映画『ある人質 生還までの398日』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ある人質 生還までの398日』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
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『ある人質 生還までの398日』
(2019年製作/138分/G/デンマーク・スウェーデン・ノルウェー合作)
原題『Ser du manen, Daniel』
【監督】
ニールス・アルデン・オプレブ
【共同監督】アナス・W・ベアテルセン【製作】モーテン・カウフマン【製作総指揮】ニールス・アルデン・オプレブ アナス・W・ベアテルセン【原作】プク・ダムスゴー【脚本】アナス・トーマス・イェンセン【撮影】エリック・クレス【衣装】スティーネ・テーニン【編集】アンネ・オーステルード【音楽】ヨハン・セーデルクビスト
【出演】
エスベン・スメド
トビー・ケベル
アナス・W・ベアテルセン
ソフィー・トルプ
サーラ・ヨート・ディトレセン
【HPサイト】
映画『ある人質 生還までの398日』公式サイト
【予告映像】
映画『ある人質 生還までの398日』トレーラー
- 映画『ある人質 生還までの398日』のオススメ度は?
- 映画『ある人質 生還までの398日』の作品情報・概要
- 映画『ある人質 生還までの398日』のあらすじ・ネタバレ
- 映画『ある人質 生還までの398日』の感想・内容
- 映画『ある人質 生還までの398日』の考察・評価
- 映画『ある人質 生還までの398日』の結末
- 映画『ある人質 生還までの398日』のキャストについて
- まとめ 映画『ある人質 生還までの398日』一言で言うと!
- 『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
- 合わせて観たい映画
- 【オススメ反戦映画】
- 【家族がテーマの映画】
- 映画『朝が来る』
- 映画『罪の声』
- 映画『めぐり逢えたら』
- 映画『空に住む』
- 映画『ミッドナイトスワン』
- 映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』
- 映画『オン・ザ・ロック』
- 映画『浅田家!』
- 映画『望み』
- 映画『となりのトトロ』
- 映画『WAVES ウェイブス』
- 映画『ゴッドファーザーPARTIII』
- 映画『リメンバー・ミー』
- 映画『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』
- 映画『ポルトガル、夏の終わり』
- 映画『フェアウェル』
- 映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』
- 映画『借りぐらしのアリエッティ』
- 映画『この世界の片隅に』
- 映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
- 映画『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』
- 映画『黒い司法 0%からの奇跡』
- 映画『ファイティング・ファミリー』
- 映画『人生の特等席』
- 映画『ある人質 生還までの398日』の作品情報
映画『ある人質 生還までの398日』のオススメ度は?
星3つ半です
日本人も他人事ではありません
後藤健二さんのことを思い出しました
風化させてはいけない事件です
映画『ある人質 生還までの398日』の作品情報・概要
実話映画。デンマークで体操選手として活躍していたダニエルが、足を負傷して新たな夢である写真家を目指す。当時24歳だったダニエルはシリアへ取材へ向かう。そして2013年5月から翌2014年6月まで、398日間にわたってシリアで過激派組織IS(イスラム国)に拉致・監禁される。デンマーク政府は「テロリストとは一切交渉しない」ため家族がダニエル救出のための身代金を集める。そして奇跡の生還を果たす。ダニエルと共に監禁されていたアメリカ人ジャーナリスト・ジェームズ・フォーリーの人柄も描かれている。また人質救出の専門家という“特殊な存在”の人物の活躍も描かれている。ニールス・アルデン・オプレブ監督作品。
映画『ある人質 生還までの398日』のあらすじ・ネタバレ
