映画『ソング・トゥ・ソング』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ソング・トゥ・ソング』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『ソング・トゥ・ソング』
(2017年製作/128分/PG12/アメリカ)
原題『Song to Song』
【監督】
テレンス・マリック
【製作】
サラ・グリーン ニコラス・ゴンダ ケン・カオ
【製作総指揮】
グレン・バスナー クリストス・V・コンスタンタコプーロス タナー・ビアード
【脚本】
テレンス・マリック
【撮影】
エマニュエル・ルベツキ
【美術】
ジャック・フィスク
【衣装】
ジャクリーン・ウェスト
【編集】
レーマン・アリ ハンク・コーウィン キース・フラース
【音楽】
ローレン・マリー・ミクス
【出演】
マイケル・ファスベンダー ライアン・ゴズリング
ルーニー・マーラ ナタリー・ポートマン
ケイト・ブランシェット ホリー・ハンター ベレニス・マーロウ バル・キルマー
リッキー・リー イギー・ポップ パティ・スミス ジョン・ライドン フローレンス・ウェルチ
【HPサイト】
映画『ソング・トゥ・ソング』公式サイト
【予告映像】
映画『ソング・トゥ・ソング』トレーラー
- 【夢に向かって頑張っている映画】
- 映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
- 映画『行き止まりの世界に生まれて』
- 映画『ファヒム パリが見た奇跡』
- 映画『カセットテープ・ダイアリーズ』
- 映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
- 映画『ルース・エドガー』
- 映画『ハリエット』
- 映画『チアダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』
- 映画『マディソン郡の橋』
- 映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』
- 映画『キングダム』
- 映画『リメンバー・ミー』
- 映画『風をつかまえた少年』
- 映画『パリに見出されたピアニスト』
- 映画『レディ・マエストロ』
- 映画『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』
- 映画『さよなら くちびる』
- 映画『王様になれ』
- 映画『ブレス あの波の向こうへ』
- 映画『ガラスの城の約束』
- 映画『リアム16歳、はじめての学校』
- 映画『ビリーブ 未来への大逆転』
- 映画『旅のおわり世界のはじまり』
- 映画『トールキン 旅のはじまり』
- 映画『チワワちゃん』
- 映画『芳華-Youth-』
- 映画『翔んだカップル』
- 映画『WAVES ウェイブス』
- 【“障害”と戦う恋愛映画オススメ】
映画『ソング・トゥ・ソング』のオススメ度は?
星4つです
映像が綺麗です
ずっと“浮遊”しています
ハンサム&美女俳優が出演しています
マリック教徒は垂涎の映画です
映画『ソング・トゥ・ソング』の作品情報・概要
『ソング・トゥ・ソング』原題『Song to Song』2017年にアメリカ合衆国で公開されたドラマ映画。監督・脚本は映画『名もなき生涯』のテレンス・マリック。撮影監督はエマニュエル・ルベツキ。主演は映画『世界の涯ての鼓動』マイケル・ファスベンダーと映画『ファースト・マン』ライアン・ゴズリング。映画『ドント・ウォーリー』のルーニー・マーラ、映画『ポップスター』や映画スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス1 』のナタリー・ポートマンら。
LGBTQにテーマをおいた映画
映画『ソング・トゥ・ソング』のあらすじ・ネタバレ
舞台はアメリカ・テキサス州オースティン。言わずと知れたライブミュージックの街。フリーターのフェイ(ルーニー・マーラ)は、いつか音楽で成功することを夢見ている少女。ある日、とても有名な音楽プロデューサー・クック(マイケル・ファスベンダー)と知り合います(パーティーでナンパされます)クックは独身です。音楽で得たお金を湯水のように使う超セレブな生活を送っています。クックは売れないソングライターのBV(ライアン・ゴズリング)の心をうまく利用して曲を作らせています。印税は支払いません。でもBVは我慢しています。実はBVはかねてよりフェイに好意を持っていました。フェイも同様で、二人は密かに付き合います。フェイは地位も名声もお金もあるクックと才能があるBVとの間で揺れ動きます。3人はメキシコへと行きます。クックはメキシコのレストランでウェイトレスのロンダ(ナタリー・ポートマン)をナンパして付き合うことになります。
