映画『キングダム』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
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『キングダム』
2019年製作/134分/G/日本
配給:東宝、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
【監督】
佐藤信介
【原作】原泰久【脚本】黒岩勉 佐藤信介 原泰久【製作】北畠輝幸 今村司 市川南 谷和男 森田圭 田中祐介 小泉貴裕 弓矢政法 林誠 山本浩 本間道幸【エグゼクティブプロデューサー】木下暢起 伊藤響【企画】稗田晋 村田千恵子【プロデューサー】松橋真三 北島直明 森亮介 平野宏治【アソシエイトプロデューサー】高秀蘭【ラインプロデューサー】小沢禎二【中国ユニットラインプロデューサー】角田道明【撮影監督】河津太郎【撮影】島秀樹【照明】小林仁【録音】横野一氏工【美術監督】斎藤岩男【美術】瀬下幸治【装飾】秋田谷宣博【衣装デザイン】宮本まさ江【ヘアメイク】本田真理子【編集】今井剛【音楽】やまだ豊【音楽プロデューサー】千田耕平【主題歌】ONE OK ROCK【アクション監督】下村勇二【キャラクター特殊メイクデザイン】藤原カクセイ【特殊造形統括】藤原カクセイ【VFXスーパーバイザー】神谷誠 小坂一順【かつら】濱中尋吉【コンセプチュアルデザイン(山の民)】田島光二【DIプロデューサー】齋藤精二【カラーグレーダー】齋藤精二【スクリプター】田口良子【助監督】李相國【制作担当】吉田信一郎【中国ユニット制作担当】濱崎林太郎【テクニカルプロデューサー】大屋哲男【中国史監修】鶴間和幸
【出演】
山崎賢人 吉沢亮 長澤まさみ 橋本環奈 本郷奏多 満島真之介 高嶋政宏 阿部進之介 一ノ瀬ワタル 六平直政 深水元基 橋本じゅん 坂口拓 阿見201 宇梶剛士 加藤雅也 石橋蓮司 要潤
大沢たかお
映画『キングダム』外部リンク
【HPサイト】
映画『キングダム』公式サイト
【予告映像】
映画『キングダム』トレーラー
【公式Twitter】
映画『キングダム』
【IMDbサイト】
【 Rotten Tomatoesサイト】
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映画『キングダム』『金曜ロードSHOW!』2022.7.15 よる9時~11時39分放送
2022.7.15 よる9時~11時39分放送
『金曜ロードSHOW!』2020年5月29日(金)21:00 – 23:39。地上波初視聴率は16.5%
山崎賢人 、吉沢亮、 長澤まさみ、 橋本環奈、 本郷奏多等の若手俳優が生き生きと演技しています。
さらにベテラン俳優の大沢たかお、宇梶剛士、加藤雅也、石橋蓮司 、六平直政等が脇を固めます。これは必見です。
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映画『キングダム』のオススメ度は?
星3つ半です
スケールが大きい
デッカすぎるくらい
「友情」と「夢」がテーマ
頑張っている人を応援したくなります
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映画『キングダム』の作品情報・概要
『キングダム』2019年製作・公開の日本映画。原泰久原作マンガの『キングダム』を映画化(『週刊ヤングジャンプ』(集英社)連載中)実写化不可能と言われていたが、佐藤信介監督によって実現。脚本に原泰久も加わりわかりやすい構成にしたことがヒットを後押しした。山崎賢人、吉沢亮(映画『さくら』や映画『青くて痛くて脆い』や映画『一度死んでみた』)、長澤まさみ(映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』や映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』や映画『MOTHER マザー』や映画『シン・ウルトラマン』や映画『SING シング ネクストステージ』や映画『世界の中心で、愛をさけぶ』や映画『海街diary』や映画『すばらしき世界』や映画『コクリコ坂から』)、橋本環奈(映画『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル』や映画『今日から俺は!!劇場版』)、本郷奏多(映画『Diner ダイナー』)、満島真之介(映画『三度目の殺人』)、高嶋政宏(映画『燃えよ剣』や映画『マスカレード・ホテル』や映画『空母いぶき』)、大沢たかお(映画『世界の中心で、愛をさけぶ』)、阿部進之介、一ノ瀬ワタル、六平直政(映画『奥様は、取り扱い注意』や『ソローキンの見た桜』)、深水元基、橋本じゅん(映画『極主夫道 ザ・シネマ』や映画『罪の声』)、坂口拓、阿見201、宇梶剛士(映画『孤狼の血 LEVEL2』)、加藤雅也(映画『望み』や『二階堂家物語』)、石橋蓮司、要潤(映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』)らが出演。
