映画『ハッチング 孵化』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ハッチング 孵化』公式サイト・IMDbサイト・ Rotten Tomatoesサイトにて作品情報・キャスト情報ならびにレビューをご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『ハッチング 孵化』
(2021年製作/91分/PG12/フィンランド)
原題:Pahanhautoja
配給:ギャガ
【監督】
ハンナ・ベルイホルム
【製作】ミカ・リタラハティ ニコ・リタラハティ ニマ・ユーセフィ
【脚本】イリヤ・ラウチ【撮影】ヤルッコ・T・ ライネ【美術】パイビ・ケットゥネン【編集】
リンダ・イルドマルム【音楽】スタイン・ベルグ・スベンドセン
【出演】
シーリ・ソラリンナ ソフィア・ヘイッキラ
ヤニ・ボラネン レイノ・ノルディン オイヴァ・オッリラ
(C)2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Vast
- 映画『ハッチング 孵化』外部リンク
- 映画『ハッチング 孵化』のオススメ度は?
- 映画『ハッチング 孵化』の作品情報・概要
- 映画『ハッチング 孵化』の受賞歴
- 映画『ハッチング 孵化』のあらすじ・ネタバレ
- 映画『ハッチング 孵化』の感想・内容
- 映画『ハッチング 孵化』の考察・評価
- 映画『ハッチング 孵化』の結末
- 映画『ハッチング 孵化』のキャストについて
- まとめ 映画『ハッチング 孵化』一言で言うと!
- 『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
- 合わせて観たい映画
- 【毒親が登場する映画】
- 映画『行き止まりの世界に生まれて』
- 映画『ハニーボーイ』
- 映画『ファナティック ハリウッドの狂愛者』
- 映画『MOTHER マザー』
- 映画『誰も知らない』
- 映画『万引き家族』
- 映画『塔の上のラプンツェル』
- 映画『絶唱(1975)』
- 映画『ワイルドライフ』
- 映画『存在のない子供たち』
- 映画『ガラスの城の約束』
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- 映画『タロウのバカ』
- 映画『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
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- 映画『コクリコ坂から』
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- 映画『カセットテープ・ダイアリーズ』
- 映画『絶唱(1975)』
- 映画『サイコ (1960年の映画)』
- 映画『ロケットマン』
- 映画『存在のない子供たち』
- 【子ども可愛がり映画】
- 【ある意味、毒親である気がする映画】
- 【ホラー&サスペンス映画オススメ】
- 【毒親が登場する映画】
- 映画『ハッチング 孵化』の作品情報
映画『ハッチング 孵化』外部リンク
【HPサイト】
映画『ハッチング 孵化』公式サイト
【予告映像】
映画『ハッチング 孵化』トレーラー
【公式Twitter】
映画『ハッチング 孵化』
【IMDbサイト】
映画『ハッチング 孵化』
【 Rotten Tomatoesサイト】
映画『ハッチング 孵化』
映画『ハッチング 孵化』のオススメ度は?
星3つです
「面白い」です
「北欧ホラー」新鮮です
「毒親映画」のジャンルにも入る
映画『ハッチング 孵化』の作品情報・概要
『ハッチング 孵化』原題『Pahanhautoja』フィンランド製作のホラー映画。ハンナ・ベルイホルム監督作品。母親の愛を渇望し、困惑する少女の自分自身の姿を自分で見る幻覚の一種である「ドッペルゲンガー(自己像幻視)」映画。シーリ・ソラリンナ、ソフィア・ヘイッキラ、ヤニ・ボラネン、レイノ・ノルディンらが出演。北欧ホラーというジャンルを開拓した。
映画『ハッチング 孵化』の受賞歴
第29回ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭
グランプリ受賞
映画『ハッチング 孵化』のあらすじ・ネタバレ
北欧フィンランドで暮らすティンヤ(シーリ・ソラリンナ) は笑顔が優しい母親(ソフィア・ヘイッキラ) と建築士である父親(ヤニ・ボラネン) 、弟マティス(オイヴァ・オッリラ)と絵に描いたような幸せを享受している。ティンヤは体操に力を入れている。母親はSNSに家族の映像と写真を投稿して、世界に「良い家族・良い人」アピールに余念がない。そんなある日、綺麗に整頓された家の中に黒い鳥が迷い込んで大暴れした。家の中のガラス製の装飾品は粉々に割れてします。辛うじてティンヤが鳥を捕獲して外へ出そうと思った瞬間、母親が鳥を取り上げ絞殺してしまう。その様子を見たティンヤの中で何かが弾けだす…。
映画『ハッチング 孵化』の感想・内容
