チェイニー副大統領モデルの実話『バイス』ネタバレ、評価、感想。クリスチャン・ベールが凄かった

2019年製作
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映画『バイス』公式サイト
アカデミー賞®受賞(メイクアップ&ヘアスタイリング賞)!米史上最強で最凶なチェイニー副大統領(バイス)!クリスチャン・ベール主演×アダム・マッケイ監督×ブラッド・ピット製作『マネー・ショート 華麗なる大逆転』チーム再集結!2019年4月5日...

 

『バイス』(132分/米/2018)

原題『Vice』

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映画『バイス』の作品情報

【原題】
『Vice』
【製作年】
2018年
【製作国】
アメリカ合衆国
【上映時間】
132分
【日本公開】
2019年
【世界公開】
2018年
【監督】
アダム・マッケイ
【脚本】
アダム・マッケイ

【キャスト】
クリスチャン・ベール
エイミー・アダムス
スティーブ・カレル
サム・ロックウェル
タイラー・ペリー
アリソン・ピル
リリー・レーブ
リサ・ゲイ・ハミルトン
ジェシー・プレモンスカート
ジャスティン・カークスクーター・リビー
エディ・マーサンポール・ウォルフォウィッツ
シェー・ウィガム
ビル・キャンプ
ドン・マクマナス

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映画『バイス』の作品概要

2001年9.11以降の世界の混乱を招いたのは一体誰?今、世界中で憎悪の連鎖が繰り返されている。それを作ったのは誰?意図的だったのか?金儲けのためだったのか?本作はそれらの疑問が霧が晴れてくるように見えてくる作品だ。製作者の勇気に拍手を送りたい。

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映画『バイス』のあらすじとネタバレ

クリスチャン・ベール演じるチェイニーの若い頃は全くダメな男だった。酒を飲み、喧嘩をして、仕事をすぐに辞めてしまう。唯一の理解者は妻のメアリーだけ。流石のメアリーも三行半を突きつける。メアリーに捨てられたら大変とばかりに、チェイニーは心を入れ替えて大学へ通う。そして力をつけて出世していく。やがてアメリカで最高の権力を手に入れて世界を自由自在に操る。

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映画『バイス』の感想と評価

この映画を観ると世界に憎しみが溢れる原因がわかる。イラク戦争に賛成した日本も愚かだった

VICE』の余韻がまだ体に残っている。

今一度この映画を作ったアメリカの映画人たちに敬意を表したい。

そして世界が今このような混乱の状況にある原因を作ったチェイニーにも祈りを捧げたい。

9.11は確かに世界を変えた。でも2003年イラク戦争によって世界は本当に変わってしまったと思う。

繰り返すが9.11も忘れてはいけないが、イラク戦争の方も忘れてはいけない。

チェイニーがイスラム国を台頭させるきっかけを作った

本作を観るとあの9.11の同時多発テロも実はチェイニーが仕切っていたのではないかと疑いたくなるほどだ。彼ならやりかねないと思ってしまう。

チェイニーとラムズフェルドがイラク戦争へ突入するための材料を集める場面が頭に残っている。

布に例えたら小さなほころびを見つけそこに指を入れて大きくしていく感じだ。何の罪悪感もない。

小さなほころびとは後にイスラム国を建設するザルカウィの誕生を指す。

ビンラディン、ザルカウイ、フセインは本当に繋がっていたのか

ザルカウイとウサマ・ビンラディンの関係を丁稚あげて戦争へと導いた。フセインはそれに巻き込まれた。

イラクには大量破壊兵器も核兵器もなかった。

でもチェイニーは戦争をしたかったのはイラクの油田を取りたかったのだ。彼は副大統領に就任する前はハリバートンと言う主に石油採掘会社のCEOだ。

政府の権力を手にした今、全てをハリバートンに流すことなど容易だったのだ。何という恐ろしいことだろう。

情報操作で人間なんて簡単に洗脳されてしまう恐ろしさ

アメリカ国民を世界の人を説得させるために国連の演説でパウエルに発言させた。これが大きかった。

黒人であり人望のあるパウエルの発言によって世界の人々はこのデマを一気に信じたのだ。後にパウエルはその発言を後悔していると語っている。

繰り返すがチェイニーやラムズフェルドがイラク戦争に積極的だったのは世界の平和を守るためではない。自らの利益のためだ。

メディアにも責任があった、でもチェイニーたちの方が拡散する技術が上手だった

あらゆる情報操作も行なっている。メディアをコントロールしアメリカ国民から世界の人々へ「このままイラクを放置しておけば世界は大変なことになる」と世界中の人に印象つけた。

