映画『パラサイト 半地下の家族』ネタバレ・あらすじ・結末・感想。ポン・ジュノ監督が“七放世代”の人生を代弁。アカデミー賞ノミネート作品。

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映画『パラサイト 半地下の家族』ネタバレ・あらすじ・結末・感想。ポン・ジュノ監督が“七放世代”の人生を代弁。アカデミー賞ノミネート作品。2020年公開
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  1. 【第92回アカデミー賞】「パラサイト 半地下の家族」作品賞含む最多4冠!(作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞)
    1. ポン・ジュノ監督が手がけた韓国映画『パラサイト 半地下の家族』快挙です。
    2. まず「英語作品ではない」について解説します。
      1. 海外では字幕がついて大ヒットした黒澤映画
    3. 次に「非白人系の役者たち」について解説します。
    4. 次にホラー・サスペンスを含んでいる
    5. 他作品よりヒットしていない
  2. 映画『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞4冠を獲得した理由
    1. アジア人と白人女性の恋愛映画も後押しした
      1. アジア系女優で一番期待されているコンスタンス・ウー出演映画
  3. 映画『パラサイト 半地下の家族』ネタバレしないで!とポン・ジュノ監督からのお願い
  4. 映画『パラサイト 半地下の家族』のオススメ度は?
  5. 映画『パラサイト 半地下の家族』の作品概要
  6. 映画『パラサイト 半地下の家族』のあらすじ・ネタバレ
  7. 映画『パラサイト 半地下の家族』の感想・評価・内容・結末
    1. 2020年アカデミー作品賞(第92回)アカデミー作品賞ノミネート
    2. 韓国が戦時国家であることを念頭に
    3. 北朝鮮からの絶え間ないストレスがある
    4. 想像を絶する学歴社会と格差社会の存在
      1. 邦画史上最も底辺を生きる少年の物語
    5. 金持ちにパラサイトするところは好感が持てる
    6. 希望とか夢の存在がない半地下の人立ち
    7. 下へ下へと水は流れるが汚泥しかない
      1. 存在すら消されてしまった子供たちの映画
    8. 無計画で生きることが最良な悲しき韓国社会
    9. 韓国『七放世代』の叫びを代弁したポン・ジュノ監督
      1. 日本でも虐げられている若者がいます
    10. 日本はまだまだ幸せな社会がある
    11. どん底の一家を応援したくなる
    12. 最後のどんでん返しがイマイチだった
      1. 是枝監督とポン・ジュノは親友だそうです。作風も似ています。
  8. 映画『パラサイト 半地下の家族』のキャストについて
    1. キム・ギテク(ソン・ガンホ)
    2. キム・チュンスク(チャン・ヘジン)
    3. キム・ギウ(チェ・ウシク)
    4. キム・ギジョン(パク・ソダム)
    5. パク・ドンイク(イ・ソンギュン)
    6. パク・ヨンギョ(チョ・ヨジョン)
    7. ムングァン(イ・ジョンウン) 
  9. まとめ 映画『パラサイト 半地下の家族』一言で言うと!
  10. まとめ 映画『パラサイト 半地下の家族』追記
  11. 合わせて観たい映画
    1. 【格差社会を描いた映画】
      1. 映画『ジョーカー』
      2. 映画『タロウのバカ』
      3. 映画『赤い雪 Red Snow』
      4. 映画『天気の子』
  12. 映画『パラサイト 半地下の家族』の作品情報

【第92回アカデミー賞】「パラサイト 半地下の家族」作品賞含む最多4冠!(作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞)

第92回アカデミー賞の授賞式が2月9日(現地時間)米ハリウッドのドルビー・シアターで開催されました。

ポン・ジュノ監督が手がけた韓国映画『パラサイト 半地下の家族』快挙です。

いくつかを受賞すると言われていましたが、まさかの4冠です。

アカデミー作品賞

アカデミー監督賞

アカデミー脚本賞

アカデミー国際長編映画賞

の最多4部門を制しました。

アカデミー賞は英語作品が圧倒的に有利です。その中で非英語の作品が最高賞の作品賞を受賞すること事態が異例です。これはアメリカにおける映画ビジネスに大きな変革をもたらすことは言うまでもありません。