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映画『キングダム』の受賞歴
第44回 報知映画賞
監督賞「佐藤信介」
第43回日本アカデミー賞
優秀作品賞 優秀監督賞「佐藤信介」 優秀音楽賞「やまだ豊」 最優秀撮影賞「河津太郎」 最優秀助演男優賞「吉沢亮」 最優秀助演女優賞「長澤まさみ」 最優秀美術賞「斎藤岩男」 優秀録音賞「横野一氏工」 優秀編集賞「今井剛」
第62回 ブルーリボン賞
助演男優賞「吉沢亮」
第10回ロケーションジャパン大賞
監督賞「佐藤信介」
第39回藤本賞
特別賞「松橋真三、村田千恵子、稗田晋、森亮介、北島直明
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映画『キングダム』のあらすじ・ネタバレ(簡易版)
戦争孤児である信(山崎賢人)は下僕として農家に売り渡された。そこにはもう一人同じ戦争孤児である 漂(吉沢亮)がいた。二人の性格は真反対だが、下僕から抜け出し「天下の大将軍」の夢を持ち剣術に励む日々を送っていた。ある日、昌文君(高嶋政宏)が現れ漂だけを王宮へ連れて行った。一人残された信は剣術に励んでいた。ある夜、傷ついた 漂が訪れ地図を手渡し「ここへ行け」と言って絶命。信は真夜中、無我夢中で駆け出し、たどり着いた先で待っていた人物を見て驚愕する。
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映画『キングダム』のあらすじ・ネタバレ(詳細版)
映画『キングダム』のあらすじ・ネタバレ:起
紀元前255年、中華では7つの国が対立しており500年も戦いが繰り返されていました。
その中の秦という国で、信は奴隷として売られた先で漂と出会います。
2人は1万回真剣勝負をすれば将軍と同じくらい強くなれると信じて仕事の合間に鍛えました。
ある日、大王に仕える大臣の一人、昌文君が勝負をしている2人を見かけ、漂を身受けしたいとのこと。
信は将来の夢を互いに叶えていこうと約束し、離れ離れになってからも鍛錬を続けます。
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映画『キングダム』のあらすじ・ネタバレ:承
そうして月日は流れたある夜、瀕死の漂が帰還したことに驚く信…。
大王の弟が反乱を起こしたこと、黒卑村の地図を渡すので向かって欲しいということを告げて漂は息を引き取ります。
信は約束を果たすため、地図が示す場所に向かうと漂とうり二つのエイセイがいました。
王である彼は漂を身代わりにして生き延びたと察した信は怒りを露わにしますが、まずは追っ手を倒すことに…。
朱凶を倒し、さらに追っ手が迫っているとわかり、河了貂という山の民の出の女が抜け道を教えると言うので信じることにします。
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映画『キングダム』のあらすじ・ネタバレ:転
そうして昌文君と合流したエイセイたちは、山の民の協力を得るという作戦を考えました。
しかし、山の民は前の秦の国王に裏切られた経緯があり、信用していない様子…。
それでも、信の熱い言葉に動かされた山の民の長・楊端和は協力することにします。
秦の実権を握っていた呂不韋の不在を狙って、エイセイの弟のセイキョウが謀反を起こし、宮にはかなりの数の兵がいる…。
そこで山の民と共に正面から宮を訪ね、仲間になるふりをしてセイキョウの元に近付こうとします。
信たちは山の民のお面を付けて宮に向かいました。
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映画『キングダム』のあらすじ・ネタバレ:結
門に辿り着いた一行は、50人だけしか中には入れられないと言われて仕方なく承諾。
信は数人と共に隠し通路からセイキョウの元に向かいますが、大男と複数の兵が行く手を塞がれて信たちは辛くも勝利。
しかし、セイキョウの元にはさらに腕っぷしのある左慈という男がいたのです。元将軍である左慈と信が戦い、勝てないかと思われましたが…。
信は高く飛びあがり、剣で斬りつけたことでとどめを刺すことができました。
正面から向かっていたエイセイたちは多くの敵を相手になんとか堪えており、そこにセイキョウが現れたことで信が勝ったことを知ります。
王族の血にこだわっていたセイキョウをエイセイは殴り倒すと、六大将軍の一人である王騎将軍が現れました。
彼はエイセイにどのような王を目指すのかと聞くと、「中華を統一する」と彼は答えたため、協力することにします。
信は王騎に名を名乗り、エイセイが王に戻れたことを河了貂と共に喜びました。
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映画『キングダム』の感想・内容
原泰久原作『キングダム』完全実写化に成功!
