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『アートのお値段』(98分/アメリカ/2018)
原題『The Price of Everything』
監督
ナサニエル・カーン
映画『アートのお値段』のオススメ度は?
星3つ半です。
アートが好きな方は必見です。
ため息が漏れてしまうでしょう。
世界のアートの裏側とまではいきませんが、、、
割と近いところまで取材しています。
サザビーズの大宣伝映画であることは間違いないです。
一人で観に行ってください。
映画『アートのお値段』の作品概要
アートとは何か、アートは誰のものか、あるいはアートの価値とは?についてアーチスト、バイヤー、コレクターたちを取材して作り上げたドキュメンタリー映画。「これがアート?」と思えるような作品から「正しくアートだ」と唸るような作品の数々を見るだけで嬉しくなる。
映画『アートのお値段』のあらすじ・ネタバレ
アーチスト、バイヤー、コレクターたちが胸おどるシーズン到来。ザザビーズの競売に向けてそれぞれの心中をカメラが捉えていきます。勝ち負けはあるようでない、、、。いやあるでしょう。それは「値段」です。多くのアート作品を見せながら価格がつけらていく様子を遠慮しながらも捉えています。
映画『アートのお値段』の感想・評価・内容・結末
アートには人の心に魔法をかける力がある
古今東西、芸術作品に多額のお金を出す人はいるものです。特に王族たちはこぞって芸術作品を収集していました。
フランスのルーブル美術館、ロシアのエルミタージュ美術館などはその最たる例で、世界中の芸術作品を一堂にしています。
なぜ、これほどまでにアートが人を魅了するのでしょうか。また一枚の絵画になぜこれほどまでも高価な値段が付けれるのかはわれわれ庶民には理解できない点も多々あります。
それゆえに本映画を観ると“アートのお値段”について納得できる答えを与えてくれるかというと、それは?マークなのです。
そもそもアートの値段とはアーチスト感性だけではなく、コレクターの好み、時代や風俗、流行にも左右されるのは当たり前ですが、今やアーチスト自体がセルフプロデュースを行い、共感を得ることで価値観を高めるという技術も必要となってきています。
そして一番大きな要素は“運”だと思います。
ザザビーズの真の裏の裏まで見せて欲しかったが、、、
本作はニューヨークのサザビーズ(現在も操業する世界最古の国際競売会社)を舞台に進行していきます。
はっきり言えばサザビーズの宣伝映画であり、アートの権威は我にあり!と高らかに宣言している映画です。
ただここで繰り広げられる人間模様を見ているだけで過去、現在、未来において「活躍した、あるいはしている、更にするだろう」垣間見えてくるのです。
懐かしい顔のキース・ヘリングやバスキアなどは死んだから高額になったとはっきりいう人もいて笑ってしまいました。
現在もっとも高価な作品はなんと100億円
現在でもっとも高額な作品はジェフ・クーンズの作品「ラビット」です。なんと100億円。うさぎに100億です
一見、ただのステンレスのうさぎですが、映像で観ているだけでも可愛らしさが伝わってきます。実際に対面したらさぞ魅力があるのでしょう。
でもさすがに100億は高すぎる気がします。日本人として嬉しいの村上隆の作品が取引されていたことです。彼は元々、日本画を起源にしていることをご存知でしょうか?
それがアートなのです
さて、映画は結局のところ明確な答えを出しません。観ているわれわれが納得するしかないのです。
それがアートなのです。アーチスト、バイヤー、コレクターたちの宴のような世界をぼーっと眺めているだけで終わります。
それはそれで良いと思います。わたしはアートが好きです。わたしの身の回りに少しでもアート作品を置くように努めています。
それは決して高価なモノではありません。秋の稲穂の写真でも良いし、ちびっ子が画用紙に描いた頭がクジラで体が鳥みたいな天才的な絵でも構いません。
素敵な魔法をかけてくれるアートを身近に置きたい
朝、目が覚めてふとその写真を目にすると「頑張れ」と励ましてくれたり、帰宅した時は「おかえり」と迎えてくれるだけで人生が明るくなった気がして笑みがこぼれます。
素敵な“魔法”をかけてくるのです。故にアートの値段とは言ってしまえば“人それぞれ”になりますが、本映画に出てきたアート作品は確かに人々を吸引するだけの魅力はあることは事実です。
できることならアンディ・ウォーホルのモンローを一瞬でいいから飾ってみたいと思いました。どんな魔法をかけてくるのか想像するだけでワクワクします。
*この映画を観ていて「世界にはとてつもない金持ちがいるもんだ」と感じたのはわたしだけでしょうか。
映画『アートのお値段』まとめ 一言で言うと!
アートこそ真の魔法である。
美しいアートに魅せられてしまうともう脳内麻薬が分泌されて作品のいいなりになってしまうのでしょう。欲しいという感情に歯止めが効かずいつの間にか大金を支払ってしまうのです。真のアート作品は力強い魔法がかけられています。
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映画『アートのお値段』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ナサニエル・カーン
製作
ジェニファー・ブレイ・ストックマン デビ・ビッシュ カーラ・ソロモン
製作総指揮
レジーナ・K・スカリー
撮影
ロバート・リッチマン
編集
サビーネ・クライエンビュール ブラッド・フラー フィリップ・ショッパー
音楽
ジェフ・ビール
ラリー・プーンズ
ジェフ・クーンズ
ジョージ・コンド
ジデカ・アクーニーリ・クロスビー
マリリン・ミンター
ゲルハルト・リヒター
エイミー・カペラッツォ
シモン・デ・プリ
エド・ドルマン
オリバー・バーカー
ステファン・エドリス
ゲ―ル・ニーソン
ホリー・ピーターソン
インガ・ルーベンスタイン
ジェリー・サルツ
アレックス・ネメロフ
バーバラ・ローズ
ポール・シンメル
コニー・バトラー
メアリー・ブーン
ギャビン・ブラウン
ジェフリー・ダイチ
デニス・ヤレス
セルジュ・ティロシュ
2018年製作/98分/アメリカ
原題:The Price of Everything
配給:ユーロスペース