムの経営は芳しくない。将来有望な選手もいるが他のジムに引き抜かれてばかりだ。ある日、女が弟子入りする。女のボクサーを育てる気持ちはフランキーにはない。それはボクシングが男のスポーツだからだ。毎日、熱心に練習するマギーにエディーが手をかす。やがてフランキーはマギーの熱意に折れて弟子入りを認める。マギーはデビューから快進撃で勝ち上がっていく。ボクシングの才能があったのだ。そして世界タイトル挑戦の日を迎える。

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映画『ミリオンダラー・ベイビー』の感想・評価・内容・結末

この映画は21世紀、いや映画史を代表する一作と言って良いでしょう。まず、、脚本のポール・ハギスの才能が素晴らしいです。これほどまでに深い物語を書く人はそういません。クリント・イーストウッドはポール・ハギスを発掘して世界に送り出したこと功績も大きいです。これほど心にズシリと重石をのせてくる映画はそんなにありません。「生死の選択」「生きる不幸」とか「死ぬ自由」などと考えさせます。もしわたしがフランキー・ダン(クリント・イーストウッド) の立場だったらどうするのだろうか、、、。まったくわかりません。また、もしマギー・フィッツジェラルド(ヒラリー・スワンク)の立場であったなら「やっぱり死にたい」と願います。これはわかります。この映画はこの二人の最後の最後の決断に全てが込められています。

この映画の登場人物たちは自身の歩んできた過去に強い悔恨の念を持っています。フランキーは家族に対して、特に娘に対して良き父親ではなかったことがわかります。いまそれを取り戻そうと娘に手紙を送り続けますが、一向に娘からの連絡はありません。さらに自分がセコンドについたボクサーの右目を失明させてしまったことも悔いています。ですからボクサーを育てるのに慎重になりすぎています。そしてアイルランド系であり、敬虔なキリスト教徒です。教会へは欠かさず行ってます。神父に人生について質問を繰り返します。懺悔することで許しを乞うているのです。

エディ・スクラップ・アイアン・デュプリス(モーガン・フリーマン) はかつてボクサーでした。100戦以上戦っています。戦う理由はボクサーであることで自身の存在を認識できるからです。出来ることなら永遠にボクシングをやっていたかったようです。チャンピオンにはなれませんでした。しかし最後の試合で無理をして右目を失明します。セコンドはフランキーでした。フランキーもボクサーとして大成できなかったことを悔いています。

そしてマギー・フィッツジェラルド(ヒラリー・スワンク)です。マギーは悔いているというより、毒親である母親に認めれれたいのです。そのためにボクシングでチャンピオンになりたいのです。ただ彼女は母親に会うたびに落ち込みます。悔いているを越えて、孤独を痛感するのです。生きるにおいて誰も寄り添ってくれないことが一番辛いのです。ましてや実の母親があのようなクズであると一層、孤独感に悩まされます。親子の関係はいくら後悔しても変えられない苦しみを与えます。そしてマギーはフランキーに父性を求めるようになって行くのも頷けます。

この映画は芸術としても評価が高いです。まず照明が非常に美しいのです。絶えず光と陰のコントラストを感じることができます。ジムの中、フランキーのアパート、そして病院です。この映画における光は希望であり、生きることです。でも陰は絶望と死を意味しています。終盤になればなるほど追い詰められるような圧迫感が強くなります。マギーとビリーのリング上でも戦いの場面はスポットライトが当たっていますが、その背景の陰はとても恐ろしく感じます。またマギーが後ろから殴られて椅子に倒れて行く様を下からのショットで捉えています。この時の光と陰の表す意味は生死の境界線であることがはっきりとわかります。

そして病室です。下半身が麻痺になったマギーを捉えるショットには明るい光は当たっていません。うっすらと青白い光です。どんどん陰が強くなっていきます。それは死へのカウントダウンを表しています。実はイーストウッドは早撮りで有名です。最近の作品ではほとんど照明を使っていません。理由はレンズが明るくなったこととデジタル撮影なので従来の照明が必要でなくなったこと。そして「照明は面倒臭い」からだそうです。ですからこの『ミリオンダラー・ベイビー』はイーストウッドが照明技術に凝った最後の作品であると言えます。

フランキーとマギーは疑似恋愛のような関係になっています。フランキーは音信不通の娘をマギーに被らせていますが、実際は恋人のように思っていたと思います。最後のキスでわかります。モ・クシュラという言葉が出てきます。愛する人よ、お前は私の血という意味です。ゲール語です。アイルランド人の言葉です。フランキーとマギーはアイルランド系であるとわかります。そしてこの映画のもうひとつのメッセージはイギリスVSアイルランドの構図が明確にされています。グリーンのガウンはアイルランド人の色です。対するビリーはイギリス人です。その両者が遠く離れたアメリカで戦うのです。この設定に痺れたアメリカ人は多いのではないでしょうか。しかもイギリス人のビリーは汚いことばかります。かつての宗主国です。わたしたち日本人は分かりにくいかもしれませんが、アメリカに住むアイルランド系の人々の誇りはいまだに高いそうです。

