映画『レイジング・ブル』ネタバレ・あらすじ・作品情報・評価。マーティン・スコセッシvsロバート・デ・ニーロのボクシング映画最高傑作。

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映画『レイジング・ブル』以下のサイトにて作品情報・キャストなどご確認ください。

YouTubeで予告映像もご覧ください。

Raging Bull (1980) - IMDb
Directed by Martin Scorsese. With Robert De Niro, Cathy Moriarty, Joe Pesci, Frank Vincent. The life of boxer Jake LaMotta, whose violence and temper that led ...
Raging Bull Official Trailer #1 – Robert De Niro Movie (1980) HD

『レイジング・ブル』(129分/アメリカ/1980
原題『Raging Bul』

【監督】
マーティン・スコセッシ
【製作】
アーウィン・ウィンクラー  ロバート・チャートフ
【出演】
ロバート・デ・ニーロ
ジョー・ペシ
キャシー・モリアーティ

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映画『レイジング・ブル』のオススメ度は?

4

4つです。

この映画を観ると本当に暴力男はクソだと感じます。

栄光と地獄を描いています。

スコセッシすごし!

デ・ニーロ天才!

以後、世界の俳優に与えた影響は大きい

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映画『レイジング・ブル』の作品概要

かつてボクシングの世界ミドル級チャンピオンであったジェイク・ラモッタの半生を映画化。ジェイクを取り巻く人間関係、弟、妻、マフィアなどを通してジェイクの波乱万丈の人生を描く。暴力について訴求している。1981年アカデミー主演男優賞受賞。

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映画『レイジング・ブル』のあらすじ・ネタバレ

ジェイク・ラモッタは“Raging Bul”(怒れる牡牛)と呼ぼれている。勇猛果敢なファイトスタイルで人気を博しているが、王座挑戦の道が開けない。弟ジョーイはマフィアのボスと取引して八百長試合の末、王座挑戦の約束をこぎつける。ジェイクは渋々納得するが、、、。それによってジェイクは、、、、。

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映画『レイジング・ブル』の感想・評価・内容・結末

ジェイクという最低の男を最高のロバート・デ・ニーロが演じる

正直、この映画に出てくるジェイクという男は最低の人間です女、子どもなどの弱い者へ平気で手をあげます。

顔にアザができるほどの力で殴りつけます。しかもラモッタはボクサーです。

ボクサーという人間は絶対に人を殴ってはいけないのです。

拳は凶器扱いになっているからです。これは映画ですが、観ていてこの男が憎らしくなってくるのはやはりロバート・デ・ニーロの演技の賜物でしょう。

マーティン・スコセッシ監督が描くリアリズム

監督はマーティン・スコセッシです。ニューヨーク、リトルイタリーで生まれ、周りはマフィアばかり少年時代を過ごしています。その生い立ちが活かされています。

彼の作風はとてもリアルで、ことマフィアに関する映像表現は追随を許しません。本映画『レイジング・ブル』に於いてもマフィアとの関係性を説いています。

派手ではありませんが、すっと心に入ってくる接近の仕方に恐怖を覚えます。

マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロは『タクシー・ドライバー』以来のコンビです。

ジェイク・ラモッタという実在のボクサーの半生を描いています。

映画とは演出として主人公の行動や逸話を大げさに脚色する傾向にありますが、本作でのラモッタの挙動は全て本当だと言われていますから、ジェイクがいかにクソ人間だったのかに怒り心頭になるひともいます。

それだけ夢中にさせる映画を作った二人は本当にすごいと感じます。

白黒映画だからこそ伝わる強さがある

この映画は白黒作品です。白黒作品であるからこそ、迫力が出ていると思います。

光と陰のコントラスト、飛び散る汗、栄光と地獄が本当にうまく表現されています。

ボクシング映画の金字塔と言われています。

ボクシング映画でやはり有名なのはポール・ニューマン主演、ロバート・ワイズ監督の『傷だらけの栄光』(56)です。こちらも素晴らしい出来です。

もうひとつ、ボクシング映画といって良いのかわかりませんがルキノ・ヴィスコンティ監督の『若者のすべて』(60)があります。こちらも素晴らしいです。

スコセッシが言いたかった“暴力”

