映画『いのちの停車場』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
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『いのちの停車場』
(2021年製作/119分/G/日本)
【監督】
成島出
【原作】南杏子【脚本】平松恵美子【製作総指揮】岡田裕介【製作製作統括】早河洋
【企画】木下直哉【製作】手塚治 亀山慶二 吉崎圭一 原口宰 山口寿一 渡辺雅隆與田尚志 渡辺章仁 温井伸 能田剛志 吉村和文 丸山伸一 野中雅志【エグゼクティブプロデューサー】村松秀信 西新【アソシエイトプロデューサー】木村光仁 三輪祐見子【プロデューサー】富永理生子【キャスティングプロデューサー】福岡康裕【音楽プロデューサー】津島玄一【撮影】相馬大輔【美術】福澤勝広【照明】佐藤浩太【録音】藤本賢一【装飾】湯澤幸夫【VFXスーパーパイザー】野口光一【衣装】宮本茉莉【ヘアメイク】田中マリ子【編集】大畑英亮【音楽】安川午朗【音響効果】岡瀬晶彦【エンディングテーマ(作曲)】村治佳織【応援歌作詞】小椋佳【スクリプター】松澤一美【助監督】谷口正行【医療担当助監督】桑原昌英【俳優担当】林まゆみ【制作担当】関浩紀 曽根晋【ラインプロデューサー】林周治【プロダクション統括】木次谷良助
【出演】
吉永小百合 松坂桃李 広瀬すず 南野陽子 柳葉敏郎 小池栄子 伊勢谷友介 みなみらんぼう 泉谷しげる 森口瑤子 松金よね子 石田ゆり子 田中泯 西田敏行 鈴木咲 若林萌
【HPサイト】
映画『いのちの停車場』公式サイト
【予告映像】
映画『いのちの停車場』トレーラー
映画『いのちの停車場』のオススメ度は?
星ひとつです
等身大の「吉永小百合さん」が観たかった
医療問題を「詰め込み」すぎています
田中泯さんんは「素晴らしい」
広瀬すずさんは演技が「上手くなった」
映画『いのちの停車場』の作品情報・概要
『いのちの停車場』小説家・内科医[である南杏子による長編小説の映画化。救急医だった女性医師がある交通事故でも問題の責任をとって辞職。そして訪問診療医に転身する。最初は戸惑ってばかりの在宅医療の現場で、老老介護や終末期医療、積極的安楽死問題に触れて成長していく。主演は吉永小百合(映画『キューポラのある街』や『愛と死の記録』)松坂桃李(映画『あの頃。』や映画『新聞記者』)広瀬すず(映画『チアダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』や映画『海街diary』)南野陽子、柳葉敏郎、小池栄子、伊勢谷友介(映画『マチネの終わりに』や映画『翔んで埼玉』)、みなみらんぼう、泉谷しげる、森口瑤子、松金よね子、石田ゆり子(映画『望み』や映画『記憶にございません!』)、田中泯(映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』や映画『アルキメデスの大戦』)、西田敏行(映画『ザ・マジックアワー』)、白石咲和子、佐々木みゆ(映画『万引き家族』)
映画『いのちの停車場』のあらすじ・ネタバレ
大学病院で救命救急医として長年働いてきた白石咲和子(吉永小百合) 。ある交通事故で、医師の免許を持たない野呂聖ニ(松坂桃李)が医療行為を行った責任をとって辞職する。そして 父・白石達郎(田中泯) が暮らす石川県の実家に戻り、当地で在宅医療を行う「まほろば診療所」に勤務することになる。初めて経験する在宅医療に戸惑う。院長の仙川徹(西田敏行) や訪問看護師の星野麻世(広瀬すず)、さらに東京から野呂聖ニも駆けつけて、在宅医療だからこそできる患者やその家族との“いのち”との向き合い方を見出していく。
吉永小百合さんは昔からずっと「きれい」です
映画『いのちの停車場』の感想・内容