デンマークの体操選手ダニエル・リュー(エスベン・スメド) は、競技中の不慮の事故によって、選手生命が絶たれる。目的を失い失望に日々を送っていたが、趣味であるカメラを仕事にしようと決意し、写真家のアシスタントとして採用される。そして始めた向かった海外はアフリカ・ソマリア。ダニエルは紛争地には目もくれず、ひたすら市民の日常生活をカメラで収めて帰国する。そして次なる取材先はイスラム国が台頭するシリア。現地でガイドを雇ったが、イスラム国に拉致・監禁される。激しい暴力と拷問が続く。一度は逃げ出したがすぐに拘束される。絶望の末、自殺を図るが失敗。そして同じく人質となっているアメリカ人ジャーナリスト・ジェームズ・フォーリー(トビー・ケベル) と過ごして微かな希望を見出す。デンマークの家族は政府に救済を求めるが「テロリストは一切、交渉しない」と断られる。変わって人質救出の専門家・アートゥア(アナス・W・ベアテルセン)助けを求めるのだった。
映画『ある人質 生還までの398日』の感想・内容
「とても辛い映画」です。今は世界中でコロナ感染症が流行しており、中東にある戦闘地域がどうなっているのか全くわかりません。あれだけ世界中を恐怖に陥れたイスラム国やその他の武装勢力も少なからずコロナの被害を受けていると思います。本映画『ある人質 生還までの398日』を観ると、どうしてもシリアで命を落とした後藤健二さんのことを思い出さずには要られません。2015年のことですから、すでに6年前です。当時は日本のテレビ、新聞、雑誌は争うように報道していました。でも今はほぼ「皆無」です。一体、あの加熱報道は何だったのか、と疑問に思うところもあります。わたしとて今やそんなことがあったことも忘れて、日常生活を送っていますから、無責任と言えば無責任です。
ただ、今こうして本映画『ある人質 生還までの398日』が公開されることで、改めてイスラム国という存在がいまだに健在していると認識できます。もちろん、拉致・誘拐は重罪であることは間違いありません。ただイスラム国が「なぜ、拉致を行うのか」についてはあまり追求されません。本映画『ある人質 生還までの398日』でも同様です。製作国がイスラム国が嫌う西洋の国(デンマーク・スウェーデン・ノルウェー)であるから、一方通行的であるのは否めません。でももう少し掘り下げて製作して欲しかったというのが本音です。
さて、本映画『ある人質 生還までの398日』の始まりはデンマークの体操少年のダニエル・リュー(エスベン・スメド) が怪我をして、新しい夢を目指す場面から始まります。体操の練習で着地に失敗して、足首を怪我を負います。選手としては致命的なものでした。失意のどん底に落ちた彼は兼ねてより趣味であった写真で、生計を立てようと決意します。そして運よく戦場カメラマンのアシスタントに採用されました。最初に行ったのはアフリカのソマリア。ダニエルは戦闘地域には行かず、日常の人々を撮ることに専念します。そして自分の新しい夢に手応えを感じたのです。
次に向かったのがシリアです。ただわたし的に「まだまだ駆け出しの新人カメラマンには難しいのでは」と思わずには要られません。経験も実績もあるように見えません。決して批判しているわけではありませんが、もっとイスラム国ならびにイスラム教徒のことを勉強して行かなければダメだと思うのです。もちろん、実際のダニエルは勉強したかもしれませんが、本映画『ある人質 生還までの398日』にはそういった場面がなかったのが残念です。「郷に入れば郷に従え」通り、やっぱり衣服、言葉、文化を多少なりともイスラム教に合わせる必要もあったと思います。
映画『ある人質 生還までの398日』の考察・評価
さて、報道カメラマンはなぜ危険を冒して「紛争地へ入るのか」という疑問が頭に浮かびます。あるジャーナリストは「真実を世界に伝える」「歴史の瞬間に立ち会いたい」とか「スリルが欲しい」などと言っていたのを聞いたことがあります。そして自分が撮影した写真や映像が世界中に報道される喜びもあるということです。これは“功名心”を満たすことにつながります。人の不幸で飯を食っていると揶揄されますが、それが世界に報道されることで、大義名分が立つのです。もし報道されなければ単なる“野次馬”で終わ流のです。本映画『ある人質 生還までの398日』のダニエルはどうなのでしょうか?劇中、彼が戦場へ向かう理由はあまり描かれていませんでした。「スクープが欲しかったのか?」それとも「紛争地で芸術性の高い写真」を撮りたかったのでしょうか。それがよくわからないのです。
