ドル箱三部作『続・夕陽のガンマン』は南北戦争の中、繰り広げれる人間という生き物の善と醜悪の葛藤を表している名作

クリント・イーストウット作品

『続・夕陽のガンマン』(178分/イタリア/1966)

原題『Il buono, il brutto, il cattivo

監督 セルジオ・レオーネ

 セルジオ・レオーネとクリント・イーストウッドが組んだマカロニウエスタンの第三弾。『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』と合わせてドル箱三部作と呼ばれている。タイトルにと付くが前作のストーリラインは全く受け継いでいない。受け継いでいないどころか、原題はイタリア語で『Il buono, il brutto, il cattivo』英語では『The Good, the Bad and the Ugly』日本語にすると『良い人、悪い人、醜い人』となる。確かにこれを邦題にするのは難しい。映画はタイトルでもヒットするかどうかが決まるから前作のタイトルをそのままくっ付けた気持ちもわからなくはない。

 この映画は実はアメリカの映画史の中でもかなり評価されている。まず南北戦争を舞台に三人の男が金塊を強奪すると言うプロットをベースにしているが、敬虔なキリスト教徒であるレオーネ監督の宗教観が最も表れていると言う。まず良い人、悪い人、醜い人と言う設定は我々の心の中に必ずいるのではないかと言う存在なのだ。

 例えば道端にお金が落ちていたとしよう。誰も見ていなければ「とっちまいなよ」と囁く悪い人の自分もいるし「いや、警察へ届けよう」と言う良い人の自分もいる。で、醜い人って言うのがどちらでもない我々のことなのだ。これを踏まえると人間というのは元々醜い存在なのか、と考えざるを得ない。そのことを踏まえてこの映画を観るととても面白い。

 しかも南北戦争を絡めてストーリーは進んでいく。南北戦争に至った最大の要因は黒人奴隷問題である。差別だ。これに対して良いか、悪いか、醜いかも考えさせられる。更に更に終盤では三人が三つ巴の争いをする。誰かが裏切る。それもまた面白い。誰が残るのだろうか。

 良い人、悪い人、醜い人を強引に例えると天使、悪魔、人間になるのだろうか。確かに映画では醜い人の首に縄が架けられており、いつも生死の境を行き来し、恐怖を演出している。この辺りもレオーネの宗教観が伺える。最後の叫びが笑える。クリント・イーストウッド演じる良い人に向かって「お前こそ、大悪党だ!」深い、深ーい映画だ。

 余談であるが、映画の尺は長い。イーストウッドは相変わらずセリフが少ない。でもクロースアップが多用されていて、役者同士の切り替えショットが何度も繰り返されてちょっとイラッとしてしまう。それを飽きさせないエンニオ・モリコーネの音楽で救われる。しかしながらレオーネは偉大だった。後にクリント・イーストウッドに多大な影響を与えたことは言うまでもない。役者としても無口なイメージを固定させたし、監督としても成功したのもレオーネに起因することが多い。そしてイーストはドン・シーゲルと仕事をすることになる。それがまたとてつない影響を受けることになったのだ。

 

ウイキペディアより引用

監督 セルジオ・レオーネ
脚本 フリオ・スカルペッリ
セルジオ・レオーネ ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
製作 アルベルト・グリマルディ
出演者 クリント・イーストウッド
リー・ヴァン・クリーフ
イーライ・ウォラック
音楽  エンニオ・モリコーネ
撮影 トニーノ・デリ・コリ
編集 エウジェニオ・アラビソ
ニノ・バラグリ
配給 ユナイテッド・アーティスツ

公開 イタリア 19661223
  アメリカ合衆国 19671229
  日本       19671230

上映時間 162分(国際版) 178分(完全版)
製作国 イタリア
言語 イタリア語
製作費 $1,200,000
興行収入 $25,100,000
配給収入 26652万円
前作 夕陽のガンマン