『さよなら くちびる』(116分/日本/2019)
映画『さよなら くちびる』のオススメ度は?
星4つ半です。
音楽をやっている人のみならず、何かに挑戦している人は必見です!
勇気と力が出てきます。
絶対に損はさせません!とても良い映画です。
単なる女の子の音楽映画ではありません。
友情、恋愛、夢、そして生きる意味について深く考えさせてくれます。
また若手俳優の成田凌、門脇麦、小松菜奈の3人の軌跡を今、観ておいた方が良いでしょう!
絶賛です。
以下、作品情報とか感想とか書いてあります。チャラーと読んでください。
今夏最大にヒット映画は中島みゆきさんの楽曲『糸』をモチーフ
映画『さよなら くちびる』の作品情報
【原題】
『さよなら くちびる』
【製作年】
2019年
【製作国】
日本
【上映時間】
116分
【日本公開】
2019年
【原案】
塩田明彦
【監督】
塩田明彦
【脚本】
塩田明彦
【キャスト】
小松菜奈
門脇麦
成田凌
篠山輝信
松本まりか
新谷ゆづみ
日高麻鈴
青柳尊哉
松浦祐也
篠原ゆき子
マキタスポーツ
映画『さよなら くちびる』の作品概要
若い二人の女性が音楽ユニットを作り活動する過程で“あぶり”出された人間性を軽快な音楽に乗せて真の友情へと真価させるロードムービー。自身の才能と存在に悩み、恋をつかもうと格闘する姿に胸が締め付けられる。
映画『さよなら くちびる』のあらすじ・ネタバレ
作詞作曲の才能が秀でたハルと歌唱能力が高いレオとの出会いは必然だった。二人は路上ライブをスタートさせ、全国のライブハウスへ活動の場を広げていく。そこにローディー&マネージャーとしてシマという男が参入して更に勢いが増した。しかしちょっとした誤解からハルとレオは不仲になり解散を口走る。あとが引けなくなった二人の面倒をみるシンだが、二人の意思は硬く解散コンサートを開く。そして最後のコンサートが終わり、東京へ戻るが、、、。
映画『さよなら くちびる』の感想・評価・内容・結末
「ハルレオ」門脇麦と小松菜奈の歌声に背中がゾクゾクした
やっぱり音楽は良い。ギターを弾きながら歌を唄うことに憧れたこともある。でもこの映画の「ハルレオ」みたいな容姿も無ければ特徴のある声も持っていないから諦めた過去がある。
本作を観ていると胸がずっと締め付けられっぱなしだった。儚いのだ。そう、歌手は儚い存在に見えるのだ。
しかも青春が加わるから尚更だ。「ハルレオ」あの細い体から発せられる憂いを帯びた声が背中をゾクゾクさせる。力強くないのが良い。
ちょっとのっぺり調子で力を抜いた感が良い。ギターもとびっきり上手くないのも良い。見据えた瞳も近くの人ではなく、どこか異次元を見ているようで更に良い。
青春は儚い だからこそ美しいのだ 躓いても進め
私はロックンロールのような直線的に訴えてくる音楽、強制的に心に割り込んでくる音楽は苦手だ。その点、このハルレオのようにのっぺりと来る音楽はとても良い。
そして儚く感じるのは映画だからだ。この映画の物語が“解散”という悲劇的な運命へ向かっているのもある。来るべき解散コンサートに向かってのカウントダウンが聞こえてくるのだ。
夢は覚めて現実に戻ってしまう。つまり儚く切ない青春の躓きなのだ。あ~、胸が苦しい。
この映画自体が一編の詩でありメロディーを奏でてる
そしてこの映画は最初から最後まで集中力が切れることなく引っ張ってくれた。一編の歌を聴いているように観た。力のある映画だった。
まず第一に役者が良い。門脇麦さん、この人は本当に独特な雰囲気を持っている。どこか涼しげというか、冷めた目で見るあの佇まいは誰にも真似できない。心ここに在らずというか、距離感を覚えるが、思いっきり抱きしめたくなるのだ(ちなみに私は彼女が満面の笑みをしている演技を見た記憶がない)
小松菜奈さん、この人も素晴らしい。ズボラな役もお上品な役もすっと入ってくる。本作のショートヘアーにはボーイッシュな印象を持ったが、か弱い乙女心満載でたまらなかった。
そして私が今最も注目している俳優が成田凌くんだ。とにかくカッコイイのだ。“恐ろしくカッコイイ”のだ。媚をうるようなカッコ良さではない(わかるかなあ、この表現)あの年齢であの雰囲気はそういないと思う。
『チワワちゃん』も『愛が、なんだ』も全く違う演技だが心に張り付いて離れないのだ。いやー、本作はこの3人をずっと見ることができて幸せだ。
「方向性の違い」とは結局は金銭問題なのだ
映画の内容に戻るが、古今東西、バンドというのは結成した瞬間に解散という宿命を背負うものなのだろうか。解散理由は多々あるが、やはりお金の問題が多いのではないだろうか。
よく「方向性の違いから」という理由を聞くが、本音はメンバーを引っ張っているのはやっぱり楽曲を作る人間になるのだ。売れた際の楽曲者が手にする印税は多額だ。
他のメンバーは嫉妬するし、自身の才能と比べて引け目を感じるだろう。更にもし報酬がメンバー間で平等であったならそれこそ最悪の事態を招くだろう。
“才能”で格差が生まれてしまうのだ
本作も然り。結局ハルの才能が際立っている。そのことに引け目を感じたレオ。チヤホヤされ流のはハルだ。
そりゃあ、ボーカルだけに注力することはできるが、作詞も作曲もできなければミュージシャンとして悲しくなるでしょう。特にクリエイティブな作業はいくら勉強してもたやすく身につかないという。
生まれ育ち、学び、経験した上での感性が芽生えてくる。その時に爆発的な才能がクリエイティブな表現に繋がるそうだ。だからレオは悲しい。
“恋愛”もバンドの継続に大きな影響を与える
もう一つ、このこのハルレオの活動が不安定になる要因はやはり“恋愛”だろう。チーム内での恋愛感情は本当にバンドの将来に大きな影響を与えるようだ。
それが祝福されるものであれば未来は明るい。でもネガティブな感情が噴出したらもう終わりだろう。そういったバンドは多くあったと思う。
解散コンサートは再生コンサート?
