映画『幕が下りたら会いましょう』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『幕が下りたら会いましょう』公式サイト・IMDbサイト・ Rotten Tomatoesサイトにて作品情報・キャスト情報ならびにレビューをご確認ください。
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『幕が下りたら会いましょう』
(2021年製作/94分/G/日本)
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
【監督】
前田聖来
【脚本】大野大輔 前田聖来【エグゼクティブプロデューサー】高木雅共【プロデューサー】猪野秀碧 岡田康弘 細見将志 田中佐知彦【企画】直井卓俊【脚本協力】川原杏奈【劇中戯曲】愛里【撮影】春木康輔【照明】本間光平【録音】吉方淳二【美術】柴崎まどか【メインビジュアル】柴崎まどか【スタイリスト】小宮山芽以【ヘアメイク】安藤メイ【編集】小西智香【音楽】池永正二【主題歌】JamFlavor
【出演】
松井玲奈 筧美和子 しゅはまはるみ 日高七海 江野沢愛美 木口健太 大塚萌香 目次立樹 安倍乙 亀田侑樹 山中志歩 田中爽一郎 hibiki 篠原悠伸 大高洋子 里内伽奈 濱田のり子 藤田秀世 出口亜梨沙 丘みどり 袴田吉彦
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- 映画『幕が下りたら会いましょう』の感想・内容
- 映画『幕が下りたら会いましょう』の考察・評価
- 映画『幕が下りたら会いましょう』の結末
- 映画『幕が下りたら会いましょう』のキャストについて
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【HPサイト】
映画『幕が下りたら会いましょう』公式サイト
【予告映像】
映画『幕が下りたら会いましょう』トレーラー
映画『幕が下りたら会いましょう』IMDbサイト
映画『幕が下りたら会いましょう』 Rotten Tomatoesサイト
映画『幕が下りたら会いましょう』のオススメ度は?
星4つです
「若い」作品です
前田聖来監督は間違いなく「才能がある」
松井玲奈の演技は「力強かった」
映画『幕が下りたら会いましょう』の作品情報・概要
『幕が下りたら会いましょう』2021年11月26日に公開された日本映画。前田聖来監督作品。主演は松井玲奈。美容室で働きながら劇団の主宰を務める女性が妹の死をきっかけにして様々な人々との出会いと再会を経て自分自身と向き合っていく物語。筧美和子、しゅはまはるみ、日高七海、江野沢愛美、木口健太、大塚萌香、目次立樹、安倍乙、亀田侑樹らが出演。
映画『幕が下りたら会いましょう』のあらすじ・ネタバレ
斎藤麻麻奈美(松井玲奈)は地方で小さな劇団を主宰している。定職は持たず母・斎藤京子(しゅはまはるみ) の美容院を手伝っている。妹・斎藤尚(筧美和子) とも不仲だ。ある朝、尚が東京へ旅たつことになった。尚のお願いで前髪を切ってあげる。数日後、妹が急性アルコール中毒で死んだという知らせが届く。さらに、妹は父親が他の女性との間に生まれた子どもであると知る。心が激しく乱れる。妹の死をきっかけに自身の主宰する劇団のあり方を模索していく。麻奈美の心に奈美に対するコンプレックスと苦悩がのし掛かる。そんな時、新山隼人(木口健太) という人物から公演の依頼が届く。
映画『幕が下りたら会いましょう』の感想・内容
「とても良い映画」だと思います。若い才能がキラキラとほとばしっていました。監督の前田聖来さんは元アイドルと言うことですが、素晴らしい才能を発揮していたと思います。劇場長編映画デビュー作とは思えない良作です。こういった才能を持っている女性監督の将来がとても楽しみです。まず前田監督の演出は古典的な日本映画の監督たちを彷彿さえます。筆頭は小津安二郎に通じます。淡々と撮っています。感情を爆発させません。言葉も少なく、演技も大仰ではありません。しかも映画全体が引き締まっているのです。「リラックスした緊張感」があります。こういう雰囲気を作り出すのはやはり、前田監督自身が数多くの映画を観て、学んでいるからでしょう。『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』という言葉がありますが、前田監督に例えると『賢者・前田監督は名作に学んでいる』ということがわかります。
