映画『ミッドナイト・イン・パリ』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ミッドナイト・イン・パリ』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
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『ミッドナイト・イン・パリ』
(94分/G/スペイン・アメリカ合作/2011)
原題『Midnight in Paris』
【監督】
ウッディ・アレン
【脚本】
ウッディ・アレン
【製作】
レッティ・アロンソン スティーブン・テネンバウム ハウメ・ロウレス
【出演】
キャシー・ベイツ
エイドリアン・ブロディ
カーラ・ブルーニ
マリオン・コティヤール
レイチェル・マクアダムス
マイケル・シーン
オーウェン・ウィルソン
ニーナ・アリアンダ
ジョンカート・フラー
トム・ヒドルストン
ミミ・ケネディ
アリソン・ピル
レア・セドゥー
コリー・ストール
【HPサイト】
映画『ミッドナイト・イン・パリ』IMDbサイト
【予告映像】
映画『ミッドナイト・イン・パリ』トレーラー
映画『ミッドナイト・イン・パリ』NHK BSプレミアム放送 7月29日(木)午後1時00分〜2時35分
7月29日(木)午後1時00分〜2時35分
ウディ・アレンさま。
これほど女性をロマンティックにしてくれる映画作家はいません。
「満たしてくれる」のです。
フランス・パリの美しい光景とうっとりするジャズのメロディー。
もうウディ・アレンにメロメロです。
映画『ミッドナイト・イン・パリ』のオススメ度は?
星4つです
もう「うっとり」します
パリが素敵
ジャズのメロディーに溶けちゃいます
ウディ・アレンにメロメロです
映画『ミッドナイト・イン・パリ』の作品情報・概要
『ミッドナイト・イン・パリ』 原題『Midnight in Paris』2011年製作のスペイン・アメリカ映画。ウディ・アレン脚本・監督作品。パリで撮影。第84回アカデミー賞で脚本賞を受賞。売れっ子脚本家がパリを徘徊するうちに1920年代へタイムスリップし、本当にやりたい「小説家」を目指そうと決意する物語。
映画『ミッドナイト・イン・パリ』のあらすじ・ネタバレ
ハリウッドで映画の脚本家として成功しているギル・ペンダー(オーウェン・ウィルソン) は何か満たされない日々を過ごしていた。婚約者のイネス (レイチェル・マクアダムス) と彼女のお金持ちの両親とともにパリを訪れる。ギルは出来ることならハリウッドからパリへ移住して「屋根裏部屋」を借りて、小説を書いて暮らしたいと考えている。しかしイネズはマリブに住みたいという。価値観の相違だ。ギルは一人で夜のパリを徘徊する。すると一台のクラシックカーが止まり、手招きする。乗り込んで着いた先が1920年代の黄金時代のパリだった。そこには憧れの作家、画家、作曲家などの多くの芸術家が集う場所であった。
映画『ミッドナイト・イン・パリ』の感想・内容
わたし「ウディ・アレン大好き」なんです。この世の映画監督の中で一番好きかも!もちろんクリント・イーストウッドも好きなんですが、やっぱり脚本を書ける映画人っていうのに憧れと尊敬の念を持ってしまうのです。ウディ・アレンは本当に頭が良いです。知性教養にあふれています。あの皮肉いっぱいのユーモアでわかります。ハリウッドの女優たちが彼に作品に出たくなる理由もわかります。ウディ・アレンの映画に出ればオスカー獲得の近道であり、しかも芸術的に撮ってくれるからです。
雨のニューヨークって素敵です!
でも、ウディ・アレンの近況は最悪と言って良い状況です。過去の諸問題が掘り起こされ、作家としての生命線が危うくなっています。わたしはどんなことがあってもウディ・アレンを支持していますし、信じています。ですから今後も映画を撮り続けて欲しいです。
さて、本映画『ミッドナイト・イン・パリ』はニューヨーク好きのアレンが舞台をフランス・パリへ移します。悩める映画の脚本家がパリの真夜中を徘徊しているとタイムスリップして1920年代へ行き、夢のようなひと時を味わうお話です。どうみても街をさまよっているのは若き日のウディ・アレンですが、如何せんもう歳をとっていますから、主演のギル・ペンダー(オーウェン・ウィルソン) が演じています。
パリを舞台にした少年の成功物語
さてさて、本題に入る前にまず注目して欲しいのはオープニングです。これが本当に素晴らしいのです。月並みな言葉で「おしゃれ」くらいしか思い浮かばないのですが、本当に素敵な気持ちになるのですよ。音楽が良いのです。ジャズです。シドニー・ベシェの『Si tu vois ma mère』が流れます。クラリネットとトロンボーンなどの管楽器です。これが本当に切ないというかロマンティックなんですよ。そして映し出されるパリの街並みのカット、カット、カットです。まるで写実画を切り取ったような美しさなのです。このオープニングを観ただけで、もう大満足なのです。ウディ・アレンがノックアウトされます。「なんて素敵なんだろう」「なんて感性なのだろう」とウディ・アレン様の顔を思い浮かべてしまうのです。
でも、でもです。ウディ・アレンはそんなに色男ではありません。愛着を込めて書きますが、背も低いですし、頭部の薄いですし、顔だってそんなにイケメンではありません。しかし彼には才能があるのです。物語を作って、人々を喜ばせ、素敵なあ気持ちにさせるという天から授けらた才能が!美しすぎるのです。ウディ・アレンの感性が、、、。美しすぎるのです。誰にも辿り着けない世界があるのです。
