映画『ともしび』シャーロット・ランプリングを観ていると息ができなくなった

上映中

『ともしび』

原題 Hannah』(93/フランス・イタリア・ベルギー合作/2017

映画「ともしび」
ひとりの女性が、もう一度“生きなおし”を図るまでの、哀しみと決意を追う人生最後のドラマ。『さざなみ』『まぼろし』につづくシャーロット・ランプリング渾身の感動作!

大女優シャーロット・ランプリング主演の映画である。なかなか難しい映画だ。まずこの映画はほとんどセリフがない。ランプリングの表情と動きだけで90分続くと思って良い。ランプリング演じるアンナは心に重たい何かを背負っているのはわかる。それが夫の事だと言うこともわかる。しかしそれがどんな罪なのか映画の終盤まで明かされない。おそらくではあるが夫が子供に対して何か犯した罪だろう。だから夫は警察に逮捕されてしまった。夫が逮捕されるまでは2人は慎ましやかな生活を送っていた。淡々とした静かな日常だ。でも夫の逮捕によって全てが狂ってしまった。一気に不協和音が訪れた。

映画の冒頭シーンがとても印象的だ。スクリーンの右側にシャーロット演じるアンナの顔のアップ。アンナは叫び声を出している。長い声だ。顔が紅潮していく。何かを吐き出すような叫びだ(後ほどわかるが、アンナはこの叫びによって心の苦しみを吐露していたのだろう)この映画はほとんど笑わない(いや一度笑った。確かボイストレーニングの教室で、アフリカ系の女性の声を聴いて一瞬だけ笑った)でもすぐに口角を垂らした。不機嫌な顔というか疲れきった顔になった。

アパートの暗闇の中にいると、誰かがノックする。女の声だ。最初は静かにアンナを呼ぶが、どんどんエキサイトしていく。罵声に変わる。「子供にあんなことをするなんて」この言葉で十分だ。辛い仕打ちが永遠に続くような気持ちになる。もう一つ辛いことが起きる。あんなは孫に会いに行くが、合わせてくれない。息子はアンナに向かって帰ってくれ、もう関わらないでくれと言い放つ。ここからも何があったか想像できる。しかしアンナは夫が無実だと信じている。しかしタンスの上から発見された封筒には

映画情報を読むと、この映画はシャーロットの人生そのものだと書いてある。シャーロットのプライベートの夫が浮気を繰り返し、その影響でアンナは鬱で苦しんだそうだ。

映画の終わり方も独特だ。1人孤独に地下鉄に乗ってドアが閉まる。1人でどこかへ行くのか、誰かに、助けを乞うのか、、、。もしや死を探しているのか、、、。アンナのこの先に起きるあらゆることを想像してしまった。

結局、人生とは一人になっても生き抜かなくてはいけないのか。誰も助けてはくれない。時には叫びたい時がある。泣きたい時がある。でも出来ない。心が苦しい。折れてしまいそうだ。孤独だ。孤独でいることも必要な試練なのか。

人生とは無情だ。そんな気持ちになった。

映画のことなら映画.comより引用

スタッフ
監督 アンドレア・パラオロ
製作 アンドレア・ストゥコビッツ ジョン・エンゲル クレマン・デュバイン
脚本 アンドレア・パラオロ オーランド・ティラド
撮影 チェイス・アービン
美術 マリアンナ・シベレス
衣装 ジャッキー・フォコニエ
編集 パオラ・フレディ
音楽 ミケリーノ・ビシェリャ

キャスト
シャーロット・ランプリングアンナ
アンドレ・ウィルムアンナの夫
ステファニー・バン・ビーブエレーヌ
シモン・ビショップ二コラ
ファトゥ・トラオレ演技の先生

作品データ
原題 Hannah
製作年 2017
製作国 フランス・イタリア・ベルギー合作
配給 彩プロ
上映時間 93
映倫区分 G