デマであっても一旦火がつくともう収集は不可能だ。

人々の憎しみは一気にサダムフセインへと向かっていったのだ。

そしてあのイラク戦争の後、イスラム国は台頭し世界を恐怖に陥れることになったのだ。

アメリカは軍需産業の会社がたくさんある、従事している人は豊かになったらしい

アメリカには兵器製造会社が多くある。

兵器は消費されなければ会社の経営は危うくなる。経営を保つには兵器を売るしかないのだ。

兵器会社が倒産するようなことがあれば大量の失業者が溢れてしまう。不景気は国内の安定を乱し、治安が悪くなるという負の連鎖が起きる。

そうならないためにも戦争する必要があったのだ。そして戦争によって兵器が使われることでさらなる宣伝効果を得て他の国にもその兵器が売れる。よってもっともっと国は潤うのだ。

チェイニーこそアメリカンスピリッツを体現している人物かもしれない。国家に忠誠を誓ったから

チェイニーは以後のインタビューでアメリカ国家のためアメリカ国民のためにやったと言っている。

確かにそうかもしれないがイラクでは罪もない一般の人々が600,000人も死ぬことになった。チャップリンの『独裁者』を思い出してしまった。

1人殺せば殺人者だが10,000人殺せば英雄だ」嫌な言葉だがチェイニーはイラク国民を殺しアメリカに経済的な安定を与えた。

アメリカ人で未だにチェイニーを尊敬し、崇拝する人が多いというのが何だもの悲しい。

それと前編で書いたがやっぱりブッシュが愚かだった。

愚かというより馬鹿だった。

チェイニーとラムズフェルドは馬鹿なブッシュをとことん利用して金儲けをしたに過ぎない。ブッシュの当時の会見の映像を見るとようやく謎が解けてくる。

彼を操っていたのはチェイニーだったのだ。あの時に戻って正しい選択をしていれば世界はこのような混乱にならなかった。

繰り返す、今ある世界の混乱と紛争の要因は全てあのイラク戦争が招いているのだ。

チェイニーの家庭でも人柄は良き夫、父である。が、仕事では悪魔になる人物

映画では一応ではあるが、チェイニーの人柄を表す場面も多々とみられる。まずトップカットからチェイニーのクズっぷりが紹介されている。

飲酒運転で警察に捕まり、大学をクビになる。仕事もまともにせず、酒を飲み喧嘩してクビになる。妻であるリンに罵られ放り出されそうになる。

しかし妻の涙に胸を痛めもう一度復活することを決意する。この場面は彼の人間性を美しく表していると思う。アメリカンスピリッツを感じるのだ。

すなわちガッツだ。

その後は勤勉に政府の仕事に就く。真面目にやった結果最年少での出世を果たして行く。

肉体的なコンプレックスもあったであろう 同性婚した娘は目の上のタンコブになった

将来大統領を見込んでいたかもしれないが、それは不可能となった。まず心臓に病があったこと。

アメリカ大統領は健康でなければいけない。第二に娘がレズビアンであったと言う事実が判明した。

アメリカには民主党と共和党がある。当時の民主党は同性婚に賛成、しかし共和党は反対の立場を唱えていた。チェイニーは後者を支持していた。

だから娘がレズビアンであると言う事実が公になればチェイニーの政治生命も危うくなってしまうのだ。チェイニーはきっぱりと政治から足を洗った。

そしてハリーバートンのトップとして大金を稼ぎ家族と共に幸せに暮らしていた。大好きな釣りをしながら。レズビアンの娘も孫も可愛がった。

そこに人間性が表れている。家族想いなのだ。

チェイニーは自分のやった仕事に一切の後悔もないと嘯く。全てはアメリカのためだと

映画はそう言ったチェイニーの家族想いの人間性と政治の世界に身を入れたチェイニーの非常なる人間性の2つの側面を見事に表していると思う。

しかもチェイニーには自分のやった仕事には一切の後悔はしていないとインタビューで語っているのが必見だ。

チェイニー曰く「世界には怪物がいる。その怪物は何をしてかすか分からない。私はその怪物をやっつけたに過ぎないのだ。

