新海誠監督映画『星を追う子ども』はジブリへのオマージュかそれとも別れか。新海作品異色作。ネタバレ・あらすじ・感想・考察。

新海誠監督作品

映画『星を追う子ども』公式サイトにて作品情報をご確認ください。YouTubeで予告映像もご覧ください。

『星を追う子ども』公式サイト/新海 誠 最新作
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新海誠『星を追う子ども』予告編映像

『星を追う子ども』116/日本/2011
英題『Children Who Chase Lost Voices

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映画『星を追う子ども』のオススメ度は?

4

4つです。

声優の金元寿子さんが良いですね。

ジブリへのオマージュ的な作品ではないでしょうか。

子どもか大人まで楽しめます。

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映画『星を追う子ども』の作品概要

『ほしのこえ』『雲のむこう、約束の場所』でも『秒速5センチメートル』を経て新海誠が新たな、いや本来やりたかった作風に挑戦している。ジブリ越えを目指した作品だ。実際、ジブリを強く意識したという。本作以降、新海監督は自分の作風、表現世界をきっちりと決めて映画を発表することにつながった。

映画『星を追う子ども』のあらすじ・ネタバレ

小学6年生のアスナは田舎で母とふたり暮らし。父は幼い頃に他界している。看護師の母は多忙であまり家にいない。アスカは物心がつくと一人で遊ぶようになる。学校の友達ともつるまない。度々、山の中へ入って自分だけの基地で過ごしている。ある日、そこでとても美しい少年と出会う。

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映画『星を追う子ども』の感想・評価・内容・結末

本作は新海誠作品の中でもちょっと異色な存在だと言われています。新海ファンの声を要約すると「ジブリ作品に似ている」「古くさい」「死生観が強い」などが散見されます。確かにジブリっぽいのは否めません。新海監督も自覚的に作り上げたと言っています。というか新海世代にとってジブリ作品に影響を受けていない人は皆無と言っても良いと思います。多くの人はアニメ=ジブリ、つまりは宮崎駿監督なんです。避けては通れないですね。

ハウルのあの場面とか、もののけのあそことか、その他、ラピュタとかトトロとか、、、。でもこれもひとつの楽しみ方が増えたと思えば良いのではないでしょうか。新海監督が子どもの頃、ジブリに感化させられたからこそ今があるのです。どんな芸術も模倣されることで新たな表現が生まれてきたのは歴史が証明しています。ということは将来的に新海誠監督に影響されたアニメ作家が生まれてくるのです。これは歓迎ではありませんか。

さて、映画ですがわたしは結構好きなんです。なんというのでしょうか、今までも新海作品では恋愛要素が強かったと思うのですよ。恋愛と言っても必ず叶うわけではありません。必ず障害があります。距離とか時間とか年齢差とか。でも本作はあまり恋愛物語を意識させない気がしたのです。別に恋愛映画を否定しているわけではありませんが、過去作から推測すると新海作品で恋を成就することはないだろうと埋め込まれてしまったからです。

本作のテーマにはがしっかり描かれています。これはとても難しいテーマですから子どもはついていけるのかとても心配でしたが、子どもは映画を考えません。感じるように観ているのだからきっとわかっているのだと思います。死というものに対して大人より恐怖心は低いと思います。ですから本作はどちらかというと大人が観た方がより人生に対して前向きになれる作品ではないでしょうか。

まず多くの人は死をネガティブに考えます。大切な人に死が迫っていると知った時、人間は冷静でいることが難しくなります。何とか死の到来を回避できないか、あらゆる努力をする人もいます。健康食品とか神頼みとか。でも結局は人間がこの地球上に自我を持って過ごす時間はあらかじめ決まっていると思うのです。ですからあたふたしても仕方ないのです。

