映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』公式サイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』
(121分/G/日本/2017)
【監督】
河合勇人
【脚本】
林民夫
【製作】
辻本珠子 下田淳行
【出演】
広瀬すず
中条あやみ
山崎紘菜
富田望生
福原遥
真剣佑
天海祐希
円山夢久著。『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』278ページより引用。裕子は「かんしゃくを起こした」という描写から推測すると教員である資質はありません。
数十年前とはいえ、教育者たる者が暴力を用いて、女子生徒の心身を傷つけてはいけないと思います。福井県の知名度を高めた、いわゆる成功したから、体罰が許されるのであれば、いま日本、世界で行われているDV・虐待、ハラスメントも将来的にオッケーとなります。
福井県教育委員会は、負の事実を真摯に受けとめて、反省して、二度と「体罰は行わない」と明言する必要があると思います。
- 映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』地上波 TBS放送 5月22日金曜 よる8:57から放送
- 映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』のオススメ度は?
- 映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』の作品情報・概要
- 映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』のあらすじ・ネタバレ
映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』地上波 TBS放送 5月22日金曜 よる8:57から放送
5月22日金曜 よる8:57からTBS放送(地上波)
広瀬すずちゃんです。めっちゃ可愛いです。本当に可愛いです。何度でも言います。超絶可愛いです。
もちろん中条あやみさんも可愛いです。中條さんは「綺麗」に向かう年齢だったと思います。
チアダンスにかける青春スポ根映画です。人を応援するのがチアダンスですが、映画を観ていて「JETS」を応援している自分がいました。
映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』のオススメ度は?
青春映画です
「オールバック(おでこ全開)」
「校則を守る」
「恋愛禁止」
「アメリカで優勝」
これが入部の条件です
女子高生におでこ全開はキツイです
間違いなく青春映画です
映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』の作品情報・概要
『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(チアダン じょしこうせいがチアダンスでぜんべいせいはしちゃったホントのはなし)2017年3月11日公開の青春映画。広瀬すず主演(映画『流浪の月』や映画『いのちの停車場』や映画『海街diary』や映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』)。監督は河合勇人(映画『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦』)。脚本は林民夫。福井県立福井商業に赴任した女性教員が女子生徒とチアダンスチーム『JETS』を結成し、全米チアダンス選手権大会で優勝するまでの実話を脚色して映画化。スポ根青春映画。中条あやみ、山崎紘菜(映画『50回目のファーストキス』)、 富田望生 (映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』)、福原遥、真剣佑(映画『とんかつDJアゲ太郎』)、天海祐希(映画『ザ・マジックアワー』や映画『カイジ ファイナルゲーム』)ら出演。
映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』のあらすじ・ネタバレ
友永ひかり(広瀬すず) は中学時代から想いを寄せている山下孝介(真剣佑)のサッカーでの活躍を応援したくチアリーダー部に入る。しかしそこには地獄の指導を行う顧問・早乙女薫子(天海祐希)がいた。しかも「アメリカで優勝」「オールバック(おでこ全開)」「校則を守る」「恋愛禁止」という厳しいルールと目的があった。ダンス経験もないが「笑顔」だけを褒めれて熱心に練習に励む。チーム内の不協和音と早乙女への反発を抱きつつもチームはアメリカへ行く。決勝の前、絶対的なセンターであった玉置彩乃(中条あやみ) が外されひかりがセンターをやることに、、、。落ち込む彩乃と戸惑うひかり。果たして、、、、。