以下はわたしの予想記事です。脚本賞と国際長編映画賞は獲ると確信していました。しかし、作品賞を獲るとは予想していませんでした。

第92回(2020年)アカデミー賞予想。作品賞は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『パラサイト 半地下の家族』は国際長編映画賞当確。
第92回(2020年)アカデミー賞予想。作品賞は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『パラサイト 半地下の家族』は国際長編映画賞当確。2020年2月10日。アメリカ、ロサンゼルスのハリウッドにてアカデミー賞の発表が行われます。作品賞、監督賞以下、俳優、脚本、美術、編集、メイクアップと様々な部門で表彰されます。

その理由は以下の通りです。

・英語作品ではない
・非白人系の役者たち
・ホラー・サスペンスを含んでいる
・他作品よりヒットしていない

ひとつひとつ解説していきます。

まず「英語作品ではない」について解説します。

これが一番のデメリットになります。わたしたち日本人は映画館で外国作品を観る時は「字幕」に慣れています。

でもアメリカや他の国で日本映画を上映する際はお金があれば吹き替え版が作られます。

わたしたちは字幕文化に慣れています。しかし彼らは慣れていません。ですから不人気となります。

さらにアメリカは多民族国家です。そして識字率の問題もあります。海外旅行へ行って驚いた経験があるひともいるかと思いますが、普通の大人の人でもえ「読み書き」ができない人が多くいます。

英語は喋ることができますが、「読み書き」においては疑問な人たちも多くいるのも事実です。

ですから映画は「英語」で観ることが優先されるのです。そういったハンディーを乗り越えての受賞ですから「素晴らしい」の一言になります。

裏を返せばアメリカの識字率も高くなった証拠です。

海外では字幕がついて大ヒットした黒澤映画

次に「非白人系の役者たち」について解説します。

映画はアメリカのエジソン、フランスのリュミエール兄弟が発明して世界に広がりました。

彼らは映像技術を用いて自国の文化や政治的な力を誇示してきました。もちろん芸術として映画を高めてきました。

それらの実権を持っていたのは白人の人たちです。これは間違いありません。特にアメリカの映画産業の歴史を紐解くと非白人の映画俳優や製作者たちは正当な評価を受けていなかったです。

俳優の最高賞の主演男優、主演女優の一覧を見ればほとんどが白人俳優で占められています。

つまり映画は白人のモノだったのです。

それについて異論が毎年なされています。本年も黒人俳優のノミネート者が少ないと取り沙汰されていました。

昨年はアルフォンソ・キュアロン監督のスペイン語作品の『ROMA/ローマ』が作品賞を受賞するかと期待されていましたが、獲れませんでした。こちらはものすごく良い作品です。

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ですからそういう批判をかわすために今年は非白人系でしかもアジアからの『パラサイト 半地下の家族』に門戸を開いたのではないでしょうか。これ自体が大きな転換です。

どうしてアジアの映画がアカデミー作品賞まで獲得できたのかは近年のLGBTQ運動の影響も多大にあります。

「差別・偏見思想はもうやめよう。性別も国籍も関係ない世界を築こう!」という大きな時代のうねりにうまく入り込んだのと思います。

しかも今の時代には「共感」「寛容」そして「多様性」がもっとも好まれる人間のあり方です。

ハリウッドもいつも自国の映画ばかりを贔屓目に見ていてはダメだと気が付いたのでしょう。ちゃんとした平等なる精神で『パラサイト 半地下の家族』を選んだのだと思います。

