新海誠監督 映画『天気の子』感想・ネタバレあり解説・考察・評価。陽菜と帆高の衝撃の結末にみるセカイ系とは

新海誠監督作品
スポンサーリンク
映画『天気の子』公式サイト
全世界待望ー前作『君の名は。』から3年、新海誠監督、待望の最新作!『天気の子』7月19日公開 これは、僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語
映画『天気の子』予報②

『天気の子』(114/日本/2019
英題『Weathering With You

スポンサーリンク

映画『天気の子』のオススメ度は?

星5つ

もちろん純愛です。

それだけではありません。

陽菜の自己犠牲の精神に胸が痛くなります。

天気のことより自分を大事にして!と叫びました。

陽菜と助ける帆高が大人に見えてきました。

恋人、友だち、親、子ども、祖父母、誰とでも行ってください。

スポンサーリンク

映画『天気の子』の作品概要

『君の名は。』(2016)の大ヒットから三年。新海誠は天気をテーマに映画化した作品。今や日本で天候不順が当たり前となっている。二人の少年少女が天気を主軸に恋愛物語を紡いでいく。現代の人柱は生きることを決意した。

スポンサーリンク

映画『天気の子』のあらすじ・ネタバレ

田舎の堅苦しさが我慢できず、東京へ家出してきた少年、肌高。両親を亡くし幼い弟を暮らす陽菜が東京で出会う。天気を自在に操ることができる陽菜とビジネスを始めるが、陽菜の体に異変が現れる。しかも肌高は警察に追われることに。雨の東京を舞台に紡ぎだすエネルギーは東京、世界を救う。二人の恋は雨模様で終わるのか、それとも晴れるのか。

スポンサーリンク

映画『天気の子』の感想・評価・内容・結末

こんなに雨が気持ちと感じた作品はない

映画を観終わっても、身体中にさざ波のような震えが続いています。新海誠監督最新作『天気の子』は振動として永遠に残るような気がします。

気象をテーマにした物語です。後述しますが、それだけではありません映画のほとんどは雨が降るシーンで描かれています。

この時勢に天候・雨をテーマに映画を作った新海誠監督はある意味打算的だと感じます。

それを揶揄する人がいるかもしれませんが、文句は言えないでしょう。これだけの良作でビジネス的にもヒットするはずだから、文句のある人がいたら「だったらあなたが先にやれば良かったじゃない」と言ってやりましょう。

新海誠監督は前作の『君の名は。』の大ヒットのプレッシャーなど物ともせず、素晴らしい作品を世に送り出したと思います。

現代の巫女さんが選ぶ新たな人生は

この映画は雨を降らす巫女さんを現代に投影し、自然をコントロールしようとする人間の愚かしさや、自己犠牲精神の美しさについても表しています。

空が晴れ渡ると「今日はいい天気」あるいは雨だと「残念な空模様」などと人々は言います。でも元々、天気にいいも悪いもありません

人間が勝手に良し悪しを付けているだけなのです。晴れて、猛暑になれば今度は「うだるような暑さ」雨が降らなければ「作物が育たない」と苦言をこぼす。人間は本当に自分勝手な生き物です。

