映画『南極物語(1983)』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『南極物語(1983)』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『南極物語(1983)』
(1983年製作/145分/日本)
原題『The Antarctica』
【監督】
蔵原惟繕
【脚本】蔵原惟繕 野上龍雄 佐治乾 石堂淑朗【製作指揮】日枝久【企画】蔵原惟二 角谷優【製作】古岡滉 鹿内春雄 蔵原惟繕【チーフプロデューサー】貝山知弘 田中壽一【プロデューサー】森島恒行 蔵原惟二【撮影】椎塚彰【セカンドパート・カメラマン】田中正博【美術】徳田博【音楽】バンゲリス【録音】紅谷愃一 橋本泰夫【照明】川島晴雄【編集】鈴木晄【助監督】山下稔【スチール】大隅隆章【ドッグトレーナー】宮忠臣【製作コーディネーター】村上七郎【アドバイザー】黒井和男 原正人
【出演】
高倉健
渡瀬恒彦
岡田英次 夏目雅子 荻野目慶子 日下武史 神山繁 山村聰 江藤潤 佐藤浩市 岸田森 大林丈史 金井進二 中丸新将 佐藤正文 坂田祥一郎 志賀圭二郎 内山森彦 川口啓史 市丸和代 スーザン・ネピア チャールス・アダムス 浜森辰雄 大谷進 前島良行 佐山泰三 野口貴史 寺島達夫 大江徹 長谷川初範
【HPサイト】
映画『南極物語(1983)』IMDbサイト
【予告映像】
映画『南極物語(1983)』トレーラー
映画『南極物語(1983)』NHK BSプレミアム放送 2021年月日2月23日(火)午後1時00分~3時24分
2月23日(火)午後1時00分~3時24分
高倉健さんと渡瀬恒彦さんを観る映画です
過酷な南境ロケを行なっています
物語はかなり「創作」しています
フジテレビと学研の番宣と前売り券販売がヒットに繋がった
映画『南極物語(1983)』のオススメ度は?
星2つです
高倉健さんと渡瀬恒彦さんだけを観てください
動物モノ映画は難しいのはわかりますが、、、
かなりの演出が、、、
映画『南極物語(1983)』の作品情報・概要
『南極物語』英題『 ANTARCTICA』1983年公開の日本映画。蔵原惟繕監督作品。映画『新幹線大爆破』や映画『鉄道員(ぽっぽや)』や映画『居酒屋兆治』の高倉健主演。渡瀬恒彦、夏目雅子、荻野目慶子、映画『楽園』や映画『空母いぶき』の佐藤浩市、映画『エデンの海(1976)』1976)』や映画『ホワイト・ラブ』の岸田森らが共演。音楽はヴァンゲリスが担当。南極観測隊の苦難と十五匹のカラフト犬の生への闘いと悲劇を描いている。フジテレビと学習研究社がダッグを組んで製作。配給を東映の岡田茂社長に持ちかけると犬がウロウロするだけで客が来たら、ワシらが苦労して映画撮る必要ないやろ!!」と門前払いされる。テレビ番組の番宣と文部科学省特選を目玉に前売り券を240万枚販売して大ヒットへ繋がる。物語はほぼ創作となっている。書籍、写真集、レコードなどメディアミックスに成功している。木村拓哉主演でテレビ番組も作られる。ディズニーもリメイクした。
映画『南極物語(1983)』のあらすじ・ネタバレ
