映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
(102分/PG12/2019/アメリカ)
原題『Booksmart』
【監督】
オリビア・ワイルド
【脚本】
エミリー・ハルパーン サラ・ハスキンズ
スザンナ・フォーゲル ケイティ・シルバーマン
【製作】
ミーガン・エリソン チェルシー・バーナード
デビッド・ディステンフェルド ジェシカ・エルバウム ケイティ・シルバーマン
【出演】
ケイトリン・デバー
ビーニー・フェルドスタイン
ジェシカ・ウィリアムズ
リサ・クドロー
ウィル・フォーテ
ジェイソン・サダイキス
ダイアナ・シルバーズ
メイソン・グッディング
ビクトリア・ルエスガ
ビリー・ロード
ニコ・ヒラガ
モリー・ゴードン
【HPサイト】
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』公式サイト
【予告映像】
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』トレーラー
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のオススメ度は?
星4つ半です
とにかく痛快です
笑えます
アメリカの高校生はすごい
友情と恋愛があります
高校生活は青春は万国共通です
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の作品情報・概要
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』原題『Booksmart』2019年公開のアメリカ合衆国の青春映画。『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』『リチャード・ジュエル』出演女優オリヴィア・ワイルドの監督デビュー作品。女優のみならず演出の才能もあることを披露。主演は『レディ・バード』のビーニー・フェルドスタインと『デトロイト』『ビューティフル・ボーイ』のケイトリン・ディーヴァーが務める。「ガリ勉女子」という設定に全米が熱狂&狂喜した。
LGBTQにテーマをおいた映画
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のあらすじ・ネタバレ
エイミー(ケイトリン・デバー)はコロンビア大学へ、モリー(ビーニー・フェルドスタイン)はイェール大学への進学が決定しています。共に高校生活を勉強にかけてきたいわゆる“ガリ勉女子”だ。パーティー三昧で遊び呆けてる連中とは大違いで将来も明るい。卒業日前日に思いも知らない事実が発覚する。遊び呆けていた連中もイェール大学、ハーバード大学へ、さらにグーグルに就職が決定している者もいる。二人は高校生活に疑問を持ち最後の1日で取り返そうと「パーティーへ侵入」する計画を立てる。しかし連絡先が不備で会場にたどり着けない。ようやくたどり着くと、、、、。
監督は女優としても活躍が目覚ましいオリヴィア・ワイルド
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の感想・内容
最高にハッピーなアメリカの女子高生の痛快青春映画と
この映画は最高にハッピーなアメリカの女子高生の痛快青春映画と言えます。恋愛あり、友情あり、そして涙があります。超面白いのでオススメ映画です。
そして「アメリカの高校生ってすごいなあ」って改めて感じます。簡単に言ってしまうと「イケてないガリ勉女子」が「デビュー」する話です。
それも明日が卒業式って時に。その過程がめっちゃ面白いのです。先の作品で
映画『WAVES ウェイブス』でも書きましたが、本当にアメリカの高校生ってこんな感じらしいのです。酒やタバコは当たり前で、ドラッグもやっています。嘘のような本当の話です。
男性同士の美しき恋愛映画
LGBTQの描き方も先見性がある映画「当たり前」の存在です
そして今やLGBTQに関して日本映画では花咲りとなっていますが、その表現方法においてはまだまだ「遠慮がち」です。
邦画において同性愛であったり、トランスジェンダーである場合は“告白”することにテーマを置いているのが目につきます。
しかしながらアメリカ映画では最初から「みんな知っている」「それがどうした」って感じで共有しているのです。
差別・偏見的な要素が一切ありません。やはりアメリカ映画は一歩も二歩の人権問題に置いては先へ行っていることがわかります。
こんな美少年なら誰もが恋に落ちるのは必至!