次にホラー・サスペンスを含んでいる

こちらは過去には『羊たちの沈黙』『ノーカントリー』が受賞していますが、アカデミー賞においてはあまり好ましくないジャンルと言われています。

あのサスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコックですら監督賞は獲ったけれど作品賞は獲得していません。その中でも受賞ですからまさに快挙と言えます。

他作品よりヒットしていない

もちろん映画『パラサイト 半地下の家族』はアメリカでも大ヒットしています。しかしながら今回ノミネートされた作品を見渡すと錚々たる作品で大・大・大ヒットしている作品ばかりです。

アカデミー賞は作品性でも評価されますが、「アメリカ映画産業の発展に寄与する」ことも大切な要素になっています。つまりはビジネス的な成果をもたらすことです。

その中で今回の受賞は本当に素晴らしいことだと思います。

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映画『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞4冠を獲得した理由

上記のことを鑑みると以下のようにまとまります。

そして最大の理由は「アカデミー会員の人数が増えた」になります。

・差別・偏見を撤廃する動き
・LGBTQ運動の盛り上がり
・多様性を認める時代
・非白人への門戸を広げる
・アカデミー会員の人数が増えた

「アカデミー会員の人数が増えた」ですが、実はこれが一番の後押しになったと思います。従来の会員は白人がほとんどでした。確か2000人くらいです。

しかし近年は会員が8000人いると言われています。ほとんどは非白人会員です。その票が大きかったと思います。

アジア人と白人女性の恋愛映画も後押しした

中国系の会員も増えています。映画『クレイジー・リッチ』で活躍したヘンリー・ゴールディングは中国人です。彼を応援する中国人がとても多いです。

スポンサーも中国資本がどんどんハリウッドに入っています。さらにヘンリー・ゴールディングの出演作『シンプル・フェイバー 』や『ラスト・クリスマス 』では白人女性と恋愛するお話です。

こういう設定はあまりありませんでした。しかも『ラスト・クリスマス 』では白人女性とアジア人のキスシーンがあります。

これも今まではあまりありませんでした。そういった変革がアメリカ社会、ハリウッドにあります。

今回の映画『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞で4冠を達成した背景には作品の良し悪しだけではなく、社会的、思想的、政治的なニュアンスもあったと思います。

アジア系女優で一番期待されているコンスタンス・ウー出演映画

映画『パラサイト 半地下の家族』ネタバレ・あらすじ・結末・感想。ポン・ジュノ監督が“七放世代”の人生を代弁。アカデミー賞ノミネート作品。

映画『パラサイト 半地下の家族』ネタバレしないで!とポン・ジュノ監督からのお願い

ポン・ジュノ監督は本映画が公開されると当時に「ネタバレしないで!」と訴え続けています。確かにこの映画の設定や物語の進展を映画を鑑賞する前に知ってしまうとその魅力は半減してしまいます。

ポン・ジュノ監督の仰せの通りです。ですからまだ「未鑑賞」の方は少しの情報だけでの鑑賞をオススメします。

またもうすでに鑑賞した方はまだ未鑑賞の人に絶対に「ネタバレしないように」お願いします。

下記に映画『パラサイト 半地下の家族』についての記事を掲載していますが、ネタバレは最小限に書いてありますので、安心してお読み頂けます。

映画『パラサイト 半地下の家族』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。

映画『パラサイト 半地下の家族』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。

YouTubeで予告映像もご覧ください。

映画『パラサイト 半地下の家族』オフィシャルサイト
第72回カンヌ国際映画祭<最高賞>パルムドール受賞!世界がその才能を絶賛する若き巨匠ポン・ジュノ監督×名優ソン・ガンホ。“ネタバレ厳禁!”100%予測できない展開に全ての感情が揺さぶられる、超一級エンターテインメント作品!
『パラサイト 半地下の家族』90秒予告

『パラサイト 半地下の家族』(132分/PG12/韓国/2019
原題『Parasite

【監督】
ポン・ジュノ
【製作】
クァク・シネ ムン・ヤングォン チャン・ヨンファン
【出演】
ソン・ガンホ
チェ・ウシク)
キム・ギジョン(パク・ソダム
チャン・ヘジン
イ・ソンギュン
チョ・ヨジョン
イ・ジョンウン

映画『パラサイト 半地下の家族』のオススメ度は?

