映画『マーウェン』ロバート・ゼメキスvsスティーブ・カレルが描くトラウマを乗り越える人間成長物語に感動。ネタバレ・あらすじ・感想・評価

2019年製作
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ヘイトクライム

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『マーウェン』116//2018
原題『Welcome To Marwen

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映画『マーウェン』のオススメ度は?

星4つ半

人形アニメが好きな方へ必見です。

さすがハリウッドの巨匠。

過去のトラウマを乗り越えて再び立ち上がる人間の物語です。

一生懸命に頑張れば、人は応援してくれるとわかりました。

本当の愛の存在は意外と身近にあるってこと。

恋人と観に行ってください

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映画『マーウェン』の作品概要

ロバート・ゼメキス監督が新しい映画表現に挑戦した作品。実写と人形、あるいは人形と実写を織り交ぜてトラウマとも戦い、さらには人々の優しをを通じて成長していく人間の強さを描いている。

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映画『マーウェン』のあらすじ・ネタバレ

イラストレーターのマークはハイヒールの収集癖があり、履いて楽しんでいることを深夜のバーで話した。それを聞いた若者5人が「変態」と言ってマークを袋叩きにする。生死の境を彷徨って生還したマークは成人以降の記憶を失い、暴行事件がトラウマになってしまう。お金もなく、最新の治療も受けられない。イラストも描けない。そこでマークは人形を使って物語を作り写真を撮ることに。やがて町の人の応援もあり、マークは有名になっていくが、、、、。しかしマークのトラウマとの戦いは続いていた。

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映画『マーウェン』の感想・評価・内容・結末

ロバート・ゼメキス監督の描く世界観は唯一無二

本映画『マーウェン』を観て、改めてロバート・ゼメキスの偉大さに気がついた。それは単に技術革新に貢献したというのではなく、人間の成長物語をしっかりと描くことができるからだ

一人のイラストレーターが暴漢に襲われ、記憶をなくし、それを町の人々がサポートし、彼がもう一度立ち上がっていくという単純なものだが、人間関係が希薄になっている現代に於いて、とても大切なことだと思い知らされたのだ。

人は頑張っている人を応援したくなるのだ。それを実写と人形アニメで描いたロバート・ゼメキス監督は偉大だ。

映画の設定をもっと単純にした方が良かったかも

この映画は昨年、全米で公開されたが興行収入は芳しくなった。というより大失敗に終わったそうだ

わたしはこの作品をとても面白く二回観た。なぜアメリカで不評だったかを調べてみたら、主人公のマーク・ホーガンキャンプの空想世界と現世界を行き来する設定が少々、理解が難儀だという意見が多かった。

空想世界は第二次世界大戦時のベルギーを舞台にしており、ナチスとの戦いを通じて勝っていくという兵士の物語。

それに同調するように現世界では、暴漢に襲われてトラウマから逃れられず、苦悩する姿と重ねている。つまりトラウマからの脱却を空想世界で描くことによって実現するという内容だ。

アメリカの歴史を舞台にすれば良かった

それはそれで良いのだが、おそらくアメリカで受け入れられなかったのは舞台がアメリカの歴史ではないからである。特に若い世代は第二次世界大戦など遥か遠い昔で、ほとんど興味がない。しかもナチスとなると一気に話は暗くなってしまうからだ。

いわゆるあまり触れたくないテーマになってしまうのだ。であるなら湾岸戦争とかイラク戦争を舞台にすれば良かったと思われるが、実在のマーク・ホーガンキャンプの作り出す世界から離れてしまう。ロバート・ゼメキス監督も悩んだ末の決断だったのではないだろうか。

未だに飽くなき挑戦をする映画界の“パイオニア的存在”

でもわたしはすんなりと観ることができた。わたしは戦争に詳しい歴史マニアではないけれど、主人公のマークが現世界の苦しみから抜け出すために空想世界で戦っている姿に共鳴したのだ(失礼な話、ナチスのことはよくわかりませんでした)

ただ、空想世界を人形アニメに演じさせたのは非常に大きな意義があると思う。これは俳優にグリーンバックで演技をしてもらい、後から人形の表情を重ねて作られたそうだが、様々な技術が盛り込まれているそうだ。

ロバート・ゼメキスの過去作を観ると、彼は誰もやっていないことに常に挑戦している

今では当たり前になっている実写とアニメの世界初の合成作品『ロジャー・ラビット』、過去のニュース映像と俳優を共演させた『フォレスト・ガンプ一期一会』などが筆頭だ。本作でも新しい表現方法に模索する姿に敬意を評したい。