広瀬すずさん主演作品
映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』の感想・内容
広瀬すずさんと中条あやみさんの等身大の姿
みなさん、こんにちは。お元気お過ごしでしょうか?ラッキーマスクマン3号です。
緊急事態宣言がだいぶ緩和されてきました。でも油断は禁物です。
くれぐれも“三密”を守りましょう。もちろん、マスク、手洗い、うがいの習慣も引き続き継続させましょう。
いやあ、本映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』の講評を行いますが、正直「困ってます」
何がって映画の演出はイマイチなんですが、やっぱり若い女子高生が頑張る姿に涙腺が決壊してしまったからです。
広瀬すずちゃん、めっちゃ可愛いです。本当に可愛いです。
この映画の撮影時は18、9歳ですから、彼女の巣に一番近いのではないでしょうか。等身大のすずちゃんです。
とにかく可愛いのです。何度でも言います。
「可愛いのです」顔も声も演技も全部が「超絶可愛い」のです。たまりません。
もちろん、中条あやみさんも可愛いですよ。中条さんは「綺麗」が入り始めていますね。
この二人を中心に映画を観れば良いと思われがちですが、実はこの映画の真の主人公は鬼教師の早乙女薫子(天海祐希)にあることを念頭に読んでくださいね。
その前にタイトル長すぎです。『チア☆ダン』にしちゃいます。
本映画は実話を元に映画化されてます。詳細は円山夢久著作『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』に書かれています。こちらを全部読ませていただきました。この著書とネット上にある情報を元に記事を書いていきます。
実際、わたしは映画に夢中になり、本を購入し、さらにネット上の情報を得て、非常の興味を持ちました。
『チア☆ダン』のモデルになった人物の魅力
一番はこの映画のモデルになった当時の女子高生たちが今現在は何をやっているのかです。
あれだけ情熱を注いだチアダンスを今も続けているのか、さらに「夢は叶う」「人は変われる」を連呼された結果、自身の夢は叶えているのかについて興味を持ちました。
それで著書にも書いてありましたが、まずは彼女たちのその後からご紹介します(一般の方なので仮名とさせて頂きます)
*円山夢久著作『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』から参考・引用させて頂きます。繰り返しますが、一般の方なので仮名とさせて頂きます。この著書はとても読みやく書かれています。教員と生徒たちの熱き物語です。
『チア☆ダン』書籍紹介サイトです
初代JETSメンバー
F倉(ブン)(玉置彩乃/中条あやみ)
CA(キャビンアテンダント)として航空会社勤務。
福井商業高校卒業後、大学に進学。CA試験に合格。英語の教員実習のた母校を4年ぶりに訪れ五十嵐裕子先生と和解。
N川(サトミ)(友永ひかり/広瀬すず)
東京・横浜・千葉で会社勤務。
福井商業高校卒業後、大学に進学。大学内の部活に所属し、経験を活かし中心メンバーとして活躍した。
M村(マホ)
日本チアダンス協会公認インストラクター。
福井商業高校卒業後、上京。多くのダンススタジオのレッスンを得て、前田千代コーチに師事。JETSのコーチと振り付けを担当している。
T田(チン)
「Grace JETS」を結成し、顧問。
福井商業高校卒業後、大学に進学し、テレビ局のテレビ制作部・営業部に勤めた後、結婚退職。2004年JETSのOGからなるチアダンスチーム「Venus」(2017年1月「Grace JETS」に改名)
Y田(アリサ)
プロ野球チームの公式マスコットガールの一員として活躍中。
福井商業高校卒業後、専門学校に進学し歌とダンスを勉強。
その他の初代JETSメンバーである、みほ、まや、ちなみ、ちあきさんたちも活躍しているとのことです。
*2017年1月1日現在の情報となります。
JETS卒業生は現在、数百人になると言われています。彼女たちは五十嵐裕子先生の「夢は叶う」を胸に卒業後も他分野で活躍しているとのこと。
USJダンサー、劇団四季、美容師、自衛艦、教員、モデル、インストラクターなど。T田さんが立ち上げた「Grace JETS」は地元、福井のイベントで、積極的にパフォーマンスを行っています。
広瀬すず演じるひかりと中条あやみさん演じる彩乃のリアルは?
