映画『私をくいとめて』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『私をくいとめて』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『私をくいとめて』
(2020年製作/133分/G/日本)
【監督】
大九明子
【原作】
綿矢りさ
【脚本】
大九明子
【製作】
鳥羽乾二郎 多湖慎一 與田尚志 永田勝美 川村岬 竹内力
【エグゼクティブプロデューサー】
福家康孝
【企画プロデュース】
谷戸豊
【プロデューサー】
永井拓郎 中島裕作 矢野義隆
【アソシエイトプロデューサー】
福嶋更一郎 菅谷英智
【ラインプロデューサー】
氏家英樹
【撮影】
中村夏葉
【出演】
のん
林遣都
臼田あさ美 若林拓也 前野朋哉 山田真歩
片桐はいり 橋本愛 岡野陽一 吉住
中村倫也
【HPサイト】
映画『私をくいとめて』公式サイト
【予告映像】
映画『私をくいとめて』トレーラー
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- 【夢に向かって頑張っている映画】
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- 映画『ファヒム パリが見た奇跡』
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- 映画『チアダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』
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- 映画『キングダム』
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- 映画『ガラスの城の約束』
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- 映画『ビリーブ 未来への大逆転』
- 映画『旅のおわり世界のはじまり』
- 映画『トールキン 旅のはじまり』
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- 映画『翔んだカップル』
- 映画『WAVES ウェイブス』
映画『私をくいとめて』のオススメ度は?
星3つ半です
久しぶりののんちゃんです
スクリーン一面で観られます
嬉しい悲鳴です
本当に“透明感”がハンパないです
応援しましょう!
映画『私をくいとめて』の作品情報・概要
『私をくいとめて』芥川賞作家の綿矢りさの原作小説を映画化。2017年1月6日に朝日新聞出版から刊行されている。大九明子監督作品。主演は映画『この世界の片隅に』ののん。映画『蜜蜂と遠雷』や『美人が婚活してみたら』の臼田あさ美。中村倫也(映画『ハケンアニメ!』や映画『ウェディング・ハイ』や映画『ファーストラヴ』や映画『人数の町』や映画『美人が婚活してみたら』)の中村倫也が「A」という声を担当している。
映画『私をくいとめて』のあらすじ・ネタバレ
会社員の黒田みつ子(のん) は31歳で独身。平日はしっかりと働き、休日は自分だけの時間“おひとりさま”生活を満喫している。ひとりで食品サンプル作り体験講座へ行ったり、焼肉を食べたり、日帰り温泉旅行も満喫している。しかし彼女は密かに心を寄せる多田くん(林遣都) がいる。彼のお弁当作りをしているが距離が縮まらない。本当は恋したいけれど勇気がない。そしてみつ子にはもう一人の自分がいる。脳内の「A」(声の出演・中村倫也)である。何か迷った時にみつ子は「A」に問いかける。
映画『私をくいとめて』の感想・内容
のんちゃん、良かったです。久しぶりにのんちゃん全開の映画でした。スクリーン一杯にのんちゃんが登場して「涙が出ちゃいました」とっても嬉しい映画です。『星屑の町(2020年の映画)』『8日で死んだ怪獣の12日の物語 –劇場版–』にも出演していましたが、見逃してしまいました。とても後悔しています。のんちゃんと言ったらやっぱり『この世界の片隅に 』です。本当に素晴らしい演技をしてくれました。このまま声優を中心にやっていくのかなっと思っていましたが、こうしてスクリーンに帰ってきてくれて嬉しいです。本当に嬉しいです。
のんちゃん、とっても“透明感”あります。“純粋”な生き方が伝わってきます。可愛いです。のんちゃんが数年間、活動できなかった期間を悔やんでも仕方ありません。これからはスクリーンで大暴れして欲しいと願わずには要られません。本当に心から応援しています。
