映画『ウエスト・サイド物語』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ウエスト・サイド物語』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
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『ウエスト・サイド物語』
(1961年製作/151分/G/アメリカ)
原題『West Side Story』
【製作】
ソウル・チャップリン
【製作・監督】
ロバート・ワイズ
【監督・原作】
ジェローム・ロビンス
【原作】
アーサー・ローレンツ
【脚本】
アーネスト・レーマン
【撮影】
ダニエル・L・ファップ
【音楽】
レナード・バーンスタイン
【出演】
ナタリー・ウッド
リチャード・ベイマー
ジョージ・チャキリス リタ・モレノ ラス・タンブリン タッカー・スミス
ホセ・デ・ヴェガ サイモン・オークランド ウィリアム・ブラムリー
【HPサイト】
映画『ウエスト・サイド物語』IMDbサイト
【予告映像】
映画『ウエスト・サイド物語』トレーラー
- 映画『ウエスト・サイド物語』NHK BSプレミアム放送 2020年12月31日(木)午後3時55分~6時30分
- 映画『ウエスト・サイド物語』のオススメ度は?
- 映画『ウエスト・サイド物語』の作品情報・概要
- 映画『ウエスト・サイド物語』のあらすじ・ネタバレ
- 映画『ウエスト・サイド物語』の感想・内容
- 映画『ウエスト・サイド物語』の結末・評価
- 映画『ウエスト・サイド物語』のキャストについて
- まとめ 映画『ウエスト・サイド物語』一言で言うと!
- 『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
- 合わせて観たい映画
- 【“障害”と戦う恋愛映画オススメ】
- 【差別をテーマにしたオススメ映画】
- 【格差社会を描いた映画】
- 映画『MOTHER マザー』
- 映画『ミッドナイトスワン』
- 映画『ばるぼら』
- 映画『滑走路』
- 映画『絶唱(1975)』
- 映画『万引き家族』
- 映画『誰も知らない』
- 映画『存在のない子供たち』
- 映画『行き止まりの世界に生まれて』
- 映画『人数の町』
- 映画『天気の子』
- 映画『エリカ38』
- 映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』
- 映画『パブリック 図書館の奇跡』
- 映画『凪待ち』
- 映画『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』
- 映画『鵞鳥湖の夜』
- 映画『はちどり』
- 映画『レ・ミゼラブル』
- 映画『パラサイト 半地下の家族』
- 映画『ジョーカー』
- 映画『カイジ 人生逆転ゲーム』
- 映画『希望の灯り』
- 映画『タロウのバカ』
- 映画『存在のない子供たち』
- 映画『荒野にて』
- 映画『ドッグマン』
- 映画『マイ・フェア・レディ』
- 映画『ウエスト・サイド物語』
- 映画『愛と青春の旅だち』
- 映画『黒い司法 0%からの奇跡』
- 映画『ファナティック ハリウッドの狂愛者』
- 映画『わたしは金正男を殺してない』
- 映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』
- 映画『朝が来る』
- 映画『スキャンダル』
- 映画『七人の侍』
- 映画『ミリオンダラー・ベイビー』
- 映画『道』
- 映画『楽園』
- 映画『第三夫人と髪飾り』
- 映画『グラン・トリノ』
- 映画『赤い雪 Red Snow』
- 映画『帰れない二人』
- 映画『ウエスト・サイド物語』の作品情報
映画『ウエスト・サイド物語』NHK BSプレミアム放送 2020年12月31日(木)午後3時55分~6時30分
12月31日(木)午後3時55分~6時30分
1961年当時のニューヨークの風景が堪能できます
若者のエネルギーが凄まじい時代です
ラス・タンブリンのダンスが凄すぎる!
映画『ウエスト・サイド物語』のオススメ度は?