すみません、話を戻します。オープニングでノックアウトされましたが、映画は魅惑の雰囲気をたっぷりただ良いながら進んでいきます。主人公のギル・ペンダー(オーウェン・ウィルソン) はどこか虚ろです。仕事はハリウッドで映画の脚本を書いています。それなりに売れっ子です。しかし自身の本当にやりたいことは小説を書いて、パリの屋根裏で暮らすことです。彼には恋人イネズ(レイチェル・マクアダムス) はバリバリのアメリカンです。パリなんかよりマリブでセレブとして暮らしたいのです。もうここで二人の価値観が雲泥の差だとわかります(今回、二人はイネズの両親とパリへ来ている)
パリの本当に姿が描かれています
憧れのパリへ来たギルは観光などあまり興味がなく、街をふらつきます。そして夜中、目の前に一台のクラシックカーが止まり、それに乗車すると、それは1920年代のパリだったのです。いわゆる黄金時代です。そこにはギルが尊敬して止まない芸術家たちがいたのです。コール・ポーター、F・スコット・フィッツジェラルド、ジャン・コクトー、ジョセフィン・ベイカー、アーネスト・ヘミングウェイ、ガートルード・スタイン、パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリ、、ルイス・ブニュエル、マン・レイなどです。
映画『ミッドナイト・イン・パリ』の結末・評価
もう夢のような世界に驚くギルですが、目が覚めると再び現代に戻って来ます。そしてその夜も次の夜も同じようにタイムスリップします。こういうタイムスリップ映画は世界中にありふれていて「もう飽き飽きだ」という方も多いでしょうが、なぜかウディ・アレンのタイムスリップには抵抗もなく入り込めるのです。それは音楽の力が大きいと思います。選曲が素晴らしいのです。ウディ・アレンはジャズ演奏家としても有名です。今でもクラリネットの練習を欠かさないそうです。彼の映画は本当にうっとりするようなジャズのメロディーが流れます。本映画『ミッドナイト・イン・パリ』とて同じ。非現実のタイムスリップ物語にジャズのメロディーを付けることで、幻想的かつ「満たされた気持ち」にさせてくれるのです。満たされた気持ちとはすなわち“体験”と“達成”と“獲得”があると思うのです。ウディ・アレンの映画を観て同じようにパリを体験し、目的を達成する。さらに学んで新しい何かを獲得した気持ちになるのです。ここなんです、ここ!これがウディ・アレンの映画の最大の魅力なのです。
「ピアノが弾きたい」貧乏な青年の挑戦
もうウディ・アレンの映画を観ていると主人公と同調・同化していく自分が止められません。こんな気持ちにさせてくれる映画作家はウディ・アレンのみです。すみません、話が逸れました。映画に戻ります。結果的にギルはイネズを捨てて、パリに残ります。ハリウッドの脚本書きもやめる決心をします。前途多難ではありますが、パリの屋根裏で小説を書く道を選択するのです。つまり、映画の主人公のギルはハリウッドで成功しているにも関わらず、満たされていなかったのです。わたしたちは映画を観ながら満たされたのに、主人公は満たされていなかったというウディ・アレンのマジックが発揮されます。すごいですね。韻を踏んでいるかのような高度な脚本と演出です。
そしてギルは本当にやりたいことを探す旅の出発点であり、ゴールでもあるパリに移住するのです。出発もゴールも同じだったら進歩ないじゃん?って突っ込まれそうですが、パリの懐の深さは永遠です。芸術家の多くがパリに住む理由はやはり“創作意欲”を駆り立てるからでしょう。その創作はインスタントなビジネスではなく崇高な芸術性が内包しているのでしょう。だからこそ1920年代の黄金時代には世界中から芸術家が集まって競い合ったのでしょう。でも単なる集まりではなく、その時のムーブメントによって生み出されたものは現代にも遺産として残っていると思います。
クリント・イーストウッドもパリで映画を撮っています
映画『ミッドナイト・イン・パリ』のキャストについて
ガートルード・スタイン(キャシー・ベイツ)
サルバドール・ダリ(エイドリアン・ブロディ)
美術館ガイド(カーラ・ブルーニ)
アドリアナ(マリオン・コティヤール)
イネズ(レイチェル・マクアダムス)
ポール(マイケル・シーン)
ギル・ペンダー(オーウェン・ウィルソン)
映画『ミッドナイト・イン・パリ』楽曲紹介
まとめ 映画『ミッドナイト・イン・パリ』一言で言うと!
「芸術に埋没されたい」
わたしも出来ることなら毎日、芸術に囲まれて生活したいです。好きな絵を飾って、ポエムを読んで、音楽を聴いて、、、、。でもそれが当たり前になると飽きてくるのでしょうね。一度くらいは経験したいって思ってるうちが華かもしれません。
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映画『ミッドナイト・イン・パリ』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ウッディ・アレン
製作
レッティ・アロンソン スティーブン・テネンバウム ハウメ・ロウレス
製作総指揮
ハビエル・メンデス
脚本
ウッディ・アレン
撮影
ダリウス・コンジ
美術
アン・セイベル
編集
アリサ・レプセルター
衣裳
ソニア・グランデ
ガートルード・スタイン(キャシー・ベイツ)
サルバドール・ダリ(エイドリアン・ブロディ)
美術館ガイド(カーラ・ブルーニ)
アドリアナ(マリオン・コティヤール)
イネズ(レイチェル・マクアダムス)
ポール(マイケル・シーン)
ギル・ペンダー(オーウェン・ウィルソン)
キャロル(ニーナ・アリアンダ)
ジョンカート・フラー
F・スコット・フィッツジェラルド(トム・ヒドルストン)
ヘレンミミ・ケネディ
ゼルダ・フィッツジェラルド(アリソン・ピル)
ガブリエルレア・セドゥー
アーネスト・ヘミングウェイ(コリー・ストール)
2011年製作/94分/G/スペイン・アメリカ合作
原題:Midnight in Paris
配給:ロングライド