3.5

3つ半です

韓国の若者の声が聞こえます

格差社会が凄まじいです

ポン・ジュノ監督恐るべし

映画『パラサイト 半地下の家族』の作品概要

『パラサイト 半地下の家族』2019年韓国作品。コメディ・ホラー映画。ポン・ジュノ監督。主演ソン・ガンホ。イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム共演。第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画初となるパルム・ドールの受賞作品。2020年(第92回)アカデミー作品賞にノミネートされた。

映画『パラサイト 半地下の家族』のあらすじ・ネタバレ

仕事もなくその日暮らしのキム家族。時折、内職をしている。彼らが住むのは半地下。辛うじて地上の光が当たる。しかし住環境は最悪。夏は暑いし、冬は寒い。そして臭い。さらに地上からはゴミや酔っ払いの立ちションベンが降り注ぐ。キムの長男は学力はあるが貧乏なため大学へいけない。ある日、キムの友人が超大金持ち家の家庭教師の代役を持ちかける。偽装した学生書を作り仕事に向かうが、、、。そして次々とパラサイトしていく。

映画『パラサイト 半地下の家族』の感想・評価・内容・結末

2020年アカデミー作品賞(第92回)アカデミー作品賞ノミネート

2019年度、カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した作品です。

前評判がとても高く、しかも全米でもヒット、さらには2020年度アカデミー作品賞にノミネートされています。

外国語映画賞ではありません。

作品賞にです。

これ自体が快挙です。

残念ながら日本映画でかつて作品賞にノミネートされた作品はありません。

通常、アカデミー賞は英語作品以外は外国賞に回されます。

ですが本映画『パラサイト 半地下の家族』は一番トップの部門でノミネートされたのです。

昨年はアルフォンソ・キュアロンの『ROMA/ローマ』がノミネートされました。

こちらはスペイン語映画です。受賞は逃しました。

もし今回『パラサイト 半地下の家族』が受賞すれば、2011年のミシェル・アザナヴィシウス監督の『アーティスト』以来になります。

ただ正直、受賞は難しいと思われます。

韓国が戦時国家であることを念頭に

さて、本映画『パラサイト 半地下の家族』を観て一番に感じたのは「やっぱり韓国は戦時国家なのだ」ということです。

北朝鮮と休戦はしていますが、まだ戦争が終結しているのではありません。

北からの恐怖心や格差社会が背景になっているのは否めません。

半地下という住まいが存在する理由について書きます。

防空壕、あるいシェルターとして利用されてきた歴史があります。

もちろん北朝鮮からのミサイル攻撃に備えてのことです。

北朝鮮からの絶え間ないストレスがある

半地下を持つ家庭の多くは中産階級以上の人たちです。

けれども今はその半地下を人に貸して家賃収入を得た方が得策と考え、収入の少ない人に貸し出しているのが現状です。

ただし、この半地下が多くあるのは主にソウルです。

北朝鮮の平壌からソウルまで196㎞、38度線からは50㎞足らずです。

もし再び戦火に包まれれば、あっという間の距離です。

もちろん北朝鮮のミサイルは常にソウルに照準を合わせています。

有事の際、半地下に逃げるのです。

今もです。そんなストレスの中で半地下が作られた経緯があります。

想像を絶する学歴社会と格差社会の存在

この半地下で暮らす人々は韓国社会では差別・偏見の目で見られていることも忘れてはいけません。

彼らは人生を諦めているのです。

韓国社会は日本と比較にならないほどの格差社会です。

学歴がないと良い仕事に就けません。

普通の大学へ行っても無意味です。

ソウル大学、延世(ヨンセ)大学、高麗(コリョ)大学に入らないと良い会社に就職はできないと言われています。