さて、映画ではフランキーがマギーに手をかけます。フランキーは敬虔なキリスト教徒です。人を殺めることは信仰に反します。でも殺めた方がマギーを苦しみから救うことができます。なぜならばマギーにはもやは希望がないからです。もう生きている意味がないのです。生きていることが絶望なのです。絶望の気持ちのまま数十年生きることは苦痛以外の何物でもありません。フランキーは最初は断固と断ります。それは宗教上の教えからです。そして自身がマギーに手をかけることで罪を背負うことを恐れたからです。いわゆる自分が可愛い、自分優先の思想からです。そこでフランキーは気がつくのです。「神さまなどクソッタレだ」と。フランキーはようやく神についてわかったのだと思います。だからマギーへの愛のために殺めたのです。

その後、フランキーは消えます。マギーを殺したことを後悔しているでしょうか。わたしは後悔などしていないと思います。一切、後悔はしていないと思います。もっと言えばフランキーは神への信仰も捨て去っていると思います。この映画は生きるとは何か、を考えさせますが、同時に死ぬ権利もある、ということを強烈に伝えている映画でした。

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映画『ミリオンダラー・ベイビー』のキャストについて

フランキー・ダン(クリント・イーストウッド)

かつてボクシングのカットマンとして一線で活躍していました。今がボクシングジムを経営しながら世界チャンピオン育成に励んでいます。とても頑固な性格です。ボクサーを大事にします。かつて自分がセコンドについたボクサーが失明したことを悔やんでします。クリント・イーストウッドの演技はさすがです。いつも言葉が少なくてもズシッと伝わって来ます。年取った姿に悲哀も感じますが、人生重みを感じる演技でした。苦渋の選択の場面では涙が止まりませんでした。

マギー・フィッツジェラルド(ヒラリー・スワンク)

愛情のない家庭に育った女性です。年齢は31歳。アイルランド系です。ただ死んだ父親だけは愛を注いでくれました。母は生活保護の不正受給を受けています。トレーラーハウスで暮らしています。妹も兄もまともに働いていません。そんな環境から抜け出したいと思い、故郷を捨てました。ウエイトレスをしながらボクサーを目指しています。ボクシングセンスがありました。ヒラリー・スワンクは『ボーイズ・ドント・クライ』でアカデミー賞を獲得しています。本作でも受賞。若くてして二回もです。ボクシングに励む姿が様になっています。けれどもやっぱり病床の演技には言葉が出ませんでした。

エディ・“スクラップ・アイアン”・デュプリス(モーガン・フリーマン)

かつて世界を目指していたボクサーでした。トップにはなれませんでした。でもボクシングが人生でした。最後の試合で失明します。その時、セコンドについていたのがフランキーでした。今はフランキーと一緒にジムをやっています。モーガン・フリーマンは静か語る演技が抜群です。しっとりとじっくりと心に浸透してくる言葉の数々です。じっと見つめられると「イエス」と言ってしまいそうです。優しさがにじみ出る演技でした。本作でアカデミー助演男優賞を獲得しました。

ショーレル・ベリー(アンソニー・マッキー)

 

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まとめ 映画『ミリオンダラー・ベイビー』一言で言うと!

「死ぬことを選べる時代になった」

オランダは尊厳死についての先進国です。昔、テレビの番組で尊厳死の人を追いかけたものがあり、強いショックを受けました。その人は若くして半身不随になっており、家族にも迷惑をかけるし、生きていても意味がないから死にたいという内容だったと思います。その辛さは本人にしかわからないと思います。死ぬことに対してネガティブに考えがちですが、それはとても強制的である場合もあります。人生に希望が持てないのに生きていても仕方がないと考える人もいます。その人に一生懸命「生きろ!生きろ!」と言えばいうほど本人にとっては苦痛かもしれません。難しい問題です。うまく言えませんが希望って大事だと思うのです。その希望が持てる社会を作れば、と思うばかりです。

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映画『ミリオンダラー・ベイビー』の作品情報

映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
クリント・イーストウッド
製作
クリント・イーストウッド ポール・ハギス トム・ローゼンバーグ アルバート・S・ラディ
製作総指揮
ロバート・ロレンツ ゲイリー・ルチェッシ
原作
F・X・トゥール
脚本
ポール・ハギス
撮影
トム・スターン
美術
ヘンリー・バムステッド
編集
ジョエル・コックス
音楽
クリント・イーストウッド
フランキー・ダン(クリント・イーストウッド)
マギー・フィッツジェラルド(ヒラリー・スワンク)
エディ・“スクラップ・アイアン”・デュプリス(モーガン・フリーマン)
ショーレル・ベリー(アンソニー・マッキー)
デンジャー(ジェイ・バルチェル)
ビッグ・ウィリー(マイク・コルター)
ホーヴァク神父(ブライアン・F・オバーン)
アーリーン・フィッツジェラルド(マーゴ・マーティンデイル)
サリー・メンドーサ(ネッド・アイゼンバーグ)
ミッキー・マック(ブルース・マックビッティ)
2004年製作/133分/R15+/アメリカ
原題:Million Dollar Baby
配給:ムービーアイ、松竹