星4つです
差別・偏見・憎悪・分断を描いています
芸術性が高い作品です
撮影・照明・色彩・衣装デザインが素晴らしい
「生きる」ことに必死な若者がいます
映画『ウエスト・サイド物語』の作品情報・概要
シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を元にして、ジェローム・ロビンスとアーサー・ローレンツが物語を書き、アーネスト・レーマンが脚本を執筆しました。音楽はレナード・バーンスタイン。ブロードウェイ・ミュージカルとして上演されました。恋愛物語を主軸にポーランド移民とプエルトルコ移民の争いをダンスと歌で描いた名作です。差別・偏見・憎悪が“分断”を助長させた状況は現在のアメリカ社会の映し絵とも言える。
映画『ウエスト・サイド物語』のあらすじ・ネタバレ
映画『ウエスト・サイド物語』の感想・内容
「とても素晴らしい映画です」いま改めて観て、完成度の高さに驚きます。撮影、美術、衣装、編集のすべてが芸術的です。もちろん役者の演技も踊りも抜群です。1961年にこれほどの映画を作り上げたロバート・ワイズ監督に畏怖の念を覚えます。まず冒頭のタイトルデザインがとてもおしゃれです。「長い」と感じる方もいますが、よく観てください。赤バックに何やら黒い棒のような物が見えます。最初はそれが何なのかわかりません。そしてそれがニューヨークの上空から撮影された街並みだとわかります。そして本映画『ウエスト・サイド物語』の舞台となる街へキャメラは降りていきます。
降り立った場所はバスケットコートです。数人の若者が指を鳴らしています。衣装がいいです。カラフルなシャツを着ています。それに相まってニューヨークの下町の雰囲気にどこか危険な街と若者を助長させてくれます。そしてキレの良いダンスが始まります。「もう最高!」と叫ばずには要られません。映画『ウエスト・サイド物語』はウイリアム・シェイクスピア原作の『ロミオとジュリエット』をモチーフにニューヨークで生きる移民たちの心の叫びを恋愛物語を通して描いた名作と言えます。しかもミュージカル映画です。しかもニューヨーク市内で撮影しているところがすごいのです。従来のミュージカル映画はほとんどがスタジオでセットを組んで撮影しているのですが、本映画『ウエスト・サイド物語』は果敢に屋外撮影に挑戦しているところも評価の対象になっています。
ニューヨークのウエストサイドには二つの敵対する不良グループがあります。ポーランド移民の若者たちの“ジェッツ”とプエルトルコ移民の若者たちの“シャーク”です。肌の色も人種も違えば、思考も文化も異なります。そしてシマ(遊び場)の取り合いに発展するのです。でも両者が対立する原因はわかりません。安直に言ってしまえば「奴らがムカつく」程度です。つまり人種差別とは見た目から始まるということを表しています。それは現代にも通じるところです。今なお、肌の色で差別がなくならないのはわたしたちの祖父母たちから刷り込まれているのも一因にあると思います。
映画『ウエスト・サイド物語』の結末・評価
さて映画『ウエスト・サイド物語』の主役はリチャード・ベイマー(トニー)とナタリー・ウッド(マリア)です。二人がロミオとジュリエットです。この二人はとても美しいのですが、若干違和感を覚えてしまうのはマリア役のナタリー・ウッドのメイクです。顔の色をかなり強めのブラウンにしているのが気になるのです。どう見ても白人顔で、ラテンのプエルトルコ人には見えないのです。ここが唯一勿体無いところです。これは当時のアメリカ映画界の中で、ラテン系で活躍していた俳優が少なかったことがわかります。キレキレのダンスを見せてくれるアニタ役のリタ・モレノはプエルトルコ出身で、後々も大活躍します。アカデミー賞、トニー賞、グラミー賞、エミー賞の4賞を獲得します。
そしてリチャード・ベイマー(トニー)とナタリー・ウッド(マリア)以上の輝きを放っているのが、リフ役のラス・タンブリンです。憎たらしい顔つきもさることながら、飛んだり跳ねたり、バク転したりしながらのダンスには圧巻です。仕草も良いです。「本当の不良だ」と思わせます。当時の不良のイメージの代表はジェームズ・ディーンだったと思いますが、彼は一匹狼のひねくれ者という感じだったのに対してラス・タンブリンはならず者をまとめ上げるリーダー的な不良役で威勢を放っています。とにかくカッコいいです。もちろんベルナルド役のジョージ・チャキリスも良いです。彼のダンスは劇場型のラス・タンブリンと違って、ラテンの熱情的で甘い雰囲気が感じられます。一言で言えば「セクシー」なダンスです。ジョージ・チャキリスは見事、アカデミー助演男優賞を獲得しています。
