映画『ボヘミアン・ラプソディ』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト・予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
YouTubeで予告映像もご覧ください。
- 第91回アカデミー賞で、作品賞を含む5部門にノミネートされ、主演男優賞、編集賞、録音賞、音響編集賞の最多4冠を獲得
- 映画『ボヘミアン・ラプソディ』日本テレビ系『金曜ロードSHOW!』2021.6.4 よる9時~11時39分放送
- 映画『ボヘミアン・ラプソディ』のオススメ度は?
第91回アカデミー賞で、作品賞を含む5部門にノミネートされ、主演男優賞、編集賞、録音賞、音響編集賞の最多4冠を獲得
『ボヘミアン・ラプソディ』
(2018年製作/135分/G/アメリカ)
原題『Bohemian Rhapsody』
【監督】
ブライアン・シンガー
【製作】
グレアム・キング ジム・ビーチ【製作総指揮】アーノン・ミルチャン デニス・オサリバン ジャスティン・ヘイザ デクスター・フレッチャー ジェーン・ローゼンタール【原案】アンソニー・マッカーテン ピーター・モーガン【脚本】アンソニー・マッカー【撮影】ニュートン・トーマス・サイジェル【美術】アーロン・ヘイ【衣装】ジュリアン・デイ【編集】ジョン・オットマン【音楽監修】ベッキー・ベンサム【音楽総指揮】ブライアン・メイ ロジャー・テイラー
【出演】
ラミ・マレック
ルーシー・ボーイントン グウィリム・リー ベン・ハーディ ジョセフ・マッゼロ エイダン・ギレン アレン・リーチ トム・ホランダー マイク・マイヤーズ アーロン・マカスカー マックス・ベネット
【HPサイト】
映画『ボヘミアン・ラプソディ』IMDbサイト
【予告映像】
映画『ボヘミアン・ラプソディ』トレーラー
映画『ボヘミアン・ラプソディ』日本テレビ系『金曜ロードSHOW!』2021.6.4 よる9時~11時39分放送
2021.6.4 よる9時~11時39分放送
「クイーン」の足跡がよくわかる映画
映画『ボヘミアン・ラプソディ』のオススメ度は?
星4つ半です
泣けます
単なるゲイ映画ではありません
人間成長物語です
最愛の人に出会って最後は「ハッピー」です
クイーンの楽曲が聴けて「最高」の気分になります
LGBTQにテーマをおいた映画
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の作品情報・概要
『ボヘミアン・ラプソディ』原題『Bohemian Rhapsody』ブライアン・シンガー監督作品。フレディ・マーキュリーに焦点を当てた伝記映画。「パキスタン野郎」と差別されながらも、音楽への情熱を捨てきれずクイーンを結成して、頂点へと駆け上がるフレディ。恋愛、友情、家族、そして性的指向の悩みと葛藤を描く。孤独との戦いと最後には最愛のパートナーとなるジム・ハットンとの出会いまでをヒット曲に乗せて描いた名作。ラミ・マレック主演(映画『パピヨン』や映画『ナイト ミュージアム エジプト王の秘密』)。ルーシー・ボイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョゼフ・マゼロ、エイダン・ギレン、トム・ホランダー(映画『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』や映画『プライベート・ウォー』)、アレン・リーチ、マイク・マイヤーズらが出演。音楽プロデューサーはクイーンの現役メンバーであるブライアン・メイとロジャー・テイラー。第91回アカデミー賞で、作品賞を含む5部門にノミネートされ、主演男優賞、編集賞、録音賞、音響編集賞の最多4冠を獲得。
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映画『ボヘミアン・ラプソディ』のあらすじ・ネタバレ
男らしき手から腕、そして顔へとカメラは移動していきます。寝ていたのは世界的な歌手・フレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)です。言わずと知れた「クイーン」のリードボーカルです。フレディは身支度をして迎えの車で出かけます。フレディは20世紀最大のチャリティコンサート「ライブエイド」へ向かう朝です。時は1985年7月13日。舞台裏で出番を待つフレディの後ろ姿。そして大観衆に迎えられて舞台に立ちます。
時は遡って1970年のロンドン。髪の毛をパーマネントした一人の青年が空港で荷下ろしのアルバイトをしています;彼はペルシャ系インド人の移民で彼の家は厳格なゾロアスター教です。名前はファルーク・バルサラと言います。ファルークの仕事仲間は「パキ野郎」と差別的な言葉を飛ばします。
痛快!ママが亡き息子へ向けてステージに立ちます
フレディは音楽がとても好きな青年で、仕事が終わるとライブハウスへ出かけます。父親はそれが気に入りません。父親は将来のことを考えて善き行いをするように言いますが、「それを守っていいことあった?」と言い放ちます。親子関係は完全に歪んでいます。
