映画『オフィシャル・シークレット』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『オフィシャル・シークレット』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『オフィシャル・シークレット』
(112分/G/イギリス・アメリカ合作/2019)
原題『Official Secrets』
【監督】
ギャビン・フッド
【製作】
ジェド・ドハーティ エリザベス・フォウラー メリッサ・シュ・ツオ
【製作総指揮】
マーク・ゴードン マット・ジャクソン サラ・スミス ギャビン・フッド
クローディア・ブリュームフーバー アン・シーアン ヒューゴ・ヘッペル
【脚本】
サラ・バーンスタイン グレゴリー・バーンスタイン ギャビン・フッド
【撮影】
フロリアン・ホーフマイスター
【出演】
キーラ・ナイトレイ
マット・スミス
マシュー・グード
リス・エバンス
アダム・バクリ
レイフ・ファインズ
コンリース・ヒル
インディラ・バルマ
ジェレミー・ノーサム
ジョン・ヘファーナン
マイアンナ・バーリング
ハティ・モラハン
【HPサイト】
映画『オフィシャル・シークレット』公式サイト
【予告映像】
映画『オフィシャル・シークレット』トレーラー
映画『オフィシャル・シークレット』のオススメ度は?
星4つです
アメリカとは?
イギリスとは?
イラク戦争はなんだったのか?
その時日本は?
勇気ある女性の告発
正義とはなんだ!
映画『オフィシャル・シークレット』の作品情報・概要
『オフィシャル・シークレット』原題『Official Secrets』2019年に公開された米英合作のサスペンス&内部告発映画である。『ツォツィ』のギャヴィン・フッド監督作品。主演は『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』『コレット』のキーラ・ナイトレイ。本映画はマルシア・ミッチェルとトーマス・ミッチェル書いた『The Spy Who Tried to Stop a War』を元に製作された。
映画『オフィシャル・シークレット』のあらすじ・ネタバレ
イギリス諜報部GCHQに勤務するキャサリン・ガン(キーラ・ナイトレイ) は多国語を習得しており、重宝されている。仕事は平和的な諜報活動となる。夫はイラクからの迫害から逃れてきたクルド人。ある日、アメリカの諜報機関NSAから極秘メールが届く。内容はイラク戦争開戦を有利にするために非常任理事国の代表者を盗聴せよ、という内容であった。正義心に駆られたキャサリンはメールを持ち出しマスコミにリークすることを決意する。しかしその文書を新聞社が校正したことで大問題で逆にデッチ上げだと叩かれる。そしてGCHQから厳しい犯人探しが始まる、、、、。
映画『オフィシャル・シークレット』の感想・内容
勇気ある女性キャサリン・ガンを描いた映画
とても勇気ある女性を描いた映画です。国家とか巨大権力にたった一人で立ち向かう気持ちってどういうものなのでしょうか。
わたしのような小さな人間はそんな想像をするしかありません。もしわたしが本映画『オフィシャル・シークレット』のキャサリン・ガン(キーラ・ナイトレイ) であったのならどういう行動をとったのかと考えてみましたが、わたしは「へなちょこ」なので傍観すると思います。
もちろん、感覚では悪いことと認識していますが、「長い物には巻かれろ」体質に嘘はつけず、理論的に自分自身を納得させるのでしょう。
今年一番の邦画ヒット作品はなんとホラー!
イギリス諜報機関GCHQで働くこととは
さて本映画『オフィシャル・シークレット』は国家権力の不正というか謀略をリークした女性の物語です。
実在の人物・キャサリン・ガンが起こした“キャサリン・ガン事件”をモチーフに映画化されています。彼女は存命で夫の故郷であるトルコで暮らしているそうです。
キャサリンはイギリスの諜報機関GCHQで働いていました。語学が堪能で中国語、日本語など数カ国語を操ります。
幼少時は台湾で暮らしており、成人してからは広島で英語の教員をしていたそうです。
本来は研究者への道へ進みたかったのですが、空きが無く、GCHQで諜報活動に従事することになりました。
中島みゆきさんの楽曲に乗って大ヒット!