さてさて、映画は計画通り解散コンサートを終える。最後の重たい沈黙に涙腺が緩んでしまう。この3人の若手俳優の底力を見た。
とにかく私に青春の文字を思い出させてくれたし「生きることは儚い」でも生き続けようと背筋を伸ばしてくれた映画だった。
塩田監督と立教大学で映画サークルの同期だった黒沢清監督も最新作を発表した。同時期に二人の作品を観ることでできて幸せだ。二人ともまだまだチャレンジしている。
以下、黒沢清監督の最新作
『旅のおわり世界のはじまり』
映画『さよなら くちびる』まとめ 一言で言うと!
頑張れ!青春、夢を抱いて前へ前へと進み続けろ!
若さとは挑戦する特権がある。しかも挑戦は若さの味方をする。青春の儚さに気がつくのは年老いてから。今は何も考えず挑戦するべし!
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合わせて観たい映画
【小松菜奈さん出演映画】
成田凌くん出演の映画
『チワワちゃん』
『愛がなんだ』
映画『カツベン!』
長台詞がすごい
https://undazeart.com/katsuben/
映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』
それほど目立ちませんが良い味出してます
https://undazeart.com/ningensikkaku/
【夢に向かって頑張っている映画】
映画『パリに見出されたピアニスト』
夢の叶え方がわからない少年に手を差し伸べる人
映画『レディ・マエストロ』
女性指揮者のパイオニアが困難を乗り越えて夢を実現する物語
映画『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』
ソ連から亡命してまで自身の夢を掴んだ
映画『王様になれ』
カメラマンになりたいんだ!と叫びが聞こえる映画
映画『風をつかまえた少年』
両親、村、この国の役にたちたい。若者は挑戦しました
映画『ブレス あの波の向こうへ』
どんな時も頭の中はサーフィンの事ばかり
映画『ガラスの城の約束』
毒親の妨害を振り切って夢はまっしぐら
映画『リアム16歳、はじめての学校』
名門大学目指して母と息子で目指す受験
映画『ビリーブ 未来への大逆転』
女という事で笑われようがやりたいことがあるから気にしない
【LGBTに関連した映画】
映画『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』
宗教よりやっぱり「あなたが大事」なんです
映画『ボーダー 二つの世界』
新しい「性」の世界を描いています
映画『グッバイ、リチャード!』
初めて男性と愛し合うジョニー・デップ
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
卒業前夜に「彼女に愛を告げた」でも振られた
映画『ペイン・アンド・グローリー』
ずっと昔愛した人と再会して「再び生きる」気持ちになれた
映画『スケアクロウ』
純愛なる男同士の愛の物語
映画『永遠に僕のもの』
彼の心が欲しい美しすぎる犯罪者の恋物語
映画『ロケットマン』
性について悩むエルトン・ジョンの魂の叫びが聞こえます。
映画『ゴッズ・オウン・カントリー』
本当に美しい若い二人の恋物語です
映画『コレット』
フランスの女流作家の波乱万丈の人生を描いている。半世紀前に勇気を出して同性愛を告白した女性。
映画『ある少年の告白』
同性愛を矯正する学校に入れらた少年たち。しかし本当の性を見つけて生きていく決意をする。
映画『グリーンブック』
有名な黒人ピアニストが人種差別を戦う過程で自身のセクシャリティーを告白している。
映画『女王陛下のお気に入り』
イギリス王室の物語。アン王女と侍女の関係を描いている。
映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
アメリカ女子テニスのスーパースターが性差別撤廃に向けて戦う。自身も同性愛者とカミングアウトする。
映画『J・エドガー』
長年FBIを務めたエドガーの半生
スタッフ
監督 塩田明彦
原案 塩田明彦
脚本 塩田明彦
製作 依田巽 中西一雄 定井勇二
エグゼクティブプロデューサー
小竹里美
企画 瀬戸麻理子 プロデュース 瀬戸麻理子 プロデューサー根岸洋之 高橋尚子 音楽プロデューサー 北原京子 協力プロデューサー村野英司 ラインプロデューサー大日方教史 撮影四宮秀俊 照明秋山恵二郎 録音鶴巻仁 美術竹内公一 装飾石田満美ス タイリスト伊賀大介 ヘアメイク倉田明美 編集佐藤崇 サウンドエディター伊東晃 音楽きだしゅんすけ 主題歌プロデュース秦基博 挿入歌あいみょん スクリプター近藤真智子VFX 浅野秀二助監督 毛利安孝制作担当 小川勝美 アソシエイトプロデューサー増山紘美
キャスト
小松菜奈西野玲緒(レオ)
門脇麦久澄春子(ハル)
成田凌志摩一郎(シマ)
篠山輝信
松本まりか
新谷ゆづみ
日高麻鈴
青柳尊哉
松浦祐也
篠原ゆき子
マキタスポーツ
作品データ
製作年 2019年
製作国 日本
配給 ギャガ
上映時間 116分
映倫区分 G