エルトン・ジョン伝記映画『ロケットマン』はカミングアウトする勇気&愛の尊さを世界に歌う。作品情報・ネタバレ・あらすじ・感想・評価

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映画『ロケットマン』の公式サイトとYouTubeを参照ください。

映画『ロケットマン』公式サイト
伝説的ミュージシャン“エルトン・ジョン”の半生を、『キングスマン』シリーズ主演のタロン・エガ-トン×『ボヘミアン・ラプソディ』のデクスター・フレッチャー監督が贈る話題のミュージカル超大作映画。12.25Blu-ray&DVDリリース!
『ロケットマン』本予告

『ロケットマン』(121分/イギリス・アメリカ合作/2019年)
原題『Rocketman』

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映画『ロケットマン』のオススメ度は?

4.5

4つ半

性の多様性について考えてみましょう。

誰にでも、偏見を持たず愛する時代が来てます。

もちろん音楽は最高です。

薬物・アルコールに依存してはダメです。

恋人、友だち、家族で観に行ってください。

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映画『ロケットマン』の作品概要

世界的なミュージシャン、エルトン・ジョンの半生をミュージカル仕立てで描いた作品。恵まれない生い立ち、両親への愛の渇望、音楽の才能、出会い、恋愛、成功、没落、治療、復活、真実の愛などの出来事をエルトンの告白とカットバックを絡めて構成している。全編に流れる名曲の数々が素晴らしい。思いっきり楽しめる。でもしんみりする。

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映画『ロケットマン』のあらすじ・ネタバレ

愛情のない家庭に生まれたレジナルド(レジー)・ドワイト。父親に抱きしめられたこともないし、母親は平気で男と浮気する。レジナルドを唯一救ってくれたの祖母とピアノ。早くから才能を開花させ、レコードデビューする。名前をエルトン・ジョンに変えて。しかしエルトンには人に言えないことがあった。同性愛者であること。苦悩しながらも楽曲を発表するが、やがてドラッグとアルコール依存に陥る。復活の道はあるのか、、、。

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映画『ロケットマン』の感想・評価・内容・結末

エルトン・ジョンのカミングアウトが世界に与えた影響

今年一番の映画かもしれません。人間成長物語として勇気をもらえる映画です。主人公は世界的なアーティスト、エルトン・ジョンです。

彼の半生をミュージカル仕立てで描いています。本映画のテーマとなっているのが同性愛者として苦悩と格闘と決意です。

誰にも理解されない恐怖を抱きますが、彼はカミングアウトすることで世界に認められます。

今ではLGBTについて理解が広まっていますが、当時は相当な偏見に包まれていたことがわかります。

わたし的にも身近な問題でありますが、愛は男女関係なく、全ての人に尊く美しい存在だと考えています(逆に声高にLGBTと叫ばなくても楽な時代になってきたのではないでしょうか)

ですから、今は性別なんて気にせずに性の多様性を分かち合える人たちが増えることを心底願っています。

こんな毒親で辛かったであろう幼少時代

さて、本映画『ロケットマン』を観て、一番気になるのはやはりエルトンの幼少時代です。本当にひどい親です。完全に毒親です

父親はとても冷酷でエルトンをハグすることもありません。母親はエルトンの面前で平気で浮気をするし、観ているだけで胸が痛くなります。

本当に愛情のカケラもない親です。わたしだったら耐えられず、家出するか自殺してしまうかもしれません。ただ暴力は受けていなかったので良かったです(多少はあったかもしれませんが、映画では描かれていませんでした)

毎日のように繰り返される夫婦ケンカの末、両親は離婚します。ただここで両親がエルトンに与えた良いことを探してみると、父親は音楽好きでレコードをたくさん持っていたこと。また母親も音楽好きでエルトンにエルビス・プレスリーのレコードをプレゼントしたことです。

これが後のエルトンに大きな影響を与えます。

お金目当てに寄ってくる人は信用できない

エルトンは割と若くしてトップスターになります。イギリスより先にアメリカで火がつきます。しかし、人間は成功すると必ず忍び寄ってくる人間がいます。甘い囁きを言います

エルトンは作曲はしますが、作詞はバーナーが担当しています。エルトンは密かにバーナーに思いを寄せますが、彼はゲイではありません。

愛が実らないエルトンの心にジョン・リードという音楽マネージャーが近づき二人は恋に落ちます。ジョンは後にフレディー・マーキュリーとも恋に落ちる人物です。

『ボヘミアン・ラプソティー』でも描かれています。本作でもジョン・リードのことを悪く描かれていますが、真相はわかりません。ですからジョン・リードの半生を映画にして欲しいです。

恋愛は良いが、ドラッグやアルコール依存はダメだ

さて、エルトンが男女問わず恋愛するのはとても良いと思うのです。傷つき裏切られても、恋というのはそういうものです。ただ、やっぱりドラッグとかアルコールへ走るのは理解に苦しみます。

わたしは日本に住んでいるのでドラッグが身近にありません。ですから尚更、嫌悪感を持ちます。アーティストの人生を描いた映画はたくさんあります。その多くはドラッグまみれです。

そして死んでしまう映画が多く、とても悲しくなります。唯一、ドラッグ、アルコール依存症から生還したエリック・クラプトンを描いた『エリック・クラプトン~12小節の人生~』はまだ救われました。

その他『ホイットニー ~オールウエイズ・ラブ・ユー~』とかチェット・ベイカーの『ブルーに生まれついて』やカート・コバーンの『ラストデイズ』などは観終わってから立ち上がれなかった記憶があります。

