映画『アメリカン・アニマルズ』実話。バリー・コーガン一色だ。バカな大学生4人が安易に計画した強盗事件。ネタバレ、あらすじ、評価

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映画『アメリカン・アニマルズ』 | 大ヒット上映中
ケンタッキー州の大学図書館に眠る時価12億円を超えるヴィンテージ本を狙った強盗事件。まさかの実話。映画史上類を見ないセンセーショナル・クライム・エンタテインメント。
5/17(金)公開『アメリカン・アニマルズ』120秒本予告

『アメリカン・アニマルズ』(116分/米/2018)

原題『American Animals』

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映画『アメリカン・アニマルズ』の作品概要

毎日が暇な大学生が「何か面白いことしようぜ!」と言う軽いノリでやった強盗事件が大騒動になってしまう。

若気の至とは言うが、思いつきでやってしまうと取り返しのつかない事もある。

しかしやってしまった事をいつまでも引きずるのも建設的な未来を描けない。

過去の過ちを教訓に新しい人生を歩む事も大事だと教えてくれる映画だ。

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映画『アメリカン・アニマルズ』のあらすじとネタバレ

おバカな大学生のノリでやった強盗劇

ケンタッキーのトランシルベニア大学に通う四人の若者が、図書館に収められている貴重な本、ダーウィンの『種の起源』や画家ジョン・ジェームズ・オーデュボンの傑作『アメリカの鳥類』の初版本を盗み出し闇で売り捌こうと計画する。

盗みは映画『オーシャンズ11』や『現金に体を張れ』を観て参考にしている。しかし、いざ実行しても所詮、素人。上手くいきっこない。

失敗と捉えて引きずるか、忘れて進むか

結局は警察の御用になり刑務所に送られる。

ただこの映画には役者と実際に強盗を行なった当人たちが登場する。役者と当人たちのカットバックの連続で構成される。

若さとは何か、失敗とは何か、人生はやり直せるのか、若者も葛藤が上手く描かれている。

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映画『アメリカン・アニマルズ』の感想と評価

バリー・コーガン、バリー・コーガン、バリー・コーガン一色の映画だ

この映画の一番の見所は何と言ってもバリー・コーガンの演技である。彼を初めて観た時の衝撃は忘れられない。

ヨルゴス・ランティモス監督の「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」だ。とにかく気持ち悪かった。

そして背筋がゾッとするほど恐ろしく、危ない人間と言う印象を持った。決してハンサムではない。でも主役を張れる。

すごい存在感を放っている。実際、この映画ではコーガン一色であったと言える。

コーガンの放つ独特の雰囲気が終始スクリーンを支配していた。

 

中学生レベルの発想だが、その気持ちは十二分にわかる 弾けてみたいのだ

映画の内容はアメリカの馬鹿な若者4人が、つまらない日常を打破するために「何か面白いことやろうぜ!」と気軽に考えたことが大きな問題となってしまう話だ。

図書館の本を盗み出すのだ。

本当に馬鹿な若者だ。中学生レベルの発想じゃないかと笑ってしまう。

でもその気持ちはわかる。このまま大学を出て普通のサラリーマンをやって人生を終わるより、何か面白いこと、つまり大金を得る一発逆転的な人生を送った刺激的で面白いだろうと連帯意識を持ってしまったのだ。

所詮、大学生は退屈なのである。変化が欲しいのだ。刺激がある毎日こそ生きてる証であるような錯覚に陥っていく様も描かれている。

満たされた日常は退屈だ 故に破壊する事で刺激を求めてしまう性

劇中で印象に残った言葉がある。

「ファッキン、エクサイト!」日本風に言えば「クソ面白い事!」となるだろうか。

我々もそうかもしれない。何か全てが順調で満たされている毎日は単調で退屈になってくる。その単調こそが実は安定と幸せであるはずなのに、人間というのは壊したくなる生き物なのだろうか。

ただ日本の大学よりアメリカの大学の方がかなりスリリングかつ、エキサイティングなはずだ。

多くのアメリカ映画の中の大学生は、毎日パーティ三昧で酒、タバコ、セックス、そしてお決まりのドラッグとなる。それだけで充分なのではないか。

上手くいかなかった事で救われたのだ

この映画はそれでは飽き足らず図書館に所蔵されている時価1200万ドルもする貴重な本を盗み出し闇で売り捌き一稼ぎしようという話だ(ダーウィンの『種の起源』や画家ジョン・ジェームズ・オーデュボンの傑作『アメリカの鳥類』の初版本)

しかし如何せん、計画が幼稚すぎる。笑ってしまうのは泥棒映画のDVDを観て作戦を練るところ。上手くいきっこない。

結局は予定調和通り、捕まって終わり。こんなんで成功したらみんな大学の図書館を狙うだろう。

ドラマ仕立てとドキュメンタリー仕立ての二つの構成が見事だ

さて、この映画のストーリーはさておき、構成が見事だ。

まずトップカット。黒い画面にテキストが表示される。同時に鳥の声が聞こえてくる。おそらくフクロウだ。

そしてダーウィンの言葉が彼らの住むケンタッキーへと誘うのだ。何故、ケンタッキーなのか映画の終盤にわかる。

もちろんこの映画のタイトルである『アメリカン・アニマルズ』の意味に通じる。

映画はドラマ仕立てとドキュメンタリー仕立ての二つの構成から成り立っている。

かつてこういう形の映画はあったが、久しぶりなのでとても新鮮に感じた(例えばクリント・イーストウッドの『1517分、パリ行き』も実際に事件に遭遇した素人を映画で起用して仕上げた作品だ)