「とても残念な映画」となります。これは酷い映画だと思いました。吉永小百合を大スクリーンで観たい人にとっては嬉しい映画です。相変わらず美しいです。2021年現在で、71歳です。もちろん、メイクもしていますし、編集でかなりの修正を加えていますが、71歳でこれだけ若々しい姿を維持できるのは日頃の努力の賜物だと思います。でもですね、リアリティーがないのです。こんな「爽やか」な人生を送る女性っていますか?しかも女医です。映画を観ていて、心を同調させることが出来ないのです。人間って生きてきた道のりが顔に表れると思うのです。吉永小百合さんの顔はとても真っさらで、シワも目立たないし、険しい眼差しもありません。髪の毛も白髪一つないのです。とても恵まれた人生を送っているのだなあと思わざるを得ないのです。
つい先日ですが、『タイタニック』の主演女優のケイト・ウィンスレットが「セックスシーンの修正を拒否」というニュースで話題になりました。「中年女性として演じたいの。私は10月で46歳になるわ。人々がこのキャラクターに共感するのは、加工が全くされずに描かれているからだと思う」というコメントを出して多くの女性の共感を得ました。わたしも同感です。吉永小百合さんは確かに映画の大スターです。でも等身大のキャラクターを演じて欲しいのです。吉永小百合さん演じる女医の年齢はおそらく50歳くらいです。いくら若作り、そしてメイクをしても無理があります。さらに父親役の白石達郎(田中泯)は80歳くらいです。この二人が親娘という設定に違和感を持った人は多いでしょう。実生活のお二人は同じ年です。田中さんはオッケーです。とても素晴らしい演技だったと思います。でも、「吉永さんは、、、」となってしまうのです。
俳優にとって役作りはとても大事なことはわかります。「年配を演じる」のと「若い者を演じる」のでは、圧倒的に後者の方が難しいでしょう。映画『アイリッシュマン』ではロバート・デ・ニーロも若い頃に挑戦していますが、もう「キレ」がありませんでした。逆に自身の年齢より上を演じて高評価に繋がったのは笠智衆さんでしょう。小津安二郎監督作品の『東京物語』などは顕著な例です。当時49歳ですが、映画では70歳くらいに見えます。妻役の東山 千栄子とは14歳も離れているのに、まったく違和感がありません。というより妻よりも年長に見えます。吉永さんの見た目は確かに50歳くらいに修正していますが、やっぱり「動き」と「声の質」はもう71歳なのです。難しいです。もうひとつ、映画『また、あなたとブッククラブで』では、ハリウッドの女優たちは果敢に実年齢の役所ひ挑戦しています。映画を企画するにおいて「大スターに気をつかいすぎる」と映画自体が「ポンコツ」になってしまうことを実証した結果となっています。おそらくですが、製作側に吉永小百合さんの往年のファンがいたと思われます。
映画『いのちの停車場』の考察・評価
さて、本映画『いのちの停車場』のテーマは一体何だったのかさえ曖昧になるほど、盛りたくさんの課題を突きつけてきます。まず、在宅医療、老老介護、終末期医療、積極的安楽死、さらに最先端の再生医療も盛り込んできます。それらを軸に並木シズ(松金よね子) 、中川朋子(石田ゆり子)、宮嶋一義(柳葉敏郎) 、佐々木みゆ(若林萌)らが次々を死んでいきます。在宅医療の患者で生き残るのは寺田智恵子(小池栄子) と 江ノ原一誠(伊勢谷友介) ですが、この二人が映画の物語には何の影響もありません。そして、さらに星野麻世(広瀬すず)が若くして亡くなった姉の息子を育てるシングルマザーを演じて、働き方についても訴求しています。そして、国家試験に落ちてばかりの 野呂聖ニ(松坂桃李) が再び夢に挑戦するという青春物語も入れ込んでいます。もう「てんやわんや」な映画です。これだけ盛り込んでしまうと「何にも印象に残らない」物語の完成と言ってもいいでしょう。
つまり先に書いた「吉永小百合さんに違和感」だけがクローズアップされるという結果になってしまったのです。正直、この映画の趣旨がわかりません。エンディングで白石咲和子(吉永小百合) が実父・白石達郎(田中泯) の介護を行なっている時に美しい朝日を見る顔のアップで終わりますが、あれは一体何を狙っていたのかわかりません。色々と思い出すと少々腹が立ってきます。厚生官僚だった宮嶋一義(柳葉敏郎) が人生の最後は故郷で迎えるために生家に帰ってきましたが、「小さい頃は貧乏だったので、プラレールを買ってもらえなかった」と言いますが、彼の生家はとてつもない「お屋敷」です。もし、貧乏な育ちなら、もう少し小さな家の設定にするべきです。そして問題のシーンが訪れます。宮嶋一義は何年も音信不通になっている息子に会うことを望んでいました。そして最後の最後に白石咲和子(吉永小百合) が息子に合わせてあげるという離れ業を披露します。意識が混濁している宮嶋一義に対して、スタッフの野呂聖ニ(松坂桃李) を息子に仕立てあげるのです。これってありですか?実際の医療現場でも行われているのでしょうか?とっても違和感があります。
