映画『トゥルー・クライム』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『トゥルー・クライム』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
『トゥルー・クライム』
(127分/アメリカ/1999)
原題『True Crime』
【監督】
クリント・イーストウッド
【脚本】
ラリー・グロス ポール・ブリックマン スティーブン・シフ
【製作】
クリント・イーストウッド リチャード・D・ザナック リリ・フィニー・ザナック
【出演】
クリント・イーストウッド
ジェームズ・ウッズ
デニス・リアリー
イザイア・ワシントン
ダイアン・ベノーラ
リサ・ゲイ・ハミルトン
【HPサイト】
映画『トゥルー・クライム』IMDbサイト
【予告映像】
映画『トゥルー・クライム』トレーラー
映画『トゥルー・クライム』のオススメ度は?
星4つです
人間について考えさせられます
差別とは?
人権とは?
死刑制度の是非
等身大のクリント・イーストウッドがいます
映画『トゥルー・クライム』の作品情報・概要
『トゥルー・クライム』原題『True Crime』1999年のドラマ映画。クリント・イーストウッド監督・主演作品。作家アンドリュー・クラヴァンの小説『真夜中の死線』(True Crime, 1995年)の映画化。当時の恋人フランシス・フィッシャーと愛娘フランチェスカも出演している。黒人差別問題と冤罪と死刑制度について言及している名作。
映画『トゥルー・クライム』のあらすじ・ネタバレ
かつてはニューヨークの新聞社でスクープをとる敏腕記者として活躍したスティーブ・エベレット(クリント・イーストウッド) は現在はカルフォルニアのオークランド・トリビューンに勤めているが、パッとしない。「酒と女」に溺れているような生活で、記者としての評価は低い。好みの女性がいるとなりふり構わず口説こうとする。しかも上司の妻jにまで手を出す始末。同僚の若い女性と酒を飲んだが、彼女が事故死する。彼女の追いかけていた黒人死刑囚の記事を引き継ぐことに、、、。それが冤罪であるとわかる。しかし死刑執行の時間が迫っている、、、。
映画『トゥルー・クライム』の感想・内容
とても面白い映画だと思います。しかもとてもデリケートなお話です。そしていま観るべき映画の一本だと思います。
特にアメリカの人種差別問題に関心がある人は必見です。さらに人権問題に対して積極的な活動を行いたい人もなおさらです。
本映画『トゥルー・クライム』は1999年製作ですから今から20年以上前の「冤罪物語」ですが、黒人の社会的立場が現在と全く変わっていないことにショックを覚えます。
クリント・イーストウッド監督作品で特に人気が高い映画
その前にこの映画に出てくるクリントイーストウッドについてお話しします。
本映画のクリント・イーストウッドはジャーナリストの役を演じています。これがプライベートのイーストウッドに最も近いのではないかと言われています。
ちょっとおっちょこちょいです。そして女好きでスケベな男です。
実際のクリント・イーストウッドは本当に“女好き”なのは有名な話です。世界的に有名です。
クールな西部劇のガンマンを演じても、無骨な刑事をやっても必ず女性との絡みはありました。
演出として必要であるのはもちろんですが、クリント・イーストウッドがそういう場面が好きだったと思われます。
役として演じていりと同時に個人的にも楽しんでいたと思います。
そして本映画『トゥルー・クライム』は、“素”のクリント・イーストウッドにもっとも近いと言われてますから、まったくカッコ付けないリアルな姿を観ることができます。
ベテランジャーナリストであるスティーブ・エベレット(クリント・イーストウッド) きれいな女性を見るとすぐに口説き落とします。
20代の若い女性から自身の年齢(60歳)くらいまでの幅広く対応しています。彼には家庭があります。
妻バーバラ・エベレット(ダイアン・ベノーラ) そして4、5歳くらいの愛娘がいます。今までずっと女遊びを繰り返しています。
おそらく結婚も予期せぬ子どもができたためと思われます。バーバラもつか荒れ果てています。
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エベレットは本当に節操がありません。前新聞社では上層部の娘に手を出して首になっています。
そして現在の会社の同僚や上司の恋人や奥さんまでも口説き落とそうと必死です。
実際クリント・イーストウッドは結婚は2回しています。そして6人の女性との間に8人の子どもを設けています。
サクラメントの市長時代には女性を連れ込むためだけの家を持っていたそうです。
すごい“性豪”と驚かされますが、やはり大スターであり、才能もあり、そしてお金もあるからこそ可能であったと思います。
そしてクリント・イーストウッドはとにかく女性に優しいそうです。付き合った女性たちに愛も富も仕事も惜しむことなく与えてきたそうです。
大きな揉め事はソンドラ・ロックとの一件だけでしょう。
もうひとつ、この映画内で注目して欲しいのはクリント・イーストウッドがタバコを吸う姿です。これが実にカッコ悪いのです。
まったく様になっていないのです。実はクリント・イーストウッドはプライベートではタバコを一切吸いません。大の嫌煙家です。
彼は映画の中でだけしかタバコを吸いません。西部劇作品の中でも吸っていますが、ただくわえている場面が多いのです。
けれども本映画『トゥルー・クライム』では、タバコを手に持つ仕草があります。その仕草からクリント・イーストウッドはタバコ慣れしていないのが如実にわかるのです。
動きがおぼつかないし、セクシーさがまったくありません。おまけに煙を肺の中まで入れていません。
俗にいう“金魚”という吸いかたです。この辺りもクリントイーストウッドの本来の姿を映しとっている映画なのではないかと思われるのです。
