映画『新幹線大爆破』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『新幹線大爆破』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『新幹線大爆破』
(1975年製作/152分/日本)
英題『The Bullet Train, Super Express 109』
【監督】
佐藤純彌
【脚本】
小野竜之助 佐藤純彌【原案】加藤阿礼【企画】天尾完次 坂上順【撮影】飯村雅彦【美術】中村修一郎【音楽】青山八郎【録音】井上賢三【照明】川崎保之丞【編集】田中修【助監督】岡本明久【スチール】加藤光男
【出演】
高倉健
山本圭 織田あきら 郷えい治 宇津宮雅代 菅原安人 風見章子 森みつる 田中邦衛 渡辺耐子 宇津井健 千葉真一 小林稔侍 竜雷太 丹波哲郎 北大路欣也 岩城滉一 多岐川裕美 志村喬
【HPサイト】
映画『新幹線大爆破』IMDbサイト
【予告映像】
映画『新幹線大爆破』トレーラー
映画『新幹線大爆破』NHK BSプレミアム放送 2021年2月15日(月)午後1時00分~3時33分
2021年2月15日(月)午後1時00分~3時33分
高倉健さん「新境地へ挑戦」映画です
パニックサスペンスとして秀逸です
キアヌ・リーブス主演『スピード』に影響を与えました
志村喬さんも出演
オールスター大共演です
映画『新幹線大爆破』のオススメ度は?
星3つです
面白いです
最後まで楽しめます
オールスター大共演です
高倉健さんが新境地に挑んでいます
映画『新幹線大爆破』の作品情報・概要
『新幹線大爆破』英題『The Bullet Train, Super Express 109』)1975年の日本映画。大スター総出演のパニックアクション映画。海外での評価が高く後の映画製作に大きな影響を与えた。東映の岡田社長の鶴の一声で製作が決まった。ヤクザ映画からの脱皮を模索していた高倉健にとってはイメージチェンジに成功した作品。高度経済成長を遂げた日本への批判も込めらている。監督は映画『カイジ ファイナルゲーム』の佐藤東弥の父である佐藤純弥。
映画『新幹線大爆破』のあらすじ・ネタバレ
東京発博多行きの東海道新幹線ひかり109号は定刻通り発車した。しかし神奈川に入って時点、不審な電話が国鉄本社公安本部長・倉持(宇津井健) にかかってきた。「新幹線い爆弾を仕掛けた。時速80キロ以下になると爆発する」と。当初はイタズラであると勘ぐったが、犯人が「脅しではない。同じ特殊爆弾を北海道・夕張発の貨物列車にも仕掛けている。間も無く貨物列車は爆発する」と告げる。実際、その通りになり国鉄本社公安本部は動揺する。爆弾の解除方法を教える代わりに500万ドルを要求される。倉持は運転士・青木(千葉真一) に連絡して速度調整を行う。一方、犯人グループの沖田哲男(高倉健) 、古賀勝(山本圭) 、大城浩(織田あきら) は互いの役割を果たすために右往左往していた。
映画『新幹線大爆破』の感想・内容
「そうそうたる映画俳優に会える映画」です。もうこのひと言に尽きます。今では考えられないようなキャスティングです。主役は犯人・沖田哲男演じる高倉健さんです。健さんの演技は見事ですね。ヤクザ映画ばかりに出演して辟易していた時に本映画『新幹線大爆破』の脚本を手にして出演を快諾したそうです。ヤクザのイメージを一新する一歩となっています。それでだけに高倉健さんの静かなる闘志が伝わってきます。
さらに国鉄・倉持演じる宇津井健さんの綺麗な顔立ちが印象に残ります。セリフも独特の抑揚があって良いのです。実直な人というイメージそのままを演じています。運転士・青木演じる葉真一さんは若干抑え気味に見えます。千葉さんは高倉健さんを崇拝していますから、目立ちすぎてはいけないと思っていたのでしょうか。他には丹波哲郎さん、志穂美悦子さん、田中邦衛さん、小林稔侍さん、北大路欣也さんと有名俳優が続きます。 そして何より驚いたのは国鉄総裁演じる志村喬さんです。 もう黒澤明作品で欠かせない役者で21本出演しています。映画『七人の侍』https://undazeart.com/seven-samurai/は有名ですが、三船敏郎が世界に輝けたのは志村喬さんの存在なくては語れません。本映画『新幹線大爆破』は物語を忘れてしまっても構わないので、是非とも往年の大スターを観て欲しいと思っています。