ブックスマートの意味は“勉強ばかりしている”とか“ガリ勉”もしくは“イケてない子”
さて、本映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』は二人の超ど真面目な女子高生が登場します。ガリ勉女子です。
エイミー(ケイトリン・デバー) とモリー(ビーニー・フェルドスタイン) です。二人は良い大学へ行くために真面目に勉強して来て、明日いよいよ卒業を迎えます。
ブックスマートの意味は“勉強ばかりしている”とか“ガリ勉”となりますが、本作においては“イケてない子”が妥当ではないでしょうか。
エイミーはコロンビア大学、モリーはイエール大学に進学が決定しています。学内で一流大学へ進学するのは自分たちだけだと思って隠していました。
しかし思わぬ事実が発覚します。
高校生活をパーティーなどで遊び三昧していた“軽蔑”していた連中がなんと名門大学や有名企業に進むことを知ってショックを受けます。
SNSは希薄なコミュニケーションの一面も呈している
「自分たちは遊びもせず頑張ったのに、彼らは遊びながら進学も果たした」です。僻みと言ったらそれまでですが、ここからの展開が面白かったです。
明日が卒業式ですが、残り1日で高校生活でやり残したことを「やり遂げよう」と決意するのです。そしてパーティーへGO!するのです。
しかしながら勉強ばかりしていた二人は他の友人との連絡先も曖昧です。メールを送っても返信はありません。
パーティー会場がどこなのか必死に探すのですが、中々たどり着けません。この辺りのちょっとした障害が面白いです。
これだけ情報メディアであるSNSが発達していますが、自分たちと趣味趣向が異なる相手とは連絡先も交換していないという、希薄なコミュニケーションの一面も呈しているのです。
映画史上最高のLGBTQ映画です
アメリカ社会の現実も描いている
本映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』で色物として扱われているのはジジ(ビリー・ロード) という女の子です。
かなりぶっ飛んでいます。酒を飲み、ドラッグをやり、神出鬼没な存在です。エイミーとモリーが行く先々に先回りをしての怪演ぶりを披露しています。笑えます。
どこかアバンギャルドでミステリアスな雰囲気が夜のロサンゼルスにぴったりなのです。
高校のブラウン校長(ジェイソン・サダイキス) の設定も笑えます。教師だけでは食べていけないので副業しています。
リフト(アメリカの配車アプリ)でドライバーを呼ぶとそこにやってくるのがブラウン校長なのです。正直笑いました。
でも生活のためもありますが、校長先生も楽しんでいるのでオッケーとします。
実際、アメリカでは一般的な副業だと思われます。
その後、もう一人のミス・ファイン(ジェシカ・ウィリアムズ) を捕まえて、パーティー会場に送ってもらいますが、先生もとてもオープンでパーティーに酒やドラッグがあることを承知しています。
しかもパーティーで教え子と関係を持つ、、、と言った勢いです。
映画はアメリカ社会の現実も描いていると言えます。たぶん、、、。
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映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の結末・評価
学業だけではなく社会貢献精神も含めて、大学での入試では評価される
いやあ、もうこれだけでアメリカの高校生になりたい気持ちを煽って来ます。
でも本映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』は単なるおバカさん映画ではありません。
やっぱり高校生にとって恋愛はとても重要です。ちゃんと用意されています。
エイミー(ケイトリン・デバー) はライアン(ビクトリア・ルエスガ) に告白しようとしますが、ライアンはまさかのニック(メイソン・グッディング) とキスしており撃沈されます。
一方、モリーはニックに思いを寄せていますがこちらも撃沈です。そしてエイミーはホープ(ダイアナ・シルバーズ) に寄りかかるのです。
この展開は後々、祝福できます。このようにLGBTに対して誰もがオープンであり、特別ではないという描写が素晴らしいと思います。
またアメリカの進学のシステムも少しばかり学べます。エイミーは優等生ですが、ボランティアに興味を持っているのがわかります。
高校を卒業したらボツワナへ行って女性たちを助けるボランティアに従事しようと決めています。
おそらくですが、学業だけではなく社会貢献精神も含めて、大学での入試では評価されることがわかります。
二人が女性活動家に興味を持っている会話の中で「マララ」という言葉が出て来ます。ご存知の通り、2014年ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんを指しています。
