映画『アンテベラム』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
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『アンテベラム』
(2020年製作/106分/G/アメリカ)
原題:Antebellum
配給:キノフィルムズ
【監督】
ジェラルド・ブッシュ クリストファー・レンツ
【製作】レイモンド・マンスフィールド ショーン・マッキトリック ゼブ・フォアマン ジェラルド・ブッシュ クリストファー・レンツ【製作総指揮】アレックス・G・スコット ケニー・マック エドワード・H・ハム・Jr.【脚本】ジェラルド・ブッシュ クリストファー・レンツ【撮影】ペドロ・ルケ・ブリオッツォ【美術】ジェレミー・ウッドワード【衣装】メアリー・ゾフレス【編集】ジョン・アクセルラッド【音楽】ネイト・ワンダー ロマン・ジアンアーサー
【出演】
ジャネール・モネイ エリック・ラング ジェナ・マローン ジャック・ヒューストン カーシー・クレモンズ ガボリー・シディベ トンガイ・キリサ
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映画『アンテベラム』外部リンク
【HPサイト】映画『アンテベラム』公式サイト
【予告映像】映画『アンテベラム』トレーラー
映画『アンテベラム』公式Twitter
映画『アンテベラム』のオススメ度は?
星4つです
アメリカの社会問題が見えてきます
終わらない「人種差別」
深刻すぎる闇はいつ明ける?
胸が痛い
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映画『アンテベラム』の作品情報・概要
『アンテベラム』原題『Antebellum』2020年のアメリカのホラースリラー映画。ジェラルド・ブッシュとクリストファー・レンツが長編監督デビュー作品。ジャネール・モネイ(映画『ハリエット』や映画『マーウェン』)、エリック・ラング、ジェナ・マローン(映画『パブリック 図書館の奇跡』)、ジャック・ヒューストン(映画『アイリッシュマン』)、キアシー・クレモンズらが出演する。米国ではコロナ感染症拡大のため、2020年9月18日にプレミアム・ビデオ・オン・デマンドで公開された。その後、劇場公開へ。
映画『アンテベラム』のあらすじ・ネタバレ
南北戦争前夜のアメリカ南部・ルイジアナ州が舞台。綿花農場を有するのは白人で、黒人は奴隷として働かされていた。「白人の主人たちに話しかけられない限り、黒人奴隷は言葉を発してはならない」というルールがまかり通っていた時代。ある日、奴隷のイーライは妻と一緒に農場から脱走を図る。しかし白人に見つかってしまう。彼に対する罰として、つまり見せしめとして、白人たちはイーライの目の前で妻を惨殺することに。さらに白人たちは2人の脱走を手助けした奴隷、エデンに対しては殴る蹴るの暴行を加えた。そして、反抗の芽を完全に潰すべくエデンの背中に焼き印を押した。
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映画『アンテベラム』の感想・内容
「胸が軋む映画」あるいは「胸糞悪くなる映画」となります。本映画『アンテベラム』はホラー・スリラージャンルになるのでしょうか。確かにその要素はありますが、わたしとしては「人種差別映画」と映るのです。鑑賞していて、とにもかくにも「辛かった」としか言いようがありません。やっぱり「人種差別はダメ」です。特に女性や子どもに対しての暴力や陵辱のシーンがあると、目を覆いたくなるのです。但し、実際問題としてこのような凄惨な行いは歴史的に行われていたのですから、描く必要があるのでしょう。そしてそれを改めて観ることで「二度と同じ過ちを犯してはいけない」とわたしたちは誓わなければいけません。
本映画『アンテベラム』のトップカットが凄まじいです。南部の綿花栽培、つまりプランテーション農場から脱走を試みる男女のショットを長回しで捉えています。夕暮れです。テレンス・マリック監督の『天国の門』を彷彿させるマジックアワーの中で撮影されています。映像的にとても芸術的です。しかし起きる出来事が残虐極まりないのです。この二つの要素が組み合わさることで、「何かとてつもなくい恐ろしい映画」とわかるのです。
本映画『アンテベラム』は南北戦争と現代を時空を超えて展開する物語を想像させます。しかしながら、後半でこの予想を裏切る大どんでん返しが待っています。多くの人はまんまと騙されるでしょう。ただわたしとしてはこのどんでん返しには特に驚きませんでした。それよりも、「人種差別って酷すぎる」という明確なメッセージを受け取ったのです。でも、なぜこのような大どんでん返しという脚本にしたのかは理解できます。そこには現代アメリカが抱える大きな闇があるからでしょう。
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映画『アンテベラム』の考察・評価