さて、映画の内容について語りたいと思います。冒頭からやられました。斎藤麻麻奈美(松井玲奈)のショットから入るのですが、映像の明るさ、明暗、彩度がとてもアンティックなのです。フィルム感を目指しているように感じました。撮影監督の春木康輔さんと照明の本間光平さんのなせる技ではないでしょうか。ただ人によっては露出不足なのではないかと感じられる気がしました。わたしとしてはこういった古めかしいというか、アンニュイな雰囲気が好きなので一気に引き込まれたのです。
主演演じる松井さんのやり投げ感が良いですね。頑張っているのに報われない“諦念感”が伝わってきます。というのがなんとなく重たくつながっていきます。その理由が少しずつわかってきます。
斎藤麻麻奈美(松井玲奈)は学校出た後小さな劇団を持っています。座長です。脚本・演出をやります。団員に威張ります。酒癖も悪いです。地方の小さな演劇集団ですが、彼女は演劇を通してへ表現したい何かがあるのです。その“何か”と言うのは明確にされませんが、映画の結末で彼女は「演劇が好きだ」という生き方を貫くことで、納得したと同時に、イバラの道がまだまだ続くという不安感も表していました。
わたし自身地方に住んでいますから、少なからず劇団との繋がりがあります。彼に「何のために演劇をやっているのか」と聞くと、「好きだから」とか「いつか有名になる」とか「自身の芸術表現を高めたい」などと様々な答えが返ってきます。それらには自己表現、自己満足、承認欲求などが内包していることは間違いありません。
映画『幕が下りたら会いましょう』の考察・評価
ただ演劇を何年も続けていて芽がが出ないと、さすがに気持ちが廃れていくものです。定食としての仕事を持っている人は良いのですが、アルバイトに明け暮れながら演劇をやっていく持続力って相当難しいと思います。また仕事を持っている人とアルバイトをしている劇団員では少なからず温度差があるのも事実です。アルバイトをしている人にとって正社員の団員は、若干本気度が足りないと感じるところもあるんです。正社員で働いている人が片手間でやっていると言うのが許せないと言う痴話ケンカのような状況を見たことがあります。
さて映画の内容に話を戻しますが、本映画『幕が下りたら会いましょう』は“姉妹愛”を主軸に葛藤、再生、挑戦、達成、別れ、旅立ちなどを丁寧に描いていると思います。斎藤麻麻奈美(松井玲奈)は妹の斎藤尚(筧美和子) に対して、強いコンプレックを持っています。冒頭の二人のショットで、麻奈美の尚に対する態度の理由がわかってきます。尚の方が、物語を構築する才能があるのです。脚本が素晴らしく、尚の書いた脚本で上演した作品が高評価を得た過去があります。それがコンプレックスになっているのです。姉妹の間で起こり売るような事柄ですが、一歩引いて考えると麻奈美は「子どもすぎる」と捉えらえても仕方ありません。いわゆる嫉妬、妬み、僻みを抱えているのです。それが姉妹の不仲に発展してるのです。
ある日、妹が東京へ旅立ちます。麻奈美はなんとなくほっとしています。でも、事件が起きるのです。東京で働いていた妹は飲み会で、急性アルコール中毒で、行き倒れのように亡くなってしまいます。その時です。麻奈美は尚ともっと話しておけばよかったと言う後悔に悩まされるのです。いわゆる“苦悩”するのです。この苦悩から脱するために麻奈美は格闘していきます。さらに妹・尚についての重要な出生の秘密が知らされるのです。尚は父親がどこかの誰かと作った子供だと言うことです。血の繋がりはあります。しかし尚は母親・斎藤京子(しゅはまはるみ) との血の繋がりはありません。でも母親は懸命に育てました。この設定は映画のサイドストーリーとしてはとても良い訴求点になっていると思います。血の繋がりよりも育ての親の方が大事と言う大義名分です。
