映画『芳華-Youth-』には激動の70年代を生きた若者の青春、恋愛、苦悩と戦争の悲劇を描いた作品である。ネタバレ、あらすじ、評価

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HOUKA -youth-

 

映画『芳華-Youth-』(135分/中国/2017)

原題 『芳華 Youth』

 

映画『芳華 Youth』の作品情報

【原題】
『芳華 Youth』
【製作年】
2017年
【製作国】
中国
【上映時間】
135分
【日本公開】
2019年
【世界公開】
2017年
【原作】
ゲリン・ヤン
【監督】
フォン・シャオガン
『女帝 エンペラー』『戦場のレクイエム』『唐山大地震』
【脚本】
ゲリン・ヤン
【キャスト】
ホアン・シュアン
『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』『ミッション:アンダーカバー』
ミャオ・ミャオ
チョン・チューシー
ヤン・ツァイユー
『夏、19歳の肖像』
リ・シャオフェン
『小さな赤い花』
ワン・ティエンチェン
ヤン・スー
チャオ・リーシン

映画『芳華-Youth-』の作品概要

1970年代の中国で暮らす若者たちの青春物語。舞台にかける想い、恋愛。そして中国共産党と中越戦争。毛沢東の死がもたらす時代の変遷の中で若者たちの戸惑いと葛藤を描いた作品。

映画『芳華-Youth-』のあらすじとネタバレ

田舎娘のリ・シャオフェンは憧れの歌劇団・文工団に入団する。内気で周囲とうまくコミュニケーションを取れないばかりか、汗っかきであることから「臭い」と罵られいじめの対象となっていく。しかし彼女に唯一優しくしてくれたのは模範兵のリウ・フォンだった。リ・シャオフェンはリウ・フォンに想いを寄せるのだが彼には好きな女性がいた、、、。そしてある事件をきっかけにリウ・フォンと別れ中越戦争へと巻き込まれることになる。

映画『芳華-Youth-』の感想と評価

美しい映画である。いや美しすぎてイマイチなのだ。多分、登場する女優たち全てが洗練されており、70年代当時の歌劇団には絶対にいないのではないかという印象を持ってしまった。手足が長く、動きも軽やかで、顔の表情も明るいのだ。私の勝手な想像だがやはりもうかれこれ50年近く前の女性たちならもっと田舎っぽい役者でも構わないと思うのだ。全員がアイドル顔負けの美しさである。

映画は中国軍の紅衛兵たちを慰問する歌劇団の若者たちが時代の変遷に振り回されながらも友情を育み、恋をし、希望を持って生きていく物語であるが、もう一つ心を寄せられなかった。鮮烈な何かが足りない。例えば中国の巨匠チャン・イーモウの『紅いコーリャン』や『菊豆』の衝撃までは求めないが、せめて『妻への家路』くらいの突き刺さるような残酷さが欲しかった。フォン・シャオガン監督は確かに名匠だ。“綺麗に撮る”監督だと言える。綺麗に撮るのは良いがやはり“面白く撮る”事を求めたいのだ。

まず中国共産党にとってこの歌劇団の重要性についてもっと知りたい。それは戦意高揚のために必要か、あるいは人民をプロパガンダするために必要か、はたまた芸術として必要か等々。監督は現中国政府に遠慮しているかもしれないが、結局は戦争に必要不可欠な存在だったのである。何故ならば中越戦争が終わった瞬間に劇団は解散するのだから。その狭間で行き交う若者たちの葛藤が観たかったのだ。良い線まで行っていた。香港から手に入れたテレサテンの歌を聴くあたりで期待が高鳴った。若者たちは民主化への憧れと政府への疑念を密かに抱きながら踊りにその気持ちを詰め込むとか、、、、。演出であると思うがプールサイドで馬鹿騒ぎする場面はまるでアメリカのプレイボーイ創始者のヒュー・ヘフナーの邸宅を彷彿させてがっかりぢてしてしまった。絶対に当時の中国ではあり得ないと思う。

毛沢東の死は衝撃的だったのは事実だ。彼の死によって時代は一気に動いたのだ。だからこそもっと強烈な演出で切り替えても良かったのではないだろうか。それは音であったり、画面の色調であったりと工夫できたはずだ。何と言っても中国を建国した毛沢東の死である。それくらいの演出は欲しかった。

中越戦争についても疑問が残る。あの戦争は中国がベトナムを攻めて始まった。でも中国は引き上げた。認めてはいないだろうが、実質的に負けたのだ。それが描かれていない。

映画は70年代から90年代、そして2000年代まで一気に進んでいくのも違和感を覚える。確かに激動の50年間であったに違いないが、この映画のテーマは何だったのか濁ってしまうのだ。“若者、青春、恋愛”と思っている。だから年をとってからの回想や、ようやく愛の告白したことなど不要に思えるのだ。恋とは過去を遡って叶えるのではない。失恋してこそ恋なのだ。

最後の最後でリ・シャオフェンとリウ・フォンが余生を共にしていると言うテキストを読んでガクッとしてしまった。

映画『芳華-Youth-』まとめ 一言で言うと!

恋愛も青春も国家に捧げよう!愛国心こそが正義である。

外国からの情報がない時代だったから彼らは本当に純粋だったのだろう。中国が世界の全てであったのだ。それはそれで良いのだ。人民に情報を与えないことも国家としては必要なこともあったのだろう。外の世界を知れば内なる疑問が湧く。それはやがて国家を揺るがすことに繋がるからだ。

恋愛も青春も中国に捧げることが宿命だったのだ。

映画のことなら映画.comより引用

スタッフ

監督 フォン・シャオガン
製作 フォン・シャオガン ワン・チョンジュン ワン・チョンレイ
原作 ゲリン・ヤン
脚本 ゲリン・ヤン
撮影 パン・ルオ
編集 チャン・チー
音楽 チャオ・リン

キャスト
ホアン・シュアンリウ・フォン
ミャオ・ミャオホー・シャオピン
チョン・チューシーシャオ・スイツ
ヤン・ツァイユーリン・ディンディン
リ・シャオフェンハオ・シューウェン
ワン・ティエンチェンチェン・ツァン
ヤン・スー文工団分隊長
チャオ・リーシン文工団の政治委員

作品データ
原題 芳華 Youth
製作年 2017年
製作国 中国
配給 アットエンタテインメント
上映時間 135分
映倫区分 PG12