映画『mid90s ミッドナインティーズ』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品情報・概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『mid90s ミッドナインティーズ』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『mid90s ミッドナインティーズ』
(85分/PG12/アメリカ/2018)
原題『Mid90s』
【監督】
ジョナ・ヒル
【製作】
ジョナ・ヒル イーライ・ブッシュ
ケン・カオ スコット・ルーディン リラ・ヤコブ
【製作総指揮】
スコット・ロバートソン アレックス・G・スコット
【脚本】
ジョナ・ヒル
【撮影】
クリストファー・ブロベルト
【編集】
ニック・ヒューイ
【音楽】
トレント・レズナー アティカス・ロス
【出演】
サニー・スリッチ
キャサリン・ウォーターストン
ルーカス・ヘッジズ
ナケル・スミス
オーラン・プレナット
ジオ・ガリシア
ライダー・マクラフリン
アレクサ・デミー
【HPサイト】
映画『mid90s ミッドナインティーズ』公式サイト
【予告映像】
映画『mid90s ミッドナインティーズ』トレーラー
- 映画『mid90s ミッドナインティーズ』のオススメ度は?
- 映画『mid90s ミッドナインティーズ』の作品情報・概要
- 映画『mid90s ミッドナインティーズ』のあらすじ・ネタバレ
- 映画『mid90s ミッドナインティーズ』の感想・内容
- 映画『mid90s ミッドナインティーズ』の結末・評価
- 映画『mid90s ミッドナインティーズ』のキャストについて
- まとめ 映画『mid90s ミッドナインティーズ』一言で言うと!
- 『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
- 合わせて観たい映画
- 【兄弟愛が感じられる映画】
- 【夢に向かって頑張っている映画】
- 映画『カセットテープ・ダイアリーズ』
- 映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
- 映画『ルース・エドガー』
- 映画『ハリエット』
- 映画『チアダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』
- 映画『マディソン郡の橋』
- 映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』
- 映画『キングダム』
- 映画『リメンバー・ミー』
- 映画『風をつかまえた少年』
- 映画『パリに見出されたピアニスト』
- 映画『レディ・マエストロ』
- 映画『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』
- 映画『さよなら くちびる』
- 映画『王様になれ』
- 映画『ブレス あの波の向こうへ』
- 映画『ガラスの城の約束』
- 映画『リアム16歳、はじめての学校』
- 映画『ビリーブ 未来への大逆転』
- 映画『旅のおわり世界のはじまり』
- 映画『トールキン 旅のはじまり』
- 映画『チワワちゃん』
- 映画『芳華-Youth-』
- 映画『翔んだカップル』
- 映画『WAVES ウェイブス』
- 映画『mid90s ミッドナインティーズ』の作品情報
映画『mid90s ミッドナインティーズ』のオススメ度は?
星3つ半です
音楽が良い
映像も懐かしい
90年代半ばってどんな時代?