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さて、本映画『私をくいとめて』は芥川賞作家の綿矢りささん原作の小説を映画化した作品です。わたし未読です。まずタイトルが面白いです。映画を観る前は「かなり突っ走ってしまう女の子」とか「空気を読めない子」などと勝手に想像していました。劇場予告も意味深だったので、なおさら想像を膨らませてしまいました。それで実際は「結構、空気を読んでる女の子」でした。“おひとりさま”生活を満喫している32歳の会社員で、とにかくトラブルを嫌っているのです。面倒臭いことに巻き込まれたくないのです。その点はわたしも共感します。特に休日の過ごし方などは本当に共感と共鳴して「ヤッホー」ってスクリーンに向かって叫んだほどです。
黒田みつ子(のん) が休日の“おひとりさま”生活をパンフレットから抜粋します。
2.サンドイッチを食べる
3.ひとり喫茶
4.ひとり焼肉
5.ひとり温泉旅行
6.ひとり海外旅行
これらですが、わたし的に一番ハードルが高いの4.ひとり焼肉です。あとはなんとかクリアできそうです。ひとりで休日を過ごすって本当に幸せなんですよね。みつ子はおそらくデザイン会社あるいは広告代理店で働く会社員です。平日は真面目に働いていますが、休日は兎にも角にも“おひとりさま”生活を満喫しています。家でダラダラ過ごすも良し!体験講座に行くも良し!公園でサンドイッチを食べるのも良し!です。そして先輩からもらった日帰り温泉ツアーに参加して、めっちゃハッピーなのです。
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ところがです。みつ子には気になる男性がいるんです。年下の営業マンの多田くん(林遣都) です。みつ子の会社に出入りしています。しかも住んでいる場所がご近所。あまり人付き合いを好まないみつ子ですが、多田くんのことだけは気になってしまいます。多田くんと距離を縮めるきっかけになったのは駅前のコロッケ屋さんを通りかかった時です。みつ子は料理が得意ですが、多田くんはいつも外食、もしくはコンビニ弁当、そしてコロッケ屋さんなどの惣菜ばかり食べています。彼は炊飯器を持っていますが、うまく炊けないと嘆いています。ここで、炊飯器ってほぼ自動でしょ!ってツッコミを入れてはいけません。この時点で多田くんもみつ子に好意を持っている証拠なのです。
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みつ子は多田くんのためにご飯を作ることになります。毎週です。多田くんがみつ子のアパートへ食べに行く、、となりがちですが、実は「取りに行く」だけなのです。玄関越しにみつ子が料理を弁当に詰めて渡すのです。そんな生活が一年くらい続いています。普通であったのなら恋愛に発展するのですが、この二人はそうなりません。歯がゆいのですが、それがとても新鮮で良いのです。若者の会ってすぐくっつく的なイメージカラ逸脱していて、現代の若者たちって意外と純情なのではないかと安心感を覚えてしまうのです(ちなみにわたしの安心感っていうのもなんなのか説明できません。別に出会って、速攻で夜を過ごす恋愛もありでしょう)
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映画『私をくいとめて』の結末・評価
さてさて本映画『私をくいとめて』の中で忘れていけない存在が「A」(声の出演・中村倫也)なのです。このAはもう一人のみつ子なのです。脳内に存在してあれこれとアドバイスをしてきます。アドバイスであって決して命令ではありません。一見、みつ子は“イっちゃった子”かと思われがちですが、誰しも頭の中にもう一人の自分がいるのではないでしょうか。特に小さい頃は確実にいたと思います。でも大きくなるにつれて消えてしまったような気がするのはわたしだけでしょうか。いや、小さい頃はどちらかというと悪魔的な囁きが多かったと思いますが、大人になるとモラル的なアドバイスをしてくる存在に変わったのかもしれません。例えば買い物をする時「勿体無い」とか「今一度、家へ帰って考えてから買おう」と囁くし、はたまた街角でゴミを捨てる人を見かけたら「ゴミ捨てるな」などの正義感も主張してきます。本映画の中でみつ子が温泉旅行へ行った際、芸人の余興を観ている場面の怒りと涙は「A」からの囁きではなく、みつ子自身の叫びの心を見事に表していて、感動的でした。この場面は原作にはありません。一時、芸人をやっていた大九明子監督の経験に紐づいていると思われます。わたし的にとっても心が痛かった場面です。この場面でみつ子の感情の爆発を「A」を用いていないのがとても良かったと思います。