日本でドラッグは身近な存在ではないと祈りたいが

本作は兎にも角にも、エルトンがドラッグとアルコール依存症から立ち直って現在も活躍しているからこそ称賛を浴びるに値する映画だと思います。

ドラッグとアルコールは本当に恐ろしいものだと思います。今年だけでこの二つをテーマにした映画がたくさん公開されていますが、他の国ではどのように受け止められているのか気になります。

日本ではドラッグはとても遠い存在です。外国ではこんなに簡単に手を出すのでしょうか。ちょっとわからないというか信じられません。

映画の構成も演出も素晴らしい

さて、映画の内容はエルトン・ジョンの生い立ちとコンプレックスを絡めて、出会い、チャンス、挑戦、成功、恋愛、ドラッグ・アルコール依存、堕落、復活、結婚を同性愛者で苦悩する姿を描いています。その構成がとても素晴らしいのです。

まずエルトンが薬物・アルコール依存症を克服する更生施設で赤裸々に半生を語る場面を軸にしているのがとても秀逸です。

過去の出来事をカットバックで挿入することで物語の時間軸がとてもわかりやすいです。

そして重たいテーマをミュージカルにすることでとても楽しく観ることができます。エルトン・ジョンの名曲がふんだんに流れてきます。『Saturday Night s Alright (For Fighting) (土曜の夜は僕の生きがい)』などのノリノリの曲は思わず足でリズムを取ってしまいます。

もちろん『「Your Song (僕の歌は君の歌)」』などのバラードは涙腺が緩みます。

エルトン・ジョンの才能の原点はどこにあるのか

エルトン・ジョンの才能について「生い立ちも影響している」といった記事を読みましたが、わたしはそうは思いません。あのような辛い幼少期があったから名曲が生まれたというのは大きな間違いではないでしょうか。

よく成功した人について「恵まれなかった不遇時代の賜物」と言いますが、本人に言わせると「こんな成功より幸せに過ごす時間の方が欲しかった」と言う人もいます。

ですからわたしはそれについては否定的です。と考えるとエルトン・ジョンの才能は天性のものと、やはりホモセクシャルな感性から発した恋によって養われたのではないでしょうか。叶わぬ女心です。

エルトン・ジョンの勇気あるカミングアウトに感謝したい

今ではカミングアウトしても差別・偏見の目で見る人は少なくなってますが、ひと昔前は人目を忍んで愛を育んでいました。

もし見つかろうものなら、どんな仕打ちがあるのか怖くて怖くてたまらなかったと思います。特にエルトンのような世界的スーパースターにとっては大きなゴシップです。

それを敢えてカミングアウトしたエルトンの功績は大きいです。世界のゲイの人に対しての大きな優しさを感じます。

*あの奇抜なファッションは最高だ。
*結婚して子供を抱くエルトン・ジョンの笑顔が最高に幸せそうでした。良い父親&母親になっているでしょう。
*ダイアナ妃との交流については描かれていないです。そこまではやり過ぎと考えたか?
*映画のエンディングがちょっと勿体無いです。立ち直ったエルトン・ジョンは良いのですが、畳み掛けるようにテキストでその後のエルトンについて読まされます。それは文字ではなく映像として描いて欲しかったです。最近、映画の最後のテキストを読まされる作品に辟易しているので残念です。
*今年、イギリス製作の『ゴッズ・オウン・カントリー』が公開されました。こちらは一般人のゲイ映画です。とても素晴らしい映画です。

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映画『ロケットマン』まとめ 一言で言うと!

どんな人にも尊敬の念を持って愛する気持ちって美しい。

LGBTの歴史には差別と偏見があります。日陰で肩寄せ合って生きてきました。自身が性的マイノリティーであると露見したらどんな攻撃をされるかわからないからです。でも時代は変わってきました。エルトン・ジョンはその先達者といえます。今ではLGBTの権利を声高に言うより、もっと性の多様性について考える時代だと思います。性別という分類をなくすのが進化した人間だけが持つ知性だと思います。

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映画『ロケットマン』の作品情報

映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
デクスター・フレッチャー
『ボヘミアン・ラプソディ』(18)『サンシャイン 歌声が響く街』(14)『ワイルド・ビル』(14)『エレファント・マン』(04)

製作
マシュー・ボーン デビッド・ファーニッシュ アダム・ボーリング デビッド・リード
製作総指揮
エルトン・ジョン クローディア・ボーン ブライアン・オリバー スティーブ・ハミルトン・ショウ マイケル・グレイシー
脚本
リー・ホール
撮影
ジョージ・リッチモンド
美術
マーカス・ローランド
衣装
ジュリアン・デイ
編集
クリス・ディケンズ
音楽
マシュー・マージソン
音楽製作
ジャイルズ・マーティン
振付
アダム・マーレイ

キャスト
タロン・エガートン (エルトン・ジョン)
『フッド ザ・ビギニング』(19)『ビリオネア・ボーイズ・クラブ』(18)『キングスマン ゴールデン・サークル』(18)

ジェイミー・ベル (バーニー・トーピン)
『リヴァプール、最後の恋』(19)『ニンフォマニアック Vol.2』(14)『ニンフォマニアック Vol.1』(14)

リチャード・マッデン(ジョン・リード)
『フレンチ・ラン』(17)『ブラナー・シアター・ライブ2016 「ロミオとジュリエット」』(16)『シンデレラ』(15)

ジェマ・ジョーンズ(アイヴィー)
ブライス・ダラス・ハワード(シーラ・フェアブラザー)
スティーブン・グレアム(ディック・ジェイムス)
テイト・ドノバン(ダグ・ウェストン)
チャーリー・ロウ(レイ・ウィリアムズ)
スティーブン・マッキントッシュ
トム・ベネット
オフィリア・ラビボンド
2019年製作/121分/PG12/イギリス・アメリカ合作
原題:Rocketman
配給:東和ピクチャーズ