さて、劇中の主人公は広瀬すず演じるひかり(N川)となっています。そして準主役が中条あやみさん演じる彩乃(F倉)です。
映画ではセンターを巡っての諍いもありますが、二人は気を取り直し、仲良くアメリカの舞台に立ちます。そして優勝します。2009年3月のことです。
でも実際はF倉さんは舞台に立つどころか、アメリカへは行っていません。
彼女はアメリカ行き直前に退部してます。2008年12月24日です。しかも五十嵐先生と大ケンカの末の退部です(クリスマスのプレゼントが退部届けとは痛烈なメッセージです)
その際、F倉さんは五十嵐先生から「ビンタ」されています。なぜ、退部したのか真相は不明です。
いまだにF倉さんから明確に語られていません。しかし著書を読む限りF倉さんの気持ちがわかります。痛いほど伝わってきます。
彼女は初代JETSの部長としてメンバーを牽引してきました。五十嵐先生の手となり足となり一生懸命に頑張ってきました。
先生のあのキャラクターですから相当苦労したと思います。メンバーと先生に挟まれても泣き言ということはなかったようです。
岩井俊二監督作品の広瀬すずさん
怪我をしたのは広瀬すず演じるひかりではなく、、、
しかし、三年生になった時にF倉さんは、膝の手術を受けてダンスができず、裏方に回されます。
しかも五十嵐先生から痛烈な一言をもらいます。「ブンが躍りで引っ張る時代は終わった」です。
この言葉は重いと思います。重いどころではありません。
こんなに一生懸命やってきたのに「待ってるわ」とか「頑張れ!」ではなく奈落の底に落とされるようなことを言われたら誰でも傷つきます。
しかもF倉さんはとりわけセンターで踊ることに強いこだわりを持っていました。怪我を治したら再びセンターを夢見ていたと思いますが、11月の全日本チアダンス選手権大会では後列の一番端っこに回されます。
つまりセンターから降ろされたのです。
これは屈辱以外に何ものでもありません。後述しますが「裏切られた」感で心は閉ざされるのです。
センター交代は?ポイントでは重要ではないというが、、、
著書の中ではチアダンスにおいて、センターは審査のポイントには大きく影響しないと書いてありますが、そんなのは大人が言う「都合の良い綺麗ごと」です。
多感な女子高生にとってセンターは大事です。あの言葉は刀で心をバッサリと斬られたくらいの衝撃だったでしょう。
わたしのような素人でもセンターが一番の華だと感じます。
ポイント云々の勝負論も大事なことはわかりますが、「センター」を維持するモチベーションって大きな力をF倉さんに与えていたと思うのです。
それが無くなってしまったんです。「やりきった」と言う燃え尽き症候群ではなく、著書にも書いてありますが五十嵐先生に「裏切られた」感に包まれたのでしょう。
その気持ち、非常にわかります(実際にF倉さんでは勝てないと判断するのであるなら、それを本人の未来への希望を願っての言い方ってあると思うのです。その辺は疑問を持ってしまいました)
*映画の中ではアメリカの決勝前日にセンター交代となっていますが、それは本当にあったかはわかりません。
*ただ映画の演出として、センター交代を入れた可能性が高いと思います。
是枝監督作品の広瀬すずさん
厳しい決断かもしれませんが人情も必要、、、
テレビに出るAKBなどもセンターを目指しているではないですか。繰り返しますが、ポイント云々の勝つとか負けるとかの理論ではなく、もっと大事な“感情”の問題だと思うのです。
わたしは著書を読んで五十嵐先生は教員として素晴らしいと思いますが、この一件においては賛成できません。
全米で優勝すれば「勝てば官軍」で許されるのは数々の辛酸を舐めてきた五十嵐先生だけです。
F倉さんは3年間、部長としてどれだけ見えない努力と労力と犠牲を払ってきたのでしょうか。それを思うとわたしは涙が出てきます。
受けたダメージは一生涯に渡って付きまとう気がします。忘れたはずでも、ふとした瞬間に思い出し、忸怩たる想いを持ち続けることでしょう。
それは年齢を重ねれば重ねるほど「あの時、わたしは、、、、」と後悔の念として押し寄せてきます。
わたしごとですが、たまに「あの時、挑戦しておけばよかった」って思い出すことがありますから。