原泰久原作マンガ、『キングダム』を映画化した作品です。
実写化不可能と言われていましたが、佐藤信介監督によって実現しました。
正直、スケールが半端無いです。デッカいです。ロケは中国の浙江省に巨大なオープンセットと作り20日あまりかけての撮影。
国内でも静岡、千葉、熊本、宮崎、栃木などを横断的に行ったという近年映画では最も大規模です。出演俳優も日本の俳優を全部集めたのでは!と思わせるほど豪華です。
興行収入も57億円を叩きだした超大作です。
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映画館で観る映画の代表作
この映画はまさしく劇場で観る映画の筆頭だと思います。もちろんテレビで鑑賞する際はできるだけ大きな画面で観ることをお勧めします。
というのは画面の右から左、上から下に渡るまで、中国の春秋時代のままに作られています。
もちろんCGも使われていますが、やはり王宮のセットは必見です。
「よくぞ、ここまで作り上げた」と拍手しました。しかも撮影は中国で行なっています。
中国はもはや映画製作においては日本を追い抜いています。
でも中国で映画の撮影するにはとても厳しく、さらにお金がかかります。権利問題とかもクリアーしていることを祈るばかりです。
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「友情」と「夢」をテーマにした名作
さて、本映画『キングダム』は漫画家・原泰久さん原作の物語です。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて2006年9号から連載が始まっています。
まだまだ終わりそうにありません。あまりにもスケールが壮大です。
ジャンプですから「友情」というテーマが基本となっています。
若者が下僕として育ち共に「天下の大将軍になる」ことを夢見ています。
「下僕のままでは終わらない」「努力すれば夢は叶う」というテーマがさらに重なることで圧倒的な支持を得ています。
「天下の大将軍」という見果てぬ夢を追いかけて
実際、二人は下僕として育てられます。
下僕とは召使いという意味以上にどちらかというと奴隷に近いです。下僕の身であるなら一生涯その身分で生きなければいけない時代の話です。
普通、下僕に生まれたのであれば、その身分から脱却しようとは思いません。
幼少の頃より「下僕は下僕」と洗脳されて育てられます。
でも本映画『キングダム』の場合、頭の良かった漂(吉沢亮)が上の世界を知っていたのが功を奏しました。
信(山崎賢人)は下の世界しか知らなかったのに漂に誘われて上を目指します。
上とは「天下の大将軍」のことです。
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「夢」と「友情」があったからこそ下僕でも耐えられた
二人は毎日、田畑や山林へ行き働きます。もちろん報酬はありません。
合間を縫って剣術を磨きます。我流です。毎日が真剣勝負です。数年過ごします。
粗末な衣服と住居で囚われての身となっています。
とても辛い環境ですが、二人が耐えられたのはやはり“夢”があったこと、そして“友情”があったからでしょう。
ある日、漂(吉沢亮)だけが王国に身請けされることになります。ここで二人は初めて離れ離れになりますが、互いの夢を再確認で別れます。
漂の死を受け入れて大王・嬴政に使える決意
物語は残された信(山崎賢人)を中心に展開して行きます。信は来る日も来る日も一人で剣の練習をします。