こういった伏線を随所に盛り込んだ監督のオリビア・ワイルドの知性の高さも表しています。
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オリビア・ワイルドデビュー「女性監督が撮ったことにも意義があると思います」
本映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』は女優のオリビア・ワイルドが撮ったことも大きな話題となっています。
女性監督が撮ったことにも意義があると思います(今や男性とか女性って括ることも憚れますが、勘弁ください)
過去のハイスクール映画や青春映画の視点は主に男性監督側からの作品が多かったです。ジョージ・ルーカス監督の『アメリカングラフィティー』や『スーパーバッド 童貞ウォーズ』などが顕著ですが、本作は「女子もぶっ飛びたい」を痛快に表しているから評価されたと言っても良いでしょう。
最後の最後にエイミーとモリーは空港で別れます。ここが本当に胸がキュンとしてくるのです。本当にいい映画でした。
LGBTへ理解を深めてくれる映画です
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』と日本の高校生映画との比較
正直言って日米の文化の差があると思いますが、日本の高校生を題材にした映画ってイマイチだと思います。
映画『君の膵臓をたべたい(2017)』もなんか「怠い」感じが否めません。というか綺麗事を描いて「お涙ちょうだい」でビジネスにしているのが見え見えです。
映画『コクリコ坂から』はとても良いと思います。1960年代の高校生として世界と戦っています。これは別格。
映画『思い、思われ、ふり、ふられ』は一体なんのでしょうか?全く中身が感じられません。もしアメリカでこの映画が公開されたら「意味不明」とされるのではないでしょうか。恥ずかしい映画です。
映画『君が世界のはじまり』は良い映画だと思います。高校生の性描写もありました。独特の世界観を持って描かれています。
映画『翔んだカップル』は時代的には先見性があった作品です。
そして映画『チアダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』ですが、「感動モノ」を前面に押し出していますが、ただ「ガチャガチャ」してるだけの映画でした。レベルの低さを露呈しています。
なんでしょうか、日本映画において高校生を描く際は何か“腫れ物”を触れるかのようなニュアンスも感じるのです。
しかも男性側の勝手な理想像を持ち込んでいるような気がします。「女子高生は美しいもの」とか「神聖な存在」とか。
でも逆に「JK」を売り物にする性的ビジネスの羨望にされていることは間違いないのです。
映画『見えない目撃者』では女子高生が性的な玩具に使われている描写があります。映画『万引き家族』も同様でした。
こういった両極端なイメージがあるから、日本映画における高校生の描き方には違和感を覚えます。
「神聖な腫れ物」か「汚される玩具」かになってしまっている現状を打破するような映画が登場してくれることを願ってやみません。
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のキャストについて
エイミー(ケイトリン・デバー)
モリー(ビーニー・フェルドスタイン)
ミス・ファイン(ジェシカ・ウィリアムズ)
シャーメイン(リサ・クドロー)
ダグ(ウィル・フォーテ)
ブラウン校長(ジェイソン・サダイキス)
ジジ(ビリー・ロード)
ホープ(ダイアナ・シルバーズ)
ジャレッド(スカイラー・ギソンド)
トリプルA(モリー・ゴードン)
ジョージ(ノア・ガルビン)
アラン(オースティン・クルート)
ライアン(ビクトリア・ルエスガ)
テオ(エドゥアルド・フランコ)
タナー(ニコ・ヒラガ)
ニック(メイソン・グッディング)
まとめ 映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』一言で言うと!
「一度しかない青春を無駄にするな!」
あまり羽目を外してはいけませんが、やはり高校生活って楽しい者でしょう。日本では法的に許されないけれど、アメリカではかなりはちゃめちゃな高校生がいるとわかりました。さすがにあそこまで無茶はできませんが、ある程度「楽しむ」のも高校生の特権ではないでしょうか。
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合わせて観たい映画
【世界の高校生の生き様が見えるオススメ映画】
映画『君の膵臓をたべたい(2017)』
とても切ない青春映画です
映画『コクリコ坂から』
夢も希望のあった1960年代の高校生が羨ましい
映画『思い、思われ、ふり、ふられ』
なんとも言えない高校生の恋愛事情
映画『君が世界のはじまり』
等身大の高校生を描いている作品ではないか!