さてさて本映画『ウエスト・サイド物語』は一体何を言いたいのかを考えてみるととても深いメッセージに行き着きます。人種、身分を超えた恋愛映画だけではありません。1961年当時のアメリカ社会が見て取れます。移民国家アメリカの火種がくすぶっています。ポーランド系は白人です。プエルトルコ系は白人とインディオ(ネイティブアメリカン)の混血が進んだ人たちです。彼らがアメリカ社会で生きていく困難が歌われていることも見逃せません。「成功するのは白人だけだ」とか「狭いアパートに何十人と暮らしている」とか「ロクな仕事がない」などです。移民であり、差別の標的にされた憤りや不満がストレスを溜めて、同じような境遇の人に対して憎悪を募らせていくのです。冷静に考えてみると彼らが貧しくて恵まれないのは、資本を独占する富裕層なのです。ですから彼らはひとつに団結すれば良い方向に向かうのです。それは現代でも同じことです。貧しい人や差別されている人、不遇な人を煽動することで、社会的なストレスを膨張させて、「分断」を作っている人たちはいつの時代にも存在するのです。
本映画『ウエスト・サイド物語』を観ていると、現在、世界のあちこちで起きている「分断」の構図も見えてきます。「隣人を憎んではいけない」のです。誰かがどこかで手ぐすねを引いて“憎悪”を操作してほくそ笑んでいることに気がつかなくてはいけません。そうしないと本映画『ウエスト・サイド物語』のように悲劇になるだけです。若者の死を通してジェッツとシャークが争い(分断)を止めて、仲良く明日から生きて行こうというエンディングですが、犠牲者が出てからわかるようでは遅いのです。本映画『ウエスト・サイド物語』には「もっと思慮深く考えろ」とか「人を敬うことが大切」「若者の未来を守れ」などのメッセージが去来してなりません。「とても素晴らしい映画でした」
*劇中の歌のほとんどは吹き替えられています。ナタリー・ウッド(マリア)の歌声は映画『マイ・フェア・レディ』でオードリー・ヘプバーンの吹き替えを行ったマーニ・ニクソンが担当しています。
映画『ウエスト・サイド物語』のキャストについて
ナタリー・ウッド(マリア)
リチャード・ベイマー(トニー)
ジョージ・チャキリス(ベルナルド)
リタ・モレノ(アニタ)
ラス・タンブリン(リフ)
タッカー・スミス(アイス)
ホセ・デ・ヴェガ(チノ)
サイモン・オークランド(シュランク警部補)
ウィリアム・ブラムリー(クラプキ巡査)
まとめ 映画『ウエスト・サイド物語』一言で言うと!
「1961年のアメリカも現在もアメリカも何も変わっていない」
時代は流れても肌の色という人種差別は無くならないという現実を痛切に感じています。「諦めなのか」と言われるとため息しか出ませんが、人間というのは自身が不幸にならないように「自分より劣る存在」への攻撃をする生き物なのだと思わざる得ないです。アメリカの分断は凄まじいと聞きます。数年後、融和できることを願わずには要られません。
『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
合わせて観たい映画
【“障害”と戦う恋愛映画オススメ】
映画『ロミオとジュリエット』
映画『伊豆の踊子(1974)』
映画『潮騒 しおさい(1975)』
映画『絶唱(1975)』
映画『マディソン郡の橋』
映画『美女と野獣(1991)』
映画『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』
映画『ラストレター』
映画『アパートの鍵貸します』
映画『マチネの終わりに』
映画『ボーダー 二つの世界』
映画『あなたの名前を呼べたなら』
映画『秒速5センチメートル』
映画『マーウェン』
映画『ほしのこえ』
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』
映画『リヴァプール、最後の恋』
【差別をテーマにしたオススメ映画】
映画『伊豆の踊子(1974)』
職業差別・女性差別が厳しすぎる
映画『ルース・エドガー』
差別・偏見はアメリカ社会から消えないのか
映画『ハリエット』
こんなに強い女性人権活動家はいない
映画『ナイチンゲール』
ジェニファー・ケント監督が描く#MeToo映画最高傑作
映画『レ・ミゼラブル』
華やかなパリには差別世界が広がっている
映画『黒い司法 0%からの奇跡』
ここはアメリカですか?
映画『ブラック・クランズマン』
黒人差別をコミカルに描いた名作
映画『ビール・ストリートの恋人たち』
若い二人の恋愛に差別の障害が、、、涙が止まりません
映画『グリーンブック』
黒人ミュージシャンと白人ドライバーの友情物語
映画『あなたの名前を呼べたなら』
インドのカースト制度は終わらない
映画『ジョジョ・ラビット』
ユダヤ人差別が凄まじい
映画『ゴッズ・オウン・カントリー』
LGBT映画の最高作品
映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
ネイティブインディアンのために戦う白人
映画『存在のない子供たち』
存在さえ認められないとは酷すぎます
映画『風をつかまえた少年』
黒人であるがためにチャンスも乏しいのか、、
映画『ジャングル・ブック(2016年の映画)』
これは必見!動物から差別される人間を描いている
『美女と野獣(1991)』
見かけで判断していはダメ
映画『天使にラブ・ソングを…』
ウーピー・ゴールドバーグ最高ハッピー
映画『37セカンズ』
これは必見です!佳山明さんの演技がすごい!
