クリント・イーストウッド監督作品『運び屋』実話は観れば観るほど、新しい発見がある。ネタバレ、感想、評価。

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『運び屋』(116分/米/2018)

原題『The Mule』

クリント・イーストウッド監督作品

 

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イーストウッドの映画作家としての才能に身震いしてしまう

3回目の『運び屋』である。

 

以下、その①

クリント・イーストウッド映画『運び屋』実話、ネタバレ、感想、評価。アメリカ国家の終焉を描いている。
クリント・イーストウッドの最新作『運び屋』は麻薬を車で運ぶ老人の物語だ。かつてビジネスで大成功したが時代に乗り切れず破産した。破産して失った家族の大切さに気が付いた。しかしお金がない。運転技術だけはある。アールは必要とされる喜びかそれとも金にためか、何かを求めて数千キロの道をひたすら走る。男にとって仕事とは、家族とは何か?

以下、その②

映画『運び屋』実話、ネタバレ、感想、評価。クリント・イーストウッドの仕事人間を実演しているようだ
『運び屋』(116分/米/2018) 原題『The Mule』 『運び屋』を演じるイーストウッドは自らの映画人生を運んでいるように見えた。  さて、前回はちょっとセンチメンタルになってしまってあまり良い原稿を書けなかっ...

 

逃れられない“老い”との対話

この映画は上映期間中、あと数回は観るだろう。観れば観るほどほど面白い。そしてイーストウッドの映画作家としての才能に身震いしてしまう。実に深い作品だ。この映画を観ながら自身の人生と照らし合わせる人も多いのではないだろうか。それは逃れられない老いとの対話でもある。しかし本作のアールは老いについて一切悩んでいない。強い人間か、それとも鈍感な人間なのかはあなたが各々が決めれば良い。

クリント・イーストウッドの運転と歌う作品として一番良い

イーストウッドが映画の中で車を運転する作品はたくさんある。『サンダーボルト』ブロンコ・ビリー』『センチメンタルアドベンチャー』そして『ダーティーハリー』などその他たくさんあるが、まず本作『運び屋』と共通するのは『サンダーボルト』『センチメンタルアドベンチャー』になる。前者は犯罪者、後者は音楽にだ。『ブロンコ・ビリー』はこの二本と同様、ロードムービー作品であるのが一致する。『ダーティーハリー』は街中を走るのでむしろ対局と言える。

こんなに自由気ままに歌うクリント・イーストウッドは久しぶりだ

特に本作では自由気ままに歌うイーストウッドを久々観て何となく哀愁を感じた。年老いた役ではあるが、やはり歌は過去の人生を想像させるものだ(イーストウッドの歌う姿に私自身も過去への思いを馳せてしまった)そりゃ、長い車での旅だ。走行中、歌も歌いたいさ。しかもアメリカは広いし、ラジオ局もたくさんある。州をまたげばいつも新しい音楽に出会える楽しみもある。クリント・イーストウッドの映画は音楽がとても大切なのだ。

ジャズの精通したクリント・イーストウッドの映画は音楽も素晴らしい

監督デビュー作の『恐怖のメロディー』の選曲のミスティーが実に良かった。以後の作品もジャズの精通する彼ならではの作りになっている。ただ目立たずそっと映像に寄り添うように弾かれているのがいい。『許されざる者』などは最たる例だ。さらに息子のカイルが『硫黄島からの手紙』『グラン・トリノ』『インビクタス/負けざる者たち』でイーストウッド作品の音楽を担当しているのが何だか嬉しく感じる。

まだまだ現役!と宣言しているのは『運び屋』だ。

そしてイーストウッドの願望なのか、それとも現役をアピールしているのかわからないが、道中、女性とベットを共にする場面がある。それだけではない、メキシコに招待された際も二人の女性と遊ぶ。これが非常に面白い。映画に必要か否かに論じている人もいるが、イーストウッドの過去の作品を観ていれば、当然必要と答える。クリント・イーストウッド作品にはラブシーンが多いのだ。ソンドラ・ロックを始め、『恐怖のメロディー』ではジェシカ・ウォルター、ドナ・ミルズ、『ペイルライダー』ではキャリー・スノッドグレス、そして『マディソン郡の橋』ではメリル・ストリープ。その他、たくさんあるので今度まとめてみようと思う。

