『ホワイトハンター ブラックハート』
映画『ホワイトハンター ブラックハート』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ホワイトハンター ブラックハート』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『ホワイトハンター ブラックハート』
(1990年製作/アメリカ)
原題『White Hunter Black Heart』
【監督】
クリント・イーストウッド
【脚本】ピーター・ビアテル ジェームズ・ブリッジス バート・ケネディ【原作】ピーター・ビアテル【製作総指揮】デビッド・バルデス【製作】クリント・イーストウッド【撮影】ジャック・N・グリーン【音楽】レニー・ニーハウス【製作編集】ジョエル・コックス【字幕】細川直子
【出演】
クリント・イーストウッド
ジェフ・フェイヒー ジョージ・ズンザ アラン・アームストロング マリサ・ベレンソン エドワード・チューダー=ポール
【HPサイト】
映画『ホワイトハンター ブラックハート』IMDbサイト
【予告映像】
映画『ホワイトハンター ブラックハート』トレーラー
- 映画『ホワイトハンター ブラックハート』のオススメ度は?
- 映画『ホワイトハンター ブラックハート』の作品情報・概要
- 映画『ホワイトハンター ブラックハート』のあらすじ・ネタバレ
- 映画『ホワイトハンター ブラックハート』の感想・内容
映画『ホワイトハンター ブラックハート』のオススメ度は?
星3つ半です
映画監督は常人ではできません
常軌を逸している人の職業?
クリント・イーストウッドは常識人と言われてます
動物狩猟に夢中になってしまう映画監督
映画『ホワイトハンター ブラックハート』の作品情報・概要
『ホワイトハンター ブラックハート』原題『White Hunter Black Heart』1990年に公開されたアメリカ映画。製作・監督・出演はクリント・イーストウッド。アメリカ映画界の巨匠・ジョン・ヒューストン監督が映画『アフリカの女王』の撮影で訪れた際の奇行蛮行を同作品の脚本家ピーター・ヴィアテルの体験から描かれている。ヴィアテル本人も脚本執筆している。ジェフ・フェイヒー、ジョージ・ズンザ、アラン・アームストロング、マリサ・ベレンソン共演。ホワイトハンター ブラックハートは「白人のハンターは悪魔の心」となります。
映画『ホワイトハンター ブラックハート』のあらすじ・ネタバレ
アメリカ映画史において、名作を次々と発表しているジョン・ウィルソン(クリント・イーストウッド) 監督は名匠と知られていた。次作の映画のアイデアも豊富で、アフリカで全編の撮影を行うという壮大な企画を持っていた。脚本家のピート・ヴェリル(ジェフ・フェイヒー) が訪ねた際も、「アフリカへ行こう」意気揚々としていた。しかし予算もスケジュールもほぼ空白。プロデューサーのポール・ランダース (ジョージ・ズンザ) の心配は募るばかり。おまけに脚本も未完成。しかし出演俳優だけは決まっているという停滞楽。元来、破天荒で豪放磊落のジョンに誰も逆らえずアフリカ行くことになった。しかしいざアフリカへ来てみると、ジョンは動物がりに熱中するばかりで脚本執筆が進まない。特に象狩りへ好奇心が抑えられない。共同脚本家のピートは物語のラストの変更を提案するが、ジョンは一向に聞き入れない。そしてキャストがアフリカに到着しても、象狩りに熱中すて撮影に入らない日々が続く。そんなある日、事件が起きる。
映画『ホワイトハンター ブラックハート』の感想・内容
今でこそクリント・イーストウッドは実話映画をたくさん撮っていますが、本映画『ホワイトハンター ブラックハート』は『バード』に続いて2作品目の実話物語です。しかも1990年のクリント・イーストウッドは本映画『ホワイトハンター ブラックハート』と『ルーキー』の二本を相次ぎ発表しています。前者が1990年9月14日で、後者が1990年12月7日に全米公開となっています。これ自体が信じられないスケジュールなんですが、1992年には映画史に残る名作『許されざる者』を発表しているのです。これはどう考えても超人的な能力がないと出来ない荒技です。更に驚くのは1993年に『ザ・シークレット・サービス』と『パーフェクト ワールド』を撮っているのですよ。勢いがあるのです。つまりこのことから1990年から1993年までのクリント・イーストウッドは一番アクティブであり、監督業としての頂点を目指していたことが想像できます。
高倉健さんの「動物愛」が伝わってくる
さて、本映画『ホワイトハンター ブラックハート』のクリント・イーストウッドは製作・監督・主演を兼ねています。主人公のジョン・ウィルソン(クリント・イーストウッド) は実在の人物です。アメリカ映画を代表する映画監督・ジョン・ヒューストンです。彼が監督した映画『アフリカの女王』の撮影時のエピソードを描いた作品です。ここに注目して欲しいのです。クリント・イーストウッドが初めて演じる「映画監督の役」なのです。自身の映画人生を再確認しているかのようです。ジョン・ヒューストン監督の逸話は枚挙に遑がないと言われています。かなりの豪放磊落な性格で、良い言い方をすれば「自分の信念を通す」となりますが、他者から見れば「自分勝手な人」となります。映画『アフリカの女王』の主演女優のキャサリン・ヘプバーンは後に『アフリカの女王とわたし』を出版してヒューストンを批判しています。