麻奈美は母親に食ってかかります。「もっと早く妹の出生の秘密を知りたかった」と。「死んでから知っても意味がない」と。普通の映画でしたら、妹を不憫に思ったり、「妹の人生とはなんだったのか」へと展開を進めると思いますが、しかしその時の母親の対応が神でした。ここから映画は出生の秘密セット向かうようで向かわなかったところが良いと思います。本映画『幕が下りたら会いましょう』はあくまでも斎藤麻麻奈美(松井玲奈)の人間成長物物語となっています。極論を言えば「妹の死を利用して演出家として大成する」です。これは素晴らしいと思います。
さて、冴えない劇団の座長の斎藤麻麻奈美(松井玲奈)に良い話が来ます。東京のNPO団体を主催する新山隼人(木口健太) から公演の依頼が来るのです。麻奈美はひとつ返事で答えます。主役はがずっと仲良くしてきた友人・水淵早苗(日高七海) で稽古しますが、新山から降板を打診されます。苦渋の決断で友人を外します。演劇などの表現世界ではこういった事は日常茶飯事だと思います。映画を観ていて確かに代役・三橋ほのか(江野沢愛美) の方が「華がある」のは一目瞭然ですから、これは当たり前でしょう。公演がヒットするか否かはやはり容姿にも大きく影響されるからです。
私としてはここで降板して新しい華のある役者・三橋ほのか(江野沢愛美) で開いて欲しかったと言うな本音です。確かに旧知の友人は大事ですが、ここは割り切るべきです。それによって友情関係が破綻しても、自分のやりたい目的を達成させると言う気持ちの方が大事なのではないでしょうか。ここがちょっと勿体無いないです。
映画『幕が下りたら会いましょう』の結末
さて映画は麻奈美がNPOの新山隼人(木口健太)の企画を行わない方向に帆を向けます。親友を取ったのです。そしてかつての仲間と再び企画し、稽古して、公演を行うのです。ここの脚本はとても良かったです。麻奈美が抱えている問題、それは妹との関係性です。そして強いコンプレックスです。妹・尚の死によって、自身が苦悩して、公演を開くことが供養となっていきます。「妹がなぜ生まれて、なぜ生きて、なぜ死んだのか」を舞台として上演するのです。麻奈美役を演じるんは先の企画で降板を言い渡した水淵早苗(日高七海) です。自分に投影して妹・尚と対峙させるのです。この展開は本当に素晴らしかったです。少なからず公演は成功したかと思います。その成功とは芸術的作品である成功と、麻奈美自身が妹の死を乗り越えたこと、さらにオリジナル脚本を書いて才能においても評価されたと言う二つの最高を意味しています。ここに人間成長物語が見て取れるのです。とても素晴らしかったです。
それとエンディングショットが実に日本映画的です。前田監督が映画を勉強しているのhが伝わってきます。斎藤麻麻奈美(松井玲奈)がラーメンをすすっている姿が印象的でした。横顔のみで捉えてます。麻奈美はしっかりと泣いています。涙を見せません。でも泣いているのです。これがとても良かったです。小津安二郎監督の『秋刀魚の味』のラストショットを彷彿させました。
やたらと感情をあらわにする映画が多い中、「涙を見せずに泣く」と言うのは本当に素晴らしい演出でした。本映画『幕が下りたら会いましょう』に関わった人たちはみんな若者です。本当に新鮮で溌剌とした気持ちにさせてくれました。前田監督の次回作に期待です。
映画『幕が下りたら会いましょう』のキャストについて
斎藤麻麻奈美(松井玲奈)
斎藤尚(筧美和子)
斎藤京子(しゅはまはるみ)
水淵早苗(日高七海)
三橋ほのか(江野沢愛美)
新山隼人(木口健太)
春香(大塚萌香)
星野(目次立樹)
古賀(安倍乙)
松尾(亀田侑樹)
永井(山中志歩)
坂口(田中爽一郎)
望月結衣(hibiki)
横山(篠原悠伸)
木下(大高洋子)
篠原(里内伽奈)
邦子(濱田のり子)
雄介(藤田秀世)
荒川(出口亜梨沙)
女将(丘みどり)
権田幸平(袴田吉彦)
まとめ 映画『幕が下りたら会いましょう』一言で言うと!
