望月衣塑子原案 映画『新聞記者』“忖度政権”に切り込む勇気 ラストのツメが甘い ネタバレ・あらすじ・評価・感想

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映画『新聞記者』公式サイトBlu-ray&DVD・デジタル配信決定
シム・ウンギョン × 松坂桃李 W主演!権力とメディアの裏側を描く、孤高のサスペンス・エンタテインメント!本年度最大の話題作がBlu-ray&DVDリリース、デジタル配信決定ー。
『新聞記者』予告篇

『新聞記者』113/日本/2019

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映画『新聞記者』のオススメ度は?

3.5

3つ半です。

惜しい。

映画として惜しい作品です。

政権内部の不正を暴こう果敢に挑んだのは高評価。

新聞記者魂はわかりました。

でも、勇気ある国家公務員の心情光景を観たかった。

友だち、恋人と観に行ってください。

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映画『新聞記者』の作品概要

中日新聞記者の望月衣塑子さん著作『新聞記者』をモチーフの製作された。先の『森友・加計問題』に端を発した政治不信は記憶に新しいが、本映画には政府の権力構造にもメスを入れて描いている。邦画において現政権に対してここまで描いた心意気は褒められる。もしこれが政府の内幕の真実であれば恐ろしい

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映画『新聞記者』のあらすじ・ネタバレ

日本人の父と韓国人に母との間に生まれた吉岡は父親と同じ新聞記者になる。父親は高校生の頃、誤報を出したことを悔いて自殺している。ある日、吉岡の元に一本のファックスが送られてくる。内閣府が主体となって進められている大学設置についての不正の告発文だ。記者、吉岡は政権内部を取材して真相を追求してスクープを取るが、、、

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映画『新聞記者』の感想・評価・内容・結末

今、この2019年に本映画『新聞記者』が公開された意味を考える

まず最初に日本でこの手の映画が製作されることに敬意を評したい。しかも今夏、参院選が行われている。その真っ只中で公開されるという意味を考えると「日本も捨てたもんじゃない」と思わざる得ない

でも、正直いうともう少しだと思う。アメリカではジャーナリストを主軸に製作された映画はたくさんある。

『チャイナ・シンドローム 』は筆頭だが、最近では『スポットライト 世紀のスクープ』『記者たち 衝撃と畏怖の真実』がある。

これらは本当に政権の内部まで追求している。何が真実で一体誰が黒幕か、までは追いかけていると言える。それと比べると本映画『新聞記者』は今ひとつと言わざる得ない

途中からネタ切れしてしまったところが勿体無い

勿体ないのだ。本丸が全く登場しない、登場しないどころか実名さえないのだ。本丸とは現政権のことである。

あまり考えたくないが、制作者も政府に忖度したのだろうか。物語は森友・加計問題を主軸にフィクション仕立てに展開していく。

そこにレイプ事件等も絡ませている。狙いは政府の情報操作を暴きながら、現政権に打撃を与えたいのだろうが、全く関係ない事案であるから、おそらく全く効果はないと思う。この事件は本映画には不要である思う。

この映画の製作意図はわかるが、途中から物語に同調できなくなったのだ

正義ある国家公務員の存在と葛藤を心情豊かに描いて欲しい

先に上げた通り、物語が迷走し始めたの学園問題とは全く関係のないレイプ事件を入れたこと、そして大学設置を政府が躍起になって目指す理由に軍事研究が最終目的であると決めつけた点だ。

確かに映画としては面白い展開かもしれないが、ちょっとこれは無理があると思う。一気に冷めてしまった。

わたしたち一般国民が知りたいのは先の『森友・加計問題』の真相であるのだおそらく忖度はあったと思う。間違いなくを意識したと思う

だからこそ勇気を持って告発した国家公務員の存在に国を憂う気持ちに心を寄せたいのだ

記者魂はわかるが、結局のところ記者は「人の粗探しで飯を食っている」に過ぎないのだ。自身のスクープを取ることで評価され、そのあと処理に注力することはしないだろう。終わったら「はい、次」となるのだ。