ただこれは死生観の違いですが、わたしは死後の世界などないと思っています。。してや死んだ者が蘇るなどあり得ません。でもこれは映画ですから、死後の世界があっても蘇ってもオッケーなんです。それは新海監督の創造世界への飽くなき挑戦ですから素晴らしいとしか言いようがないです。だからこそ本作の現世とあの世の区別をしっかりと描いてもしかったのです。宮崎駿的な演出であれば、この世とあの世の対比をキャラクターできっちりと描いていると思います。月並みですが、あの世にいるキャラクターが鬼であったならツマラナイので、両者を逆転して描くとか、、、。そう言った仰天技を使うので宮崎駿監督です。常にファンの期待を裏切るのが得意な人だと思います。

され、本作を観ていると後の新海作品のテイストを決めた映画だと思います。この作品は新海監督にとってジブリへの挑戦状であったと思います。でもその挑戦は徒労に終わったのではないでしょうか。宮崎駿に憧れていた少年新海誠はもうすでにジブリを飛び越えてしまっていたと思うのです。日本アニメはジブリが先導していましたが、時はもう遅しで、ジブリの時代に終焉が差し掛かっていたのです、そのことに新海監督は気がついていなかったから思いっきりジブリになってしまったのです。

ですから自作から新海監督は一番やりたかったジブリ的な作風に別れを告げて自身の世界へ戻っていきます。そう考えると本作は転換期として重要だったのです。あらゆる芸術家は自身の創作スタイルに悩み、新たな表現を探します。ピカソにしても青の時代からバラの時代がありました。ボブ・ディランにしてもフォークからロックの時代がありました。数年後、新海監督は『星を追う子どもたち』を作った時を「~の時代」と名付けるのかがとても楽しみです。

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映画『星を追う子ども』まとめ 一言で言うと!

「青は藍より出でて藍よりも青し」

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映画『星を追う子ども』の作品情報

映画.comより一部引用

スタッフ・キャスト
監督
新海誠
原作
新海誠
脚本
新海誠
エグゼクティブプロデューサー
川口典孝 永田勝治 安田正樹 太布尚弘 喜多埜裕明
プロデューサー
伊藤耕一郎 岩崎篤史 堂下律明 小川智弘
プロジェクトマネージャー
川口典孝
脚本協力
松田沙也
絵コンテ
新海誠
絵コンテ協力
西村貴世 丹治匠
演出
新海誠
キャラクターデザイン
西村貴世
作画監督
西村貴世 土屋堅一
美術監督
丹治匠
色彩設計
新海誠
色彩設計補佐
三木陽子 古川康一
色指定・検査
野本有香
撮影監督
新海誠
撮影チーフ
李周美
3DCGチーフ
竹内良貴
撮影
粟津順 三木陽子 市川愛理 河合完治 竹内良貴 李周美 新海誠
3DCG
粟津順 三木陽子 市川愛理 河合完治 竹内良貴 李周美 新海誠
編集
肥田文 新海誠
アフレコ編集
三ツ矢雄二
アフレコ録音
山田陽
整音
住谷真
音響効果
野口透
音楽
天門
主題歌
熊木杏里
制作
コミックス・ウェーブ・フィルム
制作プロデューサー
伊藤耕一郎
音響プロデューサー
小川智弘
渡瀬明日菜(金元寿子)
シュン/シン(入野自由)
森崎竜司(井上和彦)
ミミ(竹内順子)
明日菜の母(折笠富美子)
森崎リサ(島本須美)
アモロートの老人(大木民夫)
マナ(日高里菜)
セリ(伊藤かな恵)
僧兵隊長(浜田賢二)
長老(勝倉けい子)
明日菜の父(前田剛)
池田先生(水野理紗)
矢崎ユウ(稲村優奈)
ミキ(寺崎裕香)
生徒(金田アキ)
生徒(洞内愛)
生徒(堀籠沙耶)
生徒(土屋真由美)
生徒(齋藤智美)
村人(又村奈緒美)
村人(長浜満里子)
村人(石橋美佳)
村人(緑川博子)
村人(本城雄太郎)
村人(増田俊樹)
村人(大藪重樹)
村人(本道崇)
村人(藤原和博)
2011年製作/116分/G/日本
配給:メディアファクトリー、コミックス・ウェーブ・フィルム