映画『浅田家!』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『浅田家!』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『浅田家!』
(127分/G/日本/2020)
【監督】
中野量太
【原案】
浅田政志【脚本】中野量太 菅野友恵【製作】市川南【企画】小川真司【プロデュース】小川真司【撮影】山崎裕典
【出演】
二宮和也
妻夫木聡 黒木華 菅田将暉 風吹ジュン 平田満
【HPサイト】映画『浅田家!』公式サイト
【予告映像】映画『浅田家!』トレーラー
第44回日本アカデミー賞において黒木華さんが助演女優を受賞しました
黒木華さん「おめでとう」
映画『浅田家!』のオススメ度は?
星3つ半です
二宮くんがまた「一皮」むけた
菅田将暉くんって「変幻自在」ですね
黒木華さんは「和美人」です
写真は嘘がつけない
映画『浅田家!』の作品情報・概要
『浅田家!』2020年10月2日公開の日本映画。『長いお別れ』の中野量太監督作品。主演は映画『硫黄島からの手紙』二宮和也。「浅田家」で第34回 木村伊兵衛写真賞(2008年度)受賞した写真家・浅田政志の写真集『浅田家』と『アルバムのチカラ』を原案として映画化された。写真と通して家族の大切さを訴求した名作と言える。黒木華、妻夫木聡。
映画『浅田家!』のあらすじ・ネタバレ
写真家・浅田政志は父・浅田章(平田満) の葬儀に駆けつける。兄・浅田幸宏(妻夫木聡)から「遺影は?」と聞かれ、かつて父がなりたかった消防士の写真を差し出す。兄は「いくらなんでもこれは、、、」というが、政志はこれが一番良い顔だと言う。兄も頷く。そして政志は幼い頃を回想する。台所で包丁を足に落として血まみれの父、政志は母を呼びに外へ飛び出して大怪我、騒ぎに気がついた兄は階段から転げ落ち額を切る。そして三人仲良く病院へ。母・浅田順子(風吹ジュン) は病院の看護師。怪我した三人を見てお冠の様子だが、すぐに大笑いとなる。
映画『浅田家!』の感想・内容
二宮君は主役を演じながら他の共演者を「光らせる」「際立たせる」稀有な俳優だと思います。
「良い映画」だと思います。実話をモチーフにしています。
本映画『浅田家!』の魅力はやっぱり主演の二宮和也君の好演に尽きると思います。
彼の演技を初めて良いなあと感じたのはクリント・イーストウッド監督作品『硫黄島からの手紙』です。
硫黄島で生き残る理由はやはり「妻子に会いたい」という純粋な気持ちが誰よりも強く、その願いは果たされました。
もちろん声だかには叫んでいませんし、若干役柄はいじけキャラに近かったのも応援したくなった理由です。
それと二宮くん自身がご結婚されて家庭を持ったことも本映画『浅田家!』の全体的な雰囲気にとても影響を与えていると思います。
なんだか“穏やか”な感じがします。彼の魅力はでしゃばらないところではないでしょうか。そっと佇んでいるお花のようです。
そして彼に近づくと他の俳優は光を放つような存在です。特に黒木華さんがとても良かったです。
二宮君は主役を演じながら他の共演者を光らせる、際立たせる稀有な俳優だと思います。
菅田将暉くんと小松菜奈さんが時を経て「家族」になります
三重県津市の『浅田家!』をモチーフに映画化
二宮くんは本映画『浅田家!』では写真家を演じています。この家族とても面白いです。
父・浅田章(平田満)はカメラが趣味で、暇さえあれば家族写真を撮っています。
中でも毎年の年賀状写真にはこだわりがあり、受け取った人が思わず笑ってしまうような写真です。
このことが後に大きく影響を与えます。母・ 浅田順子(風吹ジュン) は看護師。
仕事が大好きで出世もしたいと考えています。そこで夫の章は専業主婦になります。
子どもは、長男・浅田幸宏(妻夫木聡)と次男・浅田政志(二宮和也) の四人家族です。とても穏やかでのんびりしています。
家族は三重県の津市に住んでいます。
好奇心の強い政志の写真に川上若奈(黒木華) は完落ち
政志はとても好奇心の強い少年でした。小学生の頃、誕生日に父から一台のカメラをもらいました。それで人生は変わったのです。
もっと言うならカメラを手にしたことで、浅田家の運命も変わっていくのです。
幼い頃から当たり前の「ピース写真」には興味がありませんでした。
写真を撮る対象の人物の内面から魅力を引き出す手法で撮影します。
政志の写真の才能をいち早く認めたのは幼馴染の川上若奈(黒木華) です。
ほっぺを少し触られて微笑んだ顔をパシャリと収められた“完落ち”します。
小学生です。
山口百恵&三浦友和がスペインで「家族」を見つけます