でも自分勝手だから人間とは可愛い生き物であることも認めましょう。

人より秀でた能力を持つと生きるのが難しくなるのは世界共通

人柱これは古来の日本のみで行われていた風習ではありません。世界各地の民族や部族には少なからずこういった風習はあったことが確認されています。

現代科学では天気予報で気象状況がわかるようになっていますが、古来では天気を予測できるシャーマン的な人物が村や国単位の組織では重宝されていた理由はわかります。

シャーマンは数年来、自身で蓄積したデータを基にして天気を当てていたと思われます。そこが人とは違う能力があったのです。

人間は見えないモノを恐れる傾向にありますから、こういった人物にひれ伏したり、あるいは邪魔な存在として扱ったのでしょう。

新海誠監督の仕掛けたワナが気持ちいい

本作の晴れ女役の陽菜は天気を自在に扱える能力を持っていたばかりに、死んでしまう運命にあります。

その陽菜に恋しているのが帆高です。18歳と16歳の少年少女。二人とも現代社会では圧倒的にアウトローと言えます。

社会の一般常識にとらわれないで生きていますその設定がとても良いと思いました

前作『君の名は。』は高校へ通っている少年少女でしたが、本作の学校へ行かない二人の方により心を同調していく自分がいました

それは新海誠の仕掛けた罠で、懐古思想にたどり着く伏線です。かつてのこの二人のような若き日が思い出され「学校なんて行かず、毎日自由に過ごせしていたら」と夢想している自分が映画館にいたのです。

これこそ新海誠の映画に惹かれる大きな魅力なのではないでしょうか。刹那的そして深い郷愁の念を覚えるのです

“死”という障害を乗り越えようと頑張る二人に共感

陽菜と帆高の恋物語の障害は迫り来るではないでしょうか。それも若い女性の死が面前に迫ってくるのです。

何とか助けたい一心で頑張る帆高を応援し、共鳴・共感してしまうのです。

昔からありがちな悲恋の物語の大方は余命わずかな不治の病を運命つけられた女性の設定が多いです。

こういった映画は最初から主人公が死という救出不可能な出来事に向かっていくから観ている側の涙腺も緩みます。わかっていながら泣いてしまうのです。『ある愛の詩』『世界の中心で愛を叫ぶ』等。

自己犠牲の愛は必要なのか

しかし映画『天気の子』で陽菜に迫る死は病気が誘発するものではなく、自然から来るもの、いやもっと言えば陽菜の自ずから選ぶ死の存在があるのです。

これは正に自己犠牲の精神と言えます。自分の死と引き換えに東京を、そして地球の天候を元どおりにする、という崇高なる愛なのです。

この自己犠牲の精神について、日本の近代史になぞらえて考えてみると、間違って使われたことが記憶に新しいのは明らかです先の大戦のことです。

とても愚かな自己犠牲がたくさんありました。それを鑑みなると、この映画のラストはとても納得できます。

新海誠監督は映画を通して「人生は自分だけのもの」あるいは「愛する人と生きるのが人生」「自由に生きよう!」とメッセージを送っているとはっきりわかりました。

「誰かのために自身の命を捨てるのは愚かだ」ということです。

日本人へ新しい精神性のあり方を提示した作品

日本人は自己犠牲精神を美徳と考える人が多いですが、それはもう昔の話です。今はそんな考えは必要ありません。

わたしも迷惑をかけてはいけないとか常々思うことがありますが、外国人に言わせると「何で日本人は人のことばかり考えてるんだ。時間は自分に使えよ」となります。

世界では日本人の自己犠牲精神なんて全く評価されないと知って驚きました。

だからこそ、本作『天気の子』は日本の災自然害を舞台に若い男女の恋愛物語から見えてくる日本人の新しい精神性のあり方について描かれています

素晴らしい映画です。

*追伸 三葉と瀧くん出てました。

スポンサーリンク

映画『天気の子』まとめ 一言で言うと!

この国、この地球の未来は若者のためにあるのだ!

若者が希望を持てる社会を作ることが一番大切だと痛感しました。本作は天気を操る少女の悲劇的な運命へ向かう展開に涙腺が緩みます。少女は「わたしがいなければ天気が回復する」という自己犠牲の精神にショックを受ける。若い少女にそんなことをさせてはいけないと強く思いました。この国、この世界は若者のためにあるのだ、再び若者を犠牲にするような時代にしてはいけないと思いました。