良い会社とは財閥です。

サムスングループ、LGグループ、現代自動車グループなどです。

韓国の経済、政治と全て握っています。

これらの会社に入るために親は子供に過酷な受験勉強をさせているといっても過言ではありません。

兎にも角にも日本社会とは比較にならないほど厳しくて残酷な世界があるのです。

邦画史上最も底辺を生きる少年の物語

金持ちにパラサイトするところは好感が持てる

そして本映画『パラサイト 半地下の家族』は韓国の歴史と社会情勢を見事に映し出しているところが心を打ってくるのです。

上記した過酷な競争社会からはみ出した半地下の住人たちは間違いなく犠牲者なのです。

戦時下、競争社会、差別、失業、貧困を全て背負っているのです。

ただ、この映画では彼らはとてもたくましく、一見コメディアンのように演じます。

その反面、実はとても悲しい生き方を繰り広げているのです。

タイトル通りパラサイトするのです。

パラサイトは寄生することです。

はみ出した彼らが選んだのはお金持ち家族です。

この設定が好感を持ちます。

希望とか夢の存在がない半地下の人立ち

ポン・ジュノ監督の描き方が絶品ですね。

初めはただのロクデナシ一家の様相ですが、徐々に少しずつ韓国の格差社会をスクリーンにゆっくりを浸透させてきます。

半地下家族はいつも下から世界を眺めています。

それが地上、高台の家、さらに家の2階部分と彼らの目に移る風景を高低差で表しながら、憧れと焦燥感を深めているのです。

つまりそこにはあきらめがあり、希望がないのです。本当に希望がありません。

下へ下へと水は流れるが汚泥しかない

あの大雨の日、高台の家から逃げ帰る場面は本当に秀逸です。

雨に打たれてどんどん下へ下へと降りていきます。

雨は激しくなるばかりです。

容赦しません。

それは世間の雨風です。

下とは地獄のことです。

彼らは振り返りますが、止まりません。いえ、戻れません。

自分たちの住む場所は下にしかないのです。

そして辿り着いた半地下の住居は大雨の洪水で糞尿が溢れかえっています。

下の世界は汚泥しかありません。

もう住めません。そして災害避難場へ。

存在すら消されてしまった子供たちの映画

無計画で生きることが最良な悲しき韓国社会

避難所には同じような境遇の人たちで溢れかえっています。

ここでの親子の会話が必見です。

父親のキム・ギテク(ソン・ガンホ) に息子のキム・ギウ(チェ・ウシク)が尋ねます。

「何か計画を立てないといけない」でも父は「計画を立てても無駄だ。

一番良いのは無計画でいることだ」です。

あまりにも虚しいです。

救いようがないです。

代弁すると「この国で計画を立ててもそれが実現されることはない。だったら計画など立てない方が良いのだ」となります。

韓国『七放世代』の叫びを代弁したポン・ジュノ監督

この背景にあるのは若者が報われない世界があるからです。

いまの韓国の若者は『七放世代』と呼ばれています。

1997年のアジア通貨危機が発端となっています。

当初は三放世代でした。

「恋愛」「結婚」「出産」を諦めた人たちのことを指します。

でもさらに格差が進んで今や「就職」「マイホーム」を放棄して「人間関係」「夢」も放棄した人たちのことを指しています。

この7つってとてつもなく重く感じます。

韓国で自殺が多い原因もここにあるような気がします。

日本でも虐げられている若者がいます

日本はまだまだ幸せな社会がある

日本はまだ救われている気がします。日本は確かに格差は広がっています。

学歴社会もありますが、三流大学へ行っていても、高卒でもちゃんと評価してくれる許容力があります。

しかし韓国は学歴が低いと人に非ずというか、、、。

その当たりの思想改善をしないと好転しないのではと勝手に考えてしまいます。

どん底の一家を応援したくなる

さて、映画の話に戻します。

高台の家から大雨に打たれて下へ下へ逃れた一家とはまるで違う世界の存在にどきりとさせる展開が待ち受けています。