彼女は4年後、母校へ教育実習生として訪問し和解したと書いてあります。
逆に言えば「4年もかかっているのです」その間、彼女は他のメンバーと連絡は取り合っていたのかは不明です。
「裏切られた」「アメリカへ行かなかった」彼女の心を察すると胸が痛くなります。
わたしだったら絶対に五十嵐先生を許せないと思います。わたしだったらです。
心の傷はかさぶたと同じで、ジュクジュクしたり、乾いたりしますが、たやすく剥がされます。
F倉さんは結果としてCA(キャビン・アテンダント)として活躍しています。
彼女がCAになる動機付けしたのは五十嵐先生となっています。
2007年11月、日本航空のチアダンスチーム『JAL』と『JETS』の合同練習の際、五十嵐先生がF倉さんに「ブンも将来、キャビンアテンダントになるんだぞ」の一言で導かれたようです。
その後、大学へ進学したF倉さんは真面目に勉学に励みCAの試験に合格します。わたしの勝手な予想ですが、意地もあったんじゃないでしょうか。
それと師匠である五十嵐先生を「振り向かせたい」もあったのかもしれません。
今は『JETS』の教え通り「明るく、素直で、美しい」笑顔で活躍されていることを願うばかりです。
門脇麦さん、小松菜奈さんの青春映画
ブスと言われますが飛びっきりの笑顔の女性です
N川さんは本映画の主人公です。広瀬すずさんが本当に可愛いですね。
劇中、早乙女薫子(天海祐希)から「前髪あってもブスはブス」と言われますが、実際の広瀬さんがとても可愛いので、笑えません。
それで、N川さんはと言うと、ネットで実際のお顔がありますが、とても可愛らしい女性です。
著書の中で五十嵐裕子先生は彼女を初めて見たとき「一番入って欲しくない生徒、入ってくると厄介だな」と感じたそうです。
なぜなら、当時のN川さんは口角がへの字のように下がっている不満顔だったからだそうです。
これは映画とは違いますね。映画では「あなたは笑顔だけは良い、笑顔しかない」と言っているからです。
ただその後のN川さんは笑顔の猛練習を行い“ミス福井商業”を獲得したそうです。
それと映画の中で広瀬さんは足を怪我して裏方に回りますが、実際に怪我をしたのはF倉さんです。
上述したように彼女はアメリカへ行きません。
でも映画では怪我をして復活した広瀬すずさんがセンターで踊って優勝します。
この辺りはやはり映画的な演出を施したのでしょう。さすがに怪我をしたからセンターから外すでは映画として夢がありません。
五十嵐裕子先生と「JETS」の全米への道のり年表
2004年4月
・五十嵐先生 福井商業高等学校赴任 バトン部顧問
2005年11月
・全日本チアダンス選手権大会出場(初)
2006年1月
・ゴリエ杯全日本チアダンス選手権 名古屋予選出場
2006年4月
・新体制スタート 初代JETS入部
・改めて「アメリカで優勝」「オールバック(おでこ全開)」「校則を守る」「恋愛禁止」宣言をする。
・2・3年生が全員退部。保護者会、教育委員会を巻き込む大騒動。
2006年6月
五十嵐裕子先生、前任校の同窓会でかつての問題児・高須マミに再会。「先生の良さは卒業してからじゃあないとわからない」と言われ勇気が出る。
2006年9月
・前田千代コーチのレッスンスタート
2006年10月
・「日誌事件」勃発 「これ以上、書けない、忙しいすぎる」JETSメンバーの悪口を聞いて五十嵐先生はショックでトイレで号泣。メンバーからの手紙で「オールバック」「お金」「人の意見を聞いて」と懇願されるも一切、受け入れず。
2006年11月
・全日本チアダンス選手権大会 予選通過
2007年1月
・USAリージョナルス 名古屋大会2位
2007年3月
・USAリージョナルス初出場 ソングリーシングポンポン部門12位
2007年4月
・2代目JETS入部
2007年6月
・ミスダンスドリルチーム 東海予選大会 POM部門2位
2007年7月
・ミスダンスドリルチーム 日本大会出場 POM部門最下位
2007年11月
・全日本チアダンス選手権大会出場 本戦出場 ポンポン高校生部門7位
2008年1月
・USAリージョナルス 愛知大会2位