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さてさてお弁当作りを始めて1年くらい経ったでしょうか。ついにみつ子は多田くんをアパートに招きます。そしてご飯を一緒に食べます。そしてそして、付き合うことになります。多田くんから言います。「付き合っちゃいませんか」と。もちろんみつ子はハッピーです。しかし、ここからが問題なんですよ。車でドライブへ出かけて大雪に遭って、よもやのホテルに宿泊することになります。いわゆる“一線を越える”ことが予想されます。でも部屋から出て、外の氷の自販機にもたれて号泣するのです。「こんなの嫌だ、助けてくれー!」「一人になりたい」と。「A」に助けを請います。でも助けてはくれません。「ひとりで孤独に耐えている方がよっぽど楽だった」と吐露します。そして部屋へ帰ります。でもこの場面の多田くんがとても優しかったのです。「好きです」とお互いはっきりと気持ちを確かめ合って何もせずに眠りました。
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本映画『私をくいとめて』では「A」の存在がとても重要であると同時に実は邪魔な存在なのです。みつ子には勇気がないのです。みつ子は人や社会とのコミュケーションから逃げているだけなのです。自分でも逃げているとわかっていてもやめられないのです。それは過去の恋愛において傷を追った場面で明確にわかります。一目惚れした歯科医の男性とのデートの際に、彼が既婚者であり、愛人関係を要求された場面です。おそらくみつ子が恋愛に消極的なのは「傷つきたくない」という保身から来ている感情だと思われます。それゆえにみつ子の“おひとりさま”生活に磨きがかかったのは間違い無いでしょう。
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こういう気持ちわかります。一時は“アダルトチルドレン”とか”社会性がない”などと言われたことがありますが、過去において、何かしらの事件によって心に傷を負ってしまったことに起因しています。実際、みつ子のように自分は自分と決め込んで、人とのコミュニケーションは最小限にすることで日常生活を過ごしている女性は多いと思います。綿矢りささんの発想も素晴らしいのですが、やはり大九明子監督の演出力も良いと思います。
もうひとつ気になるのは、イタリアで皐月(橋本愛)と再会した場面です。皐月は親友でしたがイタリアへ嫁ぎました。彼女はデザインの才能があるようです。みつ子はちょっと嫉妬しています。このイタリアの場面では「A」が登場しなかったのです(確か)つまり異国であるイタリアでは素直な自分のままで居られるということでしょうか。裏を返せば日本で、東京で生活するということがどれだけ苦しいのかという現れなのでしょうか。もう一度、鑑賞して確かめたいです。たたイタリアで皐月(橋本愛)を再会した場面は個人的に泣けました。NHKの朝ドラ『あまちゃん』を思い出したからです。あの時は能年玲奈さんでした。事務所とのトラブルのため本名も名乗れず、表立った活動も出来なかったのんちゃんが橋本愛さんと会っているのです。胸にジーンと来るものがありました。
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映画『私をくいとめて』のキャストについて
黒田みつ子(のん)
多田くん(林遣都)
ノゾミさん(臼田あさ美)
カーター(若林拓也)
前野朋哉
山田真歩
澤田(片桐はいり)
皐月(橋本愛)
岡野陽一
吉住
「A」(声の出演)中村倫也
まとめ 映画『私をくいとめて』一言で言うと!
「のんちゃん、頑張れ!」
応援してます。のんちゃんには頑張って欲しいです。辛い日々を過ごしていたと思います。本当に辛かったと思います。でもこうしてスクリーンに帰ってきました。頑張って欲しいです。本名なのに本名の活動ができない摩訶不思議な芸能界ってなんだろうと思います。若い人の芽を摘むようなことはやめて欲しいです。頑張れ!のんちゃん。
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映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
大九明子
原作
綿矢りさ
脚本
大九明子
製作
鳥羽乾二郎 多湖慎一 與田尚志 永田勝美 川村岬 竹内力
エグゼクティブプロデューサー
福家康孝
企画プロデュース
谷戸豊
プロデューサー
永井拓郎 中島裕作 矢野義隆
アソシエイトプロデューサー
福嶋更一郎 菅谷英智
ラインプロデューサー
氏家英樹
撮影
中村夏葉
照明
常谷良男
録音
小宮元
美術
作原文子
装飾
作原文子
衣装
宮本茉莉
ヘアメイク
清水美穂
音響効果
岡部泰輝
CGVFX
高橋良明
編集
米田博之
音楽
高野正樹
劇中歌
大滝詠一
助監督
成瀬朋一
制作担当
原田博志
黒田みつ子(のん)
多田くん(林遣都)
ノゾミさん(臼田あさ美)
カーター(若林拓也)
前野朋哉
山田真歩
澤田(片桐はいり)
皐月(橋本愛)
岡野陽一
吉住
「A」(声の出演)中村倫也
2020年製作/133分/G/日本
配給:日活