映画『カサブランカ』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。
映画『カサブランカ』IMDbサイトにて作品情報・キャスト情報をご確認ください。
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『カサブランカ』
(103分/G/アメリカ/1942)
原題『Casablanca』
【監督】
マイケル・カーティス
【製作】
ハル・B・ウォリス
【原作】
マーレイ・バーネット ジョアン・アリソン
【脚本】
ジュリアス・J・エプスタイン フィリップ・G・エプスタイン
ハワード・コッチ
【撮影】
アーサー・エディソン
【音楽】
マックス・スタイナー
【出演】
ハンフリー・ボガート
イングリッド・バーグマン
ポール・ヘンリード
クロード・レインズ
マルセル・ダリオ
【HPサイト】
映画『カサブランカ』IMDbサイト
【予告映像】
映画『カサブランカ』トレーラー
映画『カサブランカ』NHK BSプレミアム放送 2021年7月1日(木)午後1時00分~2時44分
2021年7月1日(木)午後1時00分~2時44分
映画『カサブランカ』のオススメ度は?
星3つ半です
イングリッド・バーグマンです
イングリッド・バーグマンの美しさを観よ!です
「美しさ」が大スクリーンでさらに美しくなります
映画『カサブランカ』の作品情報・概要
『カサブランカ』原題『Casablanca』は、1942年にアメリカで公開されたラブロマンス映画。アメリカ前年に第二次世界大戦に参入しており、本映画『カサブランカ』は戦時下において製作されたことも重要である。国威高揚映画でもあり、ナチスドイツ、イタリア、日本を悪とみなす世界的にプロパガンダ映画として一面もあ。監督はマイケル・カーティス。第16回アカデミー賞にて作品賞・監督賞・脚色賞の3部門を受賞。ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン、ポール・ヘンリードらが出演。本映画を参考に『夜霧よ今夜もありがとう』が製作された。
映画『カサブランカ』のあらすじ・ネタバレ
モロッコのカサブランカで「カフェ・アメリカン」を経営するリック(ハンフリー・ボガート) は寡黙でハードボイルドな顔をしている。店は大変繁盛している。お客の多くはナチス勢力の拡大を嫌って逃れてきた人たちだ。彼はアメリカへの亡命を望んでいる。そのためには中立国であるリスボンを経由して渡米するしかない。リスボンへ行くには通行証が必要となる。ある夜、かつてパリで恋に落ちたイルザ(イングリッド・バーグマン) が現れる。しかも男と一緒に、、、。リックの心は騒がしくなる、、、
映画『カサブランカ』の感想・内容
世界の映画史に燦然と輝く名作です。白黒映画の代表的な作品で、スクリーンで輝き続けています。映画のことを“銀幕”と言いますが、まさにそのとおりです。今でも世界中のどこかの映画館ではかかっていることでしょう。アメリカでは年末には流れる映画の一作です。この映画の最大の特徴はイルサ演じるイングリッド・バーグマン の美しさに尽きます。とにかく美しい。美術品です。わたしたち日本人から見たらうらやましい限りの目鼻立ち、そして表情の豊かさがあります。こんなに彫りの深い顔で喜怒哀楽の表現をされたのなら、わたしたちの心に彼女の気持ちが直接的に「深く」入ってくるのは確実です。そういった点でもバーグマンは顔で世界の人々を魅了したのではないでしょうか。
さてバーグマンの相手役はリック(ハンフリー・ボガート)とビクター(ポール・ヘンリード)の2人の男です。最初からお話ししますが、イルザ(イングリッド・バーグマン)は二股をかけているのです。もし彼女が淑女的な女性であるのならば、男二人は心を騒がせなかったのではないでしょうか。優柔不断なイルザがもたらした“こじらせ恋愛三角関係”映画とも言えます。
リックは一見ハードボイルドで、肉体も精神も強いアメリカの男と言うイメージを持ちますが、そうではありません。メソメソしています。グチグチしています。イルサに捨てられたことを根に持っています。そのことをクドクドとイルサに尋ねます。しかもイルサに男がいるのに隠れてキスをしたり、もう一度やり直そうと口説き落とそうとするのです。いま観るとコソ泥のような男です。ただし最後はイルサを夫・ビクターの元へ返します。「俺っていい奴だろ」とカッコつけているように見えますが、結局は「この女、面倒臭い」と思ったのではないでしょうか。実際、面倒くさいでしょ!