フレディはライブハウスで「スマイル」というバンドのパフォーマンスが気に入りました。演奏終了後彼らを探している時に一人の女性と出会います。後に結婚・離婚をしても生涯人生を共にするメアリー・オースティン(ルーシー・ボーイントン)でした。
店の裏に行くと、ブライアン・メイ(グウィリム・リー)とロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)がいました。話を聞くと「ボーカルがやめた」とのこと。フレディは早速売り込みます。しかしブライアンとロジャーは「パキ野郎」を相手にする気がありません。でもフレディがアカペラで即興で歌った声を聴いて新ボーカルとして迎え入れます。フレディは「前歯が4本ある。過剰歯な分、口が広くて音域が高い」と笑っていいます。
百恵&友和の音楽を通した恋愛が痛い
メアリーのことが気になるフレディは、彼女が働いている服屋へ遊びに行きます。メアリーはフレディに女性物の服を着せてあげて、メイクも施しました。それから2人は深い仲になっていきます。それからバンドにベースのジョン・ディーコンも加入し、バンド名を「クイーン」に改名してライブハウスに出演するようになります。車でイギリスのライブハウスを回って演奏活動を続けます。四人はデビュを狙っています。でも思うようには事が進みません。
そしてフレディの発案でアルバムを作る事になります。「戦慄の王女」です。レコーディングは様々な実験を行って作り上げていきました。ティンパニーの上にコインをバラ撒いた時に出る音や、アンプを吊るして左右に降ることで立体音響を使ったり等々。四人の製作工程を見ていたのが、エルトン・ジョンをスターにした名プロデューサーのジョン・リードでした。そしてジョン・リードとの出会いが彼らを世界的なバンドへと成長させていくのです。
ラミ・マレックって本当に多彩な顔を持っています
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の感想(一回目鑑賞)
これほど強く太い生きざまを持った人間は後にも先にもいない。偉大なるフレディよ永遠なれ!
全身を熱い血潮が駆け巡り、勇気と力が湧いてきた
この映画を観終わってからすでに3時間経ちますが、未だ体中を熱い血潮が駆け抜けています。
安易な表現になりますが、とても感動してしまいました。「何が?」と問われると、これも安易ですが「すべて」としか言いようがないのです。
圧倒的なエネルギーを放っていたその人物はフレディ・マーキュリーです。
ご存知の通り彼はもうこの世にいません。しかしそれは人体としていないだけであって、存在としては確実にいます。わたしたちの心の中にいます。
同時代を生きたわたしの記憶に鮮明と焼きついています。
本映画『ボヘミアン・ラプソディ』で初めてフレディ・マーキュリーのことを知った若い世代の脳裏にも確実に存在し続けるだろうと思います。それほど、強烈な個性を持ったアーチストであり、演じたラミ・マレックが素晴らしかったです。
本映画『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)は終始格闘していました。
根底には出自、差別、偏見、嘲笑、侮蔑、悪意への抵抗もあったが、それを越えた“モノ”戦っていました。フレディにとっては人種差別とかはどうでも良い事象のようにさえ思えました。というか、本映画『ボヘミアン・ラプソディ』では人種的な差別で悩むフレディに焦点を当てていないところが秀逸だと思うのです。
映画の冒頭ではフレディの出自について描かれている。ペルシャ系をルーツにインドからイギリスに移住し、その地ではパキ(パキスタン人)となじられ馬鹿にされています。しかしフレディはその差別に抗わないのです。そこにテーマを置いてないのが本映画『ボヘミアン・ラプソディ』の良いところでもあるのです。
では一体、どんな差別にフレディが悩んだかというと、それはゲイであることの「性差別」です。
音楽映画ですが「ナタリー・ポートマンどうしたの?」
フレディは音楽に自分探しをしていない「深淵なる愛、真実の愛」を求めていた
誰もが自分という存在について悩んだことがあると思います。「何を求めて生きているのか」「どこへ行こうとしているのか」そして「なぜ死ぬのか」などです。
誰もが人生の意味を見出す時に問い続ける疑問です。
フレディも自問していたのでしょうか?何と戦っていたのでしょうか?フレディはずっと孤独だったと思います。
孤独と戦っていたのです。富も名誉も地位も掴みましたが、いつも心は虚しかったのではないでしょうか。
虚無な心を埋める作業ほど重いものはありません。
最愛のメアリー・オースティン(ルーシー・ボーイントン)とも疎遠になり、酒、ドラッグに溺れて怠惰な生活を送るようになります。
でもメアリーといても孤独を感じていたのは確かです。ここはちょっと矛盾していきます。
心ではメアリーのことを愛することが出来ますが、肉体では愛せないのです。フレディの性的指向は「男性」に向けられています。
何が欲しかったのでしょうか。フレディは愛が欲しかったのです。深淵なる愛、真実の愛を求めていただと思います。結果的にジム・ハットンと出会い、その後の生涯を共にすることで愛に包まれて亡くなります。