映画『ソング・トゥ・ソング』の感想・内容
マリック監督自身の生き方「宗教色」が色濃く反映されている映画
「名作です」そして「難解な映画」とも受け取れます。
本映画『ソング・トゥ・ソング』が評価されるは恐らくですが、テレンス・マリックが亡くなってからだと思います。
映画のレビューを読みますと、かなり辛辣なコメントが並んでいます。
もし、マリック監督が読んだら「かなりショック」を受けるのでは心配になるようなディスぶりもありますが、恐らくマリック監督は「全く気にしない」を貫くでしょう。
映画の良し悪しとか、メッセージとかは個々の感性あるいは研鑽を積んだ知性教養のレベルによりますから、いちいち気にしないでしょう。
マリック監督自身の生き方がすでに“世離れ”していますから。
マリック初心者には「苦痛以外の何物でもない」映画だったのでは
さて、本映画『ソング・トゥ・ソング』はマリック初心者には「苦痛以外の何物でもない」映画だったのではないでしょうか。
正直言って、これと言った物語やメッセージがはっきりと明示されていないからです。でもちゃんとメッセージはあります。
代わってマリックファンにとっては垂涎の映画だったのはないでしょうか。「ああ、今作はこんな物語なのだ」とか「マリックの映画にマンネリはない」などなど。
まずマリック初心者は出演俳優に惹かれて鑑賞した人が多いと思います。そうなるともう「地獄のような映画」(笑)になったことは言うまでもありません。
マイケル・ファスベンダー、ライアン・ゴズリングの超イケメン二人にルーニー・マーラ、ナタリー・ポートマンの悪魔的な二人の美女です。
特にポートマンが大胆な衣装で、果敢にラブシーンに挑戦しているのを観たかった人も多いでしょう。予告でそう期待させてくれました。
でも実際に 本映画『ソング・トゥ・ソング』を鑑賞するとすぐに違和感を覚えます。まるでプライベートビデオのようにカメラが浮遊しているのです。
一瞬「素人か」と思わせるような手持ち感に溢れた映像が繰り広げられます。軽い船酔いのようになった人もいるかと思います。
撮影はエマニュエル・ルベツキという世界最高の撮影監督
でも、でもですね、本映画『ソング・トゥ・ソング』の撮影はエマニュエル・ルベツキという最高の撮影監督が担当しているのですよ。
アルフォンソ・キュアロン監督の「ゼロ・グラビティ」(13)アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(14)と「レヴェナント 蘇えりし者」(15)と三年連続、アカデミー撮影賞と獲得した名匠なんです。
素人であるはずがありません。
キャメラの“浮遊感”は現世と天国のはざま
本映画『ソング・トゥ・ソング』を観ていて、感じたのはこのキャメラの“浮遊感”なのです。
この世の世界とは思えない心地良さにわたしは酔いしれたてしまったのです。
技術的にスティディカムやジンバル搭載のキャメラを用いればこの手ブレは解消されます。
でも、あえてこの手ブレ感で映画を構成した意味ってなんだろうと考えると、失われていく映画技術への敬意と懐古、さらには神の存在を強く明示していると思うのです。
この“浮遊感”が心地よいのか悪いのか、さらに現世と天国のはざまってこんな感じなのか、そして利用する者とされる者の境界性とは常に浮遊している世界を表していると思うのです。
映画『ソング・トゥ・ソング』の結末・評価
誰もが経験している「どっちつかずの感情」という浮遊感
本映画『ソング・トゥ・ソング』内で利用する者とはすなわちクック(マイケル・ファスベンダー) です。悪魔のような人間です。
そして利用される者はBV(ライアン・ゴズリング) 、フェイ(ルーニー・マーラ) 、ロンダ(ナタリー・ポートマン)たちなんですよね。人間となるのでしょうか。
利用される方はずっと我慢しています。
それはもしクックに嫌われたら、一瞬でいまのゴージャスな生活が吹っ飛んでしまうからです。気持ち的には完全に“浮遊”しています。
「本当はこうしたいんだけで、できない」と言うどっちつかずの感情って 、誰もが経験していると思うのです。
「まさかのコロナ」が世界を暗黒に落として人の思考に“浮遊感”を植えつけた
世の中の行いで「正しいことは正しい、間違っていることに対して間違っている」とはっきりと断言するのって、歳をとればとるほど難しくなると思います。
