漫画『チワワちゃん』を実写化。東京の街を失疾走する吉田志織が愛しい。

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映画『チワワちゃん』公式サイト|6月12日DVD&Blu-ray発売!
門脇麦、成田凌、寛 一 郎、玉城ティナ、吉田志織、村上虹郎ほか若手実力派俳優集共演!友だちの死をきっかけに揺れる若者をエモーショナルに描く!!

『チワワちゃん』(104分/日/2019)

二宮監督の感性に羨望感を覚える。若いエネルギーって素晴らしい。エネルギーが漲る作品だ。

音楽と映像、ノリとテンポで一気引き込んでいく強さがある

 この映画を観て若い才能に嫉妬してしまった。このノリとテンポ、そして勢いというのが若い頃の自分にあったら、どんなに楽しかったろうにと思ったのだ。最初から最後までこの監督の情熱がほとばしっている。一気に突っ走っている作品だ。まだこの監督のプロフィールを見ていないので勝手な推測をしてしまったら申し訳ないが、この監督はおそらくミュージックビデオ、もしくはCM出身の監督なのではないかと思った。何故なら音楽に合わせて映像を編集しているように感じたからだ。冒頭に挙げた通りとにかくノリとテンポが抜群で、こちらも体が動き出してくる。カラフルな絵柄も気分を持ち上げる。写真もやっているのではないだろうか?失礼ではあるが蜷川実花作品に影響を受けているのか?そんな色使いだ。

アメリカンニューシネマを思い出す懐かしさもある

 とにもかくにも新しい才能だと思う。また私のような年配にはまるでアメリカ映画のような雰囲気にも見えた。プールサイドで男女が乱れる場面はプレイボーイの創始者のヒュー・ヘフナーの世界が見え隠れして楽しかった。何となくだがロジャー・コーマンの『白夜の幻想』を思い出してしまった。アメリカンニューシネマも好きなのだろうか。

 この映画は岡崎京子さんの漫画を実写かした作品である。東京の繁華街で若い少年少女たちが集まるクラブに突然現れたちょっと変な女の子。チワワと名乗る。いつも笑顔でハイテンション。当初は仲間から煙たがれるが、やがて突出した存在になっていく。この天真爛漫なチワワを演じるのは?吉田志織。体当たりのい演技を魅せてくれる(若き日のさとう珠緒を彷彿させた)そして何と言っても門脇麦が良い。何が良いかって、あの目だ。彼女の目は怖い。冷静というか、傍観というか、軽蔑というか、負の視線でチワワを見ている。いや、決して負の視線ではないかもしれないが、チワワと対照的なのでそれが秀でているのだ。しかもあの瞳で涙を溜められたら、一溜まりもないない。何だろうか、彼女の魅力は、、、。説明できない。

若者たちは東京という街で漂流し、自分探しをしているのだ

 本題に戻る。周りの人間、特に女の子たちは彼女に嫉妬する。チワワは何も苦労せず欲しいものを手に入れていく。男、仕事、名声など。でも彼女は殺される。殺されるが、この映画では誰に殺されるかは問題ではない。チワワという女の子がいた、みんなは彼女と楽しんだ事実が大切なのだ。時間が経つと若き日のことは忘れてしまうが、この閃光のように現れて消えた、チワワのことはみんな忘れられないのだ。

 これは東京という街で、二十歳前後の若者たちの自分探しの映画なのかなあって感じて益々羨ましくなった。東京を漂流しているのだ。おそらく映画の中の彼らは10年後20年後この時期を思い出すだろう。チワワを思い出すだろう。でもその過ぎ去った時間は帰ってこない。あんなに楽しい瞬間があった。青春とはそういうものなのだ。記憶は不要なものから色褪せていく。でもチワワという閃光は残るだろう。いや消そうと思っても消えないだろう。今、私は自身の過去を振り返ってみる。確かに二十歳前後の時は世界が自分の物になる気がした。僕たちのそういう時代があったのだ。もう一度、映画のようにバカ騒ぎしてみたいものだ。

映画のことなら映画.comより引用
スタッフ

監督 二宮健
原作 岡崎京子
脚本 二宮健
製作 間宮登良松 瀬井哲也 堀内大示 小佐野保 清水啓司
エグゼクティブプロデューサー 加藤和夫 岡本東郎
企画  岡田真
プロデュース 岡田真
プロデューサー 渡邊博文 行実良 岡本圭三 矢田晃一
音楽プロデューサー濱野睦美
撮影 相馬大輔
照明 佐藤浩太
録音 反町憲人
美術 小泉博康
装飾 伊藤悟
スタイリスト 前田勇弥
ヘアメイク 中山有紀
サウンドデザイン 浅梨なおこ 野村みき
編集 二宮健
主題歌Have a Nice Day!挿入歌Pale Waves
助監督 山下久義
キャスティング 杉野剛

キャスト
門脇麦 ミキ
成田凌 ヨシダ
寛一郎 カツオ
玉城ティナ ユミ
吉田志織 チワワ
村上虹郎 ナガイ
仲万美
古川琴音
篠原悠伸
上遠野太洸
松本妃代
松本穂香
成河
栗山千明 ユーコ
浅野忠信 サカタ