100年前の日本人女性とロシア人将校の秘められた恋物語『ソローキンの見た桜』ネタバレ、感想、評価

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映画『ソローキンの見た桜』公式サイト
第1回日本放送文化大賞ラジオ部門でグランプリに輝いたラジオドラマ「松山ロシア人捕虜収容所外伝 ソローキンの見た桜」を実写映画化。「孤狼の血」の阿部純子が日露戦争時のゆい、現代の桜子というヒロイン2役を、捕虜収容所長役をイッセー尾形、実在の人物・ボイスマン大佐役をアレクサンドル・ドモガロフが演じ、山本陽子や斎藤工らが脇を...

『ソローキンの見た桜』(111分/日本/2019)

映画製作は難しいと思う。だからこそ愛を込めて作らないといけない

映画は素晴らしいもの。全ての映画に心を寄せたい

私は映画が好きである。全ての映画が好きである。映画が好きであるからこうやって記事を書いている。書くことでより多くの人が映画館へ足を運んでもらうのであればこの上ない幸せを感じる。よって映画の記事を書く時はできるだけ良いことだけを書きたい。

映画製作に愛を感じていたいのだ

良い映画を観ると企画から撮影、編集、公開までの過程が見えてくる。良い映画ほどスタッフが一体となって血と汗を流しながら作っている光景が浮かんでくる。逆に良くない映画も制作過程で何やらゴタゴタがあったのではないかと勝手に想像してしまう。つまり映画製作に愛を感じないのだ。例えば“音”音量調整がデタラメであったり、突然背景の音が繋がらなかったり、せっかく良い音楽が流れているのにブツと切れてしまったり、、、。また撮影フィルムの色調が青っぽかったり、赤っぽかったりと統一感が全なかったり、、、。更に大した心情風景でもないのに壮大な音楽で逃げていたり、、、。尺を稼ぐような編集をしていたり、、、。もっと言うなら脚本が酷かったり、、、。更にテキスト説明(テロップ)が多く、クレジットロールの前で駆け込み乗車のように結末を読まされたり、、、、。

もう少し物語を練りこんだほうが良かった。幼稚になってしまった。

本作は予告を観てとても期待していた。しかし正直言ってガッカリしてしまったのだ。一見、壮大な愛の物語に感じるが、これしきの物語はどこにでもある。ロシアから来た将校が日本で行きずりの恋をしただけだ。その日本女性が日本の古い習慣をぶち壊し、外人との愛を選択し逞しく生きるのであれば心は同調していく。でも言い方を変えればただの外人好きな女となってしまうのだ。そしてその相手の子どもを産み悲劇のヒロインを演じているだけなのだ。これでは心惹かれない。しかも家業を守るための取引としてロシア人男性を利用するとは、何てチープな女なのだろうと思うのだ。

テキスト説明するなら映像化しなくて良い。全戦争犠牲者代表を気取るメッセージで台無しになった。

エンディングでテキスト説明がやたらと書かれているのには辟易とした。「戦争という運命に翻弄された全ての人々に捧ぐ」とあるが、あまりにも大袈裟だ。捕虜になったロシア人98名は翻弄されたかもしれないが、この映画に登場する人々は戦争に翻弄されている様子が描かれていない。もちろんこの後に起きる第一次、二次世界大戦を経験した未来の我々の視点からのメッセージであることはわかるが、この映画の中で戦争反対と叫んでもいないのにこのメッセージは如何なものだろうか。

*もう一つ、斎藤工が演じるディレクターの倉田はこの映画のストーリーに必要だったのだろうか。まったく不要な気がする。

*小さな町でハーフの子供が生まれたら噂になるだろう。それを隠すことは出来ないと思う。無理がある。

映画のことなら映画.comより引用

スタッフ
監督 井上雅貴
原作 田中和彦
原案 青山淳平
脚本 井上雅貴  
香取俊介
プロデューサー益田祐美子 井上イリーナ 清水啓介 遠藤日登思
スーパーバイザーエカテリーナ柳内光子 撮影岩倉具輝 照明一ノ瀬省吾
録音木原コウジ 装飾松本良二 衣装白石敦子 ヘアメイク高松れい
編集井上雅貴 音楽小野川浩幸 助監督向田優 制作担当山崎敏充

キャスト
阿部純子桜子/ゆい
ロデオン・ガリュチェンコソローキン
山本陽子高宮菊枝
アレキサンドル・ドモガロフボイスマン大佐
六平直政武田勇吉
海老瀬はな竹場ナカ
戒田節子武田タケ
山本修夢
藤野詩音
宇田恵菜
井上奈々
杉作J太郎TVカメラマン
斎藤工倉田史郎
イッセー尾形河野所長
作品データ
製作年 2019年
製作国 日本
配給 KADOKAWA、平成プロジェクト
上映時間 111分
映倫区分 G