そうです。上流階級の人たちは昨夜の大水害のことなどどこ吹く風とばかりに気にしていません。

避難生活をしている人のことなど眼中にありません。

優雅にパーティーを繰り広げてます。

ここからです。キム・ギテク(ソン・ガンホ) の中で何かが弾けるのです。

賛否はありますが、韓国社会に対しての強烈なメッセージです。

応援したくなるのです。「どうか生きて欲しい」と願うのです。

最後のどんでん返しがイマイチだった

良い映画でしたが、最後のどんでん返しがクドイです。

2回、3回と繰り返すので「またか」と予感してしまうのです。

韓国映画にありがちな演出ですが、本映画『パラサイト 半地下の家族』では1回のどんでん返しだけで十分な気がしました。

映画の中で臭いについての描写があります。

これは半地下に住む人たちにこびり付いたカビ臭いニオイも示唆していますが、底辺の人間が醸し出す雰囲気としてのニオイもあると思います。

コンプレックスの象徴として描いていると思います。

是枝監督とポン・ジュノは親友だそうです。作風も似ています。

映画『パラサイト 半地下の家族』のキャストについて

キム・ギテク(ソン・ガンホ)

この人についてはもう圧巻の演技としか言いようがありません。もう百戦錬磨でしょう。顔が特徴ありますね。いやありすぎます。一回観たら忘れられません。これは俳優としては一番のメリットであると思います。いつも苦虫を噛み潰したような印象ですが、怒った時のは迫力と笑った時の可愛さのギャップがいいと思います。本映画ではろくでなしの父親を演じています。上流階級の人の運転手経験ありのプロフィールですが、どこか下層階級の臭いが消しきれない人間を上手く演じていました。

キム・チュンスク(チャン・ヘジン)

上手いと思います。ろくでなしの夫と息子、娘を持つ母親ですが、本人も人生諦めた感を出しつつも、チャンス到来においては半地下の素性を見事に隠して品を持って振る舞います。半地下ではガサツな性格を前面に出しますが、地上ではセレブ色を醸し出す切り替えの演技が絶妙でした。半地下から出てきた時、別人では?と思うほど綺麗になっていました。

キム・ギウ(チェ・ウシク)

頭は良いがお金がないため大学に進学できない青年を演じています。この人の顔は本当に醤油顔といいましょうか、悪いことをしそうにない雰囲気なのです。しかも腰が低いので信用、信頼してしまうのでしょう。押しが強くないのですね。謙虚さを前面に出してお金持ちに接近していく様は見応えありました。

キム・ギジョン(パク・ソダム)

半地下家族の長女役です。芸銃的才能はありますが、やはりお金がないため進学できません。頭が切れます。ネットで学習して人の心にすっと入って信用させます。涼しげな顔と落ち着き払った演技をしますから、付け入る隙を与えないのが特徴の役柄でした。でも家族の前ではヨレヨレでした。それが良いのです。

パク・ドンイク(イ・ソンギュン)

IT長者を演じています。背も高く優しくお金持ちという設定がとても似合っています。仕草もスマートです。声を荒げたりしないですし、大声で笑ったりもしません。とても落ち着きのある演技でした。

パク・ヨンギョ(チョ・ヨジョン)

パク・ドンイクの妻です。世間知らずというか、他人まかせというか、割と大雑把な役どころです。そして美人妻とくれば誰かが寄ってきそうですが、、、、。案の定、キム・ギウが寄ってきました。彼がすっと心に入ってきました。ここからが全ての始まりでした。あまり細かいことにこだわらず、奔放に振る舞う様子に好感を持ちました。

ムングァン(イ・ジョンウン) 

良い味だしていました。お手伝いさんという役柄を見事に演じていたと思います。前半はキツイ雰囲気を出していましたが、後半の再登場ではコメディー要素とホラー要素を持ち出してグイグイと映画の中へ引っ張ってくれました。とても素晴らしかったです。

まとめ 映画『パラサイト 半地下の家族』一言で言うと!