それはアメリカ国民のためアメリカのためだ。みんなが安心して眠るためにやったのだ。人気を取るのであれば映画スターになればいい。

私は嫌われてもいい。でも皆のためにやったのだ。皆が私を選んだのだ。

第二、第三のチェイニーが出てこないように祈るだけだ

全くその通りだ。

チェイニーは自分の利益のために戦争を始めたが、結果的にアメリカのためにやったと言えば誰も文句が言えないのではないだろうか。

アメリカに忠誠を誓っている証拠だろう。チェイニーは心臓病を患って死を待つばかりであったが、奇跡的に若い心臓を見つけ移植して今も生きている。

チェイニーに息のかかった政治家は多だろう。第二、第三のチェイニーがそのうち出てくるだろう。

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映画『バイス』まとめ 一言で言うと!

「悪い奴ほどよく眠る」になる。
我々庶民にはわからない世界がある。裏で何が起きているかなんて現状ではわからない。でも今、この瞬間にも世界のどこかの権力者がサイコロを振るが如く未来の行方を決めているのだ。この映画を観て本当の正義とは何か?悪も貫けば正義になるのかなどと考えてしまう。

『Vice』その①

チェイニー副大統領モデルの実話『バイス』を観れば現在の世界の争いが見えてくる。ネタバレ、評価。
ジョージ・W・ブッシュ大統領時代に副大統領として仕えたディック・チェイニーについて描いた作品である。世界はこの人間を中心に動いた。そして現在の悲劇をもたらしたと言っていい。当時はメディアも盲目的になり、イスラムへの敵意を増長させてしまった責任も大きい。情報を自在に操ることで悪を正義に変える恐ろしさも伝えている。

 

イラク戦争をテーマにした映画

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クリント・イーストウッドは多くの戦争映画を制作している。西部劇作品も一貫して戦争映画だ。『許されざる者』『ミスティック・リバー』『ミリオンダラー・ベイビー』も戦争映画だ。そして本作はおそらくイーストウッド自身ストレートに描いた最高傑作の反戦映画であると言える。事実、アメリカの戦争映画の興行収入の記録を作った。そこに反戦の事実がある。
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映画のことなら映画.comより引用

スタッフ

監督 アダム・マッケイ
製作 ブラッド・ピット デデ・ガードナー ジェレミー・クレイマー ウィル・フェレル アダム・マッケイ ケビン・メシック
製作総指揮 ミーガン・エリソン チェルシー・バーナード ジリアン・ロングネッカー ロビン・ホーリー ジェフ・ワックスマン

脚本 アダム・マッケイ
撮影 グレイグ・フレイザー
美術 パトリス・バーメット

衣装 スーザン・マシスン
編集 ハンク・コーウィン
音楽 ニコラス・ブリテル
特殊メイク グレッグ・キャノン

キャスト
クリスチャン・ベールディック・チェイニー
エイミー・アダムスリン・チェイニー
スティーブ・カレルドナルド・ラムズフェルド
サム・ロックウェルジョージ・W・ブッシュ
タイラー・ペリーコリン・パウエル
アリソン・ピルメアリー・チェイニー
リリー・レーブリズ・チェイニー
リサ・ゲイ・ハミルトンコンドリーザ・ライス
ジェシー・プレモンスカート
ジャスティン・カークスクーター・リビー
エディ・マーサンポール・ウォルフォウィッツ
シェー・ウィガム
ビル・キャンプ
ドン・マクマナス

作品データ
原題 Vice
製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 ロングライド
上映時間 132分
映倫区分 G

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