とうちゃんが「消防士になりたかった」を聞いて政志の中で何かが弾ける
政志は地元の高校を卒業して大阪の写真学校に通いますが、落第寸前です。
両腕に刺青を入れて、一見チンピラ風です。
学校長の計らいで「良い写真が撮れたら卒業」となり、故郷に2年ぶりに帰郷します。
そして写真を撮り、それが学校で評価されて無事卒業となります。しかしながら就職などしません。
地元に帰り、毎日釣りやパチンコへ出かけて遊んでいます。兄の幸宏が責めます。
しかも幸宏の紹介してくれた会社の面接もすっぽかします。
父は庇ってくれます。
父に「とうちゃんは、何になりたかったの?」と尋ねると「消防士」と答えました。それを聞いて政志の中で何かが弾けます。
家族のなりたかった夢を叶えてから「上京」するが、、
兄に怒られたことをよそに、父の消防士姿を写真に収めようと奔走します。
兄のつてをたどり、無理やり消防車を借りてパチリ。
次に母のなりたかった「極道の妻」もパチリ。兄はレーサーです。鈴鹿サーキットへ行ってパチリです。
家族のなりたかった夢を叶えてから、次々とアイデアを出して写真を撮ります。そして政志は意を決して上京するのです。
この上京ってパターンはありがちなので「うーん」って思いますが、実話でもやはり東京勝負なので致し方ありません。
父の愛が欲しい「真の家族」について悩むジェームズ・ディーン
東京へ行くというパターンはありがちだが、、、
NHKの朝ドラなんかもそうですが、生まれは地方のど田舎で、必ず東京へ行って成功と言うパターンには辟易してしまうのです。どうせなら中国へとか、、、。
ですから映画では実話とは違う設定を期待していたので残念です。
もうわかってしまうのです。東京へ行ってもすぐには芽が出ません。
孤軍奮闘し、くじけそうな時に恋人がいるという、、、、。映画『浅田家!』では同郷の川上若奈(黒木華) です。
ただです。単に写真家の成功物語では終わらなかったのが良かったです。
映画『浅田家!』の結末・評価
小野陽介(菅田将暉)や父を亡くした少女との出会いを通して
政志が木村伊兵衛写真大賞をとってから、家族写真専門のカメラマンになります。
少しずつ仕事も増えてきた時に東日本大震災が起きます。それを機に東北へ向かいます。これは良い話ですね。
政志はずっとボランティア活動をします。地震と津波で家が壊れ、家財もなくし、写真があちこちに散乱しています。
それらを拾い集めて、洗い、展示することで、家族写真を無くした人たちの元へ返そうとする青年・小野陽介(菅田将暉) に出会います。
毎日毎日、写真を集めます。
政志はあまりにも衝撃的な光景に写真が撮れなくなっています。一人の少女が「家族写真を撮って」と来ますが、撮れません。
彼女の父は震災で帰らぬ人となっているからです。政志は自分の無力に気が付きます。
身分・家長制度とは?「家族」になりたい二人の前に戦争が、、、
政志は初めて写真家としての「自我」が芽生えて「成長」して行く
本映画『浅田家!』のテーマとして政志の成長があると思うのです。
今まで写真を撮り続けてきた政志がシャッターを押せなくなり、再びシャッターを切ることができる過程が一番の見所だと言えます。
もし政志が震災地でバシャバシャと写真を撮っていたら、どう思いますか?悲惨な場面ばかりを被写体にするテレビ局や新聞社のカメラマンと同じになっていまします。
「真実の報道」という大義名分を掲げてメディアは、人の気持ちを踏みにじるようなことばかりします。
視聴率と新聞販売のためならなんでもします。でも政志はその時初めて写真家としての「自我」が芽生えたと思うのです。
それは“人のふり見て我がふり直せ”のごとく、なりふり構わずカメラを向けているメディアを見る冷たい視線に現れていました。
できることなら政志に暴れて欲しかったです。メディアの人間に「止めろよ」と言って。
家族の夢を実現するために「わたしは戦う!」
政志は友だちである写真と共に、震災の中へ飛び込みさらに人間として成長した
さて映画は希望を持って結実します。父を亡くした少女の家族写真を撮って涙腺を決壊させます。
シャッターを再び押せるようになった政志の笑顔は最高です。
本映画『浅田家!』は写真を通して成長していく人間の物語です。
浅田政志の写真には真実しかないと思います。それはシャッターを切る浅田政志自身に嘘偽りがない人生だからです。
父、母、兄ととても優しい家族が政志の人間を作ったことは間違いないです。彼に撮ってカメラは友だちです。
その友だちが多くの出会いをもたらしてくれました。
震災もそうです。
政志は友だちである写真と共に、震災の中へ飛び込みさらに人間として成長したのだと思います。良い映画でした。
映画『浅田家!』のキャストについて
浅田政志(二宮和也)