この映画でスコセッシが言いたかったことはやはり暴力ではないでしょうか。

ジェイクの暴力はおそらく幼少の頃、自身が虐待されたからではないでしょうか。虐待されて子どもが成長して虐待する側に回る可能性は高いと言われています。

それとジェイクはある種のサイコパス的な性質を持っていると思われます。自己中心、尊大、人を巻き込む、目立ちたいなどは正にその典型です。

嫉妬心、猜疑心は自身を破綻させる

しかもジェイクのネチっこい性格、嫉妬心、猜疑心は一向に治ることはなかったそうです。

人を信じない、時としては肉親を殴り、憎み、関係性を破綻にさせるのは異常です。

ジェイクはユダヤ人とイタリア人の両親を持っています。

普通であれば信心深い人間になるはずですが、神にも唾を吐きます。

ここまでのクソ人間は本当にいないくらいに描いています。

日本もアメリカも幼児虐待は深刻な問題

日本では近年、親の子どもに対する虐待報道が盛んに行われるようになってきました。それはとて良いことだと思います。

確かに日本の習慣としてしつけと称してほっぺたを叩いたり、長時間立たせたりとかありますが、今では完全にアウトでしょう。

アメリカ社会では子どもや女性に対しての暴力は絶対に許されません。もしそれが発覚すると間違いなく刑務所行きになります。

しかし近年のアメリカの映画を観ると毒親を扱った作品の多さに驚きの念を禁じえません。それ故に深刻で表面に出ていないケースが多いのでしょう。

栄光から地獄に落ちていく男の悲哀だが、、、

さて、映画の結末ですが正に「栄光と地獄」の映画です。

かつてボクサーとして活躍し地位も名誉も富も掴んだ男が地獄へ落ちます。お金もありません。家族もありません。孤独です。日銭を稼ぐのに必死です。

しかも過去の人と言われ笑われていることに気が付いていません。未だに自分はチャンプだと思い込んでいます。

性格も傍若無人のままです。嫉妬深く、猜疑心が強く、独占的で思いやりも謙虚さもありません。しかし年を取ってしまった、、、、。それが悲しさを助長しています。

ジェイクの涙に見える人間らしさ

しかしジェイクは本当に何を求めて生きたのか、を考えてしまいます。

確かにクソ人間ですが、なぜジェイクがあれほどまでの最悪な人間になったのかはやはり教育をちゃんと受けていないからだと思います

劇中の下品な振る舞いや言葉に品性を全く感じません。人間としての優しさはやはり教養から来るものだと思うのです。

映画の中で印象的な場面が2つあります。ジェイクが泣く場面です。

ひとつ目は八百長試合で負けて、控え室で号泣する場面、こちらは「俺はなんてことをしてしまった。取り返しのつかないことだ」と言っています。ジェイクの声が「神様許してくれ」とでも言っているようです。

多少、信心深いのかなあと感じます。

ふたつ目は刑務所にぶち込まれてコンクリートの壁を拳で乱打しながら「なんでこんなことになってまったんだあ、俺は何にも悪くないのに!」と叫ぶ場面です。ここは確かにジェイクに濡れ衣が着せられている場面です。「神は俺を見捨てた」にも聞こえます。

人間は涙を流すと本音が見えてきます。この場面が観れただけでも救われた気持ちになりました。

でも暴力はダメです。特に女性、子どもにはダメ!