「南極地域での気象や大気、雪氷、地質、宇宙物理、生物、海洋などの観測を行う」という任務のため第1次越冬隊と15頭の樺太犬が南極に降り立ちました。昭和基地を拠点に様々な調査を行い、成果を上げて行きます。とりわけ潮田暁(高倉健) と越智健二郎(渡瀬恒彦) の二人は犬への愛情が強く、友だちのように接していました。間も無く任務が終わり、第2次越冬隊と交代しなければいけません。南極観測船「宗谷」が迎えに来ていますが、分厚い氷河と嵐に阻まれて上陸できません。燃料も減っています。やむなくヘリを飛ばし、隊員のみ救出します。潮田は「何としても犬を連れて帰りたい」と進言しますが断念。日本に帰国した潮田は大学の講師を辞職します。そして飼い主の元を訪ねる「謝罪の旅」に出ます。それをニュースで知った越智は潮田を訪ねて、第3次越冬隊へ参加して、犬を救出しようと提案します。
映画『南極物語(1983)』の感想・内容
「あの頃のわたしは純粋だったと感じさせてくる映画」です。
子どもの頃、本映画『南極物語(1983)』を観に行った記憶のある方も多いと思います。わたしも行きました。
映画館ではなく、体育館のようなところで鑑賞した記憶があります。それでわたしは見事に「大号泣&大感動」したのです。
人間の都合で犬に命が粗末にされたことに憤りを覚え、友人と語り合ったものです。
子どもですから、南極に置き去りにされた犬たちがクレパスに落ちたり、氷壁から転落したり、シャチに襲われたりする映像は本物だと信じて疑わなかったのです。
よって、犬を置き去りにした越冬隊員に対して、強い怒りを持ったものです。
高倉健さんイメージチェンジ大成功映画!
そして数年後、改めてビデオで観ると「なんて嘘っぽい映画」なのだと気がつかされたのです。
劇中の犬たちはテレビ局の演出によって、危険な場面を撮影して、「いかにも真実のように」編集されていたことを知ったのです。それはそれでテレビ局の手法ですからオッケーとします。
しかし、物語は事実を元に創作されているとわかっても、あまりにも稚拙なのではないかと、今度は製作者たちへの憤りを覚えた記憶があります。
特に本映画『南極物語(1983)』では高倉健演じる潮田暁を悪者のように扱っているのが問題だと感じました。
そして「高倉健さん、謝る必要ないよ」ってツッコミを入れてしまうのです。
こんな切ない後ろ姿を醸すのは「高倉健さんだけ」です
日本の南極越冬隊は本当に行われました。目的は「南極地域での気象や大気、雪氷、地質、宇宙物理、生物、海洋などの観測を行う」となっています。
1956年(昭和31年)文部省の南極観測隊第1次越冬隊が、海上保安庁の運航する南極観測船「宗谷」に乗り南極大陸へ赴きました。
ここで、着目したいのは戦後11年余りしか経っていないのに、南極へ越冬隊を出すほどの復興を遂げた日本の姿です。
あれだけの戦禍を乗り越えて、国際舞台に躍り出ていた事実の方が重要だと思うのです。実際、国際地球観測年の1955年に、日本も南極観測参加の意思を表明しました。
しかし敗戦直後ということから他国の反発がありました。おそらく戦犯というイメージもあったのでしょう。
一度は「資格なし」とされました。しかし、白瀬隊の実績を挙げて「資格あり」と反論したところ、今度は「国際社会に復帰する資格がない」と差別・偏見的で不当な扱いを受けたのです。
しかしながら粘り強い交渉の末、最終日になんとか認められた背景があります。
「高倉健さん」に謝らせてはダメ!