三重県津市出身の写真家。小さい頃、カメラ好きの父からカメラをもらい写真の道に入る。性格的にのほほんとしている。高校卒業して大阪の写真専門学校へ。授業に出ずほとんど遊んでいた。卒業が危うくなり帰省して、家族の写真を撮って学長賞をもらい卒業。その後、パチスロをやったり、、、。父のなりたかった「消防士」の夢を叶えてあげようと写真を撮る。二宮和也君は他の共演者を光らせる稀有な俳優だと思います。派手さなないのに引きつける魅力があります。
浅田幸宏(妻夫木聡)
政志の兄で会社員。真面目。弟・政志に振り回されているが、実はそれが楽しそう。政志のお願いを叶えてあげる。妻夫木聡さんの真面目な雰囲気が全開でした。爽やかな兄であり、いつも弟のことを気にかけている心優しい兄が見て取れました。
川上若奈(黒木華)
政志の幼馴染。小学校の時に写真を撮ってもらい、政志の才能に惹かれる。アパレル関係の仕事に就いた。政志を応援しているが、結婚適齢期で焦っている。そして勝負をかけた。黒木華さんは本当に日本を代表する女優さんだと思います。“和”の雰囲気がこれほど出せる人はそんなにいません。しかも洋風の衣装でもしっかりと和美人を醸し出すあたりは素晴らしいです。姿勢が良いです。
小野陽介(菅田将暉)
震災で友人を亡くした大学生。写真返却ボランティアを始める。菅田将暉君、最初はわからなかったです。オーラを隠していたのでしょう。ど真面目な近眼メガネが印象的でした。演技もかなり「抑えていた」のではないでしょうか。変幻自在な役者さんですね。
浅田順子(風吹ジュン)
幸宏と政志の母親。看護師。夫にも息子にもほとんど怒らない。自由にさせている。心優しい。ただ政志が危篤の父親を残して旅たつ場面の“ビンタ”には同感しました。 風吹ジュンさんはもうベテランですね。
浅田章(平田満)
幸宏と政志の父親。看護師の妻の仕事を応援するために専業主夫になる。写真が大好き。正月の年賀状撮影で息子二人をモデルにする。その影響で政志が写真家になる。呑気な性格。病気になってもポジティブ。平田満さんの演技には“温もり”があります。息子たちが穏やかになるのもわかります。
外川美智子(渡辺真起子)
渋川謙三(北村有起哉)
浅田和子(野波麻帆)
姫野希美(池谷のぶえ)
内海莉子(後藤由依良)
まとめ 映画『浅田家!』一言で言うと!
「写真は幸せの軌跡を記録したい」
今や世界中の人がカメラマンの時代と言えます。誰もがスマホで写真を撮って楽しんでいます。いや「撮りまくっている」と言って良い状況です。もうプロとアマの違いがわからなくなるほど、上手に写真を撮る人が多く出てきています。しかし本当に心を打つ写真というのはどういうモノなのかわからくなってきました。ただ言えることは家族の幸せな写真は心から笑顔が出ることです。
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映画『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』
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映画『黒い司法 0%からの奇跡』
絶対に「無実」だと信じる強い家族
映画『浅田家!』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
中野量太
原案
浅田政志
脚本
中野量太 菅野友恵
製作
市川南
共同製作
藤島ジュリーK. 堀義貴 弓矢政法 中西一雄 篠田学 飯田雅裕 広田勝己 小川真司 竹内未来 舛田淳 奥村景二 田中祐介 飯田義典
エグゼクティブプロデューサー
山内章弘 臼井央
企画
小川真司
プロデュース
小川真司
プロデューサー
若林雄介
アソシエイトプロデューサー
久保田恵 内山ありさ
撮影
山崎裕典
照明
谷本幸治
録音
久連石由文
美術
黒川通利
装飾
松葉明子 天野竜哉
衣装
西留由起子
ヘアメイク
酒井夢月
編集
上野聡一
音楽
渡邊崇
エンディングテーマ
THE SKA FLAMES
キャスティング
杉野剛
監督補
塩崎遵
製作担当
甲斐恵美理
ラインプロデューサー
大熊敏之
VFXスーパーバイザー
大萩真司 佐伯真哉
スクリプター
田ロ良子
音楽プロデューサー
北原京子
プロダクション統括
佐藤毅
浅田政志(二宮和也)
浅田幸宏(妻夫木聡)
川上若奈(黒木華)
小野陽介(菅田将暉)
浅田順子(風吹ジュン)
浅田章(平田満)
外川美智子(渡辺真起子)
渋川謙三(北村有起哉)
浅田和子(野波麻帆)
姫野希美(池谷のぶえ)
内海莉子(後藤由依良)
2020年製作/127分/G/
日本 配給:東宝