チェイニー副大統領モデルの実話『バイス』を観れば現在の世界の争いが見えてくる。ネタバレ、評価。

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映画『バイス』公式サイト
アカデミー賞®受賞(メイクアップ&ヘアスタイリング賞)!米史上最強で最凶なチェイニー副大統領(バイス)!クリスチャン・ベール主演×アダム・マッケイ監督×ブラッド・ピット製作『マネー・ショート 華麗なる大逆転』チーム再集結!2019年4月5日(金)、TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー

『バイス』(132分/米/2018)

原題 『Vice』

監督 アダム・マッケイ

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アメリカの映画業界の意識は高い。勇気ある映画人だ。またそれを許容するアメリカも懐が深い

日本では到底製作できない映画。

アメリカという国は本当に懐が深い国だと改めて感じた。この映画に登場する人物の多くは今も現存している。彼らはかつて政府の要職に就いていた。大統領、国務長官、そして副大統領。そういった人物を映画として描くことがどれだけ大きなリスクかを想像すると恐ろしくなるくらいだ。でもそこをやってのけるのがアメリカの強さだ。そして正義も感じる。

日本のメディアはスポンサーに忖度ばかりしている

日本では到底このような作品は作れない。まずスポンサーがつかない。日本のメディアはいつもスポンサーのご機嫌とりばかりで平等で正当な報道などしない。スポンサーはお抱えの政治家と政党をバックにつけているから、そういう人を叩く映画にお金など出さないだろう。簡単に言えば我々国民は知らぬが仏状態で生きているのだ。

世界の人がアメリカをどう見ているかわかるだろう

日本人はアメリカに対して憧れを抱いている人が多い。特に若者に見られる。しかし、日本は第二次世界大戦で徹底的にアメリカにやられた。年配の人はアメリカに対して畏怖の念を持ちコンプレックスを持っている人も多い。島国ニッポンで暮らしていると世界の人々がアメリカに対してどういう感情を持っているかわかりにくい。はっきり言ってしまえばアメリカほど世界から嫌われている国はない。

実は世界で一番嫌われている国がアメリカ、でも好かれてる国でもあるアメリカ

特に中南米諸国の人々はアメリカに対して良い印象を持っていないだろう。それは南北アメリカにおける政治、経済などはほぼアメリカに掌握されており、言うことを聞かなければ生きていけないという現実もある。しかも“出る杭は打たれる”状態を保持しなければいけない。もし出過ぎるならば即座に叩かれる。だからいつもアメリカの顔色を伺っていないといけない(キューバやベネゼイラは別だ)

国境のない国で生まれた我々にはわからない緊張感

日本は国境がないから隣国とのヒリヒリするような緊張状態を知らないから、アメリカという国が世界からどのように見られているかもわからないのだろう。この映画を観ていると2001年9.11以後からの世界の変貌が手に取るようにわかって恐ろしくなった。たった一人の人間の思考によって世界は憎しみの連鎖を持ってしまったのだ。

戦争は最大のビジネスという人がいるが、そんなの信じたくない、、、

大きな戦争の影には大きなビジネスの匂いがプンプンすることも忘れてはいけない。戦争を起こし人が亡くなることで潤う人たちを探せば、なぜそのようなことが起きたのかがわかる。本当に恐ろしい。人間はいとも簡単に扇動されて、団結して、間違ったパワーを生み出してしまう。巨大になれば歯止めが効かないのだ。間違いだと後で気がついても訂正できないから、その間違いすら肯定するのが人間だ。

ハリウッド俳優は今“なりきりブーム”なのか、競うように真似している

さて映画の話をしよう。まずはこの映画に出ている役者たちが素晴らしい。主役のチェイニー演じるクリスチャン・ベールのなりきりはもう脱帽する。妻役のエイミー・アダムス、ラムズフェルドのスティーブ・カレル、ブッシュのサム・ロックウェルらの全てがそっくりだ。これでカデミー賞でメイクアップ&ヘアスタイリング賞を獲得するのも頷ける(ちなみにスティーブ・カレルは『バトルオブセクシーズ』の印象が残ってるが)

ジョージ・W・ブッシュ大統領がもっと賢明だったら、、、

この映画を観て思うのはチェイニーもラムズフェルともジョージ・W・ブッシュ大統領を上手く使って金儲けをしたに過ぎないのだ。良い言い方をすればブッシュは人が良かった。実際はこの映画の中では徹底的にバカにされている。一国の長がバカにされているのだ。ここに今の世界の悲劇があるのだ。もしブッシュが、いやブッシュのブレーンが賢明であったのなら世界はこんなに争いに明け暮れなかっただろうと思う。

次回へ続く

『Vice』その②

チェイニー副大統領モデルの実話『バイス』ネタバレ、評価、感想。クリスチャン・ベールが凄かった
クリスチャン・ベールの役者魂を垣間見ることができる作品である。見事にチャイニーの悪党ぶりを演じている。あのイラク戦争から世界は変わってしまった。現在の憎しみがはびこる源はチェイニーにあった。しかし彼は何も悪びれていない。アメリカのためにやったと嘯く。それはある意味国家に忠誠を誓った人間の正しさでもある。実話は恐ろしい。

 

イラク戦争をテーマにした映画

クリント・イーストウッド監督『アメリカン・スナイパー』実話は映画史上最高傑作の反戦映画である。ネタバレ、感想、評価
クリント・イーストウッドは多くの戦争映画を制作している。西部劇作品も一貫して戦争映画だ。『許されざる者』『ミスティック・リバー』『ミリオンダラー・ベイビー』も戦争映画だ。そして本作はおそらくイーストウッド自身ストレートに描いた最高傑作の反戦映画であると言える。事実、アメリカの戦争映画の興行収入の記録を作った。そこに反戦の事実がある。

映画のことなら映画.comより引用

スタッフ

監督 アダム・マッケイ
製作 ブラッド・ピット デデ・ガードナー ジェレミー・クレイマー ウィル・フェレル アダム・マッケイ ケビン・メシック
製作総指揮 ミーガン・エリソン チェルシー・バーナード ジリアン・ロングネッカー ロビン・ホーリー ジェフ・ワックスマン

脚本 アダム・マッケイ
撮影 グレイグ・フレイザー
美術 パトリス・バーメット

衣装 スーザン・マシスン
編集 ハンク・コーウィン
音楽 ニコラス・ブリテル
特殊メイク グレッグ・キャノン

キャスト
クリスチャン・ベールディック・チェイニー
エイミー・アダムスリン・チェイニー
スティーブ・カレルドナルド・ラムズフェルド
サム・ロックウェルジョージ・W・ブッシュ
タイラー・ペリーコリン・パウエル
アリソン・ピルメアリー・チェイニー
リリー・レーブリズ・チェイニー
リサ・ゲイ・ハミルトンコンドリーザ・ライス
ジェシー・プレモンスカート
ジャスティン・カークスクーター・リビー
エディ・マーサンポール・ウォルフォウィッツ
シェー・ウィガム
ビル・キャンプ
ドン・マクマナス

作品データ
原題 Vice
製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 ロングライド
上映時間 132分
映倫区分 G