2019年アカデミー賞 三部門受賞!納得『グリーンブック』は実話の男の友情物語。感想、評価、ネタバレ

2019年製作
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映画『グリーンブック』公式サイト
1962年。天才黒人ピアニストは、粗野なイタリア系用心棒を雇い、〔黒人専用ガイドブック<グリーンブック>〕を頼りに、あえて差別の色濃い南部へコンサート・ツアーへ繰り出す。旅の終わりに待ち受ける奇跡とは? まさかの実話! 2019年3月1日(...

『グリーンブック』(130/米/2018)

原題『 Green Book』

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『グリーンブック』の圧勝。ボヘミアン・ラブソディー』『アリー スター誕生』は足元に及ばない

 この映画を鑑賞中、ずっとこのまま観続けたいと願った。心地良いのだ。本当に素晴らしい気持ちにさせてくれたのだ。アカデミー作品賞、助演男優賞、脚本賞を獲得するのが納得した。『ボヘミアン・ラブソディー』『アリー スター誕生』が候補に上がっていたが、この作品と比べると全くお話にならないと思う。役者も脚本も群を抜いている。

アカデミー賞は映画芸術科学に貢献した作品や人物に与えらる賞。

 アカデミー賞は映画芸術科学に貢献した作品や人物に与えらる賞で映画祭ではない。カンヌ、ベルリン、ベネチアなどの世界三大映画祭で受賞するのが一番権威がある。はっきり言うとアメリカだけの映画に与えらる栄誉なのであまり関心はないのだが、この『グリーンブック』は文句無しに良い作品である。(アカデミーは英語が主体の作品を対象にしており、日本語などは外国語作品賞として区別しているところが問題と感じる)

天才黒人ピアニストと陽気なイタリア人用心棒の友情物語

映画は1960年当時のアメリカ社会を舞台に黒人ピアニストが差別に対して紳士的に戦う姿をガサツなイタリア白人と旅する友情物語である。私は日本に住んでいるから人種差別は身近に感じない。でも少しはわかる。何十年も前にアメリカを旅行していた時に日本人、つまり黄色人種であることを理由にバスに乗車できなかったことがある。グレイハウンドバスでアメリカを旅している時、確かに南部の農家で働いている人の多くは黒人やスパニッシュ系の人が多かった。白人の農業労働者は見た記憶がない。この映画でも黒人の農業労働者が出てくる場面がありダブってしまった。

マハーシャラ・アリドクターとビゴ・モーテンセントニーは最強の二人だ

 さて、縁あって二人は南部を共に旅するのだが、時には掛け合いの漫才のように、あるいは人生の哲学者のようにそれぞれが語るのが面白い。マハーシャラ・アリドクター演じるドナルド・シャーリーは非常に真面目で堅物な印象だが、ビゴ・モーテンセントニー演じる“リップ”・バレロンガのガサツで陽気な振る舞いでドナルドに対して好感度が引き立ってくるのだ。このようにキャラクターを対比させることで映画がグンと面白くなる。つまりこの映画は対比で構成されているのだ。

対比させることで際立つキャラクターと物語。脚本が秀逸だ

 以下は決して悪気のある比喩ではないと断っておく。まず白人と黒人。知的階級と労働者階級。家族持ちと独身。生真面目とデタラメ。南部と北部。そして同性愛者と異性愛者等々。映画を観ていると知らず知らずの内にこれらが頭に入ってくる。メリハリがある。そして喜怒哀楽がある。特に前半部分はリップのおバカさんトークで大いに笑わせてもらい、後半に進む連れシリアスな展開、悲しい出来事、そして最後はハッピーへと繋がっていく。この脚本が本当に素晴らしい。笑って泣いて、また笑って拍手してしまったのだ。大満足の映画だ。誤解して欲しくないので追記するが、対比させることは差別ではない。この映画では対比させているが結局は同じであると語っているように感じる。

人種差別の根底にあるのは何だろうか。今一度考えてみる必要がある

 そして私たちは今一度考える必要があるのではないだろうか。人種差別についてだ。この『グリーンブック』もそうだが『ビールストリートの恋人たち』、そして間も無く上映される『ブラック・クランズマン 』も差別問題を取り上げている。こう言った動きが起きる理由の根底に何があるのか洞察しなくてはいけない。世界的に閉塞感が漂っている。自分を守るために誰かを攻撃しようとする動きがある。SNSの炎上など正に最たる例だ。集団で弱いものへ矛先を向ける。このような風潮が続くとかつて差別され、苦痛を与えられた黒人、有色人種が再び被害者になってしまう可能性があるのだ。この映画は決してそのようなことは繰り返してはいけないと提言しているような気がするのだ。