映画『カセットテープ・ダイアリーズ』
パキスタン移民であり英国国籍の作家の青春物語
映画『WAVES ウェイブス』
「誰か助けてあげてよ!」と叫んでしまった映画
映画『翔んだカップル』
本作で薬師丸ひろ子は女優の道を進む決心をした映画
映画『ルース・エドガー』
両親には感謝しているけど、、、、
『君の名は。』
ある日、突然高校生が入れ替わった
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
未来へ戻るためにマーフィーは駆け抜けます
映画『チアダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』
青春のすべてをダンスにかける!
映画『ラストレター』
高校生で母を自殺でなくすなんて、、、
映画『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦』
おバカさん映画ですが、、、、
映画『秒速5センチメートル』
かなり重たい気持ちになりますが、、、
映画『ブレス あの波の向こうへ』
サーフィンと青春と友情の果ての“恋愛”
映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』
高校生がスパイダーマンになった日
『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
タイの高校生のお受験事情
【LGBTに関連した映画】
映画『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』
宗教よりやっぱり「あなたが大事」なんです
映画『ボーダー 二つの世界』
新しい「性」の世界を描いています
映画『グッバイ、リチャード!』
初めて男性と愛し合うジョニー・デップ
映画『ペイン・アンド・グローリー』
ずっと昔愛した人と再会して「再び生きる」気持ちになれた
映画『スケアクロウ』
純愛なる男同士の愛の物語
映画『永遠に僕のもの』
彼の心が欲しい美しすぎる犯罪者の恋物語
映画『ロケットマン』
性について悩むエルトン・ジョンの魂の叫びが聞こえます。
映画『ゴッズ・オウン・カントリー』
本当に美しい若い二人の恋物語です
映画『さよなら くちびる』
主人公のハルは自身の性に悩みながら音楽活動をしている、彼女が思いを寄せる女性はすでに、、、、。
映画『コレット』
フランスの女流作家の波乱万丈の人生を描いている。半世紀前に勇気を出して同性愛を告白した女性。
映画『ある少年の告白』
同性愛を矯正する学校に入れらた少年たち。しかし本当の性を見つけて生きていく決意をする。
映画『グリーンブック』
有名な黒人ピアニストが人種差別を戦う過程で自身のセクシャリティーを告白している。
映画『女王陛下のお気に入り』
イギリス王室の物語。アン王女と侍女の関係を描いている。
映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
アメリカ女子テニスのスーパースターが性差別撤廃に向けて戦う。自身も同性愛者とカミングアウトする。
映画『J・エドガー』
長年FBIを務めたエドガーの半生
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
オリビア・ワイルド
製作
ミーガン・エリソン チェルシー・バーナード デビッド・ディステンフェルド ジェシカ・エルバウム ケイティ・シルバーマン
製作総指揮
ウィル・フェレル アダム・マッケイ ジリアン・ロングネッカー スコット・ロバートソン アレックス・G・スコット
脚本
エミリー・ハルパーン サラ・ハスキンズ スザンナ・フォーゲル ケイティ・シルバーマン
撮影
ジェイソン・マコーミック
美術
ケイティ・バイロン
衣装
エイプリル・ネイピア
編集
ブレント・ホワイト ジェイミー・グロス
音楽
ダン・ジ・オートメーター
音楽監修
ブライアン・リング
エイミー(ケイトリン・デバー)
モリー(ビーニー・フェルドスタイン)
ミス・ファイン(ジェシカ・ウィリアムズ)
シャーメイン(リサ・クドロー)
ダグ(ウィル・フォーテ)
ブラウン校長(ジェイソン・サダイキス)
ジジ(ビリー・ロード)
ホープ(ダイアナ・シルバーズ)
ジャレッド(スカイラー・ギソンド)
トリプルA(モリー・ゴードン)
ジョージ(ノア・ガルビン)
アラン(オースティン・クルート)
ライアン(ビクトリア・ルエスガ)
テオ(エドゥアルド・フランコ)
タナー(ニコ・ヒラガ)
ニック(メイソン・グッディング)
2019年製作/102分/PG12/アメリカ
原題:Booksmart
配給:ロングライド