【格差社会を描いた映画】
映画『MOTHER マザー』
毒親が生まれたのは格差社会が原因?
映画『ミッドナイトスワン』
LGBTQに対する差別・格差は早急に解決して欲しい
映画『ばるぼら』
ばるぼらは社会の“排泄物”のように扱われた
映画『滑走路』
イジメから非正規社員問題まで絡めた名作
映画『絶唱(1975)』
封建制度の時代の格差ってどうしようなかった、、、
映画『万引き家族』
是枝監督の描く映画は「痛い」
映画『誰も知らない』
是枝監督が世界の映画作家に与えた影響は多大なり!
映画『存在のない子供たち』
戸籍も存在もない社会って“格差”どころじゃあない
映画『行き止まりの世界に生まれて』
格差と虐待は比例するのか
映画『人数の町』
格差もまったく存在しない町へ行こう!
映画『天気の子』
このふたりも日本社会からはみ出していると言える
映画『エリカ38』
エリカが詐欺師になったのは貧しい生い立ちから
映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』
黒人というだけで“チャンス”が与えられない社会がある
映画『パブリック 図書館の奇跡』
「笑うな!」ホームレスにだって人権があります!
映画『凪待ち』
社会の底辺で生きてきた男、、、
映画『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』
無教養が格差を広げている
映画『鵞鳥湖の夜』
発展すればするほど格差が広がります
映画『はちどり』
韓国社会の現実は恐ろしい
映画『レ・ミゼラブル』
この少年たちの“怨恨”は根深い
映画『パラサイト 半地下の家族』
アカデミー作品賞獲得という快挙!
映画『ジョーカー』
格差が招いた犯罪
映画『カイジ 人生逆転ゲーム』
日本の底辺男の希望映画です
映画『希望の灯り』
かつての東西冷戦の格差って?
映画『タロウのバカ』
タロウが悲しすぎる
映画『存在のない子供たち』
生まれたという存在がないとは、、、
映画『荒野にて』
無学な父親を亡くしてしまい、、、
映画『ドッグマン』
不条理すぎる映画です
映画『マイ・フェア・レディ』
イギリスの階級社会で這い上がるのは難しい、、、
映画『ウエスト・サイド物語』
人種が絡んだ格差社会って辛い
映画『愛と青春の旅だち』
パイロット目指す若者と工場で働く女の子の恋愛
映画『黒い司法 0%からの奇跡』
いつも黒人が“容疑者”にされてしまう理由はなに?
映画『ファナティック ハリウッドの狂愛者』
差別・嫌悪される理由は本人にも問題ありでは、、、
映画『わたしは金正男を殺してない』
貧しい国から来た女性を使っての犯罪です
映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』
少年たちはアメリカ社会の未来を憂いての犯行だったのか
映画『朝が来る』
格差社会もあるけれど教育が大事だと思う、、、
映画『スキャンダル』
男どもに「一泡吹かせてやる!」ダンサーたちの挑戦!
映画『七人の侍』
黒澤明が描く“格差社会”はダイナミックだ
映画『ミリオンダラー・ベイビー』
ど貧乏育ちだけど「成功したい」気持ちに嘘はない
映画『道』
人生は厳しい“道”ばかりだけど「間違い」はしたくない
映画『楽園』
田舎の“ムラ社会”の中の“格差社会”って陰険だ
映画『第三夫人と髪飾り』
格差というより“習慣”とか“伝統”と言った理由で、、、
映画『グラン・トリノ』
人種差別者が“格差社会”に初めて気がついたら!
映画『赤い雪 Red Snow』
貧しいことは悲劇です
映画『帰れない二人』
中国の発展がもたらす“格差社会”は速度が早い
映画『ウエスト・サイド物語』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
製作
ソウル・チャップリン
製作・監督
ロバート・ワイズ
監督・原作
ジェローム・ロビンス
原作
アーサー・ローレンツ
脚本
アーネスト・レーマン
撮影
ダニエル・L・ファップ
音楽
レナード・バーンスタイン
ナタリー・ウッド(マリア)
リチャード・ベイマー(トニー)
ジョージ・チャキリス(ベルナルド)
リタ・モレノ(アニタ)
ラス・タンブリン(リフ)
タッカー・スミス(アイス)
ホセ・デ・ヴェガ(チノ)
サイモン・オークランド(シュランク警部補)
ウィリアム・ブラムリー(クラプキ巡査)
1961年製作/151分/G/アメリカ
原題:West Side Story