そして本映画『南極物語(1983)』のタロとジロの22頭は、第1次南極観測隊として、南極へ連れて行かれました。
しかし、任務が終わり日本へ連れ帰る予定でした。砕氷船の宗谷の燃料不足などの問題もありましたが、激しい豪雪や氷河が立ちはだかり、上陸が出来ませんでした。
それで犬は置き去りにされたのです。それは映画と同じ事実です。
問題はここからです。犬を南極に置き去りにするのは隊員たちも心苦しかったと思います。
でも、でもですね、犬は最初から「死ぬ運命」を背負って連れて行かれているのです。日本国内の厳しい訓練に耐え抜いた犬だけが選抜されていました。
人間ですら、未知なる南極で命を失う可能性があり、「死を覚悟」しての任務です。
「高倉健さん」脱サラして居酒屋店主も様になっています
映画『南極物語(1983)』の考察・評価
本映画『南極物語(1983)』では帰国した潮田暁(高倉健) が犬を置き去りにした罪悪感を背負って、謝罪行脚に行きます。
犬の育てた家々で、潮田は罵倒されます。でもこれっておかしくないですか。
犬を提供する家あるいはブリーダーは最初から「もう帰ってこない」とわかって提供しているのです。そして名誉でもあるのです。
それを本映画『南極物語(1983)』では潮田をまるで罪人にように扱っているところが問題なのです。
メディアが良く用いる“印象操作”を行なっているのです。ちなみに本映画『南極物語(1983)』はフジテレビが主導となって製作されています。
「吉永小百合さん」も昭和を代表する大スター
後々、本映画『南極物語(1983)』の宣伝手法について調べると、驚きを超えて「呆れるしかない」ような力の入れ方をしています。
フジテレビの番組『笑っていいとも!』にタロ・ジロを出演させたり、バラエティ番組『オレたちひょうきん族』の「タケちゃんマン」のコーナーで「タケちゃんマンの南極物語の巻」を放送したり、連日連夜、テレビを使っての番宣に明け暮れました。
さらに共同制作者である学習研究社と共に全国の一般家庭を中心に前売り券を240万枚を販売しています。
文部科学省特選という目玉を提げてですから、地方のお母さんは、「それはすごいことだ」と言って買ったに違いありません。
おそらくわたしの母親もその対象になって、購入したと思われます。
原爆投下地・広島を舞台に「吉永小百合」と「渡哲也」の純愛
こういった展開は批判されましたが、結果的には興行収入110億円を叩き出す大ヒットになりました。
1997年の『もののけ姫』まで不動に地位を堅持しました。そんなことも知らずにわたしは涙を流していたのです。
でも“勝てば官軍”という言葉あるようにフジテレビの戦略は評価します。しかし、“二匹目のドジョウ”的映画が作られなかったのが残念です。
もし映画に対して深い愛情があれば、是が非でも「南極物語を超える映画」を作ろうとするのでが、フジテレビにはそのような姿勢がみられませんでした。
「吉永小百合さん」ひめゆりの塔で死す、、、
映画『南極物語(1983)』の結末
さて、本映画『南極物語(1983)』の感想を書きますが、「高倉健さんと渡瀬恒彦さんを観てください」としか言えないのです。
お二人とも故人となっていますが、やはりとても良い俳優だと思います。
実際に二人は南極へに行かれています。普通は行かないでしょう。
その根性というか、映画を愛する気持ちを観て欲しいです。
それから渡瀬さんは結構、犬を乱暴に扱っています。蹴っています(笑)それはそれで良いのでしょう。
犬は主従関係をはっきりさせることが大事です。
わたしの知り合いで、鹿狩りをする猟師がいますが、彼が犬を扱う様は本当に酷いというか、野蛮というか、でも犬もご主人に従っているので、それで良いのだと思います。
結果的に幼少の頃観た映画を改めて観ると、とてもがっかりすることがあります。
そして「あの頃のわたしは純粋だったと感じさせてくる映画」と想いを馳せる材料としては良い一品であったと思います。
「吉永小百合さん」不治の病という難役で悲痛演技
映画『南極物語(1983)』のキャストについて
潮田暁(高倉健)
越智健二郎(渡瀬恒彦)
小沢隊長(岡田英次)
北沢慶子(夏目雅子)
志村麻子(荻野目慶子)
森島教授(日下武史)
堀込隊長(神山繁)
岩切船長(山村聰)
徳光隊員(江藤潤)
戸田隊員(佐藤浩市)
喫茶店マスター(岸田森)
野々宮隊長(大林丈史)
尾崎隊員(金井進二)
長谷川隊員(中丸新将)
昭和号パイロット(佐藤正文)
武井隊員(坂田祥一郎)
梶原隊員(志賀圭二郎)
池内隊員(内山森彦)
宗谷通信士(川口啓史)
志村真紀(市丸和代)
カトリーヌ(スーザン・ネピア)
バートン号艦長(チャールス・アダムス)
稚内市長(浜森辰雄)
野口隊員(大谷進)
江藤隊員(前島良行)
隊員(佐山泰三)
隊員(野口貴史)
宗谷航海長(寺島達夫)
中村隊員(大江徹)
鶴田隊員(長谷川初範)
まとめ 映画『南極物語(1983)』一言で言うと!