「女性監督の感性が素晴らしいと感じる映画」です。近年、世界中で、女性監督の活躍が目覚ましいです。
映画『白い牛のバラッド』のマリヤム・モガッダム、映画『TITANE チタン』』のジュリア・デュクルノー、映画『ノマドランド』のクロエ・ジャオ、そして我が日本も映画『幕が下りたら会いましょう』の前田聖来、さらに映画『Ribbon』ののんさん(能年玲奈)など、将来性を感じる監督が生まれています。
本来なら、“男女”で分けることすら、無意味にならなくてはいけないのですが、長らく女性は「性差別の歴史」に翻弄されていたので、いまは声高に「性差別反対」と「多様性時代」を享受しても良いと思っています。
さて、本映画『ハッチング 孵化』は北欧フィンランドから生まれた、奇想天外なホラー映画です。
評論サイトでは“北欧ホラー”という新しいジャンルの誕生を祝っています。北欧ホラーで衝撃を与えたのは何と言っても映画『ミッドサマー』です。
白夜のスウェーデンで繰り広げられる狂気の沙汰には心底震えました。
従来のホラー映画では「闇と幽霊と絶叫」が基本でしたが、北欧製作のホラー映画は「太陽と幽霊と微笑み」が特徴だと言えます。
本映画『ハッチング 孵化』は映画を製作の文法としては、とても研究されて作られていると思います。
一番の注目は「落差・対比」です。赤と黒、善と悪といった表裏一体を「白夜と極夜」で生きることが宿命のフィンランドの人たちを主軸にしている点です。
その最たる例が母親(ソフィア・ヘイッキラ) の笑顔です。完璧を装っています。彼女はSNSに発信するこで自身の承認欲求を満たしています。
家族想いを世界に伝えていますが、その笑顔をずっと見せられると、「辟易としてくる」あるいは「疲れないか」などと質問したくなります。
いまのご時世は誰でもスターになる可能性を秘めている反面、「悪人にも」なり得る危険性も孕んでいます。
本映画『ハッチング 孵化』の当初の脚本にはSNSの発信に夢中になる母親像はなかったとのことですが、ハンナ・ベルイホルム監督は時代性を読み解き加えたそうです。
この判断は正しいと思います。
映画『ハッチング 孵化』の考察・評価
さて、本映画『ハッチング 孵化』はドッペルゲンガーというカテゴリーに入ります。
ドッペルゲンガー(独: Doppelgänger)とは、自分自身の姿を自分で見る幻覚の一種で、「自己像幻視」とも呼ばれる現象を指します。
わたし自身は遠い子ども時代に何かしら、幻影のように自分自身が見えた経験があります。けれども、物事を理論的に考える思考が養われる過程で、失ってしまいました。
本映画『ハッチング 孵化』のティンヤ(シーリ・ソラリンナ)は 母親(ソフィア・ヘイッキラ) への愛を渇望しています。
いつも笑顔で優しい母親に嫌われたくありません。でも、自我が芽生え始めたティンヤの心のどこかで「何かが違う」と感じるのです。
それがアッリという鳥になって現れるのです。いつもオシャレで、整理整頓された家。そして優しい笑顔で、家族想いを全身全霊で表現してきます。
清廉潔癖で社会的な模範生のような振る舞いです。
しかし、その笑顔が「羊の仮面」だったとわかった瞬間にティンヤ(シーリ・ソラリンナ) の中で何かが弾け壊れるのす。
まずは家に迷い込んだ鳥(カラス?)を絞殺する場面です。そして決定的なのは、父親(ヤニ・ボラネン)がいるにも関わらず愛人テロ(レイノ・ノルディン)の存在が明らかになった時です。
すべてが虚像であったと気が付いたティンヤの衝撃が大きく、やがてドッペルゲンガーへと繋がっていくのです。
映画『ハッチング 孵化』の結末
アッリ(シーリ・ソラリンナ)の姿はとても醜いです。ここにも「落差・対比」が仕組まれています。
しかもこのクリーチャーはティンヤの嘔吐物を食べて成長しています。一瞬、こちらも嘔吐しそうになりましたが、モチーフは鳥なんです。
鳥って幼い雛に対して、咀嚼物を口移しで食べさせているので、普通のことなのです。
つまりティンヤはアッリの母親であり、その愛情を受け取ったアッリは、母親の分身たる存在なのです。
ですから、ティンヤが心の中で描く密かな願望を叶えるためにアッリは必死に動くのです。
アッリはティンヤの心の闇でありますが、それはすなわち「本当の母親」の正体なのです。
あれだけ完璧であった母親が嘘つきをわかった瞬間に最も軽蔑すべき存在になり、それがアッリという「自己像幻視」として現れたのです。
「こんな人間になりたくない」「本当の母親とは?」などの憎しみと愛への渇望も込められています。
本映画『ハッチング 孵化』の結末はティンヤ(シーリ・ソラリンナ) が死に絶え、アッリ(シーリ・ソラリンナ)と母親が見つめあって幕を閉じます。
ハンナ・ベルイホルム監督は詳細は回答は控えています。つまり「自由に解釈して欲しい」ということです。
美しい娘ティンヤを愛していた母親に醜いアッリが残ったのです。果たして、彼女はどう対峙するのか、、、、。
映画『ハッチング 孵化』のキャストについて
ティンヤ(シーリ・ソラリンナ)
母親(ソフィア・ヘイッキラ)
父親(ヤニ・ボラネン)
テロ(レイノ・ノルディン)
まとめ 映画『ハッチング 孵化』一言で言うと!