2008年3月
・USAリージョナルス ファイナル初出場 ソングリーシングポンポン部門9位
2008年4月
・3代目JETS入部
・5月、F倉さん、膝の手術受ける。五十嵐先生から「ブンが躍りで引っ張る時代は終わった」発言にショックを受ける。
2008年7月
・ミスダンスドリルチーム日本大会 ダンス部門4位 ベストロールプレゼンテーション賞初入賞
2008年8月
・「ペットボトル事件」F倉さんと五十嵐裕子先生の喧嘩(N川さんとも小競り合い)
2008年9月
・全日本チアダンス選手権大会 関西大会 2・3年生チアダンス部門優勝
・1年生ポンポン部門優勝
2008年11月
・全日本チアダンス選手権大会 チアダンス部門3位
2008年12月
・「ビンタ事件」F倉さんが退部することに腹を立てた五十嵐裕子先生がほっぺたをビンタする。以後、二人は断絶。
2009年3月
・全米チアダンス選手権大会 チームパフォーマンス部門優勝
映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』の評価・結末
「この先生に付いて行こう」と思わせる先生
本映画の本当の主人公は早乙女薫子(天海祐希)のモデルとなった五十嵐裕子先生です。福井県立福井商業高等学校チアリーダー部JETSの顧問です。もはやカリスマです。
福井にこの人あり!です。
「完全に鬼です」ここまで鬼に徹しなければ、いや徹したからこそ、全米制覇できたのです。
そして五十嵐先生に反目しながら付いていった生徒たちも立派だったと思います。
では、なぜ五十嵐先生がチアダンスに目をつけたのかを探っていこうと思います。また映画では語られていない本当に事実もご紹介したいと思います。
フランスの金八先生
赴任先での失意と挫折
五十嵐裕子さんは福井県出身です。福井大学教育学部を卒業されて教員となります。
最初に赴任した高校は県立の農業高校です。生徒指導も担当しています。
生徒たちから「クソババア」「うざい」と言われます。
他の教職員ともうまく行きません(彼女は若かったから)ここで暗澹とした11年間を過ごし自ら異動届を出して福井県立福井商業高等学校へ移ります。
ここからが“JETS伝説”が始まります。
五十嵐さんの苦悩と挫折と達成が描かれた本やネットでのインタビュー記事を読みましたが、映画では知り得ないことがたくさん書かれています。
そちらを読むとさらにこの映画『チア☆ダン』の隠された物語に心を打たれます。
金八先生に憧れた少女時代「あんな先生になりたい」
その前になぜ五十嵐さんが教員になったかについて書きたいと思います。まず五十嵐さんの生まれ1968年です。これ結構、重要です。
彼女が中学・高校生時代に放送されていたテレビドラマに多大な影響を受けたそうです。
『三年B組金八先生』と『スクール・ウォーズ』です。
今ではなかなか放送できないような演出が多いドラマですが、当時は日本中の若者を熱狂させたそうです。
わたしもネットなどで見たことがありますが、結構“熱い”先生たちです。びっくりします。
平気で生徒を殴っています。怒鳴っています。強要しています。
いやあ、当時はあんな先生たちで溢れていたのが信じられません。今だったら完全に「アウト!」です。
ハラスメントで、「ファイアー(首)」です。
映画『チア☆ダン』を観ると五十嵐先生役の早乙女薫子(天海祐希)もギリギリです。
厳しいのはわかっていますが、「ハラスメント」と言っても良いくらいの指導です。
「大人たちの影響で子供が成長していくのが素晴らしい」を体現したい
ネットなどでお顔を拝見するととても凛として笑顔がステキな女性なので、とても鬼には見えません。YouTubeではソバージュヘアーの美しい姿も拝見できます。本当に綺麗です。かっこいいです。
それでこのドラマを見て、五十嵐先生は「わたしもドラマや映画に出てくるような大人になれたら良いなあ」と思うようになります。
その根底にあるのは「大人たちの影響で子供が成長していくのが素晴らしい」「夢は叶う」「人は変われるんだ」という思いを強めたそうです。
そして教員になるために福井大学の教育学部へ歩を進めるのです。
レオニーの青春はどこへ向かう?