「若い才能を応援したい」
前田聖来監督「素晴らしかった」です。応援したいです。
『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
合わせて観たい映画
【オススメ女性活躍映画】
映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
ルイーザ・メイ・オルコット&グレタ・ガーウィグは偉大だ
映画『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』
ハリウッド映画は「女性が作ったのだ」と胸を張りたい
映画『エデンの海(1976)』
女子高生の時から「女性としての意識」が高いです
映画『風の谷のナウシカ』
宮崎アニメは「女性の立場を尊重」した映画が多いです
映画『空に住む』
一人になっても強く生きてやる!
映画『プラダを着た悪魔』
今では絶対に「パワハラ」間違いなしの女上司です
映画『鵞鳥湖の夜』
男の言いなりにならない「お金ゲット」してみせる
映画『ばるぼら』
こんな魅惑的な女性が実在して欲しくなる
映画『新聞記者』
腐りきった政府にメスを入れてやる!
映画『私をくいとめて』
本当は一人が好き「自分の世界で暮らしたい」
映画『ノッティングヒルの恋人』
女優を続けるのって大変
映画『ボディガード(1992)』
本当は「淋しくてたまらない」歌姫
映画『オフィシャル・シークレット』
「暴露」やっぱり真実から目を背くことはできない
映画『フェアウェル』
これがわたしの生きる道!
映画『となりのトトロ』
お母さん「早く帰ってきて!」
映画『透明人間』
「このストーキング野郎!」退治してやる
映画『スキャンダル』
ニューヨーク野郎から「お金巻き上げてやる!」
映画『ミリオンダラー・ベイビー』
貧しいけれど「世界チャンプの夢」は捨てられない
映画『キューポラのある街』
わたしの未来は絶対に明るい!
映画『コレット』
フランスの女流作家の先駆け的存在
映画『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』
ローラ・アルバートの才能をもっと評価したい
『天才作家の妻 40年目の真実』
夫のゴーストライターでは終われない
映画『マリッジ・ストーリー』
もう一度女優として活躍したい
映画『プライベート・ウォー』
戦争がわたしを呼んでいる
映画『マイ・フェア・レディ』
レディになることが果たして「正しいのか」
映画『追憶(1973)』
バーブラ・ストライサンド「キレッキレッ」の演技です
映画『幕が下りたら会いましょう』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
前田聖来
脚本
大野大輔 前田聖来
エグゼクティブプロデューサー
高木雅共
プロデューサー
猪野秀碧 岡田康弘 細見将志 田中佐知彦
企画
直井卓俊
脚本協力
川原杏奈
劇中戯曲
愛里
撮影
春木康輔
照明
本間光平
録音
吉方淳二
美術
柴崎まどか
メインビジュアル
柴崎まどか
スタイリスト
小宮山芽以
ヘアメイク
安藤メイ
編集
小西智香
音楽
池永正二
主題歌
JamFlavor
斎藤麻麻奈美(松井玲奈) 斎藤尚(筧美和子) 斎藤京子(しゅはまはるみ) 水淵早苗(日高七海) 三橋ほのか(江野沢愛美) 新山隼人(木口健太) 春香(大塚萌香) 星野(目次立樹) 古賀(安倍乙) 松尾(亀田侑樹) 永井(山中志歩) 坂口(田中爽一郎) 望月結衣(hibiki) 横山(篠原悠伸) 木下(大高洋子) 篠原(里内伽奈) 邦子(濱田のり子) 雄介(藤田秀世) 荒川(出口亜梨沙) 女将(丘みどり) 権田幸平(袴田吉彦)
2021年製作/94分/G/日本
配給:SPOTTED PRODUCTIONS