コロナ禍によって、世界は荒涼たる様相となっています。日本もそうですが、アメリカ社会では黒人への暴力事件が続発しました。「BLM(ブラック・ライブス・マター)運動」が盛んになっています。建国してから200年経ちますが、人種差別問題はいまだに解決していません。本映画『アンテベラム』のプランテーションで働く黒人たちと今現在、アメリカ社会で働く黒人たちも「同じ差別を受けている」という意味合いがあると思うのです。今も昔も何も変わっていないのです。
アメリカを旅したことがある人ならわかると思いますが、有色人種への差別的な眼差しや振る舞いってあります。旅行で訪れたアジア人であるわたしですら、感じるのですから、実際に生活している黒人たちにとっては耐え難い苦痛ではないでしょうか。しかも解決の糸口が見えない問題でもあります。「絶望的な気持ちにさせる映画」とも言えます。わたし自身、過去において、人種差別に対する反対運動って何度も目にしてきました。キング牧師もそううですし、ロス暴動もそうです。そして、昨年の白人警察官による暴行殺人事件等々。でも、その時は決まって、全世界の人が「アメリカって酷い」と怒りの声をあげます。しかしながらその声はいつの間にかフェードアウトしていくのです。その繰り返しなのです。
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映画『アンテベラム』の結末
結局わたしたちも「対岸の火事」あるいは「巻き込まれたくない」という防御体制を作って、自身に飛び火しないことを願って逃げているのです。本当に人種差別を撤廃したいのであれば、継続する方法を考えなければいけないでしょう。そのために最良の手段は映画であり、音楽であると思います。マイケル・ジャクソンのような世界的なポップスターや、マイケル・ジョーダンのような超人が活躍していた時代って、案外穏やかだった印象があります。もちろん、アメリカ本国では黒人への差別はあったでしょうが。
いま現在、黒人の映画俳優や歌手を見回しても、積極的に人種問題に訴求しているスターが浮かばないのです。彼らも難しい立場にいるのかもしれません。スターになって成功した黒人の人たちに対しての妬み、嫉みなどの憎悪的な感情が白人黒人から向けられてくるからです。足を引っ張ってくる黒人の存在もあると言われています。彼らは家族を大事にしますから、出来るだけ嫌われないように生きたいのです。ですから大仰に「人種差別反対論を唱える」ことを躊躇してしまうのでしょう。
本映画『アンテベラム』は単なるホラー・スリラー映画ではありません。映画の冒頭に「過去は決して死なない、過ぎ去りさえしないのだ」とあります。つまり「やられたことは忘れない」「憎しみは消えない」とでも言っているかのようです。とても重たいです。本映画『アンテベラム』を観て、「絶対に差別はしない」「人を傷つけてはいけない」と肝に命じました。
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映画『アンテベラム』のキャストについて
ヴェロニカ/エデン(ジャネール・モネイ)
彼/マザーズ上院議員(エリック・ラング)
エリザベス(ジェナ・マローン)
ジャスパー司令官(ジャック・ヒューストン)
ジュリア(カーシー・クレモンズ)
ドーン(ガボリー・シディベ)
イーライ/タラサイ教授(トンガイ・キリサ)
まとめ 映画『アンテベラム』一言で言うと!
「とても辛い映画でした」
アメリカって自由な国というイメージがありますが、差別があるのに「自由」って主張するのは矛盾を感じます。とても辛い映画でした。日本はまだ「自由」が保障されていることに感謝しています。
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映画『マイ・フェア・レディ』
レディになることが果たして「正しいのか」
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バーブラ・ストライサンド「キレッキレッ」の演技です
映画『アンテベラム』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ジェラルド・ブッシュ クリストファー・レンツ
製作
レイモンド・マンスフィールド ショーン・マッキトリック ゼブ・フォアマン ジェラルド・ブッシュ クリストファー・レンツ
製作総指揮
アレックス・G・スコット ケニー・マック エドワード・H・ハム・Jr.
脚本
ジェラルド・ブッシュ クリストファー・レンツ
撮影
ペドロ・ルケ・ブリオッツォ
美術
ジェレミー・ウッドワード
衣装
メアリー・ゾフレス
編集
ジョン・アクセルラッド
音楽
ネイト・ワンダー ロマン・ジアンアーサー
ヴェロニカ/エデン(ジャネール・モネイ)
彼/マザーズ上院議員(エリック・ラング)
エリザベス(ジェナ・マローン)
ジャスパー司令官(ジャック・ヒューストン)
ジュリア(カーシー・クレモンズ)
ドーン(ガボリー・シディベ)
イーライ/タラサイ教授(トンガイ・キリサ)
2020年製作/106分/G/アメリカ
原題:Antebellum
配給:キノフィルムズ