インターネット普及以前です
映画『mid90s ミッドナインティーズ』の作品情報・概要
A24製作・配給映画『mid90s ミッドナインティーズ』原題『Mid90s』2018年のアメリカ合衆国の青春映画。ジョナ・ヒル映画監督デビュー作品。主演はサニー・スリッチ。今アメリカで最も注目の若手俳優ルーカス・ヘッジズも出演。ジョナ・ヒル曰く「「子ライオンが群れの中で生き残る方法」を描いた青春映画。
映画『mid90s ミッドナインティーズ』のあらすじ・ネタバレ
スティーヴィー(サニー・スリッチ) は13歳。ロサンゼルスで母ダブニー(キャサリン・ウォーターストン) と年の離れた兄イアン(ルーカス・ヘッジズ)と住んでいる。兄から暴力を受けている。ある日、スケートボードを行う若者たちに出会う。すぐさま仲間に加わる。タバコ、酒、ドラッグ、女遊びを覚えて一気に少年から大人へと向かう。無謀だとわかっているが止められないのが若さだ。そして車の事故で重傷を負うが、、、
映画『mid90s ミッドナインティーズ』の感想・内容
A24製作・配給映画でジョナ・ヒルが監督デビュー
トップカットはスケボーをアスファルトに並べてA24と書かれています。それを壊すところから始まります。
俳優として評価の高いジョナ・ヒルが監督デビューしました。
ジョナ・ヒルといったら『スーパーバッド 童貞ウォーズ』と『マネーボール』が印象的に残ります。そしておデブというのも。
でも今は写真やユーチューブのインタビューを見るととても痩せています。
日本食をとるようにしてダイエットに成功したとのこと。
そして彼の妹のビーニー・フェルドスタインの活躍が目立っているこの頃です。映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』は本当に底抜けハッピーでした。
A24製作のブラックコメディーは超笑える
90年代半ばのロサンゼルスの音楽シーン満載映画
さて本映画『mid90s ミッドナインティーズ』の時代設定は、タイトル通り90年代半ばのロサンゼルスです。
もうこの時のアメリカと言ったらラップが音楽界のトップに君臨しようとするエネルギーに満ち溢れています。
映画は全編にわたってラップミュージックとめちゃくちゃかっこいい楽曲が流れてきます。それだけで気持ちが高ぶります。
日本ではあまり知らないアーチストの楽曲が聴けるのはお得な感じを受けます。楽曲については後述します。
ジョナ・ヒルの自伝的映画ではなく「客観的視点による」物語
90年代半ばのアメリカはとても景気が良いとは言えないです。湾岸戦争が終わってどこか退廃的な雰囲気が残っています。
日本もバブル崩壊で暗黒の時代に突入しています。
本映画『mid90s ミッドナインティーズ』は監督のジョナ・ヒルの自伝的映画と言われていますが、インタビューを読むとそうではありません。
監督が生まれ育ったロサンゼルスで、彼自身が見てきたことを物語として作り上げています。ジョナ・ヒルの「客観的視点による」映画です。
海外リメイクされるならA24が良い
13歳の少年を演じるのは注目のサニー・スリッチ
まず本映画『mid90s ミッドナインティーズ』の土台はスケートボードが作っています。
主演のスティーヴィー(サニー・スリッチ) は13歳です。母ダブニー(キャサリン・ウォーターストン) と兄イアン(ルーカス・ヘッジズ)の三人暮らしです。
年の離れた兄から暴力を受けています。体力では敵いません。
その兄を打ち負かしたいと反動もあったのでしょう。町のスケートボーダーたちと友だちになります。
彼らはギャングのような連中です。酒、タバコ、時にはドラッグをやっています。
まずリーダー的存在はレイ(ナケル・スミス) です。スケートボードがめちゃくちゃ上手いです。
この地区ではナンバーワンです。そしてファックシット(オーラン・プレナット) 。酒、タバコ、ドラッグ、女ばかり追いかけています。
刹那的な生き方をしています。ルーベン(ジオ・ガリシア) は威張っていますが、家へ帰ると親からDVを受けています。
フォースグレード(ライダー・マクラフリン) はビデオ片手に将来は映画監督を夢みていますが、家は極貧です。
スティーヴィーは“サンバーン(日焼けどめ)”と渾名され仲間入りします。
A24製作で新ジャンル“フェスティバル・スリラー”誕生
少年から大人になっていくにつれて価値観も変化
そんな連中にスティーヴィーが憧れを抱くのはやっぱり“強くなりたい”ことあるいは“自由に生きたい”ことがあったと思います。
それは前述した通り兄に勝ちたい気持ちが助長したことは言うまでもありません。
でもそれだけではなく、やっぱり少年から大人になっていくにつれて価値観も変化していきます。
今までは家でゲームばかりやっていた子どもから、外でスケートボードをやり、そして音楽もラップを聴くようになり、自分の本当の世界を模索、いや迷走するようになっていきます。
その過程でレイたちと出会ったのです。
若気の至りと言えばそれまでですが、若者の「危うさ」を描いている
もうそれは衝撃的な出会いだったのではないでしょうか。狭いカゴの中から大空へ羽ばたいた小鳥と同じです。
少年時代って多くの人は不良に憧れてしまうものです。
若気の至りと言えばそれまでですが、日本もアメリカとてきっと若者ってそういう経験をして大人になっていくのでしょう。
「男を見せる」って日本だけではないですね。映画の中でスティーヴィーが無謀なスケボージャンプを試みます。
失敗すれば命に関わります。でも挑戦するのです。失敗はしましたがそれで男として認められるのです。このプロットでルーベンとの上下関係の逆転を描いている素晴らしいものです。
さすがA24製作作品はとっても芸術的な映画です
90年代半ばのロサンゼルスってこんなんだったのでしょうか?