もちろん最初の恋人で妻となるメアリーとは真実の愛を交わしました。しかしそれとは別に自己の同性への愛について悩む姿がとてもうまく描かれています。
性的指向です。フレディの性自認は男性だったと思いますが、性的指向は女性と男性の両方だったと思われます。もちろん、性的指向は変化しますから、最後は男性が恋愛対象になったことが明示されています。¥
当時はまだ同性愛については理解がなかった時代です。
自己の中に燻る男性への性的指向を抑えることが出来ませんでした。
その情熱が暴走していますが、「真実の愛」は見つからないままでした。おまけにエイズという病気が世界中を恐怖の渦に叩き落していました。
音楽は国境を超えて「愛を勝ち取った」
真実の愛のもとでフレディは旅立つ。彼の至上の喜びであったのだろう。
フレディはまるで死を目指すかのように自暴自棄になり、心身を追い込んで行きます。観ているだけで恐怖を感じます。
当のフレディも自分が危険を冒していると認識していたと思います。酒、ドラッグ、危険な性行為など。でも止められなかったのです。
それはフレディが孤独であり、誰かがそばにいないと恐ろしくて眠れないほど追い詰められた深い「孤独」だったのでしょう。
フレディはまるでガソリンのない車のアクセルを全力で踏み込んでいるかの精神状態だったのではないでしょうか。
何もかもに疲れ果てて倒れこみ、そしてもう一度立ち上がった時にフレディは本当の愛を見つけることができました。ジム・ハットンです。
どん底の時に見つけた愛であったから、フレディは立ち上がることができたと思うのです。
フレディが自分で立ち上がり見つけた愛だからこそ最後は救われたのです。
その愛であるジム・ハットンとの生活は、死ぬまで孤独にも虚無感にも包まれることなく幸せな情熱であったに違いないと思います。
そして恋人の腕の中で亡くなりました。
フレディは懸命に生きた。
いやまだ生きている。
ちょっと酷すぎる音楽映画?広瀬すずさん
映画『ボヘミアン・ラプソディ』のキャストについて
フレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)
メアリー・オースティン(ルーシー・ボーイントン)
ブライアン・メイ(グウィリム・リー)
ロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)
ジョン・ディーコン(ジョセフ・マッゼロ)
ジョン・リード(エイダン・ギレン)
ポール・プレンター(アレン・リーチ)
ジム・ビーチ(トム・ホランダー)
レイ・フォスター(マイク・マイヤーズ)
ジム・ハットン(アーロン・マカスカー)
デヴィッド(マックス・ベネット)
まとめ 映画『ボヘミアン・ラプソディ』一言で言うと!
「わたしたちはみんなチャンピオン」
わたしたちは余計な知性がついてしまったばかりに、人を比べてしまいます。そして、自分が他人より劣っている部分をクロースアップして、勝手に敗者とします。でも、人生とは自分自身を生きる事であり、だれもが「チャンピオン」だと言えます。
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映画『グリーンブック』
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映画『女王陛下のお気に入り』
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映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
アメリカ女子テニスのスーパースターが性差別撤廃に向けて戦う。自身も同性愛者とカミングアウトする。
映画『J・エドガー』
長年FBIを務めたエドガーの半生
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
ブライアン・シンガー
製作
グレアム・キング ジム・ビーチ
製作総指揮
アーノン・ミルチャン デニス・オサリバン ジャスティン・ヘイザ デクスター・フレッチャー ジェーン・ローゼンタール
原案
アンソニー・マッカーテン ピーター・モーガン
脚本
アンソニー・マッカーテン
撮影
ニュートン・トーマス・サイジェル
美術
アーロン・ヘイ
衣装
ジュリアン・デイ
編集
ジョン・オットマン
音楽監修
ベッキー・ベンサム
音楽総指揮
ブライアン・メイ ロジャー・テイラー
フレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)
メアリー・オースティン(ルーシー・ボーイントン)
ブライアン・メイ(グウィリム・リー)
ロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)
ジョン・ディーコン(ジョセフ・マッゼロ)
ジョン・リード(エイダン・ギレン)
ポール・プレンター(アレン・リーチ)
ジム・ビーチ(トム・ホランダー)
レイ・フォスター(マイク・マイヤーズ)
ジム・ハットン(アーロン・マカスカー)
デヴィッド(マックス・ベネット)
2018年製作/135分/G/アメリカ
原題:Bohemian Rhapsody
配給:20世紀フォックス映画