『嘘はフィクサーのはじまり』(117分/米イスラエル/2016)

2018公開
映画『嘘はフィクサーのはじまり』オフィシャルサイト
リチャード・ギアが今の日本に贈る“忖度”悲喜劇!2枚目ハリウッドスターが厄介事を引き受けまくる自称フィクサーを怪演。万国共通の欲望を笑い、自省したくなるブラックすぎる忖度コメディの傑作が、政治的混乱中の日本に上陸!

原題 Norman: The Moderate Rise and Tragic Fall of a New York Fixer

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リチャード・ギアはやっぱり映画俳優である。映画館の大スクリーンで観る俳優である。カッコいい歳の取り方をしていると改めて感じた。

テレンス・マリック監督、フランシス・フォード・コッポラ監督、そして黒澤明監督と仕事をしてきた偉大な俳優

 リチャード・ギア主演の映画である。そういえば彼の映画を久しく観ていなかった。でも彼の存在は何故かいつも私の頭の中にある。それは彼が日本のCMによく出演しているからだろう。今やリチャードは日本では映画俳優と言うよりCM俳優のイメージの方が強いのではないだろうか。でも私たちの時代ではリチャードギアはとてもカッコイイ、モテ男であった。彼の俳優としての経歴を改めて見た。私が観た映画だけで10本近くある(無論劇場でだ)リチャードは錚々たる映画監督と仕事をしていると改めて驚いた。まずはテレンス・マリック監督の『天国の日々』(1978)『コットンクラブ』(1984)ではフランシスフォードコッポラ。そして『八月の狂詩曲』(1991)では我が黒澤明と仕事をしている。忘れていた。兎にも角にもとてもいい俳優なのだ。CMのせいで彼をコメディアンに思っている人も多いのではないか。

共演者も多彩。リチャード・ギアは共演者に喰われないし、喰わない俳優だ。おそらく共演者はステップアップしたのではないだろうか。さすが人道主義者。

 またリチャードは錚々たる俳優とも共演している。ブルース・ウィルス、アンディ・ガルシア、ジュリア・ロバーツ、ニコラス・ケイジだったり。私が好きなのは『背徳の囁き』(1990)での彼だ。メチャクチャな悪徳刑事を演じている。共演のアンディ・ガルシアをボッコボコにしている(アンディにとってリチャードと共演した後に『ゴッドファーザー PART III』に行くから良かったのではないだろうか)そして私はリチャードのことを尊敬している理由に人道主義者と言う側面があるからだ。難しい問題ではある。チベット仏教徒でありダライ・ラマの支持者であるため、中国への入国は認められていない。またエイズ撲滅活動にも早くから取り組んでいる。戦争という行為には無論反対している。そういった側面でリチャードギアのことが好きだ。

確かに最高のパフォーマンスだ。悪人になりきれない人っているよね。いつも損ばかりしている人。本当は人の役に立っているのに。ちょっと切なくなった。

 さて映画をしよう。正直この映画はとても面白かった。リチャードを久しぶりに観て嬉しかった、やっぱりスクリーンで観たいものだ。かつてのジゴロやバイオレンス、紳士と違って、コミカルに演じているリチャードの演技が抜群に面白い。滑稽であり、奇怪であり、気色悪いのだが、やっぱりカッコいいのだ。ダンディーなのだ。

 物語はリチャード演じるフィクサー(仲介者、調停者とか揉み消し屋)が、ある日イスラエルの政治家と出会った。彼に靴をプレゼントした。その男が3年後首相になった。それからフィクサーの人生は好転する。首相の知り合いというコネクションを使いフィクサーとして活動し始まる。全く悪気がない。いつしか首相に汚職の嫌疑がかけられ、リチャードはその汚名を晴らそうと動き出すが、、、という話だ。

 映画の中で絶えず電話をかけている。忙しくしている。金のネタになる人物に接近しようとしている。こういう人って実際いるような気がする。共通するのはくじけない、落ち込まない、たちどまらない性格だ。私だったら一度、電話を切られたら落ち込む。とにかく自分のため、お金のために何かしらの縁故を探し出す。名刺ジャンケンだ。

 でも悲しい哉、お人好しのところもあり身銭を切ることが多い。自身の懐は全然潤わない。何も利益にならないのに頼まれると断れない。切符が良いところもある。本当の悪人ではないところに心引かれる。ましてやあのリチャーズの柔和な微笑みにある淋しげな横顔が良い。最後の最後本当に辛い選択をする。コメディー映画と観ていたの最後は泣けてくる。私自身も良い年になったからそれと照らし合わせたかもしれない。泣けてくるのだ。リチャードがニューヨークの街並みを見る姿が切ない。この冬、私はリチャードが着ていたキャメルのコートと同じようなコートを久しぶりにタンスから引っ張り出して着ている。リチャーズのようにカッコ良くはないけれど、人生の終盤には少しは良いことをしたいと思うような映画であった。

ウイキペディアより

嘘はフィクサーのはじまり
Norman: The Moderate Rise and Tragic Fall of a New York Fixer
監督 ヨセフ・シダー
脚本 ヨセフ・シダー
製作 ミランダ・ベイリー
ローレンス・イングリー(英語版)
デヴィッド・マンディル
オーレン・ムーヴァーマン
エヤル・リモン
ギデオン・タドモア
製作総指揮 ジム・カウフマン
アマンダ・マーシャル
キャロライン・カプラン
ミハル・グレイディ
マイルズ・ネステル
リサ・ウィルソン
出演者 リチャード・ギア
リオル・アシュナケージ(英語版)
ハンク・アザリア
スティーヴ・ブシェミ
シャルロット・ゲンズブール
マイケル・シーン
ダン・スティーヴンス
音楽 三宅純
撮影 ヤロン・シャーフ
編集 ブライアン・A・ケイツ
製作会社 タドモア
コールド・アイアン・ピクチャーズ
The Rabinovich Foundation
The Jerusalem Film Fund
Keshet International
配給 アメリカ合衆国ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
日本公開     201693 
イスラエル    201738[2]
アメリカ合衆国 2017414[3]
日本      20181027
上映時間 117
製作国 アメリカ合衆国 イスラエル
言語 英語、ヘブライ語
興行収入 $5,200,000[5]