ロバート・ゼメキスはずっと映画界のパイオニアである。

スティーブ・カレルの演技の幅の深さには脱帽する

さて、映画は実写、人形アニメを主軸に展開していくが、ミュージカル的な要素も感じられる。人形アニメが織りなす演技が明るく楽しいのだ。

辛いトラウマの場面ではこの人形の演技の方が、気分は救われてる。主演のスティーブ・カレルは本作でまたまた演技の幅を広げたように感じる。

『バトルオブセクシー』『バイス』『ビューティフルボーイ』と観ているが、本作が一番良い。

コメディー要素の強い俳優というイメージだったが、もう何でもござれ!って感じではないだろうか。今後は凶悪な殺人犯とか悪人を演じてもらいたい。

メリット・ウェヴァーの今後の活躍も楽しみになった

マークの良き理解者のロバータ演じるメリット・ウェヴァーの演技も見逃せない。マークのことが好きであるのに、不器用な愛の告白に親しみを感じる。

ちょっと照れくさそうに、でもマークに嫌われないように、不安いっぱいの十代の少女のように演じているのが良かった。

そして映画の最後にはマークの気持ちがロバータに向いた瞬間、「やったあ」と叫んでしまったのだ。

実際のマーク・ホーガンキャンプに忠実に描いている

本映画の実際のモデルのマーク・ホーガンキャンプはハイヒールを収集し履くという、女装趣味があり、そのことをバーで話たら「変態」扱いされ暴行されたそうだ。

生死を彷徨い生還したが、記憶を失った。そして思いPTSDを背負ったそうだ。映画はまず「ヘイトクライム」について描いている

これはおそらくロバート・ゼメキス監督が暮らすアメリカ社会で密かに蔓延している現状への危機感に起因しているだろう。

鬱屈した社会では弱い者、あるいは少数の集団へと向かう傾向がある。人種差別もそうだし、LGBTの人たちへの憎悪もそうだ。その辺りのメッセージを強く入れても良かったと思う。そうすればアメリカでもヒットしたような気がする。

*映画の中でデロリアンが登場する場面は笑えました。

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映画『マーウェン』まとめ 一言で言うと!

本当に一生懸命に頑張れば、人は応援してくれる!

SNSなどのデジタル社会で自己承認欲求が盛んであるが、それはもちろん励ましであったり応援であったりするのは事実です。

でも実際の現世界において、直接「良いね」とか「頑張れ!」と言われる方が格段に勇気つけられます。

もし身近で「生きる」ことに頑張っている人がいたら直接伝えましょう。

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映画映画『マーウェン』の作品情報

映画.comより一部引用
スタッフ
監督
ロバート・ゼメキス
『マリアンヌ』(17)『バック・イン・タイム』(17)『ベオウルフ 呪われし勇者』(07)『リーピング』(07)『ポーラー・エクスプレス』(04)『ホワット・ライズ・ビニース』(00)『コンタクト』(97)『フォレスト・ガンプ 一期一会』(95)『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)

製作
ロバート・ゼメキス
ジャック・ラプケ
スティーブ・スターキー
シェリラン・マーティン
製作総指揮
ジャクリーン・レビン
ジェフ・モームバーグ
脚本
ロバート・ゼメキス
キャロライン・トンプソン
撮影
C・キム・マイルズ
美術
ステファン・デシャント
衣装
ジョアンナ・ジョンストン
編集
ジェレマイア・オドリスコル
音楽
アラン・シルベストリ
キャスト
スティーブ・カレル(マーク・ホーガンキャンプ)
『ビューティフル・ボーイ』(19)『バイス』(19)『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(18)『30年後の同窓会』(18)『カフェ・ソサエティ』(17)『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(16)

レスリー・マン(ニコル)
『リトル・バード 164マイルの恋』(16)『お!バカんす家族』(15)『ブリングリング』(13)『ブルー 初めての空へ』(13)

ダイアン・クルーガー(デジャ・ソリス)
『JT・リロイ(原題)』(20)『女は二度決断する』(18)『潜入者』(17)

メリット・ウェバー(ロバータ)
『チャーリー・セズ マンソンの女たち』(19)『タイニー・ファニチャー』(18)『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(15)

ジャネール・モネイ(ジュリー)
『ドリーム』(17)『ムーンライト』(17)『メイド・イン・アメリカ』(15)

エイザ・ゴンザレス(カラーラ)
グウェンドリン・クリスティー(アナ)
レスリー・ゼメキス(シュゼット)
ニール・ジャクソン(カート)
作品データ
原題 Welcome To Marwen
製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 パルコ
上映時間 116分
映倫区分 G

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