その点、告発した公務員はどうだろうか。そのことを想像すると涙腺が緩まないはずがない。

松坂桃李の繊細な演技が最後まで引っ張ってくれた

さて、本映画の主役は松坂桃李は実に繊細な国家公務員を演じている。真面目を絵に描いたような雰囲気をうまく出している

実際、国家公務員とはあんなタイプが多いのだろうか?妻思いで、国家に対して忠誠を誓っている。

そして国家の不正を目にした時に果たして告発するまでの勇気があるのだろうかその心情をもっと描いて欲しかったのだ

記者魂はわかった、でも国家の勤めるものが国家を裏切ってまで告発する内部情報とそうせざるを得ない事情とその過程の人間としての心情光景を知りたいのだ

多くの葛藤もあるだろう。家族を守るためが第一だと思うが、それを捨ててまでの正義とはなんだろうか

シム・ウンギョンさんはスクリーン慣れしているからこそ

記者役のシム・ウンギョンさんは頑張ったと思う。つたない日本語で何とかやりきったと思う。所作や目線の動きもさすが、スクリーン慣れしている

でも、やっぱり無理があるのだ。役柄は日本人のジャーナリスト父と韓国人の母の間に生まれたという設定だが、やっぱりもう少し日本語を覚えて欲しいと感じた。

セリフが平坦でのっぺりしているのだ日本語の微妙な音の響き方がちょっと違うのだ。例えば俳句に親しんだ日本人が詠んだ句と外国人が詠んだ句は全く違う。もし日本で活動をするなら是非とも俳句を勉強するのが良いと思う

忖度という言葉が曖昧だから、結論も曖昧になってしまった

さて、結局のところ本映画『新聞記者』は勇気ある作品であるが、最後はファンタジーになってしまったあたりが勿体無いと感じた。

ただ忖度文化とは日本で生活していくからには必ずあるだろう。それは農村という村社会で長らく生きてきた“性”だと言える

習慣、風習、文化、礼儀など様々な要素の上で成り立ったものだと思う。わたし的には決して忖度は悪いことではないと思う。「空気を読め」などの言葉はわたしが小さい頃からよく知っている。

つまるところ先の問題で忖度はあったと思う。でも直接「上からの命令」の証拠がないから何も批判できないのだ

忖度という言葉が曖昧だから、結論も曖昧になってしまった、というのが答えだろう。

そこまで徹底して取材した結果であれば立派だと思う。確か毛沢東だっただろうか、こんなことを言っていた「国家を破綻させるのは不正ではない。小さな正義だ」

とっても恐ろしい言葉だが、それをわたしたち日常生活における、例えば仕事を得る時には敢えて目を瞑り黙っている経験をしたことはないだろうか。恥ずかしながらわたしはあります。お金のため、生活のため、愛する人のために忖度したことはある。

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映画『新聞記者』まとめ 一言で言うと!

人生、生きてりゃ、忖度することだってあるさ!

仕事をするにおいて、相手の立場や気持ちを慮る場面は多々あります。もちろん、相手のことばかり心配するのではなく、自身の立場を守ることの方が多い。でもそれは日本だけではなく、世界の人も同じように考えていると思う。忖度を悪事に使うのであれば問題だが、建設的なことに使う感情であれば歓迎できるのではないか。

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合わせて観たい映画

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【これは忖度映画】

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映画『新聞記者』の作品情報

映画.comより一部引用
スタッフ
監督
藤井道人
『LAPSE ラプス』(19)『デイアンドナイト』(19)『青の帰り道』(18)『悪魔』(18)

原案
望月衣塑子
河村光庸
脚本
詩森ろば
高石明彦
藤井道人
企画
河村光庸
製作
河村光庸
エグゼクティブプロデューサー
河村光庸
岡本東郎
プロデューサー
高石明彦
共同プロデューサー
行実良
飯田雅裕
石山成人
撮影
今村圭佑
照明
平山達弥
録音
鈴木健太郎
美術
津留啓亮
衣装
宮本まさ江
ヘアメイク
橋本申二
編集
古川達馬
音楽
岩代太郎
主題歌
OAU
演出補
酒見顕守
ラインプロデューサー
平山高志
キャスト
シム・ウンギョン(吉岡エリカ)
『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(19)『ときめきプリンセス婚活記』(18)『ザ・メイヤー 特別市民』(18)『操作された都市』(18)

松坂桃李(杉原拓海)
『蜜蜂と遠雷』(19)『HELLO WORLD』(19)『居眠り磐音』(19)『孤狼の血』(18)『娼年』(18)

本田翼(杉原奈津美)
『天気の子』(19)『空母いぶき』(19)『ヌヌ子の聖★戦 HARAJUKU STORY』(18)『今夜、ロマンス劇場で』(18)

岡山天音(倉持大輔)
『踊ってミタ』(20)『王様になれ』(19)『引っ越し大名!』(19)

郭智博(関戸保)
長田成哉(河合真人)
宮野陽名(神崎千佳)
高橋努(都築亮一)
西田尚美(神崎伸子)
高橋和也(神崎俊尚)
北村有起哉(陣野和正)
田中哲司(多田智也)
望月衣塑子
前川喜平
マーティン・ファクラー
作品データ
製作年 2019年
製作国 日本
配給 スターサンズ、イオンエンターテイメント
上映時間 113分
映倫区分 G