さて本映画『新幹線大爆破』は日本でもヒットしましたが、海外で大ヒットを記録しています。特にフランスです。「パニックアクション映画」にサスペンスを加味しています。企画は、東映の岡田社長が「『大地震』や『タワーリング・インフェルノ』みたいなパニック映画をやってみろ!」の鶴の一声から始まったそうです。「アメリカで流行っている映画は日本でも当たる」から同じような映画を作れと命じられたのです。「うーん」って思ってしまいますが、実際、岡田社長の言う通りの結果になりました。そして本映画『新幹線大爆破』は後世の映画に大きな影響を与えます。キアヌ・リーブス出演の『スピード』がその筆頭です。
本映画『新幹線大爆破』の物語は一見、複雑に思えますが、実はとても単純です。「仕事を失い、社会に怒りを持っている三人が新幹線に爆弾を仕掛けて、500万ドルを脅し取り、海外逃亡を目指す物語」です。映画がヒットするかどうかについて、よく言われているのは“ひと言で語れること”が実現されています。例えば『タイタニック』ですが、こちらは「沈みゆく巨船の中で繰り広げられるロミオとジュリエット状態の恋物語」となります。これは鑑賞した人が恋人や友だちに伝えやすいんです。本映画『新幹線大爆破』も同様で人に伝えやすいのでヒットしたのでしょう。
映画『新幹線大爆破』の考察・評価
本映画『新幹線大爆破』ですが、製作年が1975年と言うのもとても意味があるのです。戦後30年です。当時の日本は空前の経済成長により、世界大2位の経済国家になっています。経済を優先するばかりに日本人が持っていた倫理観も喪失される流れがあったのです。義理人情とか弱者を助ける精神を忘れてしまうことにパンチを喰らわせるような内容となっています。犯人側の沖田哲男(高倉健) は町の「零細工場の経営に失敗した男」古賀勝(山本圭) は「過激派くずれの左翼思想家」、大城浩(織田あきら) は「集団就職で都会に来た沖縄出身の青年」がどうしてこのような犯行に至ったのかも描かれています。つまり利益至上主義への反発であり、報われない境遇から国家や社会へ復讐をあぶり出しているのです。また新幹線の自動制御システムという盲点をついての犯行も、コンピュータ任せの時代を嘲笑うような演出となっています。
映画『新幹線大爆破』の結末
だたですね。時代性もありますが、構成というか設定が若干、幼稚に感じる箇所も多々あります。最大は沖田哲男(高倉健) がお金を手にして成田空港からコペンハーゲンへ高飛びを図るシーンです。普通であったなら国外逃亡は無理でしょう。しかも大金を持っていますから。次に大城浩(織田あきら) がお金を受け取りに失敗して、バイクで事故死するまでも流れもいま一つです。「なんで柔道部員が走って来るんだ?」と感じました。次に古賀勝(山本圭) が爆死する場面ですが、それを古賀勝(山本圭) が観ています。警察が気がつきません。「警察、杜撰すぎる」と感じました。次に新幹線の中で産気づいた平尾和子(田坂都) の演技が過剰すぎるのと女医・秋山(藤田弓子) が「お湯持ってきなさい」とお決まりのセリフを言うのですが、お湯を持ってきた形跡がありません。しかもお産に失敗します。「これはちょっと、、、」って感じでした。そしてですね。最後に沖田哲男(高倉健) が銃殺されます。羽田空港から逃げていますが、警察が一斉に発砲して死にます。これはこれで良いと思います。エンドが高倉健さんの後ろ姿です。崩れ落ちてストップします。そして上空を自身が乗るはずだったコペンハーゲン行きの飛行機が飛んでいきます。そして音楽が入ります。素晴らしいです。
映画『新幹線大爆破』のキャストについて
沖田哲男(高倉健)
古賀勝(山本圭)
大城浩(織田あきら)
藤尾信次(郷えい治)
靖子(宇津宮雅代)
賢一(菅原安人)
靖子の母(風見章子)
洋子(森みつる)
賀の兄(田中邦衛)
古賀の兄嫁(渡辺耐子)
倉持(宇津井健)
青木(千葉真一)
森本(小林稔侍)
田代(福田豊土)
清水(山下則文)
河村(滝沢双)
国鉄総裁(志村喬)
まとめ 映画『新幹線大爆破』一言で言うと!
「今も昔も弱者切り捨て社会」
社会が疲弊して来るとこういった犯罪が起きると言われていますが、当時の日本は「イケイケ」状態であったことは否めません。でも経済成長の陰で犠牲者がいたことも確かなのでしょう。戦後30年という節目に製作された映画としてとても日本思想を研究するには意味のある映画だと思います。
合わせて観たい映画
【オススメ昭和を感じる映画】
映画『ルパン三世 カリオストロの城』
昭和アニメの代表的作品
映画『風立ちぬ(1976)』
山口百恵と三浦友和、、、素晴らしい
映画『あいつと私(1961)』
石原裕次郎と芦川いづみの純愛
映画『太陽の季節』
石原裕次郎衝撃のデビュー作
映画『嵐を呼ぶ男』
暴れん坊ドラマーの裕次郎です
映画『夜霧よ今夜も有難う』
男は背中で泣いている
映画『七人の侍』
日本を代表する映画と言ったらこれ!
映画『キューポラのある街』
吉永小百合さんって本当に永遠のアイドル
『男はつらいよ お帰り 寅さん』
山田洋次監督はずっと昭和にこだわっています
映画『居酒屋兆治』
高倉健さんの顔って本当に「芸術的」にハンサム
映画『探偵物語(1983)』
薬師丸ひろ子と松田優作の恋愛映画
映画『Wの悲劇』
「ああ、薬師丸ひろ子、ああ、薬師丸ひろ子」ため息が出ます
映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』
寅さんは帰ってきたのでしょうか?
映画『炎の舞』
戦争が二人を引き裂いたのか、、、
映画『ホワイト・ラブ』
山口百恵&三浦友和がスペインで親になる
映画『若い人(1962)』
石原裕次郎と吉永小百合のまさかの共演
映画『となりのトトロ』
わたしもとなりに「トトロ」が欲しい
映画『父と暮せば』
宮沢りえちゃんと応援したくなる映画です
映画『絶唱(1975)』
あまりにも悲劇すぎる映画です
映画『潮騒 しおさい(1975)』
三浦友和の「男気」に山口百恵が惚れます
映画『カツベン!』
成田凌くんの最高演技かも!
映画『エリカ38』
エリカは間違いなく昭和の女です
映画『ホタル』
高倉健さん自身が“昭和の男”の代表でした
【ホラー&サスペンス映画オススメ】
映画『事故物件 恐い間取り』
中田監督新作は事故物件芸人ホラー
映画『ラ・ヨローナ 彷徨う女』
グアテマラという国の怨念物語
映画『ミッドサマー』
新しいジャンル“フェスティバル・スリラー”誕生です
映画『透明人間』
姿も形も見えない恐ろしさってどんな感じだろうか?
映画『ルース・エドガー』
なんとも言えない「あと味」が残る映画です
映画『サイコ (1960年の映画)』
サスペンスの神様と言ったらヒッチコックです
映画『ナイチンゲール』
人種・女性差別を楽しむゲスな人間がいました
映画『ダーティーハリー』
「サイコパスって?」を世界に広めた映画
映画『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
レイプと殺人を楽しむクソ野郎です
映画『テッド・バンディ』
テッド・バンディ無くしてサイコパスは語れません
映画『私の知らないわたしの素顔』
ビノシュの妖艶さが恐ろしさを増長させます
映画『新幹線大爆破』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
佐藤純彌
脚本
小野竜之助 佐藤純彌
原案
加藤阿礼
企画
天尾完次 坂上順
撮影
飯村雅彦
美術
中村修一郎
音楽
青山八郎
録音
井上賢三
照明
川崎保之丞
編集
田中修
助監督
岡本明久
スチール
加藤光男
沖田哲男(高倉健)
古賀勝(山本圭)
大城浩(織田あきら)
藤尾信次(郷えい治)
靖子(宇津宮雅代)
賢一(菅原安人)
靖子の母(風見章子)
洋子(森みつる)
賀の兄(田中邦衛)
古賀の兄嫁(渡辺耐子)
倉持(宇津井健)
青木(千葉真一)
森本(小林稔侍)
田代(福田豊土)
清水(山下則文)
河村(滝沢双)
国鉄総裁(志村喬)
新幹線総局(長永井智雄)
三宅(原田清人)
高沢(山本清)
東京運転所係員(中田博久)
工事車運転士千(葉治郎)
東京駅交換嬢(志穂美悦子)
宮下(渡辺文雄)
菊池(竜雷太)
須永(丹波哲郎)
花村(鈴木瑞穂)
広田(久富惟晴)
千田(青木義朗)
長田(浜田晃)
後藤(黒部進)
刑事(北大路欣也)
刑事(相馬剛三)
岩上(土山登士幸)
佐藤(川地民夫)
部長刑事(河合絃司)
松原(近藤宏)
平尾和子(田坂都)
平尾修一(植田峻)
秋山(藤田弓子)
東郷あきら(岩城滉一)
哲ちゃん(中井啓輔)
山ちゃん(岡本八郎)
ナベちゃん(溝口久夫)
中やん(林ゆたか)
大阪商人(中野力永)
商人風の男(伊達三郎)
乗客(荘司肇)
乗客(松平純子)
女客(十勝花子)
官房長(官山内明)
ウェイトレス(相川圭子)
レジの女(藤浩子)
消防士(久地明)
バーの女(片山由美子)
SAS係員(多岐川裕美)
広岡(藤山浩二)
磯村(露木茂)
1975年製作/152分/日本
配給:東映