さて、本映画『ある人質 生還までの398日』のイスラム国の人間たちの描き方はどこまでが事実かわかりませんが、非常に残忍です。虐待、拷問の日々が続きます。絶望のあまり自殺を試みるも失敗します。そして他の人質と監禁されます。そこで出会ったのがアメリカ人ジャーナリスト・ジェームズ・フォーリー(トビー・ケベル) です。彼はみんなを励まそうと陽気に振舞います。実はこのジェームズ・フォーリーこそ、本映画『ある人質 生還までの398日』のもう一人の主人公だと後々、わかります。ダニエル拉致・監禁はすぐさまネットを通じて母国デンマークの家族に伝わります。そして巨額の身代金要求が始まります。最初こそ70万ドルだったのが最終的に200万ドルに上がります。その理由は「身代金を25万ドルにデして欲しい」と、ディスカウントの要求をしたせいで「イスラム国のプライドを傷つけた」からです。家族はデンマーク政府に救済を求めますが、「テロリストとは取引しない」と突っぱねられて、独自で集めようと決意します。
家族が頼ったのはアートゥア(アナス・W・ベアテルセン)です。彼は人質救出のプロフェッショナルです。本映画『ある人質 生還までの398日』では、このアートゥアという男の背景をもっと観たくなりました。もちろん、囚われの身のダニエルは気の毒ですが、アートゥアのように「裏社会の人間と交渉する人物ってどういう人なのだろう」と興味が尽きませんでした。
映画『ある人質 生還までの398日』の結末
さて、本映画『ある人質 生還までの398日』の結末はダニエルが解放されてハッピーエンドとして終わります。家族は極秘に募金で200万ドルを集めました。デンマークの一般国民や企業からの寄付金です。政府は一切関わっていないとのことでした。解放されたダニエルはアメリカ人ジャーナリスト・ジェームズ・フォーリー(トビー・ケベル) の葬儀に参列します。この場面は涙が出ました。二人が拉致・監禁で過ごした日々で紹介されていますが、フォーリーは自分が死ぬ運命を悟っており、遺言をダニエルに伝えていました。もちろん、筆記用具はありませんから口頭で伝え、ダニエルが暗記していた遺言です。この場面があって、映画が成り立ったと思います。
わたしは「あらゆる暴力に反対」の姿勢をとっています。ですから本映画『ある人質 生還までの398日』のイスラム国の人間に対しても賛同できません。でももう少し、イスラム国の人間側の視点があっても良かったと思います。彼らが何を考えていたのかはわからないから描けないかもしれませんが、少なくとも「敬虔なイスラム教徒だった」くらいは何とか描いて欲しかったです。それと、これは良いことだと思うのは、日本のように「自己責任論である」とか「同情の余地なし」さらに家族に対してメディアが非難を繰り返すようなことがなかったのは良いことだと思いました。
映画『ある人質 生還までの398日』のキャストについて
ダニエル・リュー(エスベン・スメド)
ジェームズ・フォーリー(トビー・ケベル)
アートゥア(アナス・W・ベアテルセン)
アニタ(ソフィー・トルプ)
サーラ・ヨート・ディトレセン
まとめ 映画『ある人質 生還までの398日』一言で言うと!
「風化させてはいけない事件」
わたしたち日本人にとって、とても忘れてはいけない事件を思い出しました。後藤健二さんです。当時は日本全国民が日夜、後藤さんの情報に耳を傾けました。結果は非常に辛いものとなりました。あれから6年です。今では後藤さんのことを思い出す人も、報道するメディアも多くはありません。でも今一度、本映画『ある人質 生還までの398日』を観て、「何があったのか」「何が正しいのか」を考えてみる時期だと思います。
『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
合わせて観たい映画
【オススメ反戦映画】
映画『この世界の片隅に』
戦争映画の認識を変えた名作
映画『硫黄島からの手紙』
二宮和也の名演が素晴らしい
映画『父親たちの星条旗』
アメリカ側から見た硫黄島
映画『名もなき生涯』
何も利益もない「神の教えに忠実」でいたいだけ
映画『1917 命をかけた伝令』
第一次世界大戦の塹壕戦での伝令は少年が担った
映画『彼らは生きていた』
ピーター・ジャクソンの作家性に驚愕
映画『ジョジョ・ラビット』
母のプライドは死んでも消えない
映画『プライベート・ウォー』
隻眼の女性ジャーナリスト「シリアで死す」
映画『アルキメデスの大戦』
戦争阻止のための計算式ってあるのか?