「先生の良さは卒業してからじゃあないとわからない」
福井大学を卒業されて初めて赴任のが県立の農業高校です。
バブル後という不安な時代の影響もあったのでしょうが、「行儀が悪い、ルールも守れない、犯罪を行う生徒」などもいて、心を痛めたそうです。
五十嵐さんは多くの経験と挫折を味わったそうです。大学で習う授業と現実のギャップにも苦しみました。
11年も教師として打ちのめされた日々が続きました。でも裏を返せばこの農業高校での経験があったからこそ、五十嵐さんもJETSも偉業を達することができたと言えます。
また農業高校時代に窃盗をした生徒がいて、その中の一人マミという子は高校を辞めます。最も相性の悪かった生徒です。
でも数年後再会してマミから「先生の良さは卒業してからじゃあないとわからない」と言われ勇気が出ます。
そして諦めかけていた「アメリカ」への気持ちを奮い立たせることになります。
このエピソードは良いですね。マミさんが素晴らしく成長したのが目に浮かびます。
松岡茉優さん絶賛演技
やりたいことのために「日々、努力する」ことが大事
実際、五十嵐さんのインタビューや円山夢久著書の本を読みますと「かなり押しが強い」「絶対に曲げない」「思い立ったら即行動」「人の意見は聞かない」のがよくわかります。
自分が正しいと思ったことは失敗してでもやり通すという指導に生徒も自身も傷つき、それが重荷となって、教師として“不登校”寸前までなったこともあるそうです。
映画を観ていると確かにその片鱗は伺えます。
自分の決めたことを生徒に一方的に押し付ける場面です。「前髪禁止」「オールバック(おでこ全開)」「制服はミニ丈NG」「恋愛禁止」そして「夢ノート」等々。
これだけやれば全米大会で優勝できる!と言ってのけます。
いやあ、すごいですね。確かに古き良き時代の熱血教師と言ったら聞こえはいいですが、女子高生ですよ。
福井県民の気質も後押しした
女子高生に「オールバック、前髪禁止」はきついでしょ。おでこ全開も恥ずかしいって思っちゃいますよね。
でも、生徒たちはこんな鬼先生についていくんですよ。
これ、五十嵐先生についていった理由はもちろんカリスマ性もあったと思いますし、生徒たちが“純粋”だったという理由が一番大きいと思います。
素直な子たちだったと思うのです。これは福井という地域的なことに関係すると思います。県民性による力は大きいと思います。
以下、福井県民の気質です。
社長が多い
倹約家
商人気質
保守的
勤勉
成功を求める
共働きが非常に多い
中でも「忍耐強い」と「成功を求める」気質が五十嵐さんと生徒を強く結びつけたと思います。
偶然テレビで観た女子高生のチアダンスに衝撃を受けた
さて、農業高校で11年間勤務しその後、異動届を出して本映画の舞台である福井県立福井商業高等学校へ移ります。
異動願いを出したのが2004年の1月で、決まったのが2月でした。それまではチアダンスのことなど全く知らなかったそうです。
何気なくテレビを見ていると、神奈川県立厚木高等学校ダンスドリル部IMPISHが、全米チアダンス選手権大会で日本人初の優勝を決めたことを伝えるニュース映像でした。
その映像に衝撃を受けました。
今まで五十嵐さんが見てきた女子高生とは真逆で、爽やかで活気に溢れており、全身からエネルギーが満ち溢れているのが伝わってきたそうです。
「こんな素晴らしい女子高生がいるのか」と感動したのです。
しかも厚木高校は県立高校です。
この瞬間、五十嵐さんの中でビッグバンが起きたのです。「次の赴任先では絶対にダンスをやる」と。
五十嵐先生の快進撃が始まる「夢は叶う」「人は変われる」
さあ、ここから五十嵐さんの快進撃が始まります。
その前に五十嵐さんの教員としてのポリシーを明記します。
「夢は叶う」「人は変われる」です。
この信念を持ち続けることで、夢を現実に引き寄せることが可能だということを生徒たちに伝えているのです。