クリント・イーストウッドの私生活もまたエネルギーがある。

下世話であるがクリント・イーストウッドの私生活も奔放だ。二度の結婚で子どもが8人いる。しかも5人の女性との間に設けている。最後の子どもが66歳の時だから今も現役と言われても納得できる。だから映画の中で女性とベッドを共にするのは「まだまだ若いモンには負けないぞ」というメッセージを送っているように見えるのだ。凄すぎる。

ブラッドリークーパーとクリント・イーストウッドの共演は名場面だ

もう一つ、ベイツ捜査官演じるブラッドリークーパーとのバーでのやり取り。これから未来ある若者に対して、仕事などより家族を大切にしろといく辺りが何とも言えない。イーストウッド自身、映画に人生を捧げてきて、決して家族を大切にしていない。同じ映画界で生きるクーパーに対してそのことを伝えてる場面がとても感慨深い。クーパーは恐らくではあるが、クリントイーストウッドの意志を引き継いで映画をリードしていく人間であろう。だからこそあの場面が非常に胸が染みた。未来に何度もリプレイされる名場面だろう。

実際のレオ・シャープは仕事を全うしただけだ。

イーストウッド演じる実際のレオ・シャープは罪の意識があったのだろうか。おそらくではあるが皆無だと思う。彼は仕事として行ったのだ。そして『運び屋』という仕事の対価をもらっただけなのだ。法廷での証言でも言っている。「あなたのせいで多くの薬物中毒者が出た。それについてどう思う?」「もう過去のことだ」からと答えている。そして犯罪組織のメキシコのカルテルについての詳細はほとんど語っていないそうだ。そういった意味では仁義を着るというか、仕事を遂行した満足感があるのだろう。

クリント・イーストウッドの次作を期待している。まだまだ続くだろう。

さてさて、まだまだ本作は大ヒット上映中である。あと何回、劇場へ足を運ぶかわからないが、イーストウッドはまだまだ撮り続ける予感がする。映画では背中を丸めて、ヨボヨボ、シワシワの雰囲気だが、インタビューを観るとめちゃくちゃ元気だ。肉体的にも精神的にも問題なのだ充実しているらしい。

次作は実話も良いが、出来れば今一度ドラマ作品を見たいと願っている。

 

映画のことなら映画.comより引用

スタッフ

監督クリント・イーストウッド 製作クリント・イーストウッド
ティム・ムーア クリスティーナ・リベラ ジェシカ・マイヤー ダン・フリードキン ブラッドリー・トーマス
製作総指揮 アーロン・L・ギルバート
原案サム・ドルニック
脚本ニック・シェンク
撮影イブ・ベランジェ
美術ケビン・イシオカ
衣装デボラ・ホッパー
編集ジョエル・コックス
音楽アルトゥロ・サンドバル

キャスト
クリント・イーストウッド アール・ストーン
ブラッドリー・クーパーコリン・ベイツ捜査官
ローレンス・フィッシュバーン主任特別捜査官
マイケル・ペーニャトレビノ捜査官
ダイアン・ウィーストメアリー
アンディ・ガルシアラトン
イグナシオ・セリッチオフリオ
アリソン・イーストウッドアイリス
タイッサ・ファーミガジェニー
ユージン・コルデロルイス・ロカ
ローレン・ディーンブラウン捜査官
グラント・ロバーツDEA捜査官
ピート・バリスDEA地方担当官
ロバート・ラサードエミリオ
ソウル・ウエソアンドレス
リー・コック突撃銃の男
ノエル・Gボールド・ロブ
クリフトン・コリンズ・Jr.グスタボ
ダニエル・モンカダエドアル
ポール・リンカーン・アラヨサル
作品データ
原題 The Mule
製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 ワーナー・ブラザース映画
上映時間 116分
映倫区分 G