さて、そんなヒューストンをクリント・イーストウッドはどんな風に演じていたのでしょうか。正直言って「クリント・イーストウッドがハンサムすぎる」ので、今ひとつ豪快な男というイメージが湧かないのです。ちょっと勿体無いです。おそらくですが、ジョン・ヒューストンはクリント・イーストウッドの憧れに近い監督だったと思うのです。ヒューストンは監督と脚本に定評がありました。製作はあまり行なっていません。一方、クリント・イーストウッドは製作と監督ならびに主演には積極的です。しかし脚本は書いていません。この脚本を書くという作業は本当に重労働なのです。高い創造性がないと書けないでしょう。ひょっとしたらクリント・イーストウッドは脚本を書かないことにコンプレックスを持っていたのかもしれません。何故ならば、本映画『ホワイトハンター ブラックハート』の中でジョン・ウィルソン(クリント・イーストウッド) は共同脚本家のピート・ヴェリル(ジェフ・フェイヒー) と映画の結末について異論を交わし合います。ヒューストンが脚本家としても優秀であったことが伺い知れます。でも、映画の結末はピートのアイデアの方が良かったと折れるのです。ここも意味深いです。「絶対に自分を曲げない男」が相手のアイデアを認めるところです。
「動物」の気持ちがわかる少年
映画『ホワイトハンター ブラックハート』の考察・評価
さて本映画『ホワイトハンター ブラックハート』を観ていると、クリント・イーストウッドとジョン・ヒューストンは真逆の人物であるような気がしてくるのです。ワンマンで自分を貫く男・ヒューストンに対して、みんなの意見を取り入れて映画企画と通す男・クリント・イーストウッドとなります。クリント・イーストウッドは早くから自分のプロダクションであるマルパソ・プロダクションを設立しています。1968年からです。このプロダクションのスタッフが本当に優秀だという話は聞きます。特にスケジュール管理です。スタッフがアイデアを出して、「クリント・イーストウッドの次作はどうするのか」を絶えずミーティングしているそうです。もちろん、クリント・イーストウッドのアイデアもあると思いますが、スタッフが提案して、興行が成功するのであれば、製作する権利を抑えるようになっています。例えば映画『運び屋』などは新聞に載った小さな記事から映画化権を抑えての製作となっています。「いつどこに、面白い話がある」のかを、鼻をクンクンさせながら探していると思います。もちろん、アメリカのフィルムメーカーの人たちの特性ですが、実際に映画製作へGOできるのはわずかだと思います。
「動物」と暮らすことは心身ともに健康になること
映画『ホワイトハンター ブラックハート』の結末
さてさて、本映画『ホワイトハンター ブラックハート』を改めて観ると、ちゃんとしたメッセージがあることがわかります。まず差別・偏見問題です。アフリカのレストランを経営している白人が黒人の少年を奴隷のように扱っています。怒鳴り散らしますし、暴行も加えています。更にユダヤ人である脚本家・ピート・ヴェリル(ジェフ・フェイヒー) に対して女性が公然と差別用語を連発します。このどちらもジョン・ウィルソン(クリント・イーストウッド) が助け舟を出します。これはとても良いと思います。とても豪快な男であるが、実は繊細で、人を思いやる心を持っていたと感じます。人間に対してはとても善良です。その反面、動物を狩猟するという残虐性を持った男です。もちろん、現在では動物虐待と糾弾されること間違いなしの狩猟ですが、当時は「勇気ある男の証」だったのでしょう。象狩りに熱中するのです。今では映画の撮影において、動物に危害を加えることはNGです。過去のアメリカ映画の多くは実際に、動物を撃ったりしている作品も多かったでのでしょう。しかしある時期から動物愛護運動が盛んになったことに乗じて、クリント・イーストウッド率いるマルパソプロダクションは、ジョン・シューストンの伝記を描きながら、「動物愛護映画を撮ろう」となったのではないでしょうか。時代を読んでいますね。
「動物」はやっぱり野生に戻りたいのでしょうか
映画『ホワイトハンター ブラックハート』のキャストについて
ジョン・ウィルソン(クリント・イーストウッド)
ピート・ヴェリル(ジェフ・フェイヒー)
ポール・ランダース (ジョージ・ズンザ)
ラルフ・ロックハート(アラン・アームストロング)
ケイ・ギブソン(マリサ・ベレンソン)
Reisserエドワード・チューダー=ポール
まとめ 映画『ホワイトハンター ブラックハート』一言で言うと!
「謙虚な自分でいることは難しい」
ジョン・ヒューストンは生まれも育ちも映画一家だったそうです。小さい頃から、映画が身近にあり、「芸術のためならなんでもオッケー」の体質だったと思います。しかも作品がことごとく当たり、評価されますから、「神輿の上」にいる感覚だったのでしょう。一度、神輿の上に立ってしまうと、中々、わたしたちのような下々の人たちと同じ目線にはならないと思います。謙虚って大事。
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映画『ホワイトハンター ブラックハート』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
クリント・イーストウッド
脚本
ピーター・ビアテル ジェームズ・ブリッジス バート・ケネディ
原作
ピーター・ビアテル
製作総指揮
デビッド・バルデス
製作
クリント・イーストウッド
撮影
ジャック・N・グリーン
音楽
レニー・ニーハウス
編集
ジョエル・コックス
字幕
細川直子
ジョン・ウィルソン(クリント・イーストウッド)
ピート・ヴェリル(ジェフ・フェイヒー)
ポール・ランダース (ジョージ・ズンザ)
ラルフ・ロックハート(アラン・アームストロング)
ケイ・ギブソン(マリサ・ベレンソン)
Reisserエドワード・チューダー=ポール
1990年製作/アメリカ
原題:White Hunter Black Heart
配給:ワーナー・ブラザース