スポンサーリンク

合わせて観たい映画

【新海誠作品】

映画『ほしのこえ』

新海誠監督の劇場デビュー作品。地球と宇宙空間の恋愛物語。

新海誠監督 映画『ほしのこえ』ミカコとノボルの宇宙恋愛物語の結末。感想・評価・ ネタバレ・あらすじ
日本を越えて世界に衝撃を与えた作品である。『ほしのこえ』は新海誠がたった一人で作り上げた。会社勤めをしながらも映画制作への情熱が消えず昼夜を通して作ったという。若き日の新海誠の情熱がほとばしる素晴らしい作品である。本映画は数々の賞を獲得した。そして新海は空高く羽ばたいた。

映画『雲のむこう、約束の場所』

新海誠劇場長編デビュー作品。“憧れ”と“約束”をテーマ。新海誠が映画界に込めるメーセージ。

映画『雲のむこう、約束の場所』ネタバレ・あらすじ。新海誠劇場長編デビュー作品はアニメ業界に革命を起こす。そびえる巨匠たちに挑む勇気。
『雲のむこう、約束の場所』(91分/日本/2004) 英題『The place promised in our early days』 映画『雲のむこう、約束の場所』のオススメ度は? 星4つ半 若者の憧れと約束を...

映画『秒速5センチメートル』

初恋をずっと大事にする青年

新海誠監督映画『秒速5センチメートル』初恋・ファーストキス・遠距離・再会を通じて成長する青年の心模様は桜の速度。ネタバレ・あらすじ・感想・評価。
『ほしのこえ』『雲のむこう、約束の場所』に続く、新海誠の第3作目の劇場公開作品。小学生の初恋相手の女性への想いを抱きながら生きる青年。短編三部作にまとめて青年の成長を描いている。主人公の貴樹はずっと“秒速3センチメートル”状態のままだ。いつ脱出するのか。それと相まって女性たちは過去を振り切って生きていく強さがある。

映画『星を追う子ども』

新海誠の新たな挑戦の始まりとなった作品

新海誠監督映画『星を追う子ども』はジブリへのオマージュかそれとも別れか。新海作品異色作。ネタバレ・あらすじ・感想・考察。
映画『星を追う子ども』公式サイトにて作品情報をご確認ください。YouTubeで予告映像もご覧ください。 『星を追う子ども』(116分/日本/2011) 英題『Children Who Chase Lost Voices』 ...

映画『君の名は。』

時間も空間も距離も異なる世界で生きる高校生の恋物語

新海誠『君の名は。』ネタバレ解説と考察・評価。巫女さん三葉と瀧の恋は結末。恋は成就したのか
迫り来る彗星。飛騨地方のある町めがけて落ちる運命にある。三葉と滝の時間と距離と空間を超えた恋愛物語をベースの彗星落下による被害から人を守ろうと努力する二人。人名救助にも励む。時間を超えて惹かれ合う。恋の行方はそして人の命を救うことができるのか。いつか二人は再会して新たな恋物語を奏でるのか。
スポンサーリンク

映画『天気の子』の作品情報

映画.comより一部引用
スタッフ
監督
新海誠
原作
新海誠
脚本
新海誠
製作
市川南
川口典孝
企画
川村元気
プロデュース
川村元気
エグゼクティブプロデューサー
古澤佳寛
プロデューサー
岡村和佳菜
伊藤絹恵
音楽プロデューサー
成川沙世子
キャラクターデザイン
田中将賀
作画監督
田村篤
美術監督
滝口比呂志
演出
徳野悠我
居村健治
CGチーフ
竹内良貴
撮影監督
津田涼介
助監督
三木陽子
音響監督
山田陽
音響効果
森川永子
音楽
RADWIMPS
主題歌
RADWIMPS
三浦透子
制作プロデュース
STORY inc.
制作
コミックス・ウェーブ・フィルム
キャスト(声の出演)
醍醐虎汰朗森嶋帆高
森七菜天野陽菜
本田翼夏美
吉柳咲良天野凪
平泉成安井
梶裕貴高井
倍賞千恵子冨美
小栗旬須賀圭介
作品データ
製作年 2019年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 114分