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さらに本映画『トゥルー・クライム』で特筆すべき点は自身の娘を出演させているところです。
フランチェスカ・イーストウッドです。当時4歳です。映画の中に登場する女の子です。
そして彼女の母親も出演しています。弁護士としてです。フランシス・フィッシャーです。無論二人は結婚していません。
映画『許されざる者』で共演して恋仲になったと言われています(フランシス・フィッシャーは映画『タイタニック』のローズの母親役が有名)
クリント・イーストウッドは自身の映画に子どもと共演する作品が多くあります。
長男カイルは映画『アウトロー(1976)』映画『センチメンタルアドベンチャー』で、さらに長女アリソンは映画『タイトロープ』映画『運び屋』。
そして今やイケメン俳優であるスコットは映画『父親たちの星条旗』映画『グラン・トリノ』映画『インビクタス/負けざる者たち』映画『人生の特等席』等です。
もちろん自身の子どもや恋人を映画出演させるなど職権乱用と憤る人もいるかもしれませんが、彼なりに深い愛があったからだと思います。
彼の子ども6人はみんな仲が良いとのこと。もちろん女性たちも健全な交流があるというから驚きです。
そういった意味でも本映画『トゥルー・クライム』は等身大のクリント・イーストウッドを観ることができるのです。
クリント・イーストウッドがソンドラ・ロックと出会った名作
映画『トゥルー・クライム』の結末・評価
さて映画の話に戻します。なぜこの映画をいま観る作品かと言うと、現在アメリカでは黒人の『ジョージ・フロイドの死』事件によって各地で抗議活動が行われています。
人種差別反対を掲げています。黒人イコール悪人というレッテルが貼られている社会があります。
白人たちの多くは心の奥底に「黒人は悪い」という勝手な深層心理を作り出しています。
本年公開された映画『黒い司法 0%からの奇跡』の死刑囚も無実の黒人です。映画『ビール・ストリートの恋人たち』もそうです。
さらに名作『アラバマ物語』も同様です。昔から映画の中の死刑囚や犯罪者を黒人にするという発想自体も差別ですが、結局ずっと人種差別が無くなっていない証拠だと認識できます。
本映画『トゥルー・クライム』の中で、黒人と言う理由だけで犯人扱いされていると言っても間違いではありません。
そして冤罪の可能性が高いのです。まもなく死刑が執行されます。時間がありません。
クリント・イーストウッド演じるスティーブ・エベレットはとにかく女好きですが、記事を書く力はあるのです。
過去の置いてスクープを多くとっています。本作では棚ぼた的に記事を書くことになります。最初は嫌だったのです。
言い方は悪いですが、「黒人の犯罪者」なんて彼には興味がありません。しかし懇意にしていた、つまり口説こうとしていた、同僚で若い女性記者が不慮の事故で死んでしまい、彼女の取材を引き継いだのです。
最初はやっつけ仕事のつもりでしたが、自慢の“鼻”が真相を究明しろと命令してくるのです。
エベレットは鼻で仕事をしてきており、記者の勘として「無罪」だと感じるのです。
この頑固な親父も最後には心を入れ替える
そして真相を究明していくのです。しかし時間が迫っています。死刑執行まで数時間です。
そして執行を既のところでストップさせます。後半の追い込む演出はドキドキハラハラさせます。そして死刑執行とは恐ろしい制度であると感じます。
本映画『トゥルー・クライム』の中の男はジャーナリストとして、そして家庭崩壊危機の男の二つで描かれています。
前者は正義感が強い男、後者は本当にクズの男として描いています。これを対比させながら最後の最後で死刑囚を救い出すのです。
この絶妙なバランスがすばらしいと思いました。言い方を変えれば映画作家としてのクリント・イーストウッドと女好きのクリント・イーストウッドです。
映画の中にはそれが見えるのです。
*また死刑執行の描写もとてもショックでした。アメリカでは電気椅子ではなく薬物投与が現在では一般的だそうです。しかし死刑制度の是非について考えさせられる作品でした。
ソンドラ・ロックとの最後の共演作
映画『トゥルー・クライム』のキャストについて
スティーブ・エベレット(クリント・イーストウッド)
アラン・マン(ジェームズ・ウッズ)
ボブ・フィンドレイ(デニス・リアリー)
フランク・ルイス・ビーチャム(イザイア・ワシントン)
バーバラ・エベレット(ダイアン・ベノーラ)
ボニー・ビーチャム(リサ・ゲイ・ハミルトン
まとめ 映画『トゥルー・クライム』一言で言うと!
「貧困の原因は無教養」
教育が果たす役割は非常jに大きいと思います。貧困であるがゆえに教育を受けられないとさらに貧困になるのです。新しい知識や教養を身につければ貧困から脱出する機会が増えます。そして差別や人権について考えるようになると思うのです。貧困が差別を生み出す土壌であることは間違いないと思います。
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映画『トゥルー・クライム』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
クリント・イーストウッド
製作
クリント・イーストウッド リチャード・D・ザナック リリ・フィニー・ザナック
製作総指揮
トム・ルーカー
原作
アンドリュー・クラバン
脚本
ラリー・グロス ポール・ブリックマン スティーブン・シフ
撮影
ジャック・N・グリーン
美術
ヘンリー・バムステッド
編集
ジョエル・コックス
音楽
レニー・ニーハウス
主題歌
ダイアナ・クラール
スティーブ・エベレット(クリント・イーストウッド)
アラン・マン(ジェームズ・ウッズ)
ボブ・フィンドレイ(デニス・リアリー)
フランク・ルイス・ビーチャム(イザイア・ワシントン)
バーバラ・エベレット(ダイアン・ベノーラ)
ボニー・ビーチャム(リサ・ゲイ・ハミルトン)
1999年製作/127分/アメリカ
原題:True Crime
配給:ワーナー・ブラザース映画