ある日の深夜、何者の気配で目を覚ますと、それは傷ついた漂(吉沢亮)でした。
そして「この場所へ行け」と行って地図を託して絶命します。ここから物語は急展開して行きます。
元々は猪突猛進タイプの信ですから「思い立ったら止まりません」地図の場所へと目指します。
山賊を撃破したどり着いた先にはなんと死んだはずの漂がいました。実際は大王・嬴政 (吉沢亮)です。漂にそっくりです。
ここで信はようやく事の次第を理解します。漂は大王の影武者として王国に行ったのです。
しかし、そのために漂が死んでしまったことが許せません。下僕の存在ながら大王・嬴政 をぶちのめします。
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若い二人には明確な目的があったから心をひとつにした
嬴政は世界を見ています。
たったひとり影武者の死など大勢にはちっぽけである事、漂は自らの命を犠牲にすることにためらいがなかった旨を伝えます。
最初は憤りを感じていた信ですが、大王・嬴政 が放つ冷静かつ未来を見る洞察力に感化され、次第に心が惹きつけられて行きます。
こうして二人は一緒に逃避します。
そこに加わったのが 河了貂(橋本環奈)という山の民の子孫です。フクロウの被り物をまとっています。
地理に明るいです。最初はお金目的で二人の道案内をしますが、次第に嬴政の気高さに惹かれて行きます。
そして山の民の女王・楊端和(長澤まさみ)と連携を組みます。それからクーデターを起こした成蟜(本郷奏多)と対決するのです。
トムクルーズは50歳から全力疾走しています。
映画『キングダム』の評価・結末
スケールは大きいが脚本がわかりやすい
ザッと映画『キングダム』の序章を書きましたが、正直申し上げて「とても面白い」です。
中国の史実もの映画はたくさんあります。『三国志』などは代表的ですが、やはりお隣中国の物語なので中々理解するのが難しいです。
「でも、でもです」この映画『キングダム』はとてもわかりやすいのが特徴です。
その理由はテーマが「友情」と「夢」に絞られているからです。
史実ものの登場人物の多さには圧倒されますが、キャラクターを際立たせているので、「この人誰だっけ?」とか「どっちも味方?」などと考える必要がありません。
稚拙ですが「この人は良い者でこの人は悪者」ってすぐわかっちゃいます。
それが良いですね。
もちろん、本映画『キングダム』の続編になると裏切りや掟破りの謀反なども登場しますが、本作では全くありません。
それがヒットを後押しした要因かと思います(子どもや女性はやっぱり歴史物には弱いですから)
つまり脚本が素晴らしいです。
三島由紀夫という“時代”がありました
若者の未来を大事にする人たちに安堵します
さてさて、「友情」と「夢」をテーマにしていますが、二つばかり見逃せないところ場面があります。
昌文君(高嶋政宏)が信(山崎賢人)を認める場面と王騎(大沢たかお)が漂(吉沢亮)に感心する場面です。
前者は年老いた昌文君が下僕であっても若くて勢いのある信(山崎賢人)に期待するところ、後者は漂(吉沢亮)の「天下統一」に対して応援したくなある気持ちを表すところです。
通常なら“出る杭は打つ”的ないつまでも自分が主役気分の先輩風を吹かして邪魔をしますが、二人はしません。
それが良かったです。「国の未来は若者が作るのだ」「若者を応援するのが我らの役目」的な優しさを垣間見ることができました。
佳山明さんに生き方は本当に美しい!