しかし、やっぱり許せないのは暴力です

ェイクが人間関係を破綻させる原因はこれに尽きます。

弟ジョーイに対して妻ビッキーとの仲を疑ってフルボッコにして終わり、、、。あまりにも悲しい。

実の兄弟が仲違いすることほど醜いことはないです。

数年後、ジェイクは街でジョーイと会い、仲直りを提案します。しかしそれは実現しなかったように思えます。

ジェイクがジョーイに対して恨みを持っているのではという場面があります。

ジェイクは弟ジョーイを許せなかったのか

不摂生で太ったジェイクは見世物まがいのコメディアンをやっています。

楽屋で台詞回しの練習をしていますが、映画『波止場』を用いています。

弟は有望なボクサーであったが、兄から八百長を指示されてから転落していく、弟は八百長を指示した兄を許せない、あれがなかったら俺は成功していた、、、と。

これは本映画の逆です。つまりジェイクにとって唯一の誇りだったことを捨てた瞬間に地獄は落ちてしまったと、、、、。

これは一理あるかもしれません。でも暴力とは別です。

アスリートやボクサーにとって一番大切なのはやはりモチベーションでしょう。

ひとつの目的に向かって生きています。

ジェイクの場合は無敗で自力でチャンピオンになる、でした。それが彼の存在価値だったのでしょう。

ゴミのように育ち、教養もありません。ボクシングだけです。ボクシングは実力だけの世界です。

その世界で自分を捨てろと言ったジョーイはやっぱり許せなかったのかもしれません。

そう考えて観るとジェイクに少しは心を寄せることができます。

先にも書きましたがこの映画は本当によくできています。

デ・ニーロの演技の賜物ですが、やはりスコセッシ監督の演出の素晴らしさの骨頂だった映画だと思います。

 

*音楽が良い。

*スコセッシの「ドリーショット」の吸引力に注目して観ると良いかもしれません。時おり、人物に向かってカメラをまっすぐに接近させます。それがとても良い効果を出しています。冒頭のリーブスとの戦いでコーナーに座ったジェイクにカメラがドリーで接近します。これでこの映画への吸引力が決まったと言ってもいいでしょう。

*白黒映画ですが、オープニングのタイトルが赤字とビッキーとの幸せの日々がプライベート撮影っぽく8ミリカラーで紹介しています。これが結構良いエッセンスになっています。

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まとめ 映画『レイジング・ブル』一言で言うと!

「一寸の虫にも五分の魂」

小さな者・弱い者でも、それ相応の意地や感情はもっているから決してばかにしてはならないという意味です。ジェイクにもプライドがあります。一度、プライドが傷つけられてそこからどうするかは本人次第かもしれません。逆に闘志を燃やす人もいますし、負け癖がつく人もいます。まさに右に行くか左に行くか、それとも違う道を行くか、この選択は難しいけれど人生とは自分が決めるものであることは確かです。

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合わせて観たい映画

【ロバート・デ・ニーロ出演映画】

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貫禄あります。年齢に見合う素晴らしい演技です。

映画『ジョーカー』ネタバレ・あらすじ・評価・感想。「神or悪魔?」を観て決めよ!ジョーカー続出でアメリカ熱狂。
映画『ジョーカー』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館ならびにあらすじ・ネタバレ・感想・結末・評価について記載してます。本映画はいま世界中で話題沸騰になっています。ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得しています。貧しいアーサーが如何にジョーカーになるのか、正義と悪は表裏一体。アメリカに根付く格差社会への反発。世界はジョーカーを救世主と見るか、悪魔と見るのか。

 

『レイジング・ブル 』

ジャケット写真も素晴らしいと評判です

『タクシー・ドライバー』

狂気に向かう心情が恐ろしい

『 ゴッドファーザー PART I・II・III 』

1975年 アカデミー助演男優賞受賞

 

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映画『レイジング・ブル』の作品情報

映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
マーティン・スコセッシ
製作
アーウィン・ウィンクラー ロバート・チャートフ
原作
ジェイク・ラモッタ ジョセフ・カーター ピーター・サベージ
脚本
ポール・シュレイダー マーディク・マーティン
撮影
マイケル・チャップマン
美術
ジーン・ルドルフ
編集
セルマ・スクーンメイカー
音楽
レス・ラザロビッツ
ロバート・デ・ニーロ
ジョー・ペシ
キャシー・モリアーティ
フランク・ビンセント
ニコラス・コラサント
マリオ・ガロ
バーニー・アレン
ジョセフ・ボノ
ロリ・アン・フラックス
テレサ・サルダナ
フランク・アドニス
ビル・ハンラーン
ドン・ダンフィ
フロイド・アンダーソン
ジョニー・バーンズ
エディ・ムスタファ・ムハマド
ケビン・メイホン
ルイス・ラフティス
ジョニー・ターナー
1980年製作/129分/アメリカ
原題:Raging Bul