「戦争は悲劇しか生まない」

この映画『パラサイト 半地下の家族』の背景には貧困化rあ生ずる格差社会があると思います。そして半地下生活。でも本質にあるのはやはり戦争がまだ終結していない現状がまだ韓国にはあるということでしょう。これがどれだけのストレスかは当事者出ないとわかりませんが、大きな歪みとなって現れた現象がパラサイトだったのでしょう。言うなれば戦争が彼らにパラサイトしているのです。

まとめ 映画『パラサイト 半地下の家族』追記

この映画の中には上と下の“境界線”がはっきりと描かれています。いや、それだけではなく、右と左の境界線も描かれていました。映画をもう一度観る方がいましたらそこに注目してください。例えばキム家族とパク家族が画面で向かい合う場面の真ん中を家の柱が貫いていたり、扉であったり、冷蔵庫等の家具であったりします。これは両者の断絶を表現しているのかもしれません。

ポン・ジュノ監督は意図的に入れている気がします。この境界線の源は間違いなく38度線に行き着くと思います。韓国と北朝鮮は同じ民族でありながら分断されています。それはアメリカとソビエト・中国の代理戦争の結果です。韓国の人たちは北朝鮮のことを敵視しているようですが、実際は違うと言います。コンプレックスを持っているそうです。身分的に北へ行けば行くほど位が高いそうです。身分が低い者が南へ流れて、もっと低い者が朝鮮半島を後にして日本へ行ったと、、、、、。彼らからすれば日本人は下の下になるそうです。だから当たりが強いのでしょうか。また日本へ渡った在日の人たちは韓国ではキョッポと呼ばれているそうです。差別的ではないそうですが、日本でビジネス的に成功した人へのジェラシーはあるそうです。ここにもある種の見えない境界線があります。

この映画を観ていて、日本にもこのような格差社会があるのかと考えさせられました。日本は誰もが勉強をすれば良い大学へ入れます。良い大学へ入れなくても一流企業に入ることも可能です。出世もできますし、政治家にもなれます。もちろん起業も出来ます。努力すればある程度報われる社会がまだ存在します。生まれが悪いとかで、融資が受けられないことはないと思います。かつては出自や出身地が悪いと言って就職が難しい時代がありましたが、今ではそういう差別はあまり聞きません。でも韓国は深刻です。特に南の方へ行けば行くほど厳しいと言います。この映画では上がお金持ちで、特権階級を表しています。地下より上の半地下、そして地上、高台へと向かいますが、緯度的に高い場所は、、、と考えるとそれは北朝鮮になります。

この映画『パラサイト 半地下の家族』は韓国だけの問題ではないと改めて気がつきました。ポン・ジュノ監督もインタビューで語っています。人間とは自分より下の人間を作り出す、そして差別し、コントロールする、、、、。世界のどこへ言ってもこういった構図は存在します。ヨーロッパでもアフリカでも必ず支配する者とされる者という構図があります。それはもう絶望的な構図であり境界線なのです。いくら才能や能力があっても這い上がれないのです。この仕組みを壊さないとどうにもなりません(特にそこに宗教が介在すると絶望的です。農民の子は農民に、貴族の子は貴族と生まれた瞬間に将来が決まります)

わたしが日常生活において色んな人と会ってきましたが、その人と話している時に境界線の違いを認識した記憶はありません。わたしが鈍感だから気がつかなったかもしれませんが。おそらくではありますが、韓国の人たちが誰かと話す際は、この境界線がはっきりと見えているのではないでしょうか。そんなことを考えてしまいました。