人生を豊穣にするには「夢」があったほうが良い
このようなご時世、日本も世界も若者たちが未来を描けない苦悩にあふれています。
好きなことをやろうとしても旧態然の鎖にとらわれて身動きができない社会があります。
時代は新しい人たちに変わらなければいけないのです。現状では中々、思うように進みません。
その中で本映画『キングダム』は微かではありますが、確実に希望の光で照らしてくれました。
「友情」とは尊い感情であること、「夢」を追いかけることが人生を豊穣にすることを教えてくれた映画でした。
14歳で第三夫人として嫁いだ女性のお話
映画『キングダム』のキャストについて
信(山崎賢人)
物語の主人公。戦災孤児で農民に拾われる(買われる)。下僕として育つ。偶然、漂も囚われており、兄弟のように暮らす。素人であるが互いに剣術を磨く。夢は「天下の大将軍」性格的には明るく、元気がある。“空気を読めない”タイプ。いつもポジティブ思考。剣の腕前は一級品。山崎賢人さんの演技は弾けてました。信のキャラクターは単純なようで難しいと思います。感情を正直に出すため下手すれば「絶叫男」のイメージが固まってしまいます。そうなると観ている方も心を寄せられません。喜怒哀楽の明暗をうまく表現していたと思います。
嬴政 / 漂(吉沢亮)
未来の始皇帝と下僕・漂の二役です。弟のクーデターにより逃げています。漂は影武者として人生を捧げます。信と同じく農民に拾われ(買われる)、共に「天下の大将軍」を目指し剣術を磨いていた時に影武者としてスカウトされます。その後、死亡。嬴政は中華初の天下統一を目指しています。カリスマ性が半端なく高いです。吉沢亮さんの演技は素晴らしかったですね。終始、冷静沈着な佇まいがスクリーンを締めてくれました。「これぞ王様」って感じです。性格的に信(山崎賢人)と対比なところが良かったと思います。吉沢亮さんの雰囲気が中性的で妖艶なのも良かったです。
河了貂(橋本環奈)
山の民の子孫。フクロウの被り物をしている。「お金が欲しい」ことから嬴政と信の道案内をする。料理もできる。体は小さい。頭が良い。橋本環奈さんに適役だったと思います。ずっと被り物を被っていましたが、存在力はあったと思います。コミカルな演技が多かったと思いますが、嬴政や信に心寄せていく心情がうまく表されていたと思います。「優しさ」が溢れる演技でした。
楊端和(長澤まさみ)
中華の西の西にある山の民の国の女性の王。カリスマ性が高い。400年前に秦国と争って以降は交流を持たない。武術もある。長澤まさみさん、良かったです。仮面と外した時のギャップが良かったです。そして剣術も良かったと思います。コミカルな演技は一切ありませんでした。それが良かったです。
成蟜(本郷奏多)
嬴政の弟。高貴な血筋を誇りに持っており、平民の女の血をひく嬴政を嫌悪している。皇帝の座を奪おうとクーデターを起こす。冷血な人間。本郷奏多さんの演技も良かったです。終始、冷血な弟です。血も涙もありません。青白いメイクが残忍さを際立たせていました。最後の命乞いの場面は笑えましたが「権力喪失」した人間の悲哀を表すには十二分でした。
昌文君(高嶋政宏)
嬴政に使える家臣。義理人情に厚く一度使えた主君には命をかけて守り抜く。武術に優れており部下を束ねる能力の高い。 漂を影武者にした張本人。信と武術対決して負ける。高嶋政宏さんはあやっぱり武将の役が似合いますね。落ち着いた雰囲気が出ていました。今風で言えば体育会系の「高級官僚」って感じです。自身の年齢のこともわかっている武将で、若者の未来を大事にするキャラクターであることが伝わってきました。
王騎(大沢たかお)
秦国六大将軍の一人。とにかく圧倒的な存在感があります。剣術・武術が天下一品。誰もが認めてひれふします。秦の怪鳥と恐れられています。性格的に誰の指図を受けないタイプですが、今回の戦の背景では手ぐすねを引いていたと判明します。大沢たかおさんが役作りのために筋力トレーニングしたことが話題となりました。確かに上腕二頭筋がすごかったです。演技的にはちょっと“おかまチック”な雰囲気全開で笑えました。セリフはそんなに多くありません。やっぱり存在力ですね。登場する場面は「待ってました!」と言いたくなるほどの千両役者ぶりでした。
まとめ 映画『キングダム』一言で言うと!