スティーヴィーを誘惑する素材が日本とケタ違いに悪いです。タバコ、酒、そしてドラッグです。
もうこんなに若い時にドラッグをやってしまうと取り返しがつかなくなると心配になるほどです。
でも実際の90年代半ばのロサンゼルスってこんな感じだったのでしょう。ここでもルーベンは臆病風に吹かれて酒もドラッグもやりません。
微妙な人間関係をうまく表して、後半の二人の喧嘩につなげます。上手い演出です。
映画『mid90s ミッドナインティーズ』の結末・評価
インターネットが普及する直前のエネルギーに満ち溢れている
本映画『mid90s ミッドナインティーズ』で注目すべき最大の点は、インターネットが普及する直前というところです。
この映画の数年後にインターネットが世界を席巻していきます。新しい技術、文化、芸術が誕生する前というのは、混沌としながらも恐ろしいくらいにエネルギーが満ち溢れているのです。
その様子をジョナ・ヒルは見事に描いています。もちろん本映画『mid90s ミッドナインティーズ』にはスマホも携帯もパソコンもほとんど登場しません。
フォースグレードが回すビデオもハイエイトの8ミリです。
そして当時のロサンゼルスの若者たちはラップ音楽を聴きながらスケートボードをするのが1番の“クール”だったのです。
しかもドラッグに溺れるのは奇しくもニルヴァーナのカート・コバーンを彷彿させています。
丁寧に重厚な作品製作はA24の得意技
兄弟の上下関係も変わってくる
スティーヴィーの母ダブニーは「あんなギャングと付き合うな」と叱責しますが、一度火がついた若者の心には響きません。
兄のイアンは弟が変な連中と付き合うようになってから一目置き始めました。兄弟の上下関係が少し変わってきました。
スティーヴィーが強気になっています。実際、今までイアンにやられっぱなしだったのに、喧嘩で勝ちます。でもやっぱり家族なんですよ。心配なんですよ。
スティーヴィーはファックシットの乱暴な運転の事故で意識不明になります。他のメンバーは軽症です。
母と兄が病院へ駆けつけます。ここはとても良いです。病院のロビーでスティーヴィーを待つ連中を見て、ダブニーはあれだけ気嫌いしていた彼らを病室に案内します。
これは各々の想像になるかと思いますが、ダウニーは「彼らは本当は優しい青年たちなのだ」と思ったのか、それとも「君たち、真面目になってほしい」と思ったのか、です。
わたしは両方で、その後の彼らは来たるデジタル社会を席巻していく存在になると期待させる映画でした。
その後の彼らの活躍が想像できる
刹那的なファックシット(オーラン・プレナット) はその後、スティーブ・ジョブズのようなカリスマ経営者になって欲しいし、気弱なルーベン(ジオ・ガリシア)は天才的なプログラマー、フォースグレード(ライダー・マクラフリン) は映画監督です。レイ(ナケル・スミス) はプロのスケーターでSNSのフォロワー世界一とか。スティーヴィー(サニー・スリッチ) は映画俳優ですね。
そんなことを想像させる素晴らしい映画でした。
心が細くなるような感覚の映画を作ったのはA24です
映画『mid90s ミッドナインティーズ』のキャストについて
スティーヴィー(サニー・スリッチ)
ダブニー(キャサリン・ウォーターストン)
イアン(ルーカス・ヘッジズ)
レイ(ナケル・スミス)
ファックシット(オーラン・プレナット)
ルーベン(ジオ・ガリシア)
フォースグレード(ライダー・マクラフリン)
エスティー(アレクサ・デミー)
まとめ 映画『mid90s ミッドナインティーズ』一言で言うと!