合わせて観たい映画

【格差社会を描いた映画】

映画『ジョーカー』

これほど差別・偏見の目で見られるとおかしくなる

映画『ジョーカー』と『天気の子』銃を手にした“憎悪の暴発”と“愛への発砲”の相違はあるが二人とも「天気(世界)なんて、狂ったままでいいんだ!」と思っている。
映画『ジョーカー』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館ならびにあらすじ・ネタバレ・感想・結末・評価について記載してます。本映画はいま世界中で話題沸騰になっています。ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得しています。貧しいアーサーが如何にジョーカーになるのか、正義と悪は表裏一体。新海誠監督『天気の子』の帆高との比較。銃を手にした二人の行方。銃社会アメリカは今後どうするのか。アメリカに根付く格差社会への反発。世界はジョーカーを救世主と見るか、悪魔と見るのか。

映画『タロウのバカ』

親が無知だったばかりに、、、

大森立嗣監督映画『タロウのバカ』ネタバレ・あらすじ・感想・評価・内容。“ニッポンのバカ”を表現。菅田将暉vs仲野太賀vsYOSHI の競演こそが狂宴だ。
映画『タロウのバカ』公式サイトにて作品情報・上映館・お時間の紹介。ネタバレ・あらすじ・感想・評価・結末。大森立嗣監督が描く現代ニッポンの無責任、無関心、無感動時代の虚しさを表現。ウワベの美しさばかり気にする人たちが無意識に社会から排除される人たちを作り出している。現実に対して目を背けない確かな心を持つことが大事だ。

映画『赤い雪 Red Snow』

貧しいことは悲劇です

永瀬正敏✖️菜葉菜W主演+井浦新の映画『赤い雪 Red Snow』(実話)は“ズシリ”と積もった。人間の記憶は曖昧で都合よく作られる。感想とネタバレ。
この映画は実話を元に制作されたと言うが、とても残酷な物語だ。人間の記憶とは都合よく出来ている。自分への関心を防ぐため、あるいは興味を向けるために記憶を作り変えることも可能だ。それを行うのは気まぐれな心もあるが、実際は無意識に計算された心が作り出している。一度発動するとそれが新たな記憶になるが、心は不自由になってしまう。

映画『天気の子』

新海誠監督も格差社会を描いています

新海誠監督 映画『天気の子』ネタバレ・あらすじ・感想・結末・解説・考察・評価。陽菜と帆高の衝撃の結末にみるセカイ系とは
新海誠監督 映画『天気の子』ネタバレ・あらすじ・感想・結末・解説・考察・評価。陽菜と帆高の衝撃の結末にみるセカイ系とは?新海誠監督最新作品『天気の子』は人柱、日本人の自己犠牲精神という美しさと新たな精神性の確率を訴えている。天気より大事なことがあります。自分の命と愛する人との人生です。人生は晴れたり雲あったり雨だったりしますが、それは良いことです。自然のままに生きることが一番大事です。

映画『パラサイト 半地下の家族』の作品情報

映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ポン・ジュノ
製作
クァク・シネ ムン・ヤングォン チャン・ヨンファン
脚本
ポン・ジュノ ハン・ジヌォン
撮影
ホン・ギョンピョ
美術
イ・ハジュン
衣装
チェ・セヨン
編集
ヤン・ジンモ
音楽
チョン・ジェイル
キム・ギテク(ソン・ガンホ)
パク・ドンイク(イ・ソンギュン)
パク・ヨンギョ(チョ・ヨジョン)
キム・ギウ(チェ・ウシク)
キム・ギジョン(パク・ソダム)
ムングァン(イ・ジョンウン)
キム・チュンスク(チャン・ヘジン)
パク・ダヘ(チョン・ジソ)
パク・ダソン(チョン・ヒョンジュン)
ミニョク(パク・ソジュン)
2019年製作/132分/PG12/韓国
原題:Parasite
配給:ビターズ・エンド

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