良いですか、「夢は叶う」のです。「人は変われる」のです。「なりたい自分」に向かう努力をしてほしいと言っています。
うーん、とても教員らしいポリシーだと思います。
わたしも高校時代にやたら「夢を持て」を連発する先生がいて、ある日先生に尋ねたことがあるんです。「先生の夢はなんですか?」って。
そしたら無言になってしまって、答えられなかったんです。その時「夢のない奴が気安く言うな」って思っちゃいました(ごめんなさい、わたしひねくれてました)
「夢」って言葉は曖昧だから美しいのです
教育関係者にとっては「夢」って言葉ほど便利なものはないです。それは曖昧なワードだからです。
漠然と良い世界を誰でも描けるからです。
わたしの先生には夢がなかったから付いていかなかったけど、もし五十嵐先生のような明確な、いや“強引すぎる夢”を持っている先生に出会っていればわたしの人生の大きく変わったのかもしれません。
お母さんが先生
伝統ある高校「ゼロ」からの挑戦
さて、話を戻します。2004年4月に福井商業高等学校に移ります。
福井商業高等はスポーツも盛んで、中でも野球部が甲子園に出場するほどの実力を持っていました。部活の指導教員も実績十分な人たちばかりです(超有名な人ばかり!)
ここで五十嵐さん部活を応援するバトン部に目をつけます。当初は別の部活の顧問の予定でしたが、バトン部への顧問をお願いしたそうです。
最初の2年は地固めをして、3年目に「JETS」を作りました。
ここでも五十嵐さんは戦っています。いや「挑戦」しています。伝統あるバトン部です。
それをチアリーダー部に変えるのは当然のことながら猛反対を受けます。
生徒保護者も同僚もみんなからです。部員の退部も続出します。
そして遂に三年後に新入生だけでチアダンスのチームを作ることにこぎつけたのです。
二年生、三年生はほぼ強制退部に近いです。彼らと一年生は隔離したそうです。
これって結構なエネルギーを要すると思うのですよ。絶対に折れなかった、譲れなかった、いや負けなかったという不屈の精神がないとできないことだと思います。
何故ならば、教員の世界というのは社会の中でも閉鎖された組織です。“出る杭は打たれる”可能性が高いのです。
しかも教員の世界には出身大学によって大きな派閥も存在するのは周知の事実です。福井県でも同様ですから、五十嵐さんが自分を押し出して突き進んだことに違和感を覚えた教職員も多いはずです。
そして父兄からの反発は相当強かったと思います。足を引っ張ろうとした人たちに負けずに奮闘した姿を想像すると涙腺が緩むのです。
本映画『チア☆ダン』を観ているとそのバックグラウンド見えてきて泣けてくるのです。
あなたたちは「JETS」ジェット噴射のように
命名の由来はジェット噴射のように力強く、成長速度も勢いがあり、上手い、さらにチームワークも良くなる、という願いがあるそうです。
ただ、本当にアメリカへ行って全米チアダンス選手権で優勝するためには規律あるチームと人間性が求められます。
五十嵐先生はダンスの指導はしません。いえ、出来ません。
その代わり、一流の先生を呼んできます。
ですから部活をサボったり、約束を守れない人は問題外であり、厳しく指導したそうです。そりゃあ、そうでしょう。
多忙で一流のダンスの先生がわざわざ福井まで来るわけですから。
以下続く。
映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』のキャストについて
友永ひかり(広瀬すず)
玉置彩乃(中条あやみ)
紀藤唯(山崎紘菜)
東多恵子(富田望生)
永井あゆみ(福原遥)
山下孝介(真剣佑)
村上麗華(柳ゆり菜)
矢代浩(健太郎)
絵里(南乃彩希)
大原櫻子
大野陽月華
ひかりの父(木下隆行)
多恵子の母(安藤玉恵)
教頭先生(緋田康人)
校長先生(きたろう)
早乙女薫子(天海祐希)
まとめ 映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』一言で言うと!