アメリカ諜報機関NSAからのメールは「盗聴」指令だった
もちろん諜報活動と言っても平和目的のものだったと思います。
しかし2003年のある日、アメリカの諜報機関NSAからのメールに驚きます。イラクを攻撃するための違法な工作活動を命令する内容でした。
国連の非常任理事国の代表たちを盗聴するものです。彼らが戦争を支持するかしないかを突き止めることで「戦争突入」への弾みをつけるためです。
このメールを読んだキャサリンは激しい憤りを覚えます。そしてマスコミにリークする決意をします。
文書を自身のフロッピーディスクにコピーして持ち帰り、プリントアウトしてポスト投函します。
宛先は反政府活動家のイボンヌ・リドリー(ハティ・モラハン) です。彼女を通してオブザーバー紙のマーティン(マット・スミス)に渡ることになります。
そして新聞で掲載されると大騒ぎになります。しかしここで問題発生です。
アメリカ表示のフォントではなくイギリス表示のフォントで印刷されていたことから偽物と断定されます。
どうやら編集部が校正を行い、イギリスで使用されるフォントに変換されていたのです。
毒親って最低の人間です
国家に忠誠した人間が内部機密を漏らしたことは罪なのか否か?
しかしGCHQでは犯人探しが始まります。連日連夜、キャサリンも同僚たちも厳しん尋問を受けます。
あまりの厳しさに皆が根をあげます。キャサリンは同僚が辛い目に遭うのが耐えられなく「わたしがやった」と名乗り出ます。
実は物語の本題はここから始まって行きます。国家に忠誠した人間が内部機密を漏らしたことは罪が罪ではないのか、ということです。
結果的にキャサリンは無罪放免となります。
でも詳細な裁判は行われないままの結審です。つまり国家は「臭いものに蓋をしろ」でそれ以上の追求をやめたのです。
それは裏を返せば「盗聴メール」が本物であった証拠となります。
映画『オフィシャル・シークレット』の結末・評価
ブッシュとブレアの悪党ぶりに驚きを感じる
本映画『オフィシャル・シークレット』を観て、改めてブッシュの悪党、いや大悪党ぶりに驚きました。それに追随したブレアも悪党です。
作られた「イラク戦争」へ向かう様を描いた映画に『バイス』と『記者たち 衝撃と畏怖の真実』があります。こちらと合わせて観ると、アメリカとイギリスがどれだけ酷い国かが見えてきます。
イラク戦争で争点となっていたのはイラクが大量破壊兵器を持っており、人類最大の敵であるいうことです。でも実際は持っていませんでした。
こんな良い時代がありました
イラクの大量破壊兵器保有をデッチあげた結果のイスラム国
アメリカとしては9.11全米同時多発テロの温床をイラクのフセインにするための大義名分作りとして大量破壊兵器保有をデッチあげたのです。
2年かけてのシナリオだったのです。もちろん、世論もブッシュとブレアを信じました。
そしてイラク戦争が勃発して、罪の無い多くの人が亡くなることになりました。その後のイラクは混乱しイスラム国を建国する首謀者たちが生まれます。
そしてその首謀者たちがテロ活動を行なっている現在につながっているのです。
国家権力に対して映画製作するフィルムメーカーの勇気
もう20年近く前の話と言えど、この事件を映画化する勇気に敬服します。
アメリカは国家として多くの問題がありますが、他国は声を上げられません。アメリカに依存しているからです。わが日本とて同じです。
でもアメリカもイギリスもこうした国家の過ちを映画にするフィルムメーカーがいることが救いだと思うのです。
中国やロシアではまずできないでしょう。日本も同じ。
一昨年『新聞記者』が公開されて賛否両論されました。とても勇気ある作品だったと思いますが、もう少し突っ込んで欲しかったのが本音です。
本丸が出てきませんでした。
酔っ払いオヤジが飲み屋で「戦争は最大のビジネスだ」などと知ったかぶりでほざいているのを見たことがあります。
オヤジは戦争で利益を得ることで「われわれに恩恵がある」と正当化していますが、全く理解不能です。
人を傷つけ、命を奪い、街を破壊して得た利益など欲しくはありません。
おそらくこの映画のモデルのキャサリン・ガンを動かしたのは本当に純粋な正義感からだった思います。
彼女はこう言っています。「わたしは国家に雇われたのではない、国民に雇われたのだ」と。素晴らしい名言です。
反戦映画の最高傑作!