「生まれた限り、経験できることを全てやりきりたい」
誰が言ったのかは忘れましたが、確かアメリカ人だったと思います。つまり人生で経験できること全て、良いことも悪いことも全部経験して死にたい、というものでした。本映画のスティーヴィーを観ていると、この言葉が飛来しました。でも死なないで欲しいです。
『運だぜ!アート』本日の総合アクセスランキング
合わせて観たい映画
【兄弟愛が感じられる映画】
映画『ゴールデン・リバー』
殺し屋兄弟も最後は母の元へ、、、
映画『ハリエット』
家族を自由にしたい!妹のために!
映画『キングダム』
天下の大将軍を誓った義兄弟のために
映画『ゴッドファーザー』
家族愛・兄弟愛に溢れた名画
映画『太陽の季節』
あまりも有名すぎる兄弟です
映画『レイジング・ブル』
兄はイカれている最強のボクサー
【夢に向かって頑張っている映画】
映画『カセットテープ・ダイアリーズ』
大学へ行って「絶対に作家になるんだ!」夢と勇気がもらえる映画
映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
男女差別があった時代の女流作家の生き方が描かている
映画『ルース・エドガー』
両親には感謝しているけど「良い子」でいるのもキツイ
映画『ハリエット』
人を助けるのがわたしの使命
映画『チアダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』
目指すは全米制覇!
映画『マディソン郡の橋』
夢見た人とひと時の恋
映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』
この国の行方をタクシーに乗せて
映画『キングダム』
目指すは天下の大将軍
映画『リメンバー・ミー』
父の夢は僕の夢
映画『風をつかまえた少年』
貧しくても夢があれば生きていける
映画『パリに見出されたピアニスト』
夢の叶え方がわからない少年に手を差し伸べる人
映画『レディ・マエストロ』
女性指揮者のパイオニアが困難を乗り越えて夢を実現する物語
映画『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』
ソ連から亡命してまで自身の夢を掴んだ
映画『さよなら くちびる』
音楽をやりたい!その夢を果たすために何が必要か?
映画『王様になれ』
カメラマンになりたいんだ!と叫びが聞こえる映画
映画『ブレス あの波の向こうへ』
どんな時も頭の中はサーフィンの事ばかり
映画『ガラスの城の約束』
毒親の妨害を振り切って夢はまっしぐら
映画『リアム16歳、はじめての学校』
名門大学目指して母と息子で目指す受験
映画『ビリーブ 未来への大逆転』
女という事で笑われようがやりたいことがあるから気にしない
映画『旅のおわり世界のはじまり』
異国の地で歌手になることを決意した女の子
映画『トールキン 旅のはじまり』
仲間と未来の夢を語り合う青年たち
映画『チワワちゃん』
青春の儚いエネルギーが大爆発しています
映画『芳華-Youth-』
戦争に青春を取られてしまう悲劇
映画『翔んだカップル』
薬師丸ひろ子が時代を築いた理由がわかります
映画『WAVES ウェイブス』
アメリカの高校生の青春は残酷な運命に、、、
映画『mid90s ミッドナインティーズ』の作品情報
スタッフ・キャスト
監督
ジョナ・ヒル
製作
ジョナ・ヒル イーライ・ブッシュ ケン・カオ スコット・ルーディン リラ・ヤコブ
製作総指揮
スコット・ロバートソン アレックス・G・スコット
脚本
ジョナ・ヒル
撮影
クリストファー・ブロベルト
編集
ニック・ヒューイ
音楽
トレント・レズナー アティカス・ロス
スティーヴィー(サニー・スリッチ)
ダブニー(キャサリン・ウォーターストン)
イアン(ルーカス・ヘッジズ)
レイ(ナケル・スミス)
ファックシット(オーラン・プレナット)
ルーベン(ジオ・ガリシア)
フォースグレード(ライダー・マクラフリン)
エスティー(アレクサ・デミー)
2018年製作/85分/PG12/アメリカ
原題:Mid90s
配給:トランスフォーマー