「夢に向かって生きている姿が美しい」
夢があるうちが“華”と言われる理由がわかってきた歳になりました。わたしも若かりし頃は夢を持っていました。でもいつの間にか“拗ねた大人”になってしまって、夢を描くことを忘れてしまった人間です。叶うとか叶わないとかは別にして何か目標に向かって生きる姿はやっぱり美しい人だと思うこの頃です。
映画『キングダム』のレビュー
奴隷だった信が秦の王と台頭に話をするようになったり、将軍たちと戦うことになったりと驚きの展開を見せてくれましたね。舞台は統一される前の中華とのことで、歴史的な背景が分かりやすいのも良かったです。信は漂と共に剣を交えて鍛えて過ごし、離れることになっても将軍になるという夢を持ち続けていたのが印象的。そして、漂が目の前で死んでしまう中、2人で一つの夢を叶えようと涙を呑む姿は心に残ります。
信の旅が始まり、エイセイと出会って漂が連れていかれた経緯を知った際には複雑な心境を抱いたでしょうね。漂は影武者として選ばれたことを大任だと思って意気込み、セイキョウの追っ手に襲われそうになった際には味方を鼓舞するほどでした。漂は味方のために囮になって命を落としたと知った信は、将軍になるという夢を代わりに叶えようと心に決めていたようにも見えます。
そうしてエイセイと共にシリアスな旅が始まるかと思いきや、河了貂が加わっておもしろくなりました。山の民の出である彼女は、フクロウのような見た目の衣装に身を包んでいてカムフラージュのようにも見えます。見た目のインパクトに驚かされつつ、彼女が吹き矢を使って戦うようになるのも見ものでしょう。エイセイの追っ手は吹き矢と石斧を使い、予想外な動きを見せます。信はその動きになんとかついていき、戦って勝つことができた際にはホッとさせられました。
信はこれまで真剣勝負の実戦経験は少ない中、そうした敵に対応して戦う力を見せるのが凄かったです。セイキョウの元に乗り込んだ際には、自身の二倍ほどもある大男を相手に戦いますが圧倒的なパワーを見せるためハラハラしました。人を軽く投げ飛ばす大男ですが、信は仲間と協力して敵の動きを封じつつ転倒させるのが凄かったです。
その後、左慈と対峙した際にはスピードも技術も上手な相手にどのように戦うのかが見ものでした。剣さばきが二人とも凄まじく、最後は信が高く飛びあがって左慈が剣の平らな部分で防御するのを貫いて一撃をお見舞いするため一連の戦いから目が離せません。
また、セイキョウたちが敵の軍と戦ったり、王騎が馬に乗って現れたりするシーンも見どころでしたね。剣や盾を構える大勢の兵士たち、そして国を舞台にした物語はスケールが大きくて、今後も大きな戦いが待っているのではないかと思うと楽しみです。
続編の公開も決まっている中、信が戦場でどのように戦うのか、新たな仲間などの登場も期待したいですね。
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映画『キングダム』の作品情報
スタッフ・キャスト
監督
佐藤信介
原作
原泰久
脚本
黒岩勉 佐藤信介 原泰久
製作
北畠輝幸 今村司 市川南 谷和男 森田圭 田中祐介 小泉貴裕 弓矢政法 林誠 山本浩 本間道幸
エグゼクティブプロデューサー
木下暢起 伊藤響
企画
稗田晋 村田千恵子
プロデューサー
松橋真三 北島直明 森亮介 平野宏治
アソシエイトプロデューサー
高秀蘭
ラインプロデューサー
小沢禎二
中国ユニットラインプロデューサー
角田道明
撮影監督
河津太郎
撮影
島秀樹
照明
小林仁
録音
横野一氏工
美術監督
斎藤岩男
美術
瀬下幸治
装飾
秋田谷宣博
衣装デザイン
宮本まさ江
ヘアメイク
本田真理子
編集
今井剛
音楽
やまだ豊
音楽プロデューサー
千田耕平
主題歌
ONE OK ROCK
アクション監督
下村勇二
キャラクター特殊メイクデザイン
藤原カクセイ
特殊造形統括
藤原カクセイ
VFXスーパーバイザー
神谷誠 小坂一順
かつら
濱中尋吉
コンセプチュアルデザイン(山の民)
田島光二
DIプロデューサー
齋藤精二
カラーグレーダー
齋藤精二
スクリプター
田口良子
助監督
李相國
制作担当
吉田信一郎
中国ユニット制作担当
濱崎林太郎
テクニカルプロデューサー
大屋哲男
中国史監修
鶴間和幸
信(山崎賢人)
えい政/漂(吉沢亮)
楊端和(長澤まさみ)
河了貂(橋本環奈)
成きょう(本郷奏多)
壁(満島真之介)
昌文君(高嶋政宏)
バジオウ(阿部進之介)
タジフ(一ノ瀬ワタル)
里典六平直政
朱凶深水元基
ムタ橋本じゅん
左慈坂口拓
ランカイ阿見201
魏興宇梶剛士
肆氏加藤雅也
竭氏石橋蓮司
騰要潤
王騎大沢たかお
2019年製作/134分/G/日本
配給:東宝、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント