こちらからお読みください。『スター・ウォーズ』シリーズ全部をまとめて紹介しています。
映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(141分/アメリカ/2005)
原題『Star Wars: Episode III – Revenge of the Sith』
【監督】
ジョージ・ルーカス
【製作】
リック・マッカラム
【出演】
ユアン・マクレガー
ナタリー・ポートマン
ヘイデン・クリステンセン
イアン・マクダーミド
サミュエル・L・ジャクソン
映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』のオススメ度は?
星3つです。
ヘイデン・クリステンセンが大成長です。
シリーズの中でも最も暗い作品だと言えます。
パルパティーンの煽り方が絶妙です。
弱み漬け込む手法です。
アナキンが完全にダークサイドに落ちます。
ジョージ・ルーカスが本作で第一線から身を引きます。
映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の作品概要
遠い昔、遥か彼方の銀河系で…。
『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』原題『Star Wars: Episode III Revenge of the Sith』2005年に公開されたアメリカ映画。監督・脚本ジョージ・ルーカス、本作で監督から一線を引く。アナキン・スカイウォーカーを主人公とする新三部作の最終章『エピソード3』に当たる。アナキンがダース・ベイダーになるまでを描いている。ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセンらが出演。
映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』のあらすじ・ネタバレ
クローン戦争の勃発から約3年が経過し、戦争は銀河共和国優位の情勢の中、パルパティーン最高議長が誘拐されてしまう。犯人は独立星系連合軍だ。パルパティーン救出に向かうのはオビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーの二人。パルパティーンを救出する際に活躍したのはアナキンだ。シスの暗黒卿ダース・ティラナスことドゥークー伯爵の両腕を切り落とし勝利に導くのだ。しかしアナキンは上層部に評価されない。密かに結婚していたパドメが妊娠しているが、夜毎パドメが死ぬ悪夢に悩まされる。師匠のへの不信感とジェダイ・マスターへの昇進できない苛立ち、そして母の死、さらにパドメに迫る死の恐怖からアナキンはパルパティーンに取り込まれていく。
映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の感想・評価・内容・結末
まず本作『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の一番良かったのは、アナキン・スカイウォーカー演じるヘイデン・クリステンセンの役者としての成長を著しく感じたことです。実際、前作『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』ではパドメ(ナタリー・ポートマン)に対する気持ちの表し方が気持ち悪かったのは否めません。その後、『ニュースの天才』での高評価もあっての出演ですから期待した通りでした。
アナキンがダークサイドに落ちていく様をうまく演技しています。ダークサイドに落ちていく理由にはいくつかあります。まず師匠であるオビ=ワンに不信感があること。次にジェダイ評議会でジェダイ・マスターとして認められないこと。そして母親を殺されたこと。さらに愛するパドメが死ぬ悪夢に悩まされたこと。これらの感情はアナキンを悪へと向かわせるには十分な理由と言えます。ここは脚本を書いているルーカスにはさすがと言いたいです。
マズローの人間の欲求5段階説から論じるとアナキンが悪の世界ダークサイドに落ちていく理由が説明できます。それは“認めてもらえなかった”からです。まず人間の欲求は①生理的欲求 ②安全欲求 ③社会的欲求(帰属欲求) ④尊厳欲求(承認欲求) ⑤自己実現欲求 などがあります。一般的な社会生活の中では人間は③④⑤を目指すようになります。 大なり小なり組織に属すことで、仲間を得て安心します。 最初はみんなと同列で構いませんが、次第に自分の能力や労力、努力や成果を人に認めて欲しくなります。または認めさせようと強要することもあります。アナキンは十分な成果をあげていましたが、中々認めてもらえませんでした。 そして④です。これは昨今のSNSなどにみられる“いいね”は正に承認欲求の表れだと言えます。アナキンは 師匠のオビ=ワンにも評議会でも“いいね”されませんでした。多少は褒められますが、便利に使われていたと感じたのでしょう。もしここで、アナキンの頑張りや努力が評価されているのであれば、アナキンと嬉しくなり、やりがいを見出したはずです。もちろん“善意”としてのやる気です。 モチベーションです。 それが組織の中で強い生きがいとなり、組織に尽力する人として定着して活躍ができたのです。でもそうなりませんでした。そのアナキンを認めたのがパリパティーンだったのです。パルパティーンはうまくアナキンの心の隙間に漬け込み身内への取り込みの成功を図ったのです。さすが悪の権化です。ルーカスのこの設定は見事だと思います。自身も長い映画人生の中で相当に裏切りがあったのではないかを想像してしまいました。
さて、本作『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』は今後のシリーズを占うにはとても暗い内容だった思います。まずアナキンとオビ=ワンの戦いが壮絶であったことに挙げられます。溶岩が流れ出る火山地帯でオビ=ワンがアナキンの両手両足を切断します。この場面は正義のオビ=ワンを応援する自分とアナキンにも頑張ってほしい気持ちが交差してしまいます。四肢を失くしたアナキンの表情が恐ろしくも悲しいのです。ヘイデン・クリステンセンの名演です。師匠であるオビ=ワンも弟子を斬るという行いに涙を見せます。しかし留めは刺しません。おそらくルーカスは“武士の情け”という演出を施したのだと思います。
しかしながらその情けが後々の大惨事をもたらすことになろうとは、、、です。もう一つ、この『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の暗い一面はやはりパドメが出産直後に亡くなるという悲劇です。病死とは事故とか、あるいは殺害という理由で亡くなるのではありません。生きる希望を失って亡くなるのです。この演出はルーカス世代の世界観がよく現れているのではないでしょうか。ルーカスはアメリカン・ニューシネマを享受して青春時代を過ごしたと思います。ニューシネマ作品はハッピーエンドからは程遠い結末を迎えるのが特徴でした。ですから敢えてここでパドメの突然の死を入れることで自らの青春時代へのオマージュを込めていたと思います。そしてこの設定がうまく運ぶことになります。ダース・ベイダーとして蘇ったアナキンにパルパティーンが告げます。「パドメは死んだ」とこれで完全にアナキンは狂います。この場面は行く先の物語が真っ暗になることが想像されます。さすがに愛する者が死んだ事実は誰にとっても辛いでしょう。
また本作を持ってルーカスは監督から離れることになります。わたしは本作にルーカスの日本映画に対するオマージュの強さを感じます。オビ=ワンとアナキンの戦いです。二人はライトセーバーは用いて長々と戦っています。15分くらいでしょうか。彼らの戦いはまさしく“チャンバラ”なのです。オビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー) もアナキン・スカイウォーカー(ヘイデン・クリステンセン) も両手でライトセーバーを握って振り落としています(後の作品では片手で扱う場面が多いです)つまりルーカスが観たクロサワ映画『七人の侍』や『隠し砦の三悪人』『椿三十郎』の侍そのものなのです。そういった意味でルーカスは黒澤映画とアメリカン・ニューシネマへの愛を訴えた作品と言えるのです。
まとめ 映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』一言で言うと!
「どんどん複雑化している」
このシリーズはちょっと難しいです。組織内でどうやって生きていくかを描いていますので、子どもには難しい内容ではないでしょうか。
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アナキンの心の苦悩と恋愛を描いていると言うが・・・・。
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ハン・ソロが、、、。レジスタンス最大に危機に、、、。
映画『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』
完全なるハッピーエンド これで銀河は平和になった
映画『スター・ウォーズ フォースの覚醒』
スター・ウオーズシリーズ一番の人気作品と言われています。
映画『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』
シリーズ一番の問題作です。でも観ておくべき!
映画『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』
スカイ・ウォーカーファミリーの物語が終わります
映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ジョージ・ルーカス
製作
リック・マッカラム
製作総指揮
ジョージ・ルーカス
脚本
ジョージ・ルーカス
撮影
デビッド・タッターサル
美術
ギャビン・ボケット
衣装
トリシャ・ビガー
編集
ロジャー・バートン ベン・バート
音楽
ジョン・ウィリアムズ
サウンドデザイン
ベン・バート
視覚効果監修
ジョン・ノール ロジャー・ガイエット
アニメーション監督
ロブ・コールマン
コンセプトデザイン
エリック・ティーメンズ ライアン・チャーチ
オビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)
パドメ・アミダラ(ナタリー・ポートマン)
アナキン・スカイウォーカー(ヘイデン・クリステンセン)
パルパティーン最高議長(イアン・マクダーミド)
メイス・ウィンドゥ(サミュエル・L・ジャクソン)
ベイル・オーガナ議員(ジミー・スミッツ)
ヨーダ(声)(フランク・オズ)
C-3POアンソニー・ダニエルズ
ドゥークー伯爵(クリストファー・リー)
ナブー女王(ケイシャ・キャッスル=ヒューズ)
キ=アディ=ムンディ/ヌート・ガンレイ(サイラス・カーソン)
タイフォ隊長(ジェイ・ラガイア)
ティオン・メイドン(ブルース・スペンス)
コマンダー・コーディ(テムエラ・モリソン)
マス・アミダ(デビッド・バワーズ)
シオ・ビブル(オリバー・フォード・デイビス)
ジャー・ジャー・ビンクス(アーメッド・ベスト)
アンティリーズ船長(ローハン・ニコル)
コルトン船長(ジェレミー・ブロック)
R2-D2(ケニー・ベイカー)
チューバッカ(ピーター・メイヒュー)
オルデラン女王(レベッカ・ジャクソン・メンドーザ)
オーウェン・ラーズ(ジョエル・エドガートン)
ベルー(ボニー・マリー・ピーシー)
オーン・フリー・ター(マット・ローワン)
ルウイー・ナベリー(グレーム・ブランデル)
ジョバル・ナベリー(トリシャ・ノーブル)
ソーラ・ナベリー(クローディア・カーバン)
ダース・ベイダー(声)(ジェームズ・アール・ジョーンズ)
2005年製作/141分/アメリカ
原題:Star Wars: Episode III – Revenge of the Sith
配給:20世紀フォックス映画