本人たちはまるでユーチューバーのようだ

この『アメリカン・アニマルズ』も実際に罪を犯した本人たちが登場している。

刑期を終えて出所した彼らが回想し、その話に合わせて役者たちが演じていくのだ。この構成が嵌ったと言える。

リアリティー感が満載なのだ。盗人猛々しいではないが、本人たちは最初は悪ぶれず淡々と語っているように見える。

まるでYouTubeを観ているようだ。一種の自己満足、承認欲求ムービーだ。

次第にドラマの合間でカットバックして語る彼らの表情に曇りが出てくる。涙を流す者もいる。悔恨の表情が強くなっていくのが見て取れる。

映像表現も編集もとても良い

映像もとても良かった。

古臭い表現だがスタイリッシュだった。

トップカット映像のすぐ後は上下反転した映像が流れたり、トランシルバニア大学の雰囲気、ニューヨーク、アムステルダムなどの色調が絶妙で落ち着いて映画に入れた。

編集も良いと思う。前半は長めの切り返しを多用しているが、後半の見せ所は臨場感を出すために秒単位の切り返しを繰り返す事で観客との一体化を目指している(おそらくバート・レイトン監督は多くの映画も観ているがCMも手掛けているのではと感じた。

(何となくこの映画にはダニー・ボイル、ガイ・リッチー色が見え隠れするからだ)

“ライ麦畑のホールデン”のまま大学生になった

映画の中で印象に残る言葉がいくつかある。

「芸術が最高の人生」「自分は特別な何かを持って、特別な人生を過ごす」「向こう側に何かがある。橋を渡ってそれが何か知りたい」などなど。

誰もに夢見がちな思春期はある。彼らの言葉はそれが全て現実になるという絵空事、つまり錯覚だと気がついていなかったのだ。

簡単に言ってしまえば非常に子供なのだ。現実と夢の区別がつかないライ麦畑のホールデンと言ってしまっては元も子もないが、若さ故のベクトルがいつも真っ直ぐ向かないという証明でもある。

誰かの責任にできないのは自分たちが浅はかだったからだろう

結局、実際の4人は過去を今でも後悔している。7年間も刑務所に打ち込まれたショックは尾を引くだろう。

誰が悪いのか、誰のせいで犯罪者になったのかはそれぞれ感じるところもありそうだが、バカ乗りした自身だと認めるしかない。

でもだ、やはり1番の悪玉、いや一番の子どもであったウオーレスの罪は大きい。他の三人、スペンサー、エリック、チャズもウオーレスと付き合ってなければ、、、と言う表情をしているところも笑える。

ウオーレスは寂しかったのだろう。両親は離婚するし、スポーツはダメになるし、孤独だったのだろう。

だからみんなで楽しいことをしたかったのだろう。それが強盗だったのだ。笑えないけど、、、。

人生はいくらでもリセットできる 時間は未来のためにあるのだから

でも人生はいくらでもやり直せる。若いから取り戻せる。

彼らは面白いことをやったまでだろう。そして失敗した。

大学にも社会にも家族にも迷惑をかけた。そして罪を償った。

だからもう後悔する必要ないだろう。自分たちが犯した過ちを一生涯の罪として背負うことは止めて欲しい。

彼らがやったことが映画になり、こうして世界中の人たちが楽しめた。それでよかったんじゃないのか。

時間は未来にしか進まないのだから。

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まとめ 映画『アメリカン・アニマルズ』一言で言うと!

「やっちまったことは仕方ない!堂々と生きようぜ!」

確かに大きな犯罪を犯したかもしれない。でも人の人生を消し去るような罪は犯していないはずだ。この映画の中にダーウインが出てくる。その意味を考えてみる。『種の起源』では“最も強い種、最も賢い種が残るのではない、いかに変化に順応できる種が生き残る”だ。つまり時代を読んで順応すれば良いだけのことである。

また画家ジョン・ジェームズ・オーデュボンは借金を重ね債務者監獄に送られるが、出所後に名作『アメリカの鳥類』の出版にこぎつけた。幾多の試練の果てであった。彼はくじけなかったのだ。それ自体が勇気になる。

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映画『アメリカン・アニマルズ』の作品情報

映画のことなら映画.comより引用

スタッフ
監督 バート・レイトン
製作 デリン・シュレシンガー キャサリン・バトラー ディミトリ・ドガニス メアリー・ジェーン・スカルスキー
製作総指揮 ダニエル・バトセック デビッド・コッシ サム・ラベンダー レン・ブラバトニック アビブ・ギラディ トビー・ヒル ピアース・ベラコット トーリー・メッツガー ダーレン・M・デメトレ
脚本 バート・レイトン
撮影 オーレ・ブラット・バークランド
美術 スコット・ドゥーガン
衣装 ジェニー・イーガン
編集 ニック・フェントン クリス・ギル
音楽 アン・ニキティン

キャスト
エバン・ピーターズ(ウォーレン・リプカ)
『X-MEN:フューチャー&パスト』『アメリカン・ホラー・ストーリー』

バリー・コーガン(スペンサー・ラインハード)
『ダンケルク』『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』

ブレイク・ジェナー(チャールズ・T・アレン2世)
『スウィート17モンスター』『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』

ジャレッド・アブラハムソン(エリック・ボーサク)
『ザ・インターセクションズ』

作品データ
原題 American Animals
製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 ファントム・フィルム
上映時間 116分
映倫区分 G