しかもいまはソーシャルディスタンスというマナーがはびこり、人に対して、己の感情や思考を真正面から伝えることも憚れる時代です。
本映画『ソング・トゥ・ソング』はもちろん、コロナ禍以前の製作ですから、マリック監督は「まさかのコロナ」が世界を暗黒に落として人の思考に“浮遊感”をもたらしている結果に驚愕しているのではないでしょうか。
「人生を豊穣にするため」「如何に現世を生きるか」を思考するための宗教
テレンス・マリック監督は言わずと知れた敬虔なキリスト教徒です。とても信仰心が深い人です。
それはマジック・アワーのみで撮影した『天国の日々』にも一貫して示されており、『名もなき生涯』においてはナチス・ヒトラーを地獄の悪魔に仕立てることで、救世主である神の存在を世界に明示したと感じています。
わたしたち日本人は日常生活において、宗教の話をあまりしません。しないと言うより毛嫌いしがちです。
でも欧米の人たちは日常会話のように“神”について話します。「神がいるか否か」などという低レベルな話ではなく、「人生を豊穣にするため」についても討論だと思うのです。
もちろん、欧米文化ならにびにキリスト教が全て正しいと言っているのではありません。
わたしたちの国には“自然と神”とする素晴らしい宗教の存在があります。
ただ宗教において共通しているのは先にも書きました通り、「如何に現世を生きるか」それも出来るだけ苦痛、悲劇、恐怖を味わうことなく過ごせたら幸せでしょう。
わたしたちが生きる“現世”を表している「浮遊しているから苦しいのか」
本映画『ソング・トゥ・ソング』の浮遊感はまさしくわたしたちが生きる“現世”を表していると思います。
人生というのきっちりかっちりと固定されたものではありません。人間の心も終始、浮遊しています。
浮遊しているから苦しいのかもしれません。苦しみから逃れるためにはどうしたら良いのか、それは神の存在を身近に感じることなのか、、、、。
でも神はいるのか、、、。マリック監督らしく神への敬意を強く感じた作品であることは間違いないです。
*『天国の日々』においてはビル(リチャード・ギア)を悪者に仕立てて、現世と来世のはざまの兄妹の饗宴を観ることができます。
*『名もなき生涯』は圧巻です。現世と来世プラス地獄の象徴としてナチス・ヒトラーを悪魔として描いています。
映画『ソング・トゥ・ソング』のキャストについて
クック(マイケル・ファスベンダー)
BV(ライアン・ゴズリング)
フェイ(ルーニー・マーラ)
ロンダ(ナタリー・ポートマン)
アマンダ(ケイト・ブランシェット)
ミランダ(ホリー・ハンター)
ゾーイ(ベレニス・マーロウ)
デュアン(バル・キルマー)
リッキー・リー
イギー・ポップ
パティ・スミス
ジョン・ライドン
フローレンス・ウェルチ
まとめ 映画『ソング・トゥ・ソング』一言で言うと!
「わたしたちは“浮遊”しながら死んでいく」
「人はなぜ生まれて、生きて、なぜ死んでいくのか」という絶対に答えがわからない問答みたいな言葉って世界中にあります。正直わからないです。動植物のように「子孫繁栄」のために生きる人生ではないのが人間です。思考することが迷わせるのです。彷徨う、放浪する、浮遊する、そうやって寿命が訪れるまで過ごすのが人間らしさではないでしょうか。答えにとらわれてはいけません。
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映画『COLD WAR あの歌、2つの心』
映画『リヴァプール、最後の恋』
映画『ソング・トゥ・ソング』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
テレンス・マリック
製作
サラ・グリーン ニコラス・ゴンダ ケン・カオ
製作総指揮
グレン・バスナー クリストス・V・コンスタンタコプーロス タナー・ビアード
脚本
テレンス・マリック
撮影
エマニュエル・ルベツキ
美術
ジャック・フィスク
衣装
ジャクリーン・ウェスト
編集
レーマン・アリ ハンク・コーウィン キース・フラース
音楽
ローレン・マリー・ミクス
クック(マイケル・ファスベンダー)
BV(ライアン・ゴズリング)
フェイ(ルーニー・マーラ)
ロンダ(ナタリー・ポートマン)
アマンダ(ケイト・ブランシェット)
ミランダ(ホリー・ハンター)
ゾーイ(ベレニス・マーロウ)
デュアン(バル・キルマー)
リッキー・リー
イギー・ポップ
パティ・スミス
ジョン・ライドン
フローレンス・ウェルチ
2017年製作/128分/PG12/アメリカ
原題:Song to Song
配給:AMGエンタテインメント