映画『カサブランカ』の考察・評価
さて物語の舞台はモロッコのカサブランカです。アフリカの北端にある国です。1941年の世界はナチスが恐怖を拡散している時です。ヨーロッパに住んでいるユダヤ系の人、反ナチスの人、レジスタンス運動を展開している者たちはアメリカへの亡命を考えています。しかしながらアメリカへ亡命するためにはヨーロッパを縦横弾してアフリカのモロッコに渡ってカサブランカから空路リスボンへ飛ぶ必要があります。リスボンからは船でアメリカへ向かうのです。
でもモロッコからリスボンへ行くためには通行ビザが必要なのです。多くの亡命希望者はビザの順番をカサブランカで待っているのです。ビザの発給を手配しているのがハンフリーボガートなのです。表向きはアメリカンバーをやっています。しかし本当の彼の姿は弱き者を助ける勇敢なる男なのです。いわば「亡命請負人」です。でも先ほど書いたように彼は恋愛に関してはヘナチョコで“痛い男”です。
ある夜、見覚えのある女が彼の店に入ってきました。パリで恋に落ちた女です。結婚の約束もしました。ナチスが迫る中、二人は「逃げよう」と約束しますが、待ち合わせの駅に彼女は現れませんでした。生涯一の恋愛で大失恋し、傷心を抱えてカサブランカにやってきたのがリックです。しかもメソメソと彼女への想いを引きずって生きているのです。その時の女・イルサが入ってきたのですから、心穏やかではいられません。なぜならば男・ビクターと一緒だったからです。ビクターは名の知れたチャコの革命家です。
しかもイルサをビクターは夫婦でした。結婚していたのです。ますますリックは面白くありません。パリでリックとイルサが恋に落ちた時、実はイルサは既婚していたのです。そのことを告げていません。ここなんですよ、ここ!もしイルサがリックに「結婚しいているの」と告げていれば彼はこんなに苦しむ必要はなかったのです。イルサは夫・ビクターがナチスに捕まって処刑されてしまったと思ったのです。悲しむ心の隙間を埋めるようにリックとの恋に身を任せたのです。正直、「貞操観念の希薄な女性」と言ってしまいたいです(事実を知ったリックもそう思ったことでしょう)でも、夫・ビクターは生きていたのです。生きているという知らせが届いたのでリックを捨ててビクターを選んだのです。
そして今はビクターとアメリカへ亡命しようとしています。革命家ですから、ナチスに追われています。イルサはビクターだけでもアメリカへ逃したいと考えています。そしてかつての恋人のリックに取引を持ちかけるのです。「あなたのところにずっといるから」です。リックにとっては願ったり叶ったりです。ようやくイルサを手に入れたリックは無事にビクターをアメリカへ逃がすことができるのでしょうか。と言うお話なんです。
映画『カサブランカ』の結末
最終的にはリックがカッコよく二人を逃します。祝福します。そのイメージがハードボイルドな男を強くしたのではないでしょうか。冒頭にも書きましたが、本映画『カサブランカ』が世界中で大ヒットしたのは間違いなくイングリッド・バーグマンの美貌観たさで映画館に足を運んだからでしょう。そして戦争を舞台にした“障害のある恋愛劇”に我が身を投じることで、悲劇のヒロイン気分を味わえたからです。とても単純なプロットです。現在の映画のように人間関係も展開も複雑ではありません。映画の物語は単純な方が多くの人に受け入れられる時代だったことがわかります。現在、戦争を舞台に恋愛映画を描くのであれば、もっと複雑なプロットが必要になるかもしれませんが、基本は「障害を乗り越えて成就するか否か」だけで良いと思います。本映画『カサブランカ』は戦争恋愛映画の教科書的な作品でした。
映画『カサブランカ』のキャストについて
リック(ハンフリー・ボガート)
イルザ(イングリッド・バーグマン)
ビクター(ポール・ヘンリード)
クロード・レインズ
マルセル・ダリオ
まとめ 映画『カサブランカ』一言で言うと!
「女々しい男」と「美人は優柔不断」
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映画『絶唱(1975)』
若き二人の恋愛を邪魔したのは戦争です
『アメリカン・スナイパー』
狙撃兵って「ヒーロー」なのだろうか?
映画『カサブランカ』の作品情報
映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
製作
ハル・B・ウォリス
監督
マイケル・カーティス
原作
マーレイ・バーネット ジョアン・アリソン
脚本
ジュリアス・J・エプスタイン フィリップ・G・エプスタイン ハワード・コッチ
撮影
アーサー・エディソン
音楽
マックス・スタイナー
リック(ハンフリー・ボガート)
イルザ(イングリッド・バーグマン)
ビクター(ポール・ヘンリード)
クロード・レインズ
マルセル・ダリオ
1942年製作/103分/G/アメリカ
原題:Casablanca