「生まれてきたからにはやりたいことやり尽くせ!」
「面白きことぞなき世を、面白く心なりけり」と言ったのは高杉晋作だったと思います。まさにこの言葉のいう通りの映画だと思います。「夢は叶う」「人は変われる」良い言葉です。つまり日々、目標を持って生きることが大切だってことですね。
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とても切ない青春映画です
映画『コクリコ坂から』
夢も希望のあった1960年代の高校生が羨ましい
映画『思い、思われ、ふり、ふられ』
なんとも言えない高校生の恋愛事情
映画『君が世界のはじまり』
等身大の高校生を描いている作品ではないか!
映画『カセットテープ・ダイアリーズ』
パキスタン移民であり英国国籍の作家の青春物語
映画『WAVES ウェイブス』
「誰か助けてあげてよ!」と叫んでしまった映画
映画『翔んだカップル』
本作で薬師丸ひろ子は女優の道を進む決心をした映画
映画『ルース・エドガー』
両親には感謝しているけど、、、、
『君の名は。』
ある日、突然高校生が入れ替わった
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
未来へ戻るためにマーフィーは駆け抜けます
映画『チアダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』
青春のすべてをダンスにかける!
映画『ラストレター』
高校生で母を自殺でなくすなんて、、、
映画『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦』
おバカさん映画ですが、、、、
映画『秒速5センチメートル』
かなり重たい気持ちになりますが、、、
映画『ブレス あの波の向こうへ』
サーフィンと青春と友情の果ての“恋愛”
映画『キューポラのある街』
吉永小百合さんが可愛すぎる
映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』
高校生がスパイダーマンになった日
『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
タイの高校生のお受験事情
映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
河合勇人
脚本
林民夫
企画プロデュース
平野隆
プロデューサー
辻本珠子 下田淳行
共同プロデューサー
前田菜穂 原公男
ラインプロデューサー
及川義幸
撮影
花村也寸志
照明
永田英則
美術
金勝浩一
装飾
湯澤幸夫
録音
小松崎永行
編集
瀧田隆一
音楽
やまだ豊
主題歌
大原櫻子
挿入歌
大原櫻子
音楽プロデューサー
桑波田景信
チアダンス振付・指導
前田千代
VFXスーパーバイザー
小坂一順
スクリプター
杉本友美
助監督
李相國
制作担当
高瀬大樹
友永ひかり(広瀬すず)
玉置彩乃(中条あやみ)
紀藤唯(山崎紘菜)
東多恵子(富田望生)
永井あゆみ(福原遥)
山下孝介(真剣佑)
村上麗華(柳ゆり菜)
矢代浩(健太郎)
絵里(南乃彩希)
大原櫻子
大野陽月華
ひかりの父(木下隆行)
多恵子の母(安藤玉恵)
教頭先生(緋田康人)
校長先生(きたろう)
早乙女薫子(天海祐希)
2017年製作/121分/G/日本
配給:東宝