「印象操作と創作は違う」
下手すれば“やらせ”と思われるようなことも、昔のテレビ番組では多々と行われていました。最近では視聴者の目も超えてきたので、減っていると思いますが、やはり「感動ポルノ」的なテレビ番組はまだまだあります。本映画『南極物語(1983)』も同様です。ただ当時、意義を唱える人が少なかったという日本社会にも問題があったのでしょう。
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日本を代表する映画と言ったらこれ!
映画『キューポラのある街』
吉永小百合さんって本当に永遠のアイドル
『男はつらいよ お帰り 寅さん』
山田洋次監督はずっと昭和にこだわっています
映画『居酒屋兆治』
高倉健さんの顔って本当に「芸術的」にハンサム
映画『探偵物語(1983)』
薬師丸ひろ子と松田優作の恋愛映画
映画『Wの悲劇』
「ああ、薬師丸ひろ子、ああ、薬師丸ひろ子」ため息が出ます
映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』
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映画『ホワイト・ラブ』
山口百恵&三浦友和がスペインで親になる
映画『若い人(1962)』
石原裕次郎と吉永小百合のまさかの共演
映画『となりのトトロ』
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映画『父と暮せば』
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映画『絶唱(1975)』
あまりにも悲劇すぎる映画です
映画『潮騒 しおさい(1975)』
三浦友和の「男気」に山口百恵が惚れます
映画『カツベン!』
成田凌くんの最高演技かも!
映画『エリカ38』
エリカは間違いなく昭和の女です
映画『ホタル』
高倉健さん自身が“昭和の男”の代表でした
映画『南極物語(1983)』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
蔵原惟繕
脚本
蔵原惟繕 野上龍雄 佐治乾 石堂淑朗
製作指揮
日枝久
企画
蔵原惟二 角谷優
製作
古岡滉 鹿内春雄 蔵原惟繕
チーフプロデューサー
貝山知弘 田中壽一
プロデューサー
森島恒行 蔵原惟二
撮影
椎塚彰
セカンドパート・カメラマン
田中正博
美術
徳田博
音楽
バンゲリス
録音
紅谷愃一 橋本泰夫
照明
川島晴雄
編集
鈴木晄
助監督
山下稔
スチール
大隅隆章
ドッグトレーナー
宮忠臣
製作コーディネーター
村上七郎
アドバイザー
黒井和男 原正人
潮田暁(高倉健)
越智健二郎(渡瀬恒彦)
小沢隊長(岡田英次)
北沢慶子(夏目雅子)
志村麻子(荻野目慶子)
森島教授(日下武史)
堀込隊長(神山繁)
岩切船長(山村聰)
徳光隊員(江藤潤)
戸田隊員(佐藤浩市)
喫茶店マスター(岸田森)
野々宮隊長(大林丈史)
尾崎隊員(金井進二)
長谷川隊員(中丸新将)
昭和号パイロット(佐藤正文)
武井隊員(坂田祥一郎)
梶原隊員(志賀圭二郎)
池内隊員(内山森彦)
宗谷通信士(川口啓史)
志村真紀(市丸和代)
カトリーヌ(スーザン・ネピア)
バートン号艦長(チャールス・アダムス)
稚内市長(浜森辰雄)
野口隊員(大谷進)
江藤隊員(前島良行)
隊員(佐山泰三)
隊員(野口貴史)
宗谷航海長(寺島達夫)
中村隊員(大江徹)
鶴田隊員(長谷川初範)
1983年製作/145分/日本
原題:The Antarctica
配給:ヘラルド=東宝