傷つくと立ち直るのに時間がかかる。未来の損失だ。

差別とは本当に傷つくもの。人間の尊厳を否定されることほど辛いことはない。一度、傷つくと立ち直るのに時間がかかる。その人の未来の可能性を縮めてしまうのだ。そんなことを考えさせられた映画だった。

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今だに女性の社会進出を歓迎しない男は多い。世界的な女性作家シドニー=ガブリエル・コレットでさえも夫の強制により社会に出る機会を長く待った。この物語は文才のないダメ夫に嫁いだばかりに、作家としての才能を開花する女性の物語である。同時に女性の権利を広く訴えることでフランス女性たちに勇気と希望を与えた人生をつぶさに描いている。

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映画『ある少年の告白』LGBTへ理解を深めてくれます。ネタバレ、評価、あらすじ。
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映画『グリーンブック』

有名な黒人ピアニストが人種差別を戦う過程で自身のセクシャリティーを告白している。

2019年アカデミー賞 三部門受賞!納得『グリーンブック』は実話の男の友情物語。感想、評価、ネタバレ
この映画は天才黒人ピアニストが危険を承知の上で南部アメリカを旅することで人種差別撤廃を訴えている。共に旅するのが、陽気なイタリア人の用心棒。凸凹コンビが織りなすドラマに涙する。喜怒哀楽は元より、差別と言う醜い人間の感情を撤廃しなければ幸せな未来は訪れないと痛感させる映画である。人間は本音で話し合えば仲良くなれるのだ。

映画『女王陛下のお気に入り』

イギリス王室の物語。アン王女と侍女の関係を描いている。

映画『女王陛下のお気に入り』は豪華絢爛なセットと衣装に大英帝国と言う時代が見える。エマ・ストーンが美しい。感想とネタバレあり。
イギリス王朝を舞台にした映画である。王朝物はたくさんあるが、本作のアン王女には可愛げが全くない。人間の持つ本性とは権力を手に入れるとこれほどまでに醜くなるのかを痛切した。高い場所から見下すことで自己のアイデンティティーを保っているように見える。またアン王女に取り付く侍女たちも権力を宝石の如く手に入れようとする。

映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』

アメリカ女子テニスのスーパースターが性差別撤廃に向けて戦う。自身も同性愛者とカミングアウトする。

世紀の対決『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』この一戦から女性の地位が向上した
『バトル・オブ・ザ・セクシーズ 』(122分/米/2017) 原題  『Battle of the Sexes』 女性の地位向上と男女差別是正を目指したテニス選手の物語でもあるが、LGBTへの理解を世界に示した勇気ある女性の物語である。 ア...

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クリント・イーストウッド監督『J・エドガー』は実話。米大統領を操った男である。ケネディーの死にも関与している。ネタバレ、感想、評価。
『J・エドガー』 (138分/米/2011) 原題『J. Edgar』 アメリカの近代史はJ・エドガー無しには語れない。功績も大きいが非難の声もある。 約50年、FBI長官を務める。情報収集に全力をかけた人生。 ジョン・エドガー・フーヴァー...

 

映画のことなら映画.comより引用

スタッフ
監督 ピーター・ファレリー
製作 ジム・バーク チャールズ・B・ウェスラー ブライアン・カリー ピーター・ファレリー ニック・バレロンガ
製作総指揮 ジェフ・スコール ジョナサン・キング オクタビア・スペンサー クワミ・L・パーカー ジョン・スロス スティーブン・ファーネス
脚本 ニック・バレロンガ ブライアン・カリー ピーター・ファレリー
撮影 ショーン・ポーター
美術 ティム・ガルビン
衣装 ベッツィ・ハイマン
編集 パトリック・J・ドン・ビト
音楽 クリス・バワーズ
音楽監修 トム・ウフル マニッシュ・ラバル

キャスト ビゴ・モーテンセントニー・“リップ”・バレロンガ マハーシャラ・アリドクター・ドナルド・シャーリー リンダ・カーデリニドロレス ディミテル・D・マリノフオレグ マイク・ハットンジョージ セバスティアン・マニスカルコ P・J・バーン

作品データ
原題 Green Book
製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ

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