映画『オフィシャル・シークレット』のキャストについて
キャサリン・ガン(キーラ・ナイトレイ)
マーティン・ブライト(マット・スミス)
ピーター・ボーモント(マシュー・グード)
エド・ブリアニー(リス・エバンス)
ヤシャル・ガン(アダム・バクリ)
ベン・エマーソン(レイフ・ファインズ)
ロジャー・アルトン(コンリース・ヒル)
ジャミ・チャクラバティ(インディラ・バルマ)
ケン・マクドナルド(ジェレミー・ノーサム)
ジェームス・ウェルチ(ジョン・ヘファーナン)
ジャスミン(マイアンナ・バーリング)
イボンヌ・リドリー(ハティ・モラハン)
まとめ 映画『オフィシャル・シークレット』一言で言うと!
「正義が勝つとは限らない」
小さい頃は「正義は必ず勝つ!」って学校でもテレビでも言っていました。実際、テレビの刑事物では必ず警察が悪人を逮捕しました。でも大人になって、いざ社会人になると「正義って弱いじゃん」って思う場面を何度も経験しました。時には不正に目を瞑ったこともあります。もし不正を暴露しようもんなら、自身の首が飛び、生活も路頭に迷うからです。本映画『オフィシャル・シークレット』のキャサリンは本当に素晴らしい人だと思いました。それに比べて世界のリーダーと呼ばれる人たちの悪党ぶりには怒りすら感じます。そして彼らは今でも「英雄」面しています。勝てば正義ってことですか。
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映画『この世界の片隅に』
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映画『田園の守り人たち』
愛する男たちは戦争にとられてしまった
映画『オフィシャル・シークレット』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ギャビン・フッド
製作
ジェド・ドハーティ エリザベス・フォウラー メリッサ・シュ・ツオ
製作総指揮
マーク・ゴードン マット・ジャクソン サラ・スミス ギャビン・フッド クローディア・ブリュームフーバー アン・シーアン ヒューゴ・ヘッペル
脚本
サラ・バーンスタイン グレゴリー・バーンスタイン ギャビン・フッド
撮影
フロリアン・ホーフマイスター
美術
サイモン・ロジャース
衣装
クレア・フィンレイ・トンプソン
編集
ミーガン・ギル
音楽
ポール・ヘプカー マーク・キリアン
キャサリン・ガン(キーラ・ナイトレイ)
マーティン・ブライト(マット・スミス)
ピーター・ボーモント(マシュー・グード)
エド・ブリアニー(リス・エバンス)
ヤシャル・ガン(アダム・バクリ)
ベン・エマーソン(レイフ・ファインズ)
ロジャー・アルトン(コンリース・ヒル)
ジャミ・チャクラバティ(インディラ・バルマ)
ケン・マクドナルド(ジェレミー・ノーサム)
ジェームス・ウェルチ(ジョン・ヘファーナン)
ジャスミン(マイアンナ・バーリング)
イボンヌ・リドリー(ハティ・モラハン)
2019年製作/112分/G/イギリス・アメリカ合作
原題:Official Secrets
配給:東北新社、STAR CHANNEL MOVIES