「信じていたことが嘘だとわかった衝撃は大きい」
今まで信じてきたことや、信頼を寄せていた人の本性を知った時の衝撃って大きいです。大人になれば理解し許すことも可能ですが、子どもの頃にそれを知ると、人間不信になったります。いまは人の素顔って表裏があるとわかっているので、諦めがつきます。
『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
合わせて観たい映画
【毒親が登場する映画】
映画『行き止まりの世界に生まれて』
幼少の頃受けた虐待が人生を壊している
映画『ハニーボーイ』
父親は酒、ドラッグ、そして暴力ばかり、、、
映画『ファナティック ハリウッドの狂愛者』
ネグレクトされた幼少時代が、、、
映画『MOTHER マザー』
長澤まさみが演じる“毒親”最強物語
映画『誰も知らない』
我らが是枝監督が描く毒親は一味違う
映画『万引き家族』
毒親から救出「楽しければ良いじゃん」でも捕まる
映画『塔の上のラプンツェル』
ディズニー史上最悪の毒親でしょう
映画『絶唱(1975)』
封建制が残る時代とはいえ子どもの自由を奪う権利はない
映画『ワイルドライフ』
子どもの前で夫以外の男性と情事を見せたら、、、
映画『存在のない子供たち』
これがレバノンの現状なのだろうか。出生証明書もない子供たち
映画『ガラスの城の約束』
両親揃って社会から逸脱していて働きません。父親はアル中でDV野郎です。
映画『荒野にて』
父親は働いていますが、子どもの教育に無関心です。
『ホイットニー ~オールウエイズ・ラブ・ユー〜』
娘が薬物に溺れているのを救えませんでした。
映画『赤い雪 Red Snow』
我が子を押入れに押し込めて男との情事を楽しみます。
映画『J・エドガー』
息子が可愛くて仕方ありません。徹底的な教育を施します。
映画『ある少年の告白』
宗教的な観念で息子の自由を束縛します。
映画『タロウのバカ』
現代ニッポンにバカと叫ぶ!
映画『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
親の教育が悪かったからこんな男になったのか、、、
映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
毒親で育って「アーサー」と出会うのは不運?
映画『コクリコ坂から』
子どもを置き去りに海外留学するのは毒親?
映画『はちどり』
娘に無関心すぎる韓国の親たちは一般的か?
映画『WAVES ウェイブス』
知らぬ間に子どもを支配している親
映画『カセットテープ・ダイアリーズ』
宗教の教義と“毒親”の境界は不鮮明だ
映画『絶唱(1975)』
子どもの恋愛を邪魔する親は毒そのものだ
映画『サイコ (1960年の映画)』
“毒親”への歪んだ愛情の裏返し
映画『ロケットマン』
父親からの愛情は、、、、
映画『存在のない子供たち』
“毒親”を裁判で訴えてやる!
【子ども可愛がり映画】
映画『リアム16歳、はじめての学校』
気持ち悪いくらいに息子に干渉します。息子と恋人気分です。
『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』
こちらは母親依存です。
映画『パパは奮闘中』
蒸発した妻の代わりに子育てします。
【ある意味、毒親である気がする映画】
映画『ビューティフル・ボーイ』
薬物依存になった息子を助けるために奮闘しますが、それが重荷になります。
映画『ベン・イズ・バック』
薬物施設を無断で出てきた息子を可愛がります。
映画『37セカンズ』
お母さんはちょっと過干渉すぎます
映画『燃えよスーリヤ!!』
インド的な教育方法?
映画『ジョーカー』
アーサーの母親は間違いなく狂っていました
【ホラー&サスペンス映画オススメ】
映画『事故物件 恐い間取り』
中田監督新作は事故物件芸人ホラー
映画『ラ・ヨローナ 彷徨う女』
グアテマラという国の怨念物語
映画『ミッドサマー』
新しいジャンル“フェスティバル・スリラー”誕生です
映画『透明人間』
姿も形も見えない恐ろしさってどんな感じだろうか?
映画『ルース・エドガー』
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映画『サイコ (1960年の映画)』
サスペンスの神様と言ったらヒッチコックです
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映画『私の知らないわたしの素顔』
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映画『ハッチング 孵化』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ハンナ・ベルイホルム
製作
ミカ・リタラハティ ニコ・リタラハティ ニマ・ユーセフィ
脚本
イリヤ・ラウチ
撮影
ヤルッコ・T・ ライネ
美術
パイビ・ケットゥネン
編集
リンダ・イルドマルム
音楽
スタイン・ベルグ・スベンドセン
ティンヤ(シーリ・ソラリンナ)
母親(ソフィア・ヘイッキラ)
父親(ヤニ・ボラネン)
テロ(レイノ・ノルディン)
2021年製作/91分/PG12/フィンランド
原題:Pahanhautoja
配給:ギャガ