映画『芳華-Youth-』
戦争の一番の犠牲者は子どもと女性
映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』
記者の精神は真実を伝えるためにある
映画『愛と死の記録』
戦争が終わっても戦いが終わらない人もいる
映画『あゝひめゆりの塔』
沖縄での戦闘で罪のない女性が亡くなった
映画『父と暮せば』
原爆で死んだ父が亡霊となって娘に会いにきた
映画『絶唱(1975)』
若き二人の恋愛を邪魔したのは戦争です
『アメリカン・スナイパー』
狙撃兵って「ヒーロー」なのだろうか?
【家族がテーマの映画】
映画『朝が来る』
河瀬直美は徹底的に「家族」のあり方にこだわっています
映画『罪の声』
あの声を録音した母には恨みはない
映画『めぐり逢えたら』
パパに「新しい奥さんを!」と願う息子が健気です
映画『空に住む』
ネコだけが家族?
映画『ミッドナイトスワン』
「わたしがあなたの母親になってみせる」
映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』
「生まれ育った家を取り戻したい」だけ、、、
映画『オン・ザ・ロック』
「娘が離婚の危機だって?」張り切る父親をビル・マーレイが好演
映画『浅田家!』
写真を通して「家族愛」を深める映画
映画『望み』
少年犯罪に巻き込まれた息子の安否を巡って、、、
映画『となりのトトロ』
やっぱり家族みんなで暮らしたい
映画『WAVES ウェイブス』
高校生の息子が殺人犯になってしまった、、、
映画『ゴッドファーザーPARTIII』
イタリア人の家族愛は深すぎる
映画『リメンバー・ミー』
死んでしまった父を呼び戻すのだ!
映画『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』
てんやわんやの家族物語
映画『ポルトガル、夏の終わり』
終活のためにみんなを集めたが、、、
映画『フェアウェル』
生まれは中国で育ちはアメリカ「わたしはわたし」
映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』
ほんわか家族に癒される映画です
映画『借りぐらしのアリエッティ』
小人家族の小さな幸せ物語
映画『この世界の片隅に』
優しい家族と乗り越える
映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
アメリカ人好きな家族映画の決定版
映画『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』
家族で農場経営って本当に理想的です
映画『黒い司法 0%からの奇跡』
絶対に「無実」だと信じる強い家族
映画『ファイティング・ファミリー』
家族の夢を実現するために「わたしは戦う!」
映画『人生の特等席』
頑固オヤジが愛娘と仲直り、、、
映画『ある人質 生還までの398日』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ニールス・アルデン・オプレブ
共同監督
アナス・W・ベアテルセン
製作
モーテン・カウフマン
製作総指揮
ニールス・アルデン・オプレブ アナス・W・ベアテルセン
原作
プク・ダムスゴー
脚本
アナス・トーマス・イェンセン
撮影
エリック・クレス
衣装
スティーネ・テーニン
編集
アンネ・オーステルード
音楽
ヨハン・セーデルクビスト
監督
ニールス・アルデン・オプレブ
共同監督
アナス・W・ベアテルセン
製作
モーテン・カウフマン
製作総指揮
ニールス・アルデン・オプレブ アナス・W・ベアテルセン
原作
プク・ダムスゴー
脚本
アナス・トーマス・イェンセン
撮影
エリック・クレス
衣装
スティーネ・テーニン
編集
アンネ・オーステルード
音楽
ヨハン・セーデルクビスト
ダニエル・リュー(エスベン・スメド)
ジェームズ・フォーリー(トビー・ケベル)
アートゥア(アナス・W・ベアテルセン)
アニタ(ソフィー・トルプ)
サーラ・ヨート・ディトレセン
2019年製作/138分/G/デンマーク・スウェーデン・ノルウェー合作
原題:Ser du manen, Daniel
配給:ハピネット