映画『いのちの停車場』の結末
本映画『いのちの停車場』ですが、正直申し上げて近年稀にみる「駄作」です。原作は読んでいませんが、もし映画化するのであれば、キャスティングをしっかり行う必要があったと思います。もちろん、吉永小百合さんに主演して頂くのであれば、「吉永さんに死んでもらう」物語にすべきでした。あの美しい吉永さんが「泣き叫んで」さらに「苦しみ、のたうちまわる」映画であったなら、もっと心をうったと思うのです。あまりにもう吉永小百合さんを「美しく」そして「スター扱い」しすぎた結果、このような駄作になったのは言うまでもありません。
映画『いのちの停車場』のキャストについて
白石咲和子(吉永小百合)
野呂聖ニ(松坂桃李)
星野麻世(広瀬すず)
若林祐子(南野陽子)
宮嶋一義(柳葉敏郎)
寺田智恵子(小池栄子)
江ノ原一誠(伊勢谷友介)
柳瀬尚也(みなみらんぼう)
並木徳三郎(泉谷しげる)
宮嶋友里恵(森口瑤子)
並木シズ(松金よね子)
中川朋子(石田ゆり子)
白石達郎(田中泯)
仙川徹(西田敏行)
白石咲和子(幼少期)鈴木咲
佐々木みゆ(若林萌)
まとめ 映画『いのちの停車場』一言で言うと!
「とても残念な映画でした」
「いのちを扱う映画」の評論は、とても気を使います。ひょっとしたら世の中にはおなじように苦しんでいる人がいるだろうな、と懸念するからです。でも本映画はあまりにも酷過ぎて、逆に批評した方が良いと思えてきたのです。
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映画『マリッジ・ストーリー』
もう一度女優として活躍したい
映画『プライベート・ウォー』
戦争がわたしを呼んでいる
映画『マイ・フェア・レディ』
レディになることが果たして「正しいのか」
映画『追憶(1973)』
バーブラ・ストライサンド「キレッキレッ」の演技です
映画『いのちの停車場』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
成島出
原作
南杏子
脚本
平松恵美子
製作総指揮
岡田裕介
製作統括
早河洋
企画
木下直哉
製作
手塚治 亀山慶二 吉崎圭一 原口宰 山口寿一 渡辺雅隆
與田尚志 渡辺章仁 温井伸 能田剛志 吉村和文 丸山伸一 野中雅志
エグゼクティブプロデューサー
村松秀信 西新
アソシエイトプロデューサー
木村光仁 三輪祐見子
プロデューサー
富永理生子
キャスティングプロデューサー
福岡康裕
音楽プロデューサー
津島玄一
撮影
相馬大輔
美術
福澤勝広
照明
佐藤浩太
録音
藤本賢一
装飾
湯澤幸夫
VFXスーパーパイザー
野口光一
衣装
宮本茉莉
ヘアメイク
田中マリ子
編集
大畑英亮
音楽
安川午朗
音響効果
岡瀬晶彦
エンディングテーマ(作曲)
村治佳織
応援歌作詞
小椋佳
スクリプター
松澤一美
助監督
谷口正行
医療担当助監督
桑原昌英
俳優担当
林まゆみ
制作担当
関浩紀 曽根晋
ラインプロデューサー
林周治
プロダクション統括
木次谷良助
白石咲和子(吉永小百合)
野呂聖ニ(松坂桃李)
星野麻世(広瀬すず)
若林祐子(南野陽子)
宮嶋一義(柳葉敏郎)
寺田智恵子(小池栄子)
江ノ原一誠(伊勢谷友介)
柳瀬尚也(みなみらんぼう)
並木徳三郎(泉谷しげる)
宮嶋友里恵(森口瑤子)
並木シズ(松金よね子)
中川朋子(石田ゆり子)
白石達郎(田中泯)
仙川徹(西田敏行)
白石咲和子(幼少期)鈴木咲
佐々